千代「――シュリム（だめ）ッ！！」




もし、私の意志とは関係なく、ただ痛がっている事に反応し、危険だと判断して勝手に動いたんだとしたら･･･。

私を守ろうとしてくれているのはとても嬉しい、けど、それとは違うんだ。

彼女は仲間だ。私達に害なす敵なんかじゃないし、傷つけて良いことにはならない。





千代(お願いだからッ)





そんなのはダメだって、心の中で念じながら叫んだ瞬間、彼らの攻撃が発動される寸前で止まった。

しかも、ヘブラスカに届く数ミリ程度手前と、何ともギリギリな位置。





千代「･･････ハァ･･･ッ、ハァ･･･ッ！」



コムイ「と、止まった･･･？」



ヘブラスカ「･･････そのよう･･･だな。身を守るため、勝手に発動したのか」





二人の声を少し遠くに感じながら、私は安堵の溜め息を付き、キツネリス君をなだめていた。





千代「･･････大丈夫。もう、こわくないよ･･･？」





静かに小さな頭を撫でていると、落ち着いてきたのか、私の方を見てペロペロと頬をなめてくる。





〔もう、怖くない？〕





そう頭の中で問いかけてくるこの子に「うん、怖くない。守ろうとしてくれて、ありがとね」と微笑む。





〔千代･･･ごめん〕





しゅん、と耳を垂らしながら謝ってきたキツネリス君に、私ははにかんだ笑みしかできなかった。

なんか、ものすごく疲れた。疲労感、マジで半端ない。





ヘブラスカ「今の･･･うちに、シンクロ率を･･･」



千代「あ･･････うん」





そういって私の額に、顔を近づけるヘブラスカ。





って顔近っ！？


そしてでかっ！！


私とヘブラスカの額が近付き、そこから光が生まれる。

うん、まあ･･････浮遊感的な感覚に陥るけど、された感じは漫画で見た通りだね。