一人で叫んでいたら、ラビが来た。

どうやら困っているみたいだけど、何言ってんのかさっぱり分からん。





ラビ「んー･･･、何語喋っていんのか、分からないさぁ･･････」





･･････えっと、英語･･･だよね？たぶん☆←



英語とか、私苦手だから分かんないや。





ラビ「どうすればいいんさ？マジわかんねー」





頭を抱えながら、何かを悩んでいる様子のラビたん。

たぶん、あっちも私が何を言っているのか分からないから理解しかねているんだと思うんだけど、どうもその様子がとても可愛すぎる。

やばい、可愛い。なんか、ウサ耳とかが見えてきた。





千代(お持ち帰りしたいな･･････)





そんな事を思ってしまい、ハッと我に返る。

いやいやいや、それは出来ないって。

私が頭の中で妄想に浸っていると、ちょうど何かを思いついたらしい。





ラビ「と、とりあえず、コムイに聞けば分かるかもしんねぇさっ！！」





口の動きでは、多分「ほら、行くさ？」とか何とか言っているのかな？

全然英語が分からないから、ホントにそうなのかも分からない。

首をかしげて困ってたら、いきなり手を差し伸べてくれた。





千代「――――っ！！！」





その動作が、忘れてしまいたかった記憶を全部じゃないけど、思い出してしまった。

思わずその手に怯えていると、ラビは少しキョトンとした顔になったけど、暫くしてふにゃりと笑って私の手を握ってくれた。





ラビ「･･････大丈夫さよ、怖がらなくても」





「な」と言っているような笑顔を向けて、再び私の頭を優しく撫でてくれた彼に、私は少しだけ･･････はにかんだ笑顔を見せて頷いてみせた。


心臓がどくどくと早鐘を打つ。


あの時彼らと出会わなければ･･････そんなことが頭をよぎる。











千代(･･････あなたの、せいなの･･････？)














―――――――これは異世界より呼び込まれた･･････複雑に絡み合った因縁を持つとある少女の物語。


第二の人生として動き出した天秤は、聖なる導き手となるか、それとも破滅を願う者となるか･･････それは神のみぞ知る。