キイィィ･･･ン





千代「･･････っ」



ヘブラスカ「･･･２％･･････１６％･･･３０･･･４１･･･」




読み上げられる数値が、徐々に上がっていく。

それと同時に、頭の中へ何かの記憶が流れ込んでいく。

見たこともない城、何かを歌い･･･巫女のように踊り続ける少女と少年。







そして、あの夢･･･。




―――――ドッ！！





千代「―――――っ！！」





弾丸に貫かれた自分自身の身体が、目の前にはっきりと映った。

･･････いや、正確には自分ではなかった（・・・・・・・・）けれど、感覚は気味が悪いぐらいにリアルで、思わず貫かれたと思う場所へと手を伸ばす。

ドクン、ドクンと脈打つ心臓に、身体が震えた。

あれは･･･このイノセンスの前任者だった人の記憶なのだろうか。

それとも、このイノセンスが記憶したモノなのだろうか。

どちらにせよ、私の結末はそうなってしまうかもしれないという、警告のようなモノだと勝手に解釈するしかないだろう。

そうでもしなきゃ、恐怖が自分を覆い尽くしかねない。





ヘブラスカ「･･････７８％！」





そこで数値は止まり、ヘブラスカの顔も離れていく。





ヘブラスカ「･･････お前の武器とのシンクロ率は７８％･･･それが最高値のようだ」



千代「７８･･･」





少し高めの数値、と言ったところなのかな。





ヘブラスカ「対アクマ武器発動の生命線となる数値･･･シンクロ率が低いほど、発動は困難になり適合者も危険になる･･････」





ヘブラスカはそう説明しながら、私達を乗り物の上へと戻してくれた。



けど。





千代「ぅわっ！？」



ラビ「おっ･･･と、大丈夫さ？」



千代「あ･･･ありがと、ラビ」





何とか自力で立とうとしたけど、力が入らず、倒れかけたところをラビが助けてくれた。





〔千代･･･大丈夫？〕




キツネリス君も、心配そうに私を見て言うから、軽く笑って頭を撫でてあげる。





千代「大丈夫だよ、キツネリス君。心配しなくて良いってばさ？」





それを見ていたリナリーが「千代、この子の言葉が分かるの？」と聞いてきた。