少しだけムッとなるけど、でも確かにそうだよね。

いきなり異世界から来ましたって言っても、『はい、そうですか』って納得する訳無いもの。





千代(あ、でも。あの事を言えば、信じてくれるかな？)





少しかじっただけだけど、Ｄグレのキャラブックに載っていたことを言えば、さすがの神田でも納得しざるを得ないでしょ？





千代「ねえ、神田」



神田「あ？」





「なんだよ」という顔で、私を見やる。

私はあんまりコミュニケーションとか、そういうの得意じゃないから、なんて言ったらいいのか分かんないけど。



やれるだけやってみなきゃ。





千代「今から･･･さ。神田のこと、私が見事当てることが出来たら、信じてくれる？」



神田「あ？俺のことを？」



千代「うん」





自信なんて･･････もうとう無いけど、私が本当に異世界から来たんだってこと、証明しなきゃ。





千代(昔の私だったら、こんなこと無理だったな)






あいつに―――







――和真に会うまでの自分なんて、ただの引っ込み思案なだけだったから。

深く深呼吸をして、キッと神田を見上げる。





千代「えっと、神田ユウ。出身国は･･･私と同じ日本で、それから･･･」





一つ、また一つと彼のことを当てていく。

その度に、神田の表情が、驚きへと変わっていく。