本当にこれはマズイでしょ。

これで捕まったりでもしたら―――――いや確実に、マジでアレを飲まされる。





千代(まさに、背水の陣というか、なんというかだってばさね･･････)





それは良いんだけど、じりじりと詰め寄って来るこの三人から、どうやって逃げたらいいの･･････。





千代「･･･キツネリス君。ちょっと辛いかも知れないけど、服の中に隠れてくれる？」



〔え？･･･うん、分かった〕





キツネリス君が、私の服の中へ入り込むのを見て、逃げる策を考えるため、頭をフル回転させる。



前を向けば、黒い顔をしたリナリー。




後ろには･･････にこにこと笑っているラビと、鬼のような形相をしている神田。





千代「･･･キツネさん、ここまで連れてってくれてありがとうだってばさ。おかげで助かったよ」





この状況で、一体どこから――――









彼らを巻いていけるのか･･････？

いや･･････捕まるオチは見え見えなんだけど、それでも逃げるしかない。それしか今のところ持ち合わせてない。





千代(･･････最悪、空でも飛べたらいいのに･･･)











････････空を････････？


咄嗟に思ったことを自問自答する。

そうだ。

空を飛べさえすれば、リナリーの黒い靴（ダークブーツ）があったとしても、少なくとも･･････逃げられる可能性はあるんじゃないだろうか。

まあ、一か八かの橋だけど、やってみて損はないでしょ。






千代(･･････そう、か。その手があったじゃん)



リナリー「さぁ、千代。行きましょう？」





手を伸ばしてくるリナリーに冷や汗を流しながら、クスッと笑う。





千代「･･････ふふっ、私を―――――――――――」







私を――――



あんまりナメない方が良いってばさ！！







私は、キツネさんの背の上に立ち、思いっきり指笛を吹く。


すると、大きなコンドルのような鳥が現れ、その鳥が近くまで来た途端、私は飛んだ。





リナリー・神田・ラビ「「「な･･････っ！？」」」





頭とか、体力的には弱いけど、こう言った事なら自信はある。

ていうか、昔からそうだったしね。

鳥の足を掴んで、上をパラグライダーのように飛んで行く私を、彼らはただ呆然としてみていた。