主人公は女性です
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『お?
あれかな……?』
見えたのは空に浮かぶ椅子に座っている男性とその人の少し前に立つ男性
そしてデカイペリカン
よく見るとペリカンには雨の炎が灯っている
さてと……ミルフィオーレに正体がバレないようにしないと……
私は気づかれないように地上におり、猫もどきに変身する
久しぶりに変身したような気がするが……まあ、いいか!
走ること数分
『にゃにゃ(ベルとフラン見っけ)』
「ネコ?」
『にゃ(あ、隊員もいた)』
「おい、ここは危ないからあっちにいけ!」
「ちょっとまて…!
このネコの目を見てみろ!」
「目?」
「ん?」
「!!」
『にゃー…(ねぇ、はやく通してくれないかな…)』
「「「「ど、どうぞお通りください、リナ様!!」」」」
『にゃ(ありがとう)』
「あれが噂の…」
「リナネコ様…」
「やっぱ魔女なんだな……」
「あの六の目……怖いな……」
「「「そうだな……」」」
『にゃ(さてと……)』
私は木陰に隠れて人に戻る
『ここからならサポート出来るな……
まずは……』
スッと内ポケットから杖を取り出しベルとフランに向ける
『プロテゴ 』
「!」
「ベルセンパイ?」
「姫の魔法だ
姫がサポートしてる」
「へー
これが魔法……
いい体験をしましたー」
『よし、次は……ん?』
ここまで近づいて敵の顔が確認できた
椅子に座っていたのはベルと同じ顔で同じティアラをつけた男性でその前にいたのはスキンヘッドで難いがよく、スーツを着た男性
「残念なお知らせがありますー」
「聞こえたっての
ハナから誰にも頼んじゃいねーし」
「ちぇっ
任務だから連絡したのによー
ベルセンパイの死んだはずの双子の兄貴が6弔花だってー
南に来たってー」
へぇ……6弔花の1人はベルの兄か……
しかも死んだはずの兄……
白蘭のやつ、何かしたなこれは……
「それにやり残したことはしっかり自分で清算してやるぜ」
「ししっ
それはこっちのセリフだぜ
失敗作の弟ちゃん
きっちりここで、片つけてやるよ」
「ベル様
ご覚悟ください」
スキンヘッドの男がリングの雨属性の炎を灯す
「となるとミーがあのゴツ執事の相手ですねー」
え?
あのスキンヘッド、執事なの!?
「おめーはジャマすんな、カエル」
「任務だから仕方ないですよー
王子(仮)」
「(仮)とかつけんな」
(仮)ってw
やっぱフランは最高の毒舌使いだわw
「え~~っと」
カチャカチャとフランは右ポケットを探り、リングと匣を取り出した
「……!
あれはヘルリング!!」
ヘルリング?
呪いのリング…ってことかな…?
さすが骸の弟子……
「ほー
さすがボンゴレが誇る最強部隊じゃん
まっ、どーせ、ここで消えるんだけどなっ」
双子の兄の手には匣兵器
「それはないと思いますよー
どーせ、あんた、ベルセンパイに毛がはえた程度でしょ?」
「……ベル
何そいつ?」
兄貴イラついてますねー
「カワイクないコーハイ」
「愚か者め
格の違いを知るがいい
それではいざ……」
「「「「開匣!!」」」」
カチッ
ドシュッ
4人が同時に開匣し、最初に出てきたのは……
嵐属性のミンク(ベル所有)と嵐属性のコウモリ(双子の兄所有)
双子はお互いの匣兵器をけなし、それからすぐに雨属性の象(執事所有)が出てきた
巨大な象は匣から出たと同時にベルとフランに雨の炎をぶつける
雨属性の性質は【鎮静】
食らえば行動は鈍化するだろう
まあ、そこはヴァリアークオリティ
ベルの嵐ミンクがしっぽをぶんまわして炎の盾を作り攻撃を防いだ
ちなみにフランはポーズが決まらず開けれなかったらしい……
これは……大丈夫なのか…?
いや、大丈夫じゃない…!
「……!!」
ドッという音と共に頭の穴という穴から血を吹き出すベル
「ギイッ」
ブシャアッ
同じく嵐ミンクも血を吹き出した
「センパイ……!?」
ドンッ
ベル、ミンクに続いてフランも血を吹き出す
『!!?
ベル、フラン!!
間に合え…!
エピスキー !』
私は木から落下する二人に向けて治癒魔法を当てる
ん?ベルしか手応えがない…
ってことは……
チャキッ
ボッ
『フラン…
生きてるんなら私の力も使って最高のやつを作りなよ!』
ザンッ
私はリングに炎を灯し三叉の槍に炎を移し槍の先を地面に刺す
「しししっ
戦争だぜ
ヨーイドンで戦うとでも思ってんのか?」
よし、相手は幻覚だと気づいてない
「コウモリが超音波を反響させて物体の位置を把握すんのは有名な話だが、嵐コウモリ は音波のかわりに目に見えない特殊な嵐の炎を放射してんのよ
炎の8割は反射せずに物体に吸収され、炎を浴びた奴は嵐属性の“破壊”力によってドカ~ン!!」
『なるほどね……』
「が……あ゛……
くっ……」
しっかし……ベルのやられ姿めっちゃリアルだな……
さすが骸の弟子……
「う゛……ジ…ル……」
「散れよ」
双子の兄は最後まで幻覚だとは気付かず幻覚の弟に止めを刺した
そして助けに来たヴァリアー隊三人は執事の匣、巨大な象によって踏み潰され絶命した……のは嘘で私が彼らの幻覚を作って騙した
「あ゛っあ゛っあ゛~!!
ケッサクだな!!
ヴァリアーよえー!!」
「所詮、旧態依然の不良集団ですからな
このまま一気に城を落とすのが吉かと」
「しししっ、そーだなっ
お前、やっていいぞ」
「では」
カカッ
執事はさらに2つの匣を開ける
出てきたのは2頭の象
そして双子の兄と執事はヴァリアーの城に向かった
『…これはヤバいな……
スクアーロに知らせないと……』
スッ
私は杖先を空に向ける
『ルーモス・マキシマ !!』
これで気付いてくれるといいけど……
『ベル、フラン~
あいつら行ったよ~』
その言葉と同時に幻覚の死体が霧のように霧散した
ズボッ
「げほっ」
ドボッ
「ふー」
そう言いながら地面から出てくる二人
「霧の幻覚か?」
「当たりでーす」
プッと砂利を吐き出すフラン
ほぼ生き埋めに近い状態で地中に隠れてたからな……
「ミー達、目玉ボンッ!!っとか飛び出して相当スプラッタな死に様だったと思いますよ」
「てんめー
戦えよっ!!」
ガキッ
「ゲロッ」
うわっおもいっきりフランを蹴りやがった……
『ちょっと、ベル……
あんたはケガ人なんだからちょっとは大人しくしなよ』
「姫じゃん
防御魔法と治癒魔法サンキュー
お陰で死なずにすんだ」
『それはよかった
私の部下がフランの内線をキャッチしたから、すぐ駆けつけることができたよ
でも匣の力が分からなかったからベルには攻撃食らっちゃったし……
まさか内側からだとは……』
「そうですよー
それに仕方ないじゃないですかー
実際センパイ、コウモリの炎喰らってグロッキーだったんですしー」
「てめーが匣兵器出さねーからだろが」
「ミーのせいですかー?」
「ったりめーだろ!!」
『ねえ、フラン
なんで出さなかったの?
出しとけば攻撃を当てれたはずだけど……?』
「…………まーいいですけどー
正直、見てみたいと思ったのは確かですしー」
「?」
『何を?』
「怒りんぼのうちのボスですよ
ヴァリアー内暴力すさまじいし、いつも威張ってるけど、本当に強いのかなーって思うんですー」
「弱かったらオレがとっくに寝首かいてるっての」
『フラン、君は私にけんかを売ってるのかな……?』
「そんなわけないじゃないですかー
ただ単に、ベルセンパイのアホ兄貴とどっちが強いか見てみたいじゃないですかー」
『ん……?』
「うーん……」
兄様とベルの兄貴とのバトル……
10年経った兄様のバトル……
『見てみたい……!』
「ししっ同感♪」
『んじゃ私は先に行くねー』
カチッ
私はフレイムシューズの匣を開ける
「なっ!?
お前その匣!!」
「ミルフィオーレが作った飛行アイテムですねー」
『最初は箒にしようかなって思ったけど場所が場所だからこれを貰った
あ、奪った匣は私の部隊の人間が使ってるよー
ってことでお先にー!』
ボッ
私はフレイムシューズに炎を灯して城に向かう
ドン
『!!』
城がある方角から爆発音……
もう始まったのか…
兄様だから殺られることはないかもしれないけど、嵐コウモリの攻撃は厄介だからな……
加勢に行くか……
ボッ
私はフレイムシューズが壊れない程度の出力で急いで城に向かった
飛ぶこと数分
「GAOOOO!!」
大きな咆哮と共に2体の巨大な象が消し飛んだ
声的にはライオン
虹ライオン 以外にもライオンシリーズがいたんだ……
って、こんな近くにいたらライオンの攻撃を私も喰らっちゃう
下に降りて城の瓦礫に隠れるか……
「てめぇらは、本気でオレ達を怒らせた」
あ…この声は兄様……
よかった…無事だった…
「!!
な…なんだ?
顔中アザだらけだぜ…」
アザ?
あぁ…兄様、ぶちギレたんだ……
兄様がぶちギレるなんて、あの大空戦以来なんじゃ……
だとしたら執事かベルの兄貴のどちらかが地雷を踏んだな
二人とも御愁傷様
ああ……ぶちギレた兄貴を近くで見たい
あと兄様の匣兵器を近くで見たい
よし、おもいっきり近くに行こう
猫の姿になって……
そうしたら兄様の邪魔にはならない
チャリ……
私はヴァリアーリングをチェーンで封印して猫擬きになる
『にゃっ(これでよし)』
私は敵に気付かれないように瓦礫を利用して兄様の左側にある大きな瓦礫の裏に移動する
『にゃ…(あれが…兄様の匣…)』
瓦礫の隙間から見えたのはトラ模様のライオン……
「ベスターはライオンでもトラでもねぇ……」
「!?」
「雑種 が劣ると誰が決めた?」
「!?
雑種なのか…!?
だがライオンの雑種など…」
雑種、ね……
「まれにライオンのオスとトラのメスとの異種交配によりライガーと呼ばれる混血の子供が生まれるという……
ま……まさか……
調和と分解……
二種の属性を持つこの匣兵器は……」
調和と分解…大空と嵐か……
兄様、すごいな
「天空嵐ライガー !!!」
種類の名前もカッコいいな!
「バカな!!」
しかし…執事のやつ驚きすぎだろ……
死ぬ気の炎の亜種の炎を持つ兄様だからできる……でいいじゃん
「ベスター」
兄様の声にベスターは伏せをして匣に戻った
「次にこいつが開匣された時がてめーらの最後だ」
「!」
「だが死に様ぐらい選ばせてやる
楽に死にたければ白蘭のカスをここへ呼べ」
「!」
「!!」
「おいおいおいおい
随分、調子にのってんじゃん」
いいえ、これが兄様ですよ
ベルの兄貴さん
「よーく考えてみろ
わざわざお前ごときに白蘭様がお動きになると思うのか?」
誘導ですよ?
「……と言いたいところだか、お前は運のいい男だ
ちょうど白蘭様への定時報告の時間だ
特別に白蘭様と話をつけてやらないでもないぜ…」
あなたが攻撃しようとしているのはバレてます
いくらボンゴレボスの実子ではなくても育った環境と経験で超直感に近い直感力を兄様は持ってる
そして私が与えた虹の加護も機能している
嘘をつくならもう少しまともな嘘をつけよ
「もちろん話す内容は……
お前の死についてだ!!!『プロテゴ !』」
私はベルの兄貴が言い終わると同時に変身を解き兄様に呪文を当てる
ボゴアッ
呪文が当たったと同時に全方位から嵐コウモリの超音波ならぬ超炎波攻撃
ベルの兄貴は気づいてない
「あ゛は~最速最大炎圧だ!!
気づいた時にはもう遅……」
ドウッという音と炎と共に嵐コウモリが破壊された
「!!」
炎でわかった
これは兄様の狙撃だ
砂煙でこっちからは見にくいが、わかる
「なあ゛!?
オレの嵐コウモリが!!」
どうやら嵐コウモリ全てが破壊されたみたいだ
さすが兄様……
10年でまた強くなってる
そういや兄様……戦闘力や憤怒の炎はそうだけど10年経つとさらに迫力や面構えがボンゴレⅡ世 に似てるんだよな……
ん……?
ちょっとまて……?
私って2代目に会ったことあったっけ……?
2代目ってかなり昔の人物だよね……?
そういや……歴代ボスの容姿とか戦い方とかなぜか記憶にあるんだけど……
えっ……?
こわっ!!
今まで気にしてなかったけど今思ったらめっちゃこわっ!!
「…………
交渉決裂だな……
それ相応の死をくれてやる」
ボオオオオ……
『!!』
すげぇ炎……
ありがとう兄様……今はいらない思考だった……
ってかヴァリアーリングってあんなに炎を出しても壊れないんだ…
すごい……
「オルゲルト
なーにつっ立ってんだ!!
さっさと体張って盾になれよ!!」
「無論です!!」
そう言って執事はベルの兄貴の前に立ち雨ペリカンを出す
雨ペリカンから放たれる大量の雨の炎で壁を作る
多分あれで最大出力だろう
「笑止」
兄様はそう言って匣に炎を注入する
こっからだとよく見える
リングから放たれる大空のオレンジと憤怒の炎である赤みがかったオレンジの炎……
これがライガーを作った理由
匣から出たライガーは最大出力の咆哮を相手に喰らわす
執事とペリカンは一瞬で石化しドンッという音とともに消し飛んだ
一瞬思考が停止した
人間が肉片ひとつも残さず消し飛んだってことに……
あ、そうか…石化は大空の属性による城との【調和】の力で消し飛んだのは嵐属性に変換された憤怒の炎による【分解】の力ってやつか…
「!!
あ…足が…!!」
ああ…ベルの兄貴も喰らってたんだ……
どうやらじわじわと足から石化しているようだ
「おいドカス
王子は座したまま戦うんじゃなかったのか?」
「くっ(ム…ムリだ!!
勝ち目がねえ!!)」
あー…そういやずっとイスに座ってたな、ベルの兄貴……
「おっ落ち着け!!
白蘭様と話をつけてやる!!
お前の望みはわかってるんだ!!」
命乞いか……
まあ、勝てないってわかったら誰もがそうするか……
「お前が欲しいのはボンゴレボスの座なんだろ!?」
その言い方、何かむかつくな……
「お前、沢田綱吉のこと、憎くてしょーがないんだろ?
だから今は亡き9代目直属なんて##RUBY#謳#うた##ってる!!
そりゃそーだ!!
ボンゴレ10代目の座を奪われたんだからな!!
オレの力をもってすれば、憎き沢田を倒し、お前がボンゴレのボスになれるぜ!!
正確にはミルフィオーレボンゴレ支部だ!!
オレが白蘭様にお前をミルフィオーレ幹部として迎えるようとりはからってやる!!」
誰かの下につくのが嫌な兄様にそんな事いうなんて…
死んだな、ベルの兄貴…
「白蘭様は寛大な方だ!!
沢田綱吉を倒した後は今のボンゴレと同等!
いや、それ以上の戦力を手に入れることも夢じゃねーぜ
ししし、どーだ!!
最高だろ!!」
「ドカスが
オレが欲しいのは最強のボンゴレだけだ
カスの下につくなど、よりヘドがでる」
「な゛…あ゛…?」
あ……もう石化が首まできたのか……
急に口数が減った理由に納得したわ
「10年前の沢田綱吉を生かしているのも殺せねえからじゃねぇ
ボンゴレファミリーは最強でなくてはならないからだ」
ベルの兄貴にはわからないだろうね……
「内部にどのような抗争があろうと、外部のドカスによる攻撃を受けた非常時においては……」
キュアアアアアと兄様は拳銃に炎をチャージする
「ボンゴレは常に……」
ギャウッと拳銃から憤怒の炎が放たれたと同時にベルの兄貴は石化し…
「一つ!!!」
兄様が言い終わると同時に炎の弾丸が着弾し、消し飛んだ
この光はスクアーロ達にも届いただろう
「おい、リナ…
隠れてないで出てこい」
兄様は私が隠れている方を向いて言う
『何でわかったの…?』
「オレを誰だと思ってる……
気配は消していても、お前があのドカスらの後に入ってきたのは知っていた」
『バレてたか……』
「まあ魔法のサポートは助かった
ありがとうな」
『!』
「あんらー?」
『ん?
この声は…ルッス?
あれ……?』
「!!
みないで!
あたしの素顔をー!!!」
そう言って目元を右腕で隠すルッスーリア
一瞬だったがメガネをつけてないルッスの素顔を見た
『ご、ごめん……!
あ、ルッスの探してるのはこれじゃない?』
私はルッスの足元にあるメガネを拾い、渡す
「ん?
あ、それよ!
ありがとー」
ルッスはそう言って左手でメガネを受け取り、下を向いてメガネを装着した
「見えるわー!」
『それは良かった』
「まぁ…ボスったらハデに遊んだみたいね……」
これを遊んだっていえるルッスがすごい……
『そう言えば兄様』
「なんだ」
『日本にいる沢田らにこちらの状況を伝えないといけないのでは?
兄様が6弔花を倒したんですし……』
「……ルッス、お前に任せた」
「わかったわー」
そう言ってルッスは耳につけている無線に手を伸ばし通信を始めた
「ご報告します!!!」
『ん?
あ、君たちか……』
走って城に戻ってきたのは私の部隊の人間って言ってたロンとその仲間たち
「ご報告します!
ミルフィオーレの部隊が撤退を始めました!」
『そう……』
「これは我々の勝r「いいや……ただの小休止だよ」」
『!!』
突然聞こえた男の声
出どころはベルの兄貴がいた場所の真下にある瓦礫から
ブゥン…という音と共に白髪で三白眼で左目の下には三つ爪のマークがある男性が現れた
「イタリアの主力戦も日本のメローネ基地もすんごい楽しかった」
「(立体映像 …)」
「ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当、有意義だったよね」
「(…前哨戦?)」
「メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技をする正チャンも面白かったなぁ」
日本とも通信してるのか……
「確かにこの戦いを逆に利用して敵に寝返る計画はよくできていたし、正直、ボンゴレと手を組むなんて思ってなかったけど、正チャンがいつか敵になるのは想定の範囲内だったからね
だって昔からずーっと正チャン、僕のすることなすこといつも否定的な目で見てたもん」
うん、そんな反応してたら誰だって警戒するし、結末も予想できるわ
「ほーらきた
まあ好きにすればいいよ
どちらが正しいかは今にわかるし」
『貴方が……白蘭……』
「おや?
そこにいるのはボクの婚約者 ……リナじゃないか!
まあ、10年前のだけど……
でも、おかしいな…
君は今もボクのとなりにいるのに……」
「!!!
入れ替わってなかったのか……!?」
『え……?』
「不思議だね……
やっぱり特別な虹のアルコバレーノだから同一人物が同じ時間軸に二人も存在出来るのかな…?
でも……しっかし、正チャンもつくづくもの好きだよね
まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに世界の命運を預けちゃうなんてさ」
世界の命運……?
え……?
沢田が負けたらこの世界が終わる……?
「本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入して、ボンゴレを消して過去の虹を連れ去るのは簡単なんだ
でも、ここまで楽しませてもらったのは確かだし…
それに信頼していた副官に裏切られたとあっちゃ、リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?」
こいつ…未来の私だけじゃなくて私も手に入れようとしてる……?
「だから、そろそろちゃんとやろーと思って
沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕の率いるミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね」
『正式な力比べ……?』
「もちろん、7³(トゥリニセッテ)と虹をかけて
時期的にもぴったりなんだ
正チャンやこの古い世界とのお別れ会と新世界を祝うセレモニーにさ♪」
『古い世界を新世界にって……
そんな事簡単にできるわけない』
「!
過去のリナは正チャンと同じことを言うんだ……」
『だってそうでしょ?
このイタリアには1人、日本のメローネには4人…マーレリングの保持者がいる
でもイタリアにいた嵐のマーレリングの保持者は死んだ
リングは保持者がいなければ正常に機能しない
たとえ、特別な虹である私でも欠けた属性の役割だけを果たすことは出来ない
新世界を作るにもあんたは積んでる』
「ふーん
ま、それが本物ならね」
『!
まさか……』
私は急いでベルの兄貴が持っていた嵐のマーレリングのところに向かう
ピシッという音とともにマーレリングは楕円の石だけを残して粉々に砕けた
『うそ……』
あり得ない……
あの日……ルーチェやアリアさんの部下達がつけてたあのリング……マーレリングは本物だった……
いつ変えられた?
この偽物と……
まさか……ジッリョネロがミルフィオーレになったとき……?
くそ…!
統合しても本物のマーレリングが使われると過信した私がばかだった
それに……7³であるマーレリングの精巧な偽物が作れるなんて……
未来の技術をなめてた……
「ふふ……
どうやら過去のリナも騙せたみたいだね
どう?驚いた?
それもねランクAのスゲー石で出来てるの
でもね、7³はもっと特別なの
過去のリナはジッリョネロ時代の本物マーレリングを見てたから、この統合されたミルフィオーレでも過去の保持者がそのまま本物を引き継いでいると勘違いしたんだよね
それに……7³の偽物なんてないって……」
『!!』
「図星だね
まあ、しかたないよ
君は過去の人間だ
10年経てば変わることもある
とくにこの世界はね……
あ、話を戻さないとね……?
正チャンがうるさいから……
悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ
正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど、もう敵同士だからいいよね」
ヒュッと白蘭の背後に現れたのは映像モニター
「紹介するね」
『!』
「彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者とミルフィオーレの虹……真 7弔花だよ♪」
『あれが……未来の私……』
画面に映っていたのはアルコバレーノになる前の姿をした私
だが、瞳に生気がない
いや違う………ホグワーツにいた時に見たことがある……
強力な忘却呪文を受けた人物がしていたあの目だ……
その他には復讐者 の牢獄に繋がれた人間、無精髭を生やした男、眠っている少女、仮面を被った人間、顔に傷がある男、髪を一つに結びイヤーカフをつけた男が映っていた
「彼らこそが僕が新世界を創るために選んだ……
真のマーレリング保持者 にして、僕の本当の守護者達だよ」
『本当の守護者ね……』
「そうだよ
過去の君も僕の婚約者であり僕の守護者だ
このまま虹のボンゴレリングを持って僕のところに来てくれたら嬉しいんだけどね」
ニッコリと私に微笑む白蘭
悪意が滲み出ていて怖い……
『ふざけんな
未来の私を操り人形にして、他のアルコバレーノを殺したお前のところに誰が行くか
死んでもごめんだね』
「……そっか……それは残念……
でも僕は諦めないからね……
さっきも言ったけど、君を連れ去るのは簡単だからね…
ああ…ごめんよ
正チャンの質問がきたから答えるよ
正チャンに心配事増やすとメンドくさいからね」
『……』
「僕は、こう考えたんだ
ただ腕っぷしの強い人間を選んでもたかがしれてる
なぜならリングの力の要はより強い“覚悟”だからね
そこで、強い上に常人離れした“覚悟”を持った人間を、マフィアといわず世界中から探しまわったんだ
しかも、その「覚悟」が僕への「忠誠」になりうる人間をね
世界は広いよねー
おかげで彼らと会えたよ」
そう言って白蘭は無精髭を生やした男を指差す
「例えば彼は……」
パッとモニター変わり映し出されたのは美しい大自然
「ご覧のように大自然に恵まれた大変美しい故郷の出身なんだけど、「覚悟を見せてくれないか?」って言ったとたん……
故郷を捨ててくれたよ」
その言葉と同時にパッと映像が変わり映し出されたのは、美しい大自然がたくさんの火山の噴火で火の海と化していたシーンだった
『っ……!!』
「……」
「怖いよねー
ここまでアッという間だよ
まさか僕への忠誠を示すために生まれ育った木も山も村も村人も全部消してくれるとは思わないじゃん」
ニコニコと笑いながらそういう白蘭
こいつら……狂ってる……
まるで……
「あれ?
リナの顔色が優れないね
あっちの世界であったヤバい奴らを思い出した?」
『!!』
「当たりだね
あ、君にも見せてあげるよ
向こうの嵐の守護者が気付いたからね」
そう言ってある火山のマグマを映す
するとそこにはマグマを風呂のようにして無精髭の男が余裕の表情で口笛を吹きくつろいで入浴している姿があった
「フフフ
真7弔花の異常な戦闘能力もこれでわかったかな?
さらに彼らには1人につき5000名の部下と選りすぐりのAランク兵士 を100名与えているからね」
ランクAが100人…
そんなにいたんだ……
「僕らを倒したら今度こそ君たちの勝利だ
ミルフィオーレはボンゴレに全面降伏するよ
力比べは……
昔、正チャンとよくやった“チョイス”って遊び、覚えてるかい?」
『チョイス……?』
「あれを現実にやるつもりだよ♪
細かいことは10日後に発表するから楽しみにしててね♪
それまで一切手は出さないからのんびり休むとi「うぜぇ」バキッ」
『!!
あ、兄様!!』
「リナ、あっちの世界のことは今は忘れろ
こっちの世界では存在しない……
お前もわかっているはずだ」
『……はい……』
「白蘭は俺たちボンゴレに喧嘩を売ってきた
お前はボンゴレの虹なんだ
チョイスとやらに白蘭は来るだろうからな……
白蘭を倒してこい」
『……わかりました』
「ボスー
皆戻ってきたわよ~ん」
「……ああ」
『皆、お帰り』
「これは……ハデに暴れましたねー」
「いいからつなげぇ!!」
『スクアーロは誰と喧嘩してるの?』
「日本」
『ああ……なるほど……』
「てめーらぁ
生きてんだろーなぁ!!!」
『うるさっ
スクアーロ、声のボリューム下げて!
ん?兄様?』
すうっ……と兄様は手と同じサイズの石を掴みスクアーロに向けていた
あ…これは……
「ちっ……
いいかぁ!!
こうなっちまった以上、ボンゴレは一蓮托生 だ!
てめーらがガキだろーと…………」
ドガスッ
『うわっ…』
兄様がぶん投げ石はきれいにスクアーロの後頭部に直撃した
「てめっ」
『兄様の攻撃の届く場所で通信してたスクアーロも悪い』
「沢田綱吉
乳臭さはぬけたか」
『ちょ…兄様…
それ言っちゃ…』
「10日後にボンゴレが最強だと証明してみせろ」
『兄様…』
ガチャン
『えっ!?
兄様、何で無線機壊したんですか!!
日本の奴らにそっちに行くって伝えたかったのに!!』
「ふん…」
『兄様!!』
「リナ」
『!
はい』
「お前にもう一度言っておく
あっちの世界のことは今だけ忘れろ
白蘭にどんな力があろうがお前がいたあの世界はお前以外誰も干渉できない
白蘭の言葉を信じるな
わかったな?」
『はい…兄様……』
「それと、今から日本に向かうのもいいがまだお前はこの時代の戦い方に慣れてない
だからこれからお前をオレたちヴァリアーが実戦形式で鍛える
各属性の性質も実際に見て感じて覚えろ
いいな?」
『はい』
それから私は命の危険を感じながらもこの時代の戦い方を身につけた
あれかな……?』
見えたのは空に浮かぶ椅子に座っている男性とその人の少し前に立つ男性
そしてデカイペリカン
よく見るとペリカンには雨の炎が灯っている
さてと……ミルフィオーレに正体がバレないようにしないと……
私は気づかれないように地上におり、猫もどきに変身する
久しぶりに変身したような気がするが……まあ、いいか!
走ること数分
『にゃにゃ(ベルとフラン見っけ)』
「ネコ?」
『にゃ(あ、隊員もいた)』
「おい、ここは危ないからあっちにいけ!」
「ちょっとまて…!
このネコの目を見てみろ!」
「目?」
「ん?」
「!!」
『にゃー…(ねぇ、はやく通してくれないかな…)』
「「「「ど、どうぞお通りください、リナ様!!」」」」
『にゃ(ありがとう)』
「あれが噂の…」
「リナネコ様…」
「やっぱ魔女なんだな……」
「あの六の目……怖いな……」
「「「そうだな……」」」
『にゃ(さてと……)』
私は木陰に隠れて人に戻る
『ここからならサポート出来るな……
まずは……』
スッと内ポケットから杖を取り出しベルとフランに向ける
『
「!」
「ベルセンパイ?」
「姫の魔法だ
姫がサポートしてる」
「へー
これが魔法……
いい体験をしましたー」
『よし、次は……ん?』
ここまで近づいて敵の顔が確認できた
椅子に座っていたのはベルと同じ顔で同じティアラをつけた男性でその前にいたのはスキンヘッドで難いがよく、スーツを着た男性
「残念なお知らせがありますー」
「聞こえたっての
ハナから誰にも頼んじゃいねーし」
「ちぇっ
任務だから連絡したのによー
ベルセンパイの死んだはずの双子の兄貴が6弔花だってー
南に来たってー」
へぇ……6弔花の1人はベルの兄か……
しかも死んだはずの兄……
白蘭のやつ、何かしたなこれは……
「それにやり残したことはしっかり自分で清算してやるぜ」
「ししっ
それはこっちのセリフだぜ
失敗作の弟ちゃん
きっちりここで、片つけてやるよ」
「ベル様
ご覚悟ください」
スキンヘッドの男がリングの雨属性の炎を灯す
「となるとミーがあのゴツ執事の相手ですねー」
え?
あのスキンヘッド、執事なの!?
「おめーはジャマすんな、カエル」
「任務だから仕方ないですよー
王子(仮)」
「(仮)とかつけんな」
(仮)ってw
やっぱフランは最高の毒舌使いだわw
「え~~っと」
カチャカチャとフランは右ポケットを探り、リングと匣を取り出した
「……!
あれはヘルリング!!」
ヘルリング?
呪いのリング…ってことかな…?
さすが骸の弟子……
「ほー
さすがボンゴレが誇る最強部隊じゃん
まっ、どーせ、ここで消えるんだけどなっ」
双子の兄の手には匣兵器
「それはないと思いますよー
どーせ、あんた、ベルセンパイに毛がはえた程度でしょ?」
「……ベル
何そいつ?」
兄貴イラついてますねー
「カワイクないコーハイ」
「愚か者め
格の違いを知るがいい
それではいざ……」
「「「「開匣!!」」」」
カチッ
ドシュッ
4人が同時に開匣し、最初に出てきたのは……
嵐属性のミンク(ベル所有)と嵐属性のコウモリ(双子の兄所有)
双子はお互いの匣兵器をけなし、それからすぐに雨属性の象(執事所有)が出てきた
巨大な象は匣から出たと同時にベルとフランに雨の炎をぶつける
雨属性の性質は【鎮静】
食らえば行動は鈍化するだろう
まあ、そこはヴァリアークオリティ
ベルの嵐ミンクがしっぽをぶんまわして炎の盾を作り攻撃を防いだ
ちなみにフランはポーズが決まらず開けれなかったらしい……
これは……大丈夫なのか…?
いや、大丈夫じゃない…!
「……!!」
ドッという音と共に頭の穴という穴から血を吹き出すベル
「ギイッ」
ブシャアッ
同じく嵐ミンクも血を吹き出した
「センパイ……!?」
ドンッ
ベル、ミンクに続いてフランも血を吹き出す
『!!?
ベル、フラン!!
間に合え…!
私は木から落下する二人に向けて治癒魔法を当てる
ん?ベルしか手応えがない…
ってことは……
チャキッ
ボッ
『フラン…
生きてるんなら私の力も使って最高のやつを作りなよ!』
ザンッ
私はリングに炎を灯し三叉の槍に炎を移し槍の先を地面に刺す
「しししっ
戦争だぜ
ヨーイドンで戦うとでも思ってんのか?」
よし、相手は幻覚だと気づいてない
「コウモリが超音波を反響させて物体の位置を把握すんのは有名な話だが、
炎の8割は反射せずに物体に吸収され、炎を浴びた奴は嵐属性の“破壊”力によってドカ~ン!!」
『なるほどね……』
「が……あ゛……
くっ……」
しっかし……ベルのやられ姿めっちゃリアルだな……
さすが骸の弟子……
「う゛……ジ…ル……」
「散れよ」
双子の兄は最後まで幻覚だとは気付かず幻覚の弟に止めを刺した
そして助けに来たヴァリアー隊三人は執事の匣、巨大な象によって踏み潰され絶命した……のは嘘で私が彼らの幻覚を作って騙した
「あ゛っあ゛っあ゛~!!
ケッサクだな!!
ヴァリアーよえー!!」
「所詮、旧態依然の不良集団ですからな
このまま一気に城を落とすのが吉かと」
「しししっ、そーだなっ
お前、やっていいぞ」
「では」
カカッ
執事はさらに2つの匣を開ける
出てきたのは2頭の象
そして双子の兄と執事はヴァリアーの城に向かった
『…これはヤバいな……
スクアーロに知らせないと……』
スッ
私は杖先を空に向ける
『
これで気付いてくれるといいけど……
『ベル、フラン~
あいつら行ったよ~』
その言葉と同時に幻覚の死体が霧のように霧散した
ズボッ
「げほっ」
ドボッ
「ふー」
そう言いながら地面から出てくる二人
「霧の幻覚か?」
「当たりでーす」
プッと砂利を吐き出すフラン
ほぼ生き埋めに近い状態で地中に隠れてたからな……
「ミー達、目玉ボンッ!!っとか飛び出して相当スプラッタな死に様だったと思いますよ」
「てんめー
戦えよっ!!」
ガキッ
「ゲロッ」
うわっおもいっきりフランを蹴りやがった……
『ちょっと、ベル……
あんたはケガ人なんだからちょっとは大人しくしなよ』
「姫じゃん
防御魔法と治癒魔法サンキュー
お陰で死なずにすんだ」
『それはよかった
私の部下がフランの内線をキャッチしたから、すぐ駆けつけることができたよ
でも匣の力が分からなかったからベルには攻撃食らっちゃったし……
まさか内側からだとは……』
「そうですよー
それに仕方ないじゃないですかー
実際センパイ、コウモリの炎喰らってグロッキーだったんですしー」
「てめーが匣兵器出さねーからだろが」
「ミーのせいですかー?」
「ったりめーだろ!!」
『ねえ、フラン
なんで出さなかったの?
出しとけば攻撃を当てれたはずだけど……?』
「…………まーいいですけどー
正直、見てみたいと思ったのは確かですしー」
「?」
『何を?』
「怒りんぼのうちのボスですよ
ヴァリアー内暴力すさまじいし、いつも威張ってるけど、本当に強いのかなーって思うんですー」
「弱かったらオレがとっくに寝首かいてるっての」
『フラン、君は私にけんかを売ってるのかな……?』
「そんなわけないじゃないですかー
ただ単に、ベルセンパイのアホ兄貴とどっちが強いか見てみたいじゃないですかー」
『ん……?』
「うーん……」
兄様とベルの兄貴とのバトル……
10年経った兄様のバトル……
『見てみたい……!』
「ししっ同感♪」
『んじゃ私は先に行くねー』
カチッ
私はフレイムシューズの匣を開ける
「なっ!?
お前その匣!!」
「ミルフィオーレが作った飛行アイテムですねー」
『最初は箒にしようかなって思ったけど場所が場所だからこれを貰った
あ、奪った匣は私の部隊の人間が使ってるよー
ってことでお先にー!』
ボッ
私はフレイムシューズに炎を灯して城に向かう
ドン
『!!』
城がある方角から爆発音……
もう始まったのか…
兄様だから殺られることはないかもしれないけど、嵐コウモリの攻撃は厄介だからな……
加勢に行くか……
ボッ
私はフレイムシューズが壊れない程度の出力で急いで城に向かった
飛ぶこと数分
「GAOOOO!!」
大きな咆哮と共に2体の巨大な象が消し飛んだ
声的にはライオン
って、こんな近くにいたらライオンの攻撃を私も喰らっちゃう
下に降りて城の瓦礫に隠れるか……
「てめぇらは、本気でオレ達を怒らせた」
あ…この声は兄様……
よかった…無事だった…
「!!
な…なんだ?
顔中アザだらけだぜ…」
アザ?
あぁ…兄様、ぶちギレたんだ……
兄様がぶちギレるなんて、あの大空戦以来なんじゃ……
だとしたら執事かベルの兄貴のどちらかが地雷を踏んだな
二人とも御愁傷様
ああ……ぶちギレた兄貴を近くで見たい
あと兄様の匣兵器を近くで見たい
よし、おもいっきり近くに行こう
猫の姿になって……
そうしたら兄様の邪魔にはならない
チャリ……
私はヴァリアーリングをチェーンで封印して猫擬きになる
『にゃっ(これでよし)』
私は敵に気付かれないように瓦礫を利用して兄様の左側にある大きな瓦礫の裏に移動する
『にゃ…(あれが…兄様の匣…)』
瓦礫の隙間から見えたのはトラ模様のライオン……
「ベスターはライオンでもトラでもねぇ……」
「!?」
「
「!?
雑種なのか…!?
だがライオンの雑種など…」
雑種、ね……
「まれにライオンのオスとトラのメスとの異種交配によりライガーと呼ばれる混血の子供が生まれるという……
ま……まさか……
調和と分解……
二種の属性を持つこの匣兵器は……」
調和と分解…大空と嵐か……
兄様、すごいな
「
種類の名前もカッコいいな!
「バカな!!」
しかし…執事のやつ驚きすぎだろ……
死ぬ気の炎の亜種の炎を持つ兄様だからできる……でいいじゃん
「ベスター」
兄様の声にベスターは伏せをして匣に戻った
「次にこいつが開匣された時がてめーらの最後だ」
「!」
「だが死に様ぐらい選ばせてやる
楽に死にたければ白蘭のカスをここへ呼べ」
「!」
「!!」
「おいおいおいおい
随分、調子にのってんじゃん」
いいえ、これが兄様ですよ
ベルの兄貴さん
「よーく考えてみろ
わざわざお前ごときに白蘭様がお動きになると思うのか?」
誘導ですよ?
「……と言いたいところだか、お前は運のいい男だ
ちょうど白蘭様への定時報告の時間だ
特別に白蘭様と話をつけてやらないでもないぜ…」
あなたが攻撃しようとしているのはバレてます
いくらボンゴレボスの実子ではなくても育った環境と経験で超直感に近い直感力を兄様は持ってる
そして私が与えた虹の加護も機能している
嘘をつくならもう少しまともな嘘をつけよ
「もちろん話す内容は……
お前の死についてだ!!!『
私はベルの兄貴が言い終わると同時に変身を解き兄様に呪文を当てる
ボゴアッ
呪文が当たったと同時に全方位から嵐コウモリの超音波ならぬ超炎波攻撃
ベルの兄貴は気づいてない
「あ゛は~最速最大炎圧だ!!
気づいた時にはもう遅……」
ドウッという音と炎と共に嵐コウモリが破壊された
「!!」
炎でわかった
これは兄様の狙撃だ
砂煙でこっちからは見にくいが、わかる
「なあ゛!?
オレの嵐コウモリが!!」
どうやら嵐コウモリ全てが破壊されたみたいだ
さすが兄様……
10年でまた強くなってる
そういや兄様……戦闘力や憤怒の炎はそうだけど10年経つとさらに迫力や面構えがボンゴレ
ん……?
ちょっとまて……?
私って2代目に会ったことあったっけ……?
2代目ってかなり昔の人物だよね……?
そういや……歴代ボスの容姿とか戦い方とかなぜか記憶にあるんだけど……
えっ……?
こわっ!!
今まで気にしてなかったけど今思ったらめっちゃこわっ!!
「…………
交渉決裂だな……
それ相応の死をくれてやる」
ボオオオオ……
『!!』
すげぇ炎……
ありがとう兄様……今はいらない思考だった……
ってかヴァリアーリングってあんなに炎を出しても壊れないんだ…
すごい……
「オルゲルト
なーにつっ立ってんだ!!
さっさと体張って盾になれよ!!」
「無論です!!」
そう言って執事はベルの兄貴の前に立ち雨ペリカンを出す
雨ペリカンから放たれる大量の雨の炎で壁を作る
多分あれで最大出力だろう
「笑止」
兄様はそう言って匣に炎を注入する
こっからだとよく見える
リングから放たれる大空のオレンジと憤怒の炎である赤みがかったオレンジの炎……
これがライガーを作った理由
匣から出たライガーは最大出力の咆哮を相手に喰らわす
執事とペリカンは一瞬で石化しドンッという音とともに消し飛んだ
一瞬思考が停止した
人間が肉片ひとつも残さず消し飛んだってことに……
あ、そうか…石化は大空の属性による城との【調和】の力で消し飛んだのは嵐属性に変換された憤怒の炎による【分解】の力ってやつか…
「!!
あ…足が…!!」
ああ…ベルの兄貴も喰らってたんだ……
どうやらじわじわと足から石化しているようだ
「おいドカス
王子は座したまま戦うんじゃなかったのか?」
「くっ(ム…ムリだ!!
勝ち目がねえ!!)」
あー…そういやずっとイスに座ってたな、ベルの兄貴……
「おっ落ち着け!!
白蘭様と話をつけてやる!!
お前の望みはわかってるんだ!!」
命乞いか……
まあ、勝てないってわかったら誰もがそうするか……
「お前が欲しいのはボンゴレボスの座なんだろ!?」
その言い方、何かむかつくな……
「お前、沢田綱吉のこと、憎くてしょーがないんだろ?
だから今は亡き9代目直属なんて##RUBY#謳#うた##ってる!!
そりゃそーだ!!
ボンゴレ10代目の座を奪われたんだからな!!
オレの力をもってすれば、憎き沢田を倒し、お前がボンゴレのボスになれるぜ!!
正確にはミルフィオーレボンゴレ支部だ!!
オレが白蘭様にお前をミルフィオーレ幹部として迎えるようとりはからってやる!!」
誰かの下につくのが嫌な兄様にそんな事いうなんて…
死んだな、ベルの兄貴…
「白蘭様は寛大な方だ!!
沢田綱吉を倒した後は今のボンゴレと同等!
いや、それ以上の戦力を手に入れることも夢じゃねーぜ
ししし、どーだ!!
最高だろ!!」
「ドカスが
オレが欲しいのは最強のボンゴレだけだ
カスの下につくなど、よりヘドがでる」
「な゛…あ゛…?」
あ……もう石化が首まできたのか……
急に口数が減った理由に納得したわ
「10年前の沢田綱吉を生かしているのも殺せねえからじゃねぇ
ボンゴレファミリーは最強でなくてはならないからだ」
ベルの兄貴にはわからないだろうね……
「内部にどのような抗争があろうと、外部のドカスによる攻撃を受けた非常時においては……」
キュアアアアアと兄様は拳銃に炎をチャージする
「ボンゴレは常に……」
ギャウッと拳銃から憤怒の炎が放たれたと同時にベルの兄貴は石化し…
「一つ!!!」
兄様が言い終わると同時に炎の弾丸が着弾し、消し飛んだ
この光はスクアーロ達にも届いただろう
「おい、リナ…
隠れてないで出てこい」
兄様は私が隠れている方を向いて言う
『何でわかったの…?』
「オレを誰だと思ってる……
気配は消していても、お前があのドカスらの後に入ってきたのは知っていた」
『バレてたか……』
「まあ魔法のサポートは助かった
ありがとうな」
『!』
「あんらー?」
『ん?
この声は…ルッス?
あれ……?』
「!!
みないで!
あたしの素顔をー!!!」
そう言って目元を右腕で隠すルッスーリア
一瞬だったがメガネをつけてないルッスの素顔を見た
『ご、ごめん……!
あ、ルッスの探してるのはこれじゃない?』
私はルッスの足元にあるメガネを拾い、渡す
「ん?
あ、それよ!
ありがとー」
ルッスはそう言って左手でメガネを受け取り、下を向いてメガネを装着した
「見えるわー!」
『それは良かった』
「まぁ…ボスったらハデに遊んだみたいね……」
これを遊んだっていえるルッスがすごい……
『そう言えば兄様』
「なんだ」
『日本にいる沢田らにこちらの状況を伝えないといけないのでは?
兄様が6弔花を倒したんですし……』
「……ルッス、お前に任せた」
「わかったわー」
そう言ってルッスは耳につけている無線に手を伸ばし通信を始めた
「ご報告します!!!」
『ん?
あ、君たちか……』
走って城に戻ってきたのは私の部隊の人間って言ってたロンとその仲間たち
「ご報告します!
ミルフィオーレの部隊が撤退を始めました!」
『そう……』
「これは我々の勝r「いいや……ただの小休止だよ」」
『!!』
突然聞こえた男の声
出どころはベルの兄貴がいた場所の真下にある瓦礫から
ブゥン…という音と共に白髪で三白眼で左目の下には三つ爪のマークがある男性が現れた
「イタリアの主力戦も日本のメローネ基地もすんごい楽しかった」
「(
「ボンゴレの誇る最強部隊の本気が見れちゃったりして、前哨戦としては相当、有意義だったよね」
「(…前哨戦?)」
「メローネ基地で僕を欺こうと必死に演技をする正チャンも面白かったなぁ」
日本とも通信してるのか……
「確かにこの戦いを逆に利用して敵に寝返る計画はよくできていたし、正直、ボンゴレと手を組むなんて思ってなかったけど、正チャンがいつか敵になるのは想定の範囲内だったからね
だって昔からずーっと正チャン、僕のすることなすこといつも否定的な目で見てたもん」
うん、そんな反応してたら誰だって警戒するし、結末も予想できるわ
「ほーらきた
まあ好きにすればいいよ
どちらが正しいかは今にわかるし」
『貴方が……白蘭……』
「おや?
そこにいるのはボクの
まあ、10年前のだけど……
でも、おかしいな…
君は今もボクのとなりにいるのに……」
「!!!
入れ替わってなかったのか……!?」
『え……?』
「不思議だね……
やっぱり特別な虹のアルコバレーノだから同一人物が同じ時間軸に二人も存在出来るのかな…?
でも……しっかし、正チャンもつくづくもの好きだよね
まだケツの青いボンゴレ10代目なんかに世界の命運を預けちゃうなんてさ」
世界の命運……?
え……?
沢田が負けたらこの世界が終わる……?
「本当はこのまま息つく暇なく戦力を投入して、ボンゴレを消して過去の虹を連れ去るのは簡単なんだ
でも、ここまで楽しませてもらったのは確かだし…
それに信頼していた副官に裏切られたとあっちゃ、リーダーとしてのプライドにかかわっちゃうだろ?」
こいつ…未来の私だけじゃなくて私も手に入れようとしてる……?
「だから、そろそろちゃんとやろーと思って
沢田綱吉クン率いるボンゴレファミリーと僕の率いるミルフィオーレファミリーとの正式な力比べをね」
『正式な力比べ……?』
「もちろん、7³(トゥリニセッテ)と虹をかけて
時期的にもぴったりなんだ
正チャンやこの古い世界とのお別れ会と新世界を祝うセレモニーにさ♪」
『古い世界を新世界にって……
そんな事簡単にできるわけない』
「!
過去のリナは正チャンと同じことを言うんだ……」
『だってそうでしょ?
このイタリアには1人、日本のメローネには4人…マーレリングの保持者がいる
でもイタリアにいた嵐のマーレリングの保持者は死んだ
リングは保持者がいなければ正常に機能しない
たとえ、特別な虹である私でも欠けた属性の役割だけを果たすことは出来ない
新世界を作るにもあんたは積んでる』
「ふーん
ま、それが本物ならね」
『!
まさか……』
私は急いでベルの兄貴が持っていた嵐のマーレリングのところに向かう
ピシッという音とともにマーレリングは楕円の石だけを残して粉々に砕けた
『うそ……』
あり得ない……
あの日……ルーチェやアリアさんの部下達がつけてたあのリング……マーレリングは本物だった……
いつ変えられた?
この偽物と……
まさか……ジッリョネロがミルフィオーレになったとき……?
くそ…!
統合しても本物のマーレリングが使われると過信した私がばかだった
それに……7³であるマーレリングの精巧な偽物が作れるなんて……
未来の技術をなめてた……
「ふふ……
どうやら過去のリナも騙せたみたいだね
どう?驚いた?
それもねランクAのスゲー石で出来てるの
でもね、7³はもっと特別なの
過去のリナはジッリョネロ時代の本物マーレリングを見てたから、この統合されたミルフィオーレでも過去の保持者がそのまま本物を引き継いでいると勘違いしたんだよね
それに……7³の偽物なんてないって……」
『!!』
「図星だね
まあ、しかたないよ
君は過去の人間だ
10年経てば変わることもある
とくにこの世界はね……
あ、話を戻さないとね……?
正チャンがうるさいから……
悪いけど、正チャンには秘密で他に組織してあるんだ
正チャンに会わすには刺激が強すぎると思ったから伏せといたんだけど、もう敵同士だからいいよね」
ヒュッと白蘭の背後に現れたのは映像モニター
「紹介するね」
『!』
「彼らが本物のミルフィオーレファミリー6人の守護者とミルフィオーレの虹……
『あれが……未来の私……』
画面に映っていたのはアルコバレーノになる前の姿をした私
だが、瞳に生気がない
いや違う………ホグワーツにいた時に見たことがある……
強力な忘却呪文を受けた人物がしていたあの目だ……
その他には
「彼らこそが僕が新世界を創るために選んだ……
真のマーレリング
『本当の守護者ね……』
「そうだよ
過去の君も僕の婚約者であり僕の守護者だ
このまま虹のボンゴレリングを持って僕のところに来てくれたら嬉しいんだけどね」
ニッコリと私に微笑む白蘭
悪意が滲み出ていて怖い……
『ふざけんな
未来の私を操り人形にして、他のアルコバレーノを殺したお前のところに誰が行くか
死んでもごめんだね』
「……そっか……それは残念……
でも僕は諦めないからね……
さっきも言ったけど、君を連れ去るのは簡単だからね…
ああ…ごめんよ
正チャンの質問がきたから答えるよ
正チャンに心配事増やすとメンドくさいからね」
『……』
「僕は、こう考えたんだ
ただ腕っぷしの強い人間を選んでもたかがしれてる
なぜならリングの力の要はより強い“覚悟”だからね
そこで、強い上に常人離れした“覚悟”を持った人間を、マフィアといわず世界中から探しまわったんだ
しかも、その「覚悟」が僕への「忠誠」になりうる人間をね
世界は広いよねー
おかげで彼らと会えたよ」
そう言って白蘭は無精髭を生やした男を指差す
「例えば彼は……」
パッとモニター変わり映し出されたのは美しい大自然
「ご覧のように大自然に恵まれた大変美しい故郷の出身なんだけど、「覚悟を見せてくれないか?」って言ったとたん……
故郷を捨ててくれたよ」
その言葉と同時にパッと映像が変わり映し出されたのは、美しい大自然がたくさんの火山の噴火で火の海と化していたシーンだった
『っ……!!』
「……」
「怖いよねー
ここまでアッという間だよ
まさか僕への忠誠を示すために生まれ育った木も山も村も村人も全部消してくれるとは思わないじゃん」
ニコニコと笑いながらそういう白蘭
こいつら……狂ってる……
まるで……
「あれ?
リナの顔色が優れないね
あっちの世界であったヤバい奴らを思い出した?」
『!!』
「当たりだね
あ、君にも見せてあげるよ
向こうの嵐の守護者が気付いたからね」
そう言ってある火山のマグマを映す
するとそこにはマグマを風呂のようにして無精髭の男が余裕の表情で口笛を吹きくつろいで入浴している姿があった
「フフフ
真7弔花の異常な戦闘能力もこれでわかったかな?
さらに彼らには1人につき5000名の部下と選りすぐりのAランク
ランクAが100人…
そんなにいたんだ……
「僕らを倒したら今度こそ君たちの勝利だ
ミルフィオーレはボンゴレに全面降伏するよ
力比べは……
昔、正チャンとよくやった“チョイス”って遊び、覚えてるかい?」
『チョイス……?』
「あれを現実にやるつもりだよ♪
細かいことは10日後に発表するから楽しみにしててね♪
それまで一切手は出さないからのんびり休むとi「うぜぇ」バキッ」
『!!
あ、兄様!!』
「リナ、あっちの世界のことは今は忘れろ
こっちの世界では存在しない……
お前もわかっているはずだ」
『……はい……』
「白蘭は俺たちボンゴレに喧嘩を売ってきた
お前はボンゴレの虹なんだ
チョイスとやらに白蘭は来るだろうからな……
白蘭を倒してこい」
『……わかりました』
「ボスー
皆戻ってきたわよ~ん」
「……ああ」
『皆、お帰り』
「これは……ハデに暴れましたねー」
「いいからつなげぇ!!」
『スクアーロは誰と喧嘩してるの?』
「日本」
『ああ……なるほど……』
「てめーらぁ
生きてんだろーなぁ!!!」
『うるさっ
スクアーロ、声のボリューム下げて!
ん?兄様?』
すうっ……と兄様は手と同じサイズの石を掴みスクアーロに向けていた
あ…これは……
「ちっ……
いいかぁ!!
こうなっちまった以上、ボンゴレは
てめーらがガキだろーと…………」
ドガスッ
『うわっ…』
兄様がぶん投げ石はきれいにスクアーロの後頭部に直撃した
「てめっ」
『兄様の攻撃の届く場所で通信してたスクアーロも悪い』
「沢田綱吉
乳臭さはぬけたか」
『ちょ…兄様…
それ言っちゃ…』
「10日後にボンゴレが最強だと証明してみせろ」
『兄様…』
ガチャン
『えっ!?
兄様、何で無線機壊したんですか!!
日本の奴らにそっちに行くって伝えたかったのに!!』
「ふん…」
『兄様!!』
「リナ」
『!
はい』
「お前にもう一度言っておく
あっちの世界のことは今だけ忘れろ
白蘭にどんな力があろうがお前がいたあの世界はお前以外誰も干渉できない
白蘭の言葉を信じるな
わかったな?」
『はい…兄様……』
「それと、今から日本に向かうのもいいがまだお前はこの時代の戦い方に慣れてない
だからこれからお前をオレたちヴァリアーが実戦形式で鍛える
各属性の性質も実際に見て感じて覚えろ
いいな?」
『はい』
それから私は命の危険を感じながらもこの時代の戦い方を身につけた