第八章 巻き戻しの街
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そんな2人の隙間から、ひょっこりとのぞき見る。
千代「10月………9日、だね」
リナリー・アレン「「そっか………」」
これだけで変わるなら、苦労しないと言うことだろうか。
リナリー「もう一度、始めから考え直してみよっか………」
………………というわけで、三日後───────
34回目の10月9日。
アレン「はーい、いらっしゃい、いらっしゃい」
わあぁ、と子供達が集まる中、様々な模様のボールや玩具のナイフ、トランプなどがポンポンと宙を舞う。
カボチャの顔をかぶったアレンと、魔女衣装となったミランダが、チラシ配りをしていた。
アレン「ピーテル劇場のホラー演劇【カボチャと魔女】は本日公演~ん♪」
ミランダ「チケット、いかがですか~?」
目を輝かせながら、もっともっととせがむ子供達のリクエストに応えるアレンや、笑顔よく配っているミランダを少し遠目に見守る。
千代(…………今のところ、音沙汰無し……かな?)
結構順調にやってる彼女を見て、少し頬がゆるんだけど、それでも、アクマ達が出てこない可能性がないわけじゃないから、気が気でない。
サーカス団団長「ごくろーさん、ごくろーさん。休憩していいよ」
わははは、と笑う団長に褒められているアレン達を遠目に見守る。
サーカス団団長「イイよ、君達!チケットの売れ行きも好調だ。
売り上げ良かったら、正社員にしてあげるよ」
気前よく喋る団長に、「ホントですか!?」とアレンが言うと、同じようにチケット配りをしていたリナリーに呼び出され、ミランダが1人取り残される。
千代「どう?ミランダ、今のところ順調かな?」
ミランダ「あら、千代ちゃん」
徐々に上手くいっていることがとても嬉しいのか、意気揚々と笑いながら「これも3人のおかげよ」とお礼を言ってきた。
千代「ふふっ、それは良かった。たぶん何もないと思うけど、私はまた偵察に行ってくるから、何かあったら叫んで?」
「私、これでも耳がいいから、すぐに駆けつけるわ」と彼女を置いてアクマ達の声を聞こうとイノセンスを少しだけ解放する。
勿論、ミランダ達の声も聞こえるから彼女にはああ言ったけれど、尋常じゃないくらいの数のアクマがうようよいすぎて的が絞りきれずにいる。
千代(…………一体、どういう事なの)
いくら、このイノセンス現象内で囲まれたとは言え、さすがに多すぎる。
もしかして、別の目的が………?
─────── 何だと!!! 売り上げ金をスリに盗られただと!? ───────
千代「!!!」
不意に聞こえてきた声に、すぐさまミランダの元へ駆け寄ると、泣きじゃくる彼女とスリの犯人を追いかけに行ったリナリーとアレンの姿があった。
千代「ミランダ!!」
ミランダ「うっ、うう……っ………千代ちゃん……、私…っ」
千代「大丈夫、大丈夫だから」
サーカス団団長「役立たず」
必死に彼女を落ち着かせようと宥めていると、冷ややかな視線を一斉に彼女へ向け、その言葉を投げかける。
千代「!!………ちょっと、そんな言い方は…っ」
ミランダ「………っ、何で私ばっかりこうなのよ……………何で私の時計がイノセンスなのよ………っ!!
何で、私は………」
────── クスクス……、やぁっとみつけた ──────
千代「っ!ミランダ、立って!!」
もう我慢ならないとばかりに、泣きながらそう言う彼女を近くで見ながら、クスクスと子供のように笑う………聞き覚えのある少女の声が聞こえ、座り込む彼女の腕を掴む。
まずい、ここで彼女に捕まればミランダがひどい目に遭う。
何がなんでもそれを回避したかった私より先に、可愛らしい声が聞こえた。
少女「あんたの時計が、イノセンスなんだぁ」
いつの間に近づいてきたのか、ミランダの顔を覗き込む彼女を、苦虫を噛み潰したように睨み付ける。
千代「────っ、ロード………っ」
ロード「クスクス………すごーい、名乗ってもないのに、分かるんだ?
さすが………って────……逃げ足早ぁ」
ニィッと笑う彼女に背を向け、私は動けずにいるミランダを素早く担いでなるべく距離を置く。
あの場所で戦うのも、さすがに他の人達を巻き込んでしまう………それなら、なるべく人目の避けた場所へ向かうしかない。
ロード「………あーらら、逃げられちゃった……。
ふふ、………オニゴッコかな……?」
千代(どのみち……彼女からは逃れられないのはわかってるから。
ビーストリング転換 ────大豹の俊足 ッ)
ミランダ「っ、千代、ちゃん!?」
急に指輪が光り、その光によって創られた靴を纏った途端、グンッと引っ張られるような速さに驚いたのか、怯えた様子で私の名を呼ぶミランダに「喋ると舌を噛むよ」と答える。
あともう少ししたら、人目のない場所に辿り着く、そこでなら、彼らが来るまでの時間稼ぎくらいは出来るかもしれない。
千代(あと……あと、もう少しで)
せめて………せめてものの抵抗を………ッ─────
ロード「ふふっ………つーかまえった♪」
千代「!?」
近くで聞こえる彼女の声に、びっくりした私は即座に急停止する。
突然だったからか、地面にガガガッと擦れる跡をつくりながら、目の前にゆっくりと傘に乗って降りてくるその少女を睨み付ける。
千代「10月………9日、だね」
リナリー・アレン「「そっか………」」
これだけで変わるなら、苦労しないと言うことだろうか。
リナリー「もう一度、始めから考え直してみよっか………」
………………というわけで、三日後───────
34回目の10月9日。
アレン「はーい、いらっしゃい、いらっしゃい」
わあぁ、と子供達が集まる中、様々な模様のボールや玩具のナイフ、トランプなどがポンポンと宙を舞う。
カボチャの顔をかぶったアレンと、魔女衣装となったミランダが、チラシ配りをしていた。
アレン「ピーテル劇場のホラー演劇【カボチャと魔女】は本日公演~ん♪」
ミランダ「チケット、いかがですか~?」
目を輝かせながら、もっともっととせがむ子供達のリクエストに応えるアレンや、笑顔よく配っているミランダを少し遠目に見守る。
千代(…………今のところ、音沙汰無し……かな?)
結構順調にやってる彼女を見て、少し頬がゆるんだけど、それでも、アクマ達が出てこない可能性がないわけじゃないから、気が気でない。
サーカス団団長「ごくろーさん、ごくろーさん。休憩していいよ」
わははは、と笑う団長に褒められているアレン達を遠目に見守る。
サーカス団団長「イイよ、君達!チケットの売れ行きも好調だ。
売り上げ良かったら、正社員にしてあげるよ」
気前よく喋る団長に、「ホントですか!?」とアレンが言うと、同じようにチケット配りをしていたリナリーに呼び出され、ミランダが1人取り残される。
千代「どう?ミランダ、今のところ順調かな?」
ミランダ「あら、千代ちゃん」
徐々に上手くいっていることがとても嬉しいのか、意気揚々と笑いながら「これも3人のおかげよ」とお礼を言ってきた。
千代「ふふっ、それは良かった。たぶん何もないと思うけど、私はまた偵察に行ってくるから、何かあったら叫んで?」
「私、これでも耳がいいから、すぐに駆けつけるわ」と彼女を置いてアクマ達の声を聞こうとイノセンスを少しだけ解放する。
勿論、ミランダ達の声も聞こえるから彼女にはああ言ったけれど、尋常じゃないくらいの数のアクマがうようよいすぎて的が絞りきれずにいる。
千代(…………一体、どういう事なの)
いくら、このイノセンス現象内で囲まれたとは言え、さすがに多すぎる。
もしかして、別の目的が………?
─────── 何だと!!! 売り上げ金をスリに盗られただと!? ───────
千代「!!!」
不意に聞こえてきた声に、すぐさまミランダの元へ駆け寄ると、泣きじゃくる彼女とスリの犯人を追いかけに行ったリナリーとアレンの姿があった。
千代「ミランダ!!」
ミランダ「うっ、うう……っ………千代ちゃん……、私…っ」
千代「大丈夫、大丈夫だから」
サーカス団団長「役立たず」
必死に彼女を落ち着かせようと宥めていると、冷ややかな視線を一斉に彼女へ向け、その言葉を投げかける。
千代「!!………ちょっと、そんな言い方は…っ」
ミランダ「………っ、何で私ばっかりこうなのよ……………何で私の時計がイノセンスなのよ………っ!!
何で、私は………」
────── クスクス……、やぁっとみつけた ──────
千代「っ!ミランダ、立って!!」
もう我慢ならないとばかりに、泣きながらそう言う彼女を近くで見ながら、クスクスと子供のように笑う………聞き覚えのある少女の声が聞こえ、座り込む彼女の腕を掴む。
まずい、ここで彼女に捕まればミランダがひどい目に遭う。
何がなんでもそれを回避したかった私より先に、可愛らしい声が聞こえた。
少女「あんたの時計が、イノセンスなんだぁ」
いつの間に近づいてきたのか、ミランダの顔を覗き込む彼女を、苦虫を噛み潰したように睨み付ける。
千代「────っ、ロード………っ」
ロード「クスクス………すごーい、名乗ってもないのに、分かるんだ?
さすが………って────……逃げ足早ぁ」
ニィッと笑う彼女に背を向け、私は動けずにいるミランダを素早く担いでなるべく距離を置く。
あの場所で戦うのも、さすがに他の人達を巻き込んでしまう………それなら、なるべく人目の避けた場所へ向かうしかない。
ロード「………あーらら、逃げられちゃった……。
ふふ、………オニゴッコかな……?」
千代(どのみち……彼女からは逃れられないのはわかってるから。
ビーストリング
ミランダ「っ、千代、ちゃん!?」
急に指輪が光り、その光によって創られた靴を纏った途端、グンッと引っ張られるような速さに驚いたのか、怯えた様子で私の名を呼ぶミランダに「喋ると舌を噛むよ」と答える。
あともう少ししたら、人目のない場所に辿り着く、そこでなら、彼らが来るまでの時間稼ぎくらいは出来るかもしれない。
千代(あと……あと、もう少しで)
せめて………せめてものの抵抗を………ッ─────
ロード「ふふっ………つーかまえった♪」
千代「!?」
近くで聞こえる彼女の声に、びっくりした私は即座に急停止する。
突然だったからか、地面にガガガッと擦れる跡をつくりながら、目の前にゆっくりと傘に乗って降りてくるその少女を睨み付ける。