主人公は女性です
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リング争奪戦から2日
虹のボンゴレリングが手に入ったからか、私に呪いをかけたヤツからテレパシー的な連絡を受けた
内容は、ボンゴレリングがこの世界の7³(トゥリニセッテ)の1つであること
この世界の7³の1つを手に入れたことで虹の力が強くなったこと
この世界の7³はあと1つであること
この世界の7³を全て身につけることで虹の呪いの一部が解呪されること
この4つを一方的に伝えてテレパシーは切れた
あの日からかなり年月が経っているはずなのにヤツの声は変わっていなかった
ヤツは歳をとらないのか……?
ってか、虹の呪いの一部がこの世界の7³(トゥリニセッテ)を全て身につけることで解呪されるっていうなら、私に呪いをかけた意味がないような……
ま、解呪されるんならありがたく解呪してもらおうじゃないか
『さてと…兄様の様子を見に行かないと……』
カッ!!
突然、封印していたおしゃぶりが服の上に現れ強い光を放った
『っ!?』
それを直視した私は目がくらみそのまま気を失った
どれくらい気を失っていたのだろう……
『ここ……どこ?』
室内にいたのに何故か外……知らない場所に私は座り込んでいた
「リナ…なのか……?」
『!
誰!?』
振り返るとそこには襟足に羽飾りを着けた男性が立っていた
「お前……どうやって白蘭の手から逃げてきたんだ……?
いや、今はそんなことどうでもいい……
よく、兄の所に帰ってきてくれた……」
『兄…?
!
まさか……XANXAS 兄様!?』
「ああ、そうだ
ん?
お前、縮んでないか?」
『縮んでって……
兄様、いくら兄妹でも失礼だよ?
私は縮んでませんし、まだ成長します』
「まだ?
お前の成長は呪いで去年で止まったはずじゃ…」
『え……?』
「え?」
『兄様……変なことを聞いていい?』
「ああ」
『兄様、今何歳ですか?』
「34だ
それがどうかしたのか?」
『!!
兄様……信じられないとは思いますが……』
「ん?」
『私は…過去の……10年前の人間です』
「!!
そうか……
なら、タイムトラベルの原因は虹のおしゃぶりだな…」
『え!?』
「未来のお前が言っていた
ボンゴレリングとおしゃぶりがそろって以来、おしゃぶりの力で強制的にタイムトラベルをすることがある、と……
まさか10年前から始まってたとはな……」
『兄様……』
「大丈夫だ
時間が経てば10年前に帰れる」
『本当!?』
「ああ……
それまでオレの所にいればいい
この世界のことも教えないとな…」
『白蘭から…ってやつも関係するの?』
「ああ
でも、その前にやることがある……
お前、ボンゴレリングは持っているな?」
『もちろん
リングを手にいれてから肌身離さず持ってるよ
ホラ』
私は右手中指に着けた虹のボンゴレリングを見せる
「それじゃ、このチェーンをつけろ」
『?』
「マモンチェーンだ
この世界ではボンゴレリングや今のオレがつけているリング、おしゃぶりの力を感知するレーダーが全てのマフィアの拠点に設置されている
このチェーンはそのレーダーに感知されないようにすることができる
今、お前のリングとおしゃぶりはがっつりレーダーに映っている」
『え!?
おしゃぶりの力は私の魔法とマーモンがつけていたチェーンで封印しているはずなんだけど……』
「ああ……そうだったな……
しかし、そのチェーンの力は10年前までは有効だったんだ
しかし今は違う……
これもお前を守るためだ……
今から移動する
ここでおしゃぶりにマモンチェーンをつけろ
ボンゴレリングはある程度移動してからマモンチェーンをつけるんだ
いいな?」
『わかった』
私はおしゃぶりの封印を解いて服の上に出す
『!?
兄、様…これは……?』
「お前はわかるんだな……
これについては移動しながら教える
まずはおしゃぶりにマモンチェーンを巻き再び魔法の封印をしろ」
『わかった……』
私は兄様に言われた通りにおしゃぶりにマモンチェーンを巻き、再び魔法で封印をした
『あ、れ……?』
「封印によって動きやすくなったな……
行くぞ」
『あ、うん……』
移動中、兄様はこの世界のことを話してくれた
ボンゴレがミルフィオーレと呼ばれる新しくできたマフィアによって壊滅したこと
最強の赤ん坊といわれたアルコバレーノが未来の私を残して全員が死亡したこと
ボンゴレ10代目がミルフィオーレによって射殺されたこと
大気中に非7³線(ノン・トゥリニセッテ)とよばれるアルコバレーノにとって有害物質が放射されていること
今のマフィアの戦いはリングと匣 と呼ばれる兵器によって勝敗が決まること
未来の私が白蘭に捕まっていること
そして、世界中でボンゴレ10代目に関わりがある人物を抹殺する…ボンゴレ狩りが行われていること
『かなりヤバイ未来に来ちゃったみたいだね、私は……』
「お前からしたらそうだろうな
だが、リング争奪戦をした過去から出来た未来……としたら」
『パラレルワールドか……
なら仕方ないか……』
「面白いことを教えてやる
お前より先に来た10年前の沢田綱吉とその守護者が日本のミルフィオーレアジトに殴り込みにいったそうだ」
『彼らが?
私より先って……私がこの世界に来たのは争奪戦が終わって2日後なんだけど……
彼らの成長の早さと時間が合わないんだけど……』
「まさか……過去とこっちで時差があるのか……?
いや、今はどうでもいい
リナ、話が変わるが……今、ヴァリアーは新しい拠点を確保するため、ある城に奇襲をかけている
この時代にきてすぐで悪いがお前の力を貸してくれ」
『……もちろん
リング争奪戦では出来なかった兄様の力になれるなら喜んで』
「ありがとうな
こっちだ」
『うん』
私は必死に兄様の後ろを着いていった
「ここだ」
着いた場所はお城
ボンゴレ本部よりは劣るがまあいい感じの城だ
「仲間はオレと同じ柄の隊服を着ている
間違えて攻撃するなよ?」
『わかってる
んじゃ私も一時的だけど……』
シュウウウ……
「……ほう……そうやって服を改造していたのか……」
『まあね
でも、所詮は幻覚……
長持ちはしない』
私は幻術を使って着ていた10年前の隊服を兄様の隊服と同じ柄に変更した
『準備万端
いつでも行けますよ』
「ああ……
じゃあ、行ってこい」
『はい!』
ダッ!
私は城に向かって走った
使う技はもちろん魔法
抵抗した場合は幻術とアルコバレーノになる前から使っていた戦術……ナイフと拳銃を使う
まあ、久しぶりの戦術だけど最強の赤ん坊の異名は伊達じゃないってとこ教えとかないとね……
『いたっ…!』
廊下を歩いていたのは白い隊服に身を包み、顔をマスクで隠した人物が2人
手には刃に炎を纏った武器を持っている
『エクスペリアームス !』
バチッ!
「誰だ!」
『魔法に驚かない……
やっぱり未来なんだ……』
「お前は…ヴァリアーの魔女!?」
「ウソだろ!?
あいつは白蘭様の所にいるはずじゃ……」
『未来の私を知ってるんだ…
詳しく聞かせてほしいところだけど…
ヴァリアーの邪魔だから消えてね』
「!!」
「な…!」
『バイバイ』
ザシュッ
「!!!」
「バカ、な……」
ドシャッ
『よし、2人駆除完了
城の中に置くのはあれだし……
そうだ……!
ウィンガーディアム・レビオーサ 』
私は足元に転がる屍を魔法で浮かせ外に捨てた
屍の処理はそれ専門の方達がやってくれるだろ
『さてと……次は……』
私は偶然出くわした敵を魔法と武器で駆除し、浮遊魔法で駆除した敵を外に弾き出した
それを繰り返すこと10回
かなり開けた場所に出た
『ふぃー……
やっぱり魔法と武器の併用はするもんじゃないな……
動きに無駄ができる……
ヴァリアーで鍛えたからまだスムーズだけど……』
「う゛お゛ぉい
お前、何者 だぁ!!」
『!!』
この声は……スクアーロ……
どうしようかな……
挑発しようかな……?
ってか、隊服に気付いてないのか?
アホじゃないか?
「おい、聞いてんのか?」
『魔女……って言ったらあなたはどうします?』
「魔女?
この時代に魔女はリナだけだ」
『その魔女だっていったら?』
「う゛お゛ぉい!
てめぇ、嘘をつくならもっとマシな嘘をつくんだなぁ!
リナは今、ミルフィオーレの白蘭ってクソヤローのとこにいるんだ
こんなところにいるわけねぇだろ」
『そういえばそうだね……
未来の私は白蘭の所にいる
でも、過去の私がこの世界にいるとしたら?』
「なっ!?
まさか…タイムトラベル……?」
『ピンポーン!
はじめまして?久しぶり?
まあ、どっちでもいいや……
元気そうだね、スクアーロ……さん?』
「お前…どうやってこっちに……
ヴァリアーにタイムトラベルの力を持った道具はなかったはず……
それに、タイムトラベルの力を持った道具を持っている雷のガキはこっちにきているから道具も使えないはず……」
『おしゃぶりの力でこっちに来ました
兄様が言うには時間経過で帰れるらしいので、それまでこの時代のヴァリアーで活動しようかなって……
兄様の許可はもらってますよ』
「ボスの……
わかった
ならこの時代のヴァリアーのメンバーを紹介しないとな……」
『ヴァリアーの霧の守護者……マーモンの後継人ですね』
「ああ……この時代のアルコバレーノはお前以外全員死んで存在しないからな……
六道骸がいただろ?
今、そいつの弟子がヴァリアーの霧を勤めている」
『え…!?
骸の弟子!?』
「ああ……」
『へぇ……骸が弟子を……
以外だわ……
その人に会えるかな?』
「気になるのか?」
『もちろん
骸の弟子ってわけだけだから、その弟子もすごい術者なんでしょ?』
「…………ああ」
『何、その間……』
「まあ、会わせてやる
通信も入ったからな……
この上の階に広い部屋がある
そこでヴァリアー幹部とボスが集まることになった」
『んじゃ案内よろしく』
「ああ
しっかり着いてこいよ」
『もちろん』
「こっちだ」
私はスクアーロの後ろを着いていった
あ、今気付いた……
この人、超ロングヘアーだ……
「ここだ」
ガチャ
「う゛お゛ぉい、ボスはいるかぁ!」
「うるせぇ、ドカスが…!」
ビュッ
スクアーロの顔面にグラスが飛んできた
ガシャン……
「ぐっ……」
『うわぁ……10年経ってもまだこのやり取り……
変わらないんだね、兄様とスクアーロは…』
「む…!?
何奴!?」
『へぇ……雷のおっさんはさらにおっさん化してる……』
「その言い方……もしや、妹様!?
いつ白蘭から…」
「ししし…
よく逃げだせたね……姫」
『逃げてないよ
私はただ過去からこっちに来ただけ
10年でさらに王子度が増したね、ベル』
「へぇー……だからちっさいんですね、
虹の魔女は…」
『ちっさいって……失礼な……
!
あ、君が骸のお弟子さんか……』
「はじめまして
ミーはフランっていいますー」
『はじめまして、フラン
知ってるとは思うけど、私はリナ
10年前からきました
これでもアルコバレーノで魔女です
よろしく』
「よろしくー
さすが魔女ですねー
幻術と魔法を上手く組み合わせて本体を隠してるなんてー」
『へぇ……君、わかるんだ』
「もちろんですー
あのナッポーに鍛えられましたからねー
それに、10年で幻術のやり方は変わりましたからねー」
『へぇ……
やっぱり幻術もリングと死ぬ気の炎で強くなるの?』
「もちろんですー
魔法と幻術の合わせ技も強いですが、それが出来るのは魔女であるリナさんだけですしー
それが出来ない我々術者はリングの炎で強化してるんですー」
『なるほど……
ってかフラン…スッゴい棒読みだね
素?』
「素ですよー」
『あと、そのカエルの被り物……君の趣味?』
「なわけないじゃないですかー
これはそこにいる王子(自称)の趣味ですよー
前任のマーモンの代わりってことで被らされたんですー」
『あー……
そういえばマーモンは頭にカエルを乗せてたな……
ベル、マーモンとよくつるんでだし……』
「リナ」
『はい、兄様』
「話したいことがたくさんあるのはわかった
だが今は任務中だ」
『!
すみません、兄様……』
「ボス、この城はヴァリアーが占拠しました
次のご指示を」
『へぇ……だからヴァリアーの旗が窓から見えてるんだ
それにおっさんの小さい旗……
この時代の10代目の右腕が見たらぶちギレますよ?』
「大丈夫だ
今、ボンゴレの右腕はガキと入れ替わっているからな」
『へぇ……
あ、そうだ兄様』
「なんだ」
『この城に入った時、白い隊服を着て顔をマスクで隠したヤツがいました
あれがミルフィオーレですか?』
「ああ
今ボンゴレはミルフィオーレに総攻撃をかけている
お前も加われ」
『了解
んじゃ先に……』
チャキッ
「師匠と同じ三叉の槍……
幻術ですねー」
『ピンポーン
邪魔しないでね
特におっさん』
スッと私は杖を取り出す
『邪魔したら私の最強呪文であの世に送ってやるから』
「なぬ…」
『んじゃいきますよー』
トンッ
私は杖を三叉の槍に合わせ、この建物全体に幻術の防御膜とミルフィオーレの侵入を防ぐ魔法…マグルよけの応用版…レペロ・イニミカム をかける
「へぇー
こうやって幻術と魔法を使っていたんですねー
さすがアルコバレーノ」
『……どうも…
兄様、一時的ですがこの城一帯に魔法と幻術の防御膜をつくりました
よほどのことがない限り崩れることはありません』
「ああ
ならオレは城にいる
お前らが敵を撃ってこい
やり方はカスザメに任せる」
「ああ
んじゃお前らバルコニーに出ろ」
『では、兄様
また後で』
「リナ」
『何、兄様?』
「お前にこれを渡しておく」
兄様から渡されたのはヴァリアーエンブレムが刻まれたリングとヴァリアーエンブレムが刻まれ、一面だけ穴が空いている立方体の箱だった
『兄様、これは?』
「この時代のお前が使っていた虹のヴァリアーリングと虹のヴァリアー匣だ」
『え?』
「お前は過去の人間だが、争奪戦で死ぬ気の炎を灯すことができたからすぐ使えるだろ
匣を使うときは炎の量には気を付けろよ
量が少なかったり多すぎると上手く機能しないからな」
『え、ちょ…』
「匣に炎を注入するときはそのヴァリアーリングを使え
ボンゴレリングにも炎は灯せるが時期が来るまではマモンチェーンで封印していろ」
『ちょ、ちょっと兄様待って!!』
「ん?」
『何で私が使う前提で話してるの?
これは未来の私の武器でしょ?
何で未来の私が持ってないの?』
「……白蘭のせいだ……」
『は?』
「未来のお前は白蘭のところにいるって言ったな?」
『うん』
「未来のお前は白蘭に操られているんだ
アルコバレーノで魔女であるお前を自分の思い通りに…
ある任務から帰って来た未来のお前は瞳に光がなく、オレのところに来るやいなやヴァリアーリングを外し、ヴァリアー匣をオレに渡してきた
理由を聞けば『白蘭様の守護者になるからいらない』って言いやがった
そして非7³線が充満しているのにも関わらずおしゃぶりの封印を解き、このアジトを出ていった」
『は?』
「オレはすぐ追い掛け、未来のお前を止めた
呼び止められた未来のお前はオレに言った
『あなたは誰?』ってな……」
『……は?』
「記憶が消えたんだよ
オレと……いや、オレたちヴァリアーやボンゴレファミリーに関する記憶だけがな……
思い出させようとしたら敵認定されてな……」
『まじか……』
「記憶の消えたお前は厄介だった
流石最強のアルコバレーノ……魔女だと実感したよ」
『まあ、今までは仲間だから攻撃が当たらないように調整してたからね』
「それからしばらくして過去からお前がやって来た
過去のお前がこの時代に来たってことはこの時代のお前は過去に行ったことになる
そして、そのことに白蘭が気付くのにはもう時間の問題だ
だからお前にはこの時代の武器を渡す
その武器はお前を守り、助けてくれる
そしてオレたちもお前を白蘭の魔の手から守ってやるからな」
『わかりました
では、ありがたく使わせていただきます
ありがとう、兄様
では、行ってきます!』
「ああ」
私とスクアーロ達はバルコニーに出た
『へぇ……案外広いじゃん……』
「んじゃそろそろおっぱじめるぜぇ!!」
「んもうっ!
嫌になっちゃうわ!!」
『あ……ルッスーリアの存在忘れてた……』
「リナちゃんひどいわぁ~
いくら私と話す回数が少ないからって忘れるって~」
くねくねと動くルッスーリア
10年でさらにオネェが増している
『ご、ごめんなさい……
で、何が嫌なんですか?』
「籠城戦よ!
退屈だわ!!
それにディフェンスなんて性に合わないわ!!」
『それは誰だって同じでは……?
まあ、私は魔女なのでディフェンスもできますが……
あ、そういえば今のこちらの戦況とかスクアーロ、教えてよ』
「はぁ!?ボスから聞いてないのか?」
『一応聞いたけどもう一度確認で……』
「しゃーねーな……
今オレたちボンゴレは全世界のミルフィオーレに総攻撃をしかける大作戦をしてる
んで、このイタリアの主力戦がこの大作戦が成功するための1番の鍵となる
んで、オレたちヴァリアーはこの城を占拠したことで四方をミルフィオーレに囲まれている」
『なるほど……
それで籠城戦ってわけですね
全世界ってことはまだボンゴレ連合軍がいるんじゃ……』
「あー……こっちに残ったボンゴレ連合軍はあてになんねー」
『は?』
「こんなことなら跳ね馬、日本に向かわせるんじゃなかったか?」
『跳ね馬……日本にいるんだ……』
「何を弱気になっておる!!
この程度の敵!!
我が手にかかれば造作もない!!」
「『レヴィさーん
だったら1人で造作もなくやっちゃってくださーい
見てますんで』」
「何!?」
「ししし
姫とフラン、キレーにはもってやんの」
「だが
地形上敵が攻めてくる地点は限られている!!
決して悪い状況ではない!!」
「“だが”の使い方おかしいだろ
変態雷オヤジ」
「ぬおう!?
貴様、今何と言った!?」
「キレイな空だなー」
『毒舌使いだ……』
「で、みんなの配置はどうするの?
スクアーロ作戦隊長」
「う゛む…
レヴィとルッスーリアは城で待機して何かあればサポート
オレは東の抜け道を守る
南はベルとフランだ
ザコは好きにつれてけ」
「ゲッ
オレがフランのお守り?」
「嫌なのはミーも同じですー
あいつ嫌なタイプですのでー
前任のマーモンって人の代わりだとかでこんな被り物強制的にかぶらされるのも納得いかないしー」
「……スクアーロ作戦隊長
任務中、あのカエル死ぬかもしんない…
オレの手によって」
「ざけんなガキィ!!
新米幹部はぺーぺー幹部が面倒みんに決まってんだろぉ!!」
「オレもうぺーぺーじゃねーし」
『スクアーロ作戦隊長ー、私はどうすれば?』
「お前は西だ
匣の開け方はリングに炎を灯して穴にリングの炎をぶちこむ
戦いながら慣れろ」
『はーい』
「何かあったらお前は強力な光の魔法を使え
無線を渡したかったがお前の分は用意してなかったからな……
んで……」
スクアーロはクルッと身体をおっさんの方に向ける
「くだらねえ目くばせしてんじゃねえ!!」
ドスッと膝蹴りをレヴィに当てるスクアーロ
あれは…入ったな……
「おえええ……」
びちゃびちゃと汚物を石畳に吐き出すレヴィ
汚い……
「んふっ♥️
私達って本当、見も心も汚い集団よねぇ♪」
私達って……私も入ってるのか……?
いやだなぁ……
「オラァ、わかったら行けぇ!!
ザコ新兵は好きなとこついていけ!」
スクアーロの号令でベルとフランが動いた
『おっさん、汚いから吐いたもの綺麗にしてから任務にはいってね
私、吐瀉物 が残ってるのはきらいだから
よろしく』
私はそういってバルコニーから飛び降りた
本当なら箒で空を飛びたかったが目立つかもしれないからやめた
「いっぱい殺ってくるのよ~!!
匣も忘れずにね~♪」
『匣って奪ってもいいんだ……』
「ああ」
「匣は武器ですからねー
所有者は虹の匣以外は固定されてないんですよー」
『なんで?』
「虹の匣は虹であるリナさんしか使えないし、虹の匣はリナさんが持っているそれだけだからですよー」
『まじか』
「しししっ
姫はレア属性だからね
あと、いいこと教えてやるよ
姫の虹の炎は全ての匣を開けることができる
威力は落ちるけどね…
まあ、匣を見つけたら奪って使いまくれ」
『了解
んじゃ、私は西側だから…』
「ミー達は南ですねー」
「しししっ
捕まんじゃねーよ?」
『そんなヘマはしないよ!』
私はそういって西側に向かって走った
さて…
この匣には何が入ってるんだろう……?
匣を振っても音は無し
この中に武器が入ってるのか……
科学の力って凄いなー……
これ作ったやつ天才だな
ガサッ
『!』
木の影から音……
私はその場に立ち止まり音がした方に意識を向ける
左手には匣
右手のヴァリアーリングには炎を灯しいつでも開けることができるようにする
ガサガサ……
ガサッ
『!』
木陰から出てきたのは小さなリス
『リス……
この森にいるんだ……
ん?』
よく見たらうっすらと耳としっぽに赤い炎……
ミルフィオーレが持ってた武器に似てるな……
『敵、か……
さてと……鬼が出るか、蛇がでるか……』
ボウッ
カチッ
私はリングの炎を匣に注入した
キュアアアアア……
ドシュッ
匣から出てきたのは……
「ガウ?」
虹の炎をまとった少し小さめな白ライオンだった
『まじか……
え……?
こんな小さな匣からライオン!?
ライオンがでてきやがった……』
「?」
よんだ?というかのように首をかしげる虹のライオン……いや、虹ライオン ってよんだほうがいいな……
『あ、そうだ……
どうも……私は君の主の子供時代の主だよ
まあ、姿は違うけどおんなじ人物だからよろしくね?
えっと……「ましろ」?』
「!!
ゴロゴロ……」
え……マジか!
すぐなついた!
名前、あってた!!
未来の私も体毛の色で名前をつけたんだな……
『んじゃ、ましろ……
このリスの持ち主はどこにいるかわかる?
わかったら軽めに攻撃して……?
できる?』
「ガウッ!
グルルル……」
ましろはゆっくりと唸り始め、それと同時にましろの頭上にはバチバチと放電する球体が出来る
『ましろ、すごい……』
「ガァアアアアア!!」
バシュッ!!
ましろの咆哮と同時に球体から大きな稲妻が上空に発射され…
ドーーーーーーン!!!!
「ギャアアアアア!!!!」
リスが出てきたところから少し離れた右側に落ちた
『あー…これは殺ってしまったか……?』
でも一応生死の確認をしとかないとな……
雷だからまあ…そこまでグロい死体はないだろ……
ガサガサ……
『あ、いた…!』
雷が落ちた場所にはミルフィオーレの隊員が2人
1人は蓋の空いた匣を手に持ち、もう1人は炎の灯った槍を持っている
『リスの飼い主はこいつだったのか……
んで、槍が避雷針になったのか……
まあ、アンラッキーだったってことで……』
私は隊服の内ポケットから杖を取り出す
『まずは……ブラキアビンド !』
私がそう呪文を唱えると近くに生えていた蔓がミルフィオーレの2人の手首に巻き付いた
『これで良し……
さてと、匣は他にあるかな……?』
奪う匣は何がいいかな……?
今私がわかるのは……
ましろが入っていた匣とリスが入っていた匣……アニマル匣とミルフィオーレが持っている武器が入っていたであろう匣……武器匣の2つ
他にもありそうな気がするけど、戦わないとわかんないからな……
まあいっか!
手当たり次第貰っていこう
あ、でも貰いすぎたらあれだから、指輪とアニマル匣は置いておこう
アニマル匣がたくさんいても育てきれないからね
いくら炎で動くおもちゃだろうが生きているからね
大事にしないと……
さてと……この人達の匣は……
ガサゴソ……
『……これだけか……』
アニマル匣を持っていたミルフィオーレからは中身がわからない匣が2つ
武器匣を持っていたミルフィオーレからも中身がわからない匣が2つ
彼らは3つずつ匣を持っていた
さて……開封式といくか……
『一つ目』
私は蓋の閉じている匣にリングの炎を少量注入した
ドシュッ
出てきたのは虹の炎を纏った鎌
『鎌か……
この隊服で使ったらまるで死神みたいだな……
んじゃ、次!』
ドシュッ
ボッ
『おっ!?』
匣から出た虹色の炎は私の両足に引っ付き、靴が虹の炎を噴射する白いブーツにかわった
『すごっ
これ……空飛べるんじゃね……?』
何となく思った
争奪戦でおしゃぶりの力を使って炎を足に集中して空を飛んだ技を原理が似ていると…
ってことでやってみたら、あっという間に使えるようになった
『よっしゃー!!
移動手段ゲット!!
ってことで次!』
ドシュッ
「?」
出てきたのは虹の炎を灯す鳥……インコだった
『そういえば……
3つ開けて気付いたけど持ち主は私と違う色の炎なのになんで私が開けた匣は私と同じ炎を灯すの?
んで、どうやったらしまえるの?』
「そ…それはですね……」
『!!』
背後から声!
ガッ
パシッ
私はついさっき開けた匣から出した武器を蹴りあげ手に取り振り返る
「わああああ!!!!
ま、待ってください!!
僕は味方です、リナ様!!」
そう言って両手を上げて立っていたの
はヴァリアー隊服を着た少年
『君、誰?
ヴァリアーの隊服着てるけど……』
「ですから、仲間です!
僕はあなたが率いる部隊の隊員で、ロンといいます
これがその証です」
彼の腕章には虹のヴァリアーリングに刻まれた刻印と同じ刻印が刻まれていた
『ふーん……
んじゃそういうことでいいや
で、何か用?』
「あ、えっと…
さっき開けた匣の炎がどう…って言ってましたよね?
匣は決まった死ぬ気の炎で動きます
そのため、その決まった炎以外の炎では開匣 することが出来ません
ですが、大空の属性と虹の属性だけは他の属性の匣を開匣することができます
その時、匣兵器はその開匣時の炎を放出するのです
これは誰もが知ってるはずですが…
ん?
そういえば……リナ様少し幼いような……」
『あ、ごめん…
私、10年前の世界から来たからさ…今の時代のことはあんまりわかんないんだよね……
で、属性って何?』
「!!
そ、それは失礼しました!!
では、簡単ですが説明いたします!」
『ありがとう』
「では、まず死ぬ気の炎から……
死ぬ気の炎とは、人間の生体エネルギーを圧縮し視認できるようにしたものです
指紋のように個々によって炎の色・形・強弱が異なり、炎の使い方次第では、炎の推進力によって宙に浮き自由に飛び回ることや、武器やロボットの動力源にすることもできます
これを応用したのが匣兵器です」
『なるほどね』
「次に属性です
死ぬ気の炎には、【大空】【嵐】【雨】【雲】【晴】【雷】【霧】といった、天候になぞられた7つの属性があり、これらは大空の7属性と呼ばれています」
『大空の7属性…
何で【虹】は入ってないの?…』
「はい
虹属性の出現はとてもレアで魔女か魔法使いしか灯すことしか出来ません
なので大空の7属性にはカウントされてないのです
そして虹の死ぬ気の炎はとても特別で全てのリングにも炎を灯せることが確認されております
我々ボンゴレは虹属性は大空の7属性の力を全て強く持っており、一つに集結して使ったり、一つ一つ分解して使うことが出来ると仮定しています
ちなみに炎の色は大空はオレンジ、嵐はレッド、雨はブルー、雲はバイオレット、晴はイエロー、雷はグリーン、霧はインディゴ、虹は今あなたが灯している炎…各属性が一つに集結したレインボーとなります」
『なるほどね……
なら、私の匣兵器……ましろが雷を使えたのは納得だわ』
「はい、虹属性専用の匣兵器であるましろ様も各属性の力を使用することができます
では、次に各属性の性質ですが……
これは実際見たほうがはやいですね
僕は嵐属性ですので…嵐のリングと匣兵器を使います」
そういってロンはリングに炎を灯し匣を開ける
ドシュッ
出てきたのは大きな…いや、太ったネズミ
「僕の匣兵器、嵐ネズミ のスキャバーズです
スキャバーズ、あの木を噛んで」
「チュィッ」
ロンが指差した木に向かって走る嵐ネズミ
ガッ
そしておもいっきり木にかぶりついた
『ん?
これで何がわかるの?』
「まあ、見ててください」
ロンに言われて私は嵐ネズミをじっと見る
すると……
ボッ
噛んだ所から赤い炎が立ち込め、そこから灰になり崩れ落ちた
「嵐の属性の性質は【分解】です
嵐の炎に触れた物質を言葉の通り分解します」
『へぇ……』
「よし、いいぞ
ありがとうスキャバーズ」
パシュン
『!?』
えっ……!?
匣に戻った!?
出したら出しっぱなしじゃないの?
「そして匣兵器は使用者の意思で収納ことができます
出しっぱなしも可能ですが、ずっと炎を与え続けないといけないので用が済んだら戻すことをおすすめします
まあ、たまに開けたら収納できない出しっぱなしの匣兵器もありますがね……」
『なるほど……』
「では、次に……」
ガサッ
『!』
「……敵襲ですね……
すみません、話過ぎました」
『大丈夫
気にしないでそのまま続けて
10年前でも私は強いから』
「ですが……」
『大丈夫
すぐおわらせるから』
スッ
私は杖を音がした方向に向ける
「では……」
『アグアメンティ 』
そう呪文を唱えると杖先から大量の水が放水された
『ましろ』
「ガウ!
グルルル……」
ましろはついさっき放った技をもう一度発射する
水と電気の合わせ技だ
被弾したらひとたまりもないだろう
バシャシャーン!!
「!!!!!!」
『よし、当たり!』
「す、すごい……」
『さてと回収に行くか……
ロンくんだっけ?
歩きながらでいいから続きお願いね』
「あ、はい!
では…」
こうして私はロンくんから各属性の性質を学んだ
雨の【鎮静】、雷の【硬化】、晴の【活性】、雲の【増殖】、霧の【構築】、大空の【調和】……
聞いてみてなんとくイメージがしやすかった
ついでに虹の性質も聞いてみたが不明だと言われた
まあ、虹属性はもともと私の魔力がこの世界の仕組みと混じってできた属性だからな……
不明なのは納得だわ
「リナ様」
『ん?』
「南のベルフェゴール様とフラン様に同行していた仲間からの連絡です
南にミルフィオーレの6弔花 が現れました」
『6弔花……ボンゴレでいったら守護者ってやつかな?』
「はい!
加勢に行きますか?」
『そうだね
でも行くのは私だけ
君は他の仲間とここら一帯で敵の足止めをよろしく
私が回収した匣兵器は君達が使っていいよ』
カチッ
ボウッ
私は先ほど敵から貰った飛行能力のあるブーツ型の匣兵器(フレイムシューズと名付けよう)を足に装着し、宙に浮く
「え?
あ、はい、わかりました!
お気をつけて!」
『ん』
私はそう返事をしてベル達がいる部隊に向かう
さてと……6弔花ってどんなやつなんだろう……?
強いのかな?
楽しみだな……!
虹のボンゴレリングが手に入ったからか、私に呪いをかけたヤツからテレパシー的な連絡を受けた
内容は、ボンゴレリングがこの世界の7³(トゥリニセッテ)の1つであること
この世界の7³の1つを手に入れたことで虹の力が強くなったこと
この世界の7³はあと1つであること
この世界の7³を全て身につけることで虹の呪いの一部が解呪されること
この4つを一方的に伝えてテレパシーは切れた
あの日からかなり年月が経っているはずなのにヤツの声は変わっていなかった
ヤツは歳をとらないのか……?
ってか、虹の呪いの一部がこの世界の7³(トゥリニセッテ)を全て身につけることで解呪されるっていうなら、私に呪いをかけた意味がないような……
ま、解呪されるんならありがたく解呪してもらおうじゃないか
『さてと…兄様の様子を見に行かないと……』
カッ!!
突然、封印していたおしゃぶりが服の上に現れ強い光を放った
『っ!?』
それを直視した私は目がくらみそのまま気を失った
どれくらい気を失っていたのだろう……
『ここ……どこ?』
室内にいたのに何故か外……知らない場所に私は座り込んでいた
「リナ…なのか……?」
『!
誰!?』
振り返るとそこには襟足に羽飾りを着けた男性が立っていた
「お前……どうやって白蘭の手から逃げてきたんだ……?
いや、今はそんなことどうでもいい……
よく、兄の所に帰ってきてくれた……」
『兄…?
!
まさか……
「ああ、そうだ
ん?
お前、縮んでないか?」
『縮んでって……
兄様、いくら兄妹でも失礼だよ?
私は縮んでませんし、まだ成長します』
「まだ?
お前の成長は呪いで去年で止まったはずじゃ…」
『え……?』
「え?」
『兄様……変なことを聞いていい?』
「ああ」
『兄様、今何歳ですか?』
「34だ
それがどうかしたのか?」
『!!
兄様……信じられないとは思いますが……』
「ん?」
『私は…過去の……10年前の人間です』
「!!
そうか……
なら、タイムトラベルの原因は虹のおしゃぶりだな…」
『え!?』
「未来のお前が言っていた
ボンゴレリングとおしゃぶりがそろって以来、おしゃぶりの力で強制的にタイムトラベルをすることがある、と……
まさか10年前から始まってたとはな……」
『兄様……』
「大丈夫だ
時間が経てば10年前に帰れる」
『本当!?』
「ああ……
それまでオレの所にいればいい
この世界のことも教えないとな…」
『白蘭から…ってやつも関係するの?』
「ああ
でも、その前にやることがある……
お前、ボンゴレリングは持っているな?」
『もちろん
リングを手にいれてから肌身離さず持ってるよ
ホラ』
私は右手中指に着けた虹のボンゴレリングを見せる
「それじゃ、このチェーンをつけろ」
『?』
「マモンチェーンだ
この世界ではボンゴレリングや今のオレがつけているリング、おしゃぶりの力を感知するレーダーが全てのマフィアの拠点に設置されている
このチェーンはそのレーダーに感知されないようにすることができる
今、お前のリングとおしゃぶりはがっつりレーダーに映っている」
『え!?
おしゃぶりの力は私の魔法とマーモンがつけていたチェーンで封印しているはずなんだけど……』
「ああ……そうだったな……
しかし、そのチェーンの力は10年前までは有効だったんだ
しかし今は違う……
これもお前を守るためだ……
今から移動する
ここでおしゃぶりにマモンチェーンをつけろ
ボンゴレリングはある程度移動してからマモンチェーンをつけるんだ
いいな?」
『わかった』
私はおしゃぶりの封印を解いて服の上に出す
『!?
兄、様…これは……?』
「お前はわかるんだな……
これについては移動しながら教える
まずはおしゃぶりにマモンチェーンを巻き再び魔法の封印をしろ」
『わかった……』
私は兄様に言われた通りにおしゃぶりにマモンチェーンを巻き、再び魔法で封印をした
『あ、れ……?』
「封印によって動きやすくなったな……
行くぞ」
『あ、うん……』
移動中、兄様はこの世界のことを話してくれた
ボンゴレがミルフィオーレと呼ばれる新しくできたマフィアによって壊滅したこと
最強の赤ん坊といわれたアルコバレーノが未来の私を残して全員が死亡したこと
ボンゴレ10代目がミルフィオーレによって射殺されたこと
大気中に非7³線(ノン・トゥリニセッテ)とよばれるアルコバレーノにとって有害物質が放射されていること
今のマフィアの戦いはリングと
未来の私が白蘭に捕まっていること
そして、世界中でボンゴレ10代目に関わりがある人物を抹殺する…ボンゴレ狩りが行われていること
『かなりヤバイ未来に来ちゃったみたいだね、私は……』
「お前からしたらそうだろうな
だが、リング争奪戦をした過去から出来た未来……としたら」
『パラレルワールドか……
なら仕方ないか……』
「面白いことを教えてやる
お前より先に来た10年前の沢田綱吉とその守護者が日本のミルフィオーレアジトに殴り込みにいったそうだ」
『彼らが?
私より先って……私がこの世界に来たのは争奪戦が終わって2日後なんだけど……
彼らの成長の早さと時間が合わないんだけど……』
「まさか……過去とこっちで時差があるのか……?
いや、今はどうでもいい
リナ、話が変わるが……今、ヴァリアーは新しい拠点を確保するため、ある城に奇襲をかけている
この時代にきてすぐで悪いがお前の力を貸してくれ」
『……もちろん
リング争奪戦では出来なかった兄様の力になれるなら喜んで』
「ありがとうな
こっちだ」
『うん』
私は必死に兄様の後ろを着いていった
「ここだ」
着いた場所はお城
ボンゴレ本部よりは劣るがまあいい感じの城だ
「仲間はオレと同じ柄の隊服を着ている
間違えて攻撃するなよ?」
『わかってる
んじゃ私も一時的だけど……』
シュウウウ……
「……ほう……そうやって服を改造していたのか……」
『まあね
でも、所詮は幻覚……
長持ちはしない』
私は幻術を使って着ていた10年前の隊服を兄様の隊服と同じ柄に変更した
『準備万端
いつでも行けますよ』
「ああ……
じゃあ、行ってこい」
『はい!』
ダッ!
私は城に向かって走った
使う技はもちろん魔法
抵抗した場合は幻術とアルコバレーノになる前から使っていた戦術……ナイフと拳銃を使う
まあ、久しぶりの戦術だけど最強の赤ん坊の異名は伊達じゃないってとこ教えとかないとね……
『いたっ…!』
廊下を歩いていたのは白い隊服に身を包み、顔をマスクで隠した人物が2人
手には刃に炎を纏った武器を持っている
『
バチッ!
「誰だ!」
『魔法に驚かない……
やっぱり未来なんだ……』
「お前は…ヴァリアーの魔女!?」
「ウソだろ!?
あいつは白蘭様の所にいるはずじゃ……」
『未来の私を知ってるんだ…
詳しく聞かせてほしいところだけど…
ヴァリアーの邪魔だから消えてね』
「!!」
「な…!」
『バイバイ』
ザシュッ
「!!!」
「バカ、な……」
ドシャッ
『よし、2人駆除完了
城の中に置くのはあれだし……
そうだ……!
私は足元に転がる屍を魔法で浮かせ外に捨てた
屍の処理はそれ専門の方達がやってくれるだろ
『さてと……次は……』
私は偶然出くわした敵を魔法と武器で駆除し、浮遊魔法で駆除した敵を外に弾き出した
それを繰り返すこと10回
かなり開けた場所に出た
『ふぃー……
やっぱり魔法と武器の併用はするもんじゃないな……
動きに無駄ができる……
ヴァリアーで鍛えたからまだスムーズだけど……』
「う゛お゛ぉい
お前、何
『!!』
この声は……スクアーロ……
どうしようかな……
挑発しようかな……?
ってか、隊服に気付いてないのか?
アホじゃないか?
「おい、聞いてんのか?」
『魔女……って言ったらあなたはどうします?』
「魔女?
この時代に魔女はリナだけだ」
『その魔女だっていったら?』
「う゛お゛ぉい!
てめぇ、嘘をつくならもっとマシな嘘をつくんだなぁ!
リナは今、ミルフィオーレの白蘭ってクソヤローのとこにいるんだ
こんなところにいるわけねぇだろ」
『そういえばそうだね……
未来の私は白蘭の所にいる
でも、過去の私がこの世界にいるとしたら?』
「なっ!?
まさか…タイムトラベル……?」
『ピンポーン!
はじめまして?久しぶり?
まあ、どっちでもいいや……
元気そうだね、スクアーロ……さん?』
「お前…どうやってこっちに……
ヴァリアーにタイムトラベルの力を持った道具はなかったはず……
それに、タイムトラベルの力を持った道具を持っている雷のガキはこっちにきているから道具も使えないはず……」
『おしゃぶりの力でこっちに来ました
兄様が言うには時間経過で帰れるらしいので、それまでこの時代のヴァリアーで活動しようかなって……
兄様の許可はもらってますよ』
「ボスの……
わかった
ならこの時代のヴァリアーのメンバーを紹介しないとな……」
『ヴァリアーの霧の守護者……マーモンの後継人ですね』
「ああ……この時代のアルコバレーノはお前以外全員死んで存在しないからな……
六道骸がいただろ?
今、そいつの弟子がヴァリアーの霧を勤めている」
『え…!?
骸の弟子!?』
「ああ……」
『へぇ……骸が弟子を……
以外だわ……
その人に会えるかな?』
「気になるのか?」
『もちろん
骸の弟子ってわけだけだから、その弟子もすごい術者なんでしょ?』
「…………ああ」
『何、その間……』
「まあ、会わせてやる
通信も入ったからな……
この上の階に広い部屋がある
そこでヴァリアー幹部とボスが集まることになった」
『んじゃ案内よろしく』
「ああ
しっかり着いてこいよ」
『もちろん』
「こっちだ」
私はスクアーロの後ろを着いていった
あ、今気付いた……
この人、超ロングヘアーだ……
「ここだ」
ガチャ
「う゛お゛ぉい、ボスはいるかぁ!」
「うるせぇ、ドカスが…!」
ビュッ
スクアーロの顔面にグラスが飛んできた
ガシャン……
「ぐっ……」
『うわぁ……10年経ってもまだこのやり取り……
変わらないんだね、兄様とスクアーロは…』
「む…!?
何奴!?」
『へぇ……雷のおっさんはさらにおっさん化してる……』
「その言い方……もしや、妹様!?
いつ白蘭から…」
「ししし…
よく逃げだせたね……姫」
『逃げてないよ
私はただ過去からこっちに来ただけ
10年でさらに王子度が増したね、ベル』
「へぇー……だからちっさいんですね、
虹の魔女は…」
『ちっさいって……失礼な……
!
あ、君が骸のお弟子さんか……』
「はじめまして
ミーはフランっていいますー」
『はじめまして、フラン
知ってるとは思うけど、私はリナ
10年前からきました
これでもアルコバレーノで魔女です
よろしく』
「よろしくー
さすが魔女ですねー
幻術と魔法を上手く組み合わせて本体を隠してるなんてー」
『へぇ……君、わかるんだ』
「もちろんですー
あのナッポーに鍛えられましたからねー
それに、10年で幻術のやり方は変わりましたからねー」
『へぇ……
やっぱり幻術もリングと死ぬ気の炎で強くなるの?』
「もちろんですー
魔法と幻術の合わせ技も強いですが、それが出来るのは魔女であるリナさんだけですしー
それが出来ない我々術者はリングの炎で強化してるんですー」
『なるほど……
ってかフラン…スッゴい棒読みだね
素?』
「素ですよー」
『あと、そのカエルの被り物……君の趣味?』
「なわけないじゃないですかー
これはそこにいる王子(自称)の趣味ですよー
前任のマーモンの代わりってことで被らされたんですー」
『あー……
そういえばマーモンは頭にカエルを乗せてたな……
ベル、マーモンとよくつるんでだし……』
「リナ」
『はい、兄様』
「話したいことがたくさんあるのはわかった
だが今は任務中だ」
『!
すみません、兄様……』
「ボス、この城はヴァリアーが占拠しました
次のご指示を」
『へぇ……だからヴァリアーの旗が窓から見えてるんだ
それにおっさんの小さい旗……
この時代の10代目の右腕が見たらぶちギレますよ?』
「大丈夫だ
今、ボンゴレの右腕はガキと入れ替わっているからな」
『へぇ……
あ、そうだ兄様』
「なんだ」
『この城に入った時、白い隊服を着て顔をマスクで隠したヤツがいました
あれがミルフィオーレですか?』
「ああ
今ボンゴレはミルフィオーレに総攻撃をかけている
お前も加われ」
『了解
んじゃ先に……』
チャキッ
「師匠と同じ三叉の槍……
幻術ですねー」
『ピンポーン
邪魔しないでね
特におっさん』
スッと私は杖を取り出す
『邪魔したら私の最強呪文であの世に送ってやるから』
「なぬ…」
『んじゃいきますよー』
トンッ
私は杖を三叉の槍に合わせ、この建物全体に幻術の防御膜とミルフィオーレの侵入を防ぐ魔法…マグルよけの応用版…
「へぇー
こうやって幻術と魔法を使っていたんですねー
さすがアルコバレーノ」
『……どうも…
兄様、一時的ですがこの城一帯に魔法と幻術の防御膜をつくりました
よほどのことがない限り崩れることはありません』
「ああ
ならオレは城にいる
お前らが敵を撃ってこい
やり方はカスザメに任せる」
「ああ
んじゃお前らバルコニーに出ろ」
『では、兄様
また後で』
「リナ」
『何、兄様?』
「お前にこれを渡しておく」
兄様から渡されたのはヴァリアーエンブレムが刻まれたリングとヴァリアーエンブレムが刻まれ、一面だけ穴が空いている立方体の箱だった
『兄様、これは?』
「この時代のお前が使っていた虹のヴァリアーリングと虹のヴァリアー匣だ」
『え?』
「お前は過去の人間だが、争奪戦で死ぬ気の炎を灯すことができたからすぐ使えるだろ
匣を使うときは炎の量には気を付けろよ
量が少なかったり多すぎると上手く機能しないからな」
『え、ちょ…』
「匣に炎を注入するときはそのヴァリアーリングを使え
ボンゴレリングにも炎は灯せるが時期が来るまではマモンチェーンで封印していろ」
『ちょ、ちょっと兄様待って!!』
「ん?」
『何で私が使う前提で話してるの?
これは未来の私の武器でしょ?
何で未来の私が持ってないの?』
「……白蘭のせいだ……」
『は?』
「未来のお前は白蘭のところにいるって言ったな?」
『うん』
「未来のお前は白蘭に操られているんだ
アルコバレーノで魔女であるお前を自分の思い通りに…
ある任務から帰って来た未来のお前は瞳に光がなく、オレのところに来るやいなやヴァリアーリングを外し、ヴァリアー匣をオレに渡してきた
理由を聞けば『白蘭様の守護者になるからいらない』って言いやがった
そして非7³線が充満しているのにも関わらずおしゃぶりの封印を解き、このアジトを出ていった」
『は?』
「オレはすぐ追い掛け、未来のお前を止めた
呼び止められた未来のお前はオレに言った
『あなたは誰?』ってな……」
『……は?』
「記憶が消えたんだよ
オレと……いや、オレたちヴァリアーやボンゴレファミリーに関する記憶だけがな……
思い出させようとしたら敵認定されてな……」
『まじか……』
「記憶の消えたお前は厄介だった
流石最強のアルコバレーノ……魔女だと実感したよ」
『まあ、今までは仲間だから攻撃が当たらないように調整してたからね』
「それからしばらくして過去からお前がやって来た
過去のお前がこの時代に来たってことはこの時代のお前は過去に行ったことになる
そして、そのことに白蘭が気付くのにはもう時間の問題だ
だからお前にはこの時代の武器を渡す
その武器はお前を守り、助けてくれる
そしてオレたちもお前を白蘭の魔の手から守ってやるからな」
『わかりました
では、ありがたく使わせていただきます
ありがとう、兄様
では、行ってきます!』
「ああ」
私とスクアーロ達はバルコニーに出た
『へぇ……案外広いじゃん……』
「んじゃそろそろおっぱじめるぜぇ!!」
「んもうっ!
嫌になっちゃうわ!!」
『あ……ルッスーリアの存在忘れてた……』
「リナちゃんひどいわぁ~
いくら私と話す回数が少ないからって忘れるって~」
くねくねと動くルッスーリア
10年でさらにオネェが増している
『ご、ごめんなさい……
で、何が嫌なんですか?』
「籠城戦よ!
退屈だわ!!
それにディフェンスなんて性に合わないわ!!」
『それは誰だって同じでは……?
まあ、私は魔女なのでディフェンスもできますが……
あ、そういえば今のこちらの戦況とかスクアーロ、教えてよ』
「はぁ!?ボスから聞いてないのか?」
『一応聞いたけどもう一度確認で……』
「しゃーねーな……
今オレたちボンゴレは全世界のミルフィオーレに総攻撃をしかける大作戦をしてる
んで、このイタリアの主力戦がこの大作戦が成功するための1番の鍵となる
んで、オレたちヴァリアーはこの城を占拠したことで四方をミルフィオーレに囲まれている」
『なるほど……
それで籠城戦ってわけですね
全世界ってことはまだボンゴレ連合軍がいるんじゃ……』
「あー……こっちに残ったボンゴレ連合軍はあてになんねー」
『は?』
「こんなことなら跳ね馬、日本に向かわせるんじゃなかったか?」
『跳ね馬……日本にいるんだ……』
「何を弱気になっておる!!
この程度の敵!!
我が手にかかれば造作もない!!」
「『レヴィさーん
だったら1人で造作もなくやっちゃってくださーい
見てますんで』」
「何!?」
「ししし
姫とフラン、キレーにはもってやんの」
「だが
地形上敵が攻めてくる地点は限られている!!
決して悪い状況ではない!!」
「“だが”の使い方おかしいだろ
変態雷オヤジ」
「ぬおう!?
貴様、今何と言った!?」
「キレイな空だなー」
『毒舌使いだ……』
「で、みんなの配置はどうするの?
スクアーロ作戦隊長」
「う゛む…
レヴィとルッスーリアは城で待機して何かあればサポート
オレは東の抜け道を守る
南はベルとフランだ
ザコは好きにつれてけ」
「ゲッ
オレがフランのお守り?」
「嫌なのはミーも同じですー
あいつ嫌なタイプですのでー
前任のマーモンって人の代わりだとかでこんな被り物強制的にかぶらされるのも納得いかないしー」
「……スクアーロ作戦隊長
任務中、あのカエル死ぬかもしんない…
オレの手によって」
「ざけんなガキィ!!
新米幹部はぺーぺー幹部が面倒みんに決まってんだろぉ!!」
「オレもうぺーぺーじゃねーし」
『スクアーロ作戦隊長ー、私はどうすれば?』
「お前は西だ
匣の開け方はリングに炎を灯して穴にリングの炎をぶちこむ
戦いながら慣れろ」
『はーい』
「何かあったらお前は強力な光の魔法を使え
無線を渡したかったがお前の分は用意してなかったからな……
んで……」
スクアーロはクルッと身体をおっさんの方に向ける
「くだらねえ目くばせしてんじゃねえ!!」
ドスッと膝蹴りをレヴィに当てるスクアーロ
あれは…入ったな……
「おえええ……」
びちゃびちゃと汚物を石畳に吐き出すレヴィ
汚い……
「んふっ♥️
私達って本当、見も心も汚い集団よねぇ♪」
私達って……私も入ってるのか……?
いやだなぁ……
「オラァ、わかったら行けぇ!!
ザコ新兵は好きなとこついていけ!」
スクアーロの号令でベルとフランが動いた
『おっさん、汚いから吐いたもの綺麗にしてから任務にはいってね
私、
よろしく』
私はそういってバルコニーから飛び降りた
本当なら箒で空を飛びたかったが目立つかもしれないからやめた
「いっぱい殺ってくるのよ~!!
匣も忘れずにね~♪」
『匣って奪ってもいいんだ……』
「ああ」
「匣は武器ですからねー
所有者は虹の匣以外は固定されてないんですよー」
『なんで?』
「虹の匣は虹であるリナさんしか使えないし、虹の匣はリナさんが持っているそれだけだからですよー」
『まじか』
「しししっ
姫はレア属性だからね
あと、いいこと教えてやるよ
姫の虹の炎は全ての匣を開けることができる
威力は落ちるけどね…
まあ、匣を見つけたら奪って使いまくれ」
『了解
んじゃ、私は西側だから…』
「ミー達は南ですねー」
「しししっ
捕まんじゃねーよ?」
『そんなヘマはしないよ!』
私はそういって西側に向かって走った
さて…
この匣には何が入ってるんだろう……?
匣を振っても音は無し
この中に武器が入ってるのか……
科学の力って凄いなー……
これ作ったやつ天才だな
ガサッ
『!』
木の影から音……
私はその場に立ち止まり音がした方に意識を向ける
左手には匣
右手のヴァリアーリングには炎を灯しいつでも開けることができるようにする
ガサガサ……
ガサッ
『!』
木陰から出てきたのは小さなリス
『リス……
この森にいるんだ……
ん?』
よく見たらうっすらと耳としっぽに赤い炎……
ミルフィオーレが持ってた武器に似てるな……
『敵、か……
さてと……鬼が出るか、蛇がでるか……』
ボウッ
カチッ
私はリングの炎を匣に注入した
キュアアアアア……
ドシュッ
匣から出てきたのは……
「ガウ?」
虹の炎をまとった少し小さめな白ライオンだった
『まじか……
え……?
こんな小さな匣からライオン!?
ライオンがでてきやがった……』
「?」
よんだ?というかのように首をかしげる虹のライオン……いや、
『あ、そうだ……
どうも……私は君の主の子供時代の主だよ
まあ、姿は違うけどおんなじ人物だからよろしくね?
えっと……「ましろ」?』
「!!
ゴロゴロ……」
え……マジか!
すぐなついた!
名前、あってた!!
未来の私も体毛の色で名前をつけたんだな……
『んじゃ、ましろ……
このリスの持ち主はどこにいるかわかる?
わかったら軽めに攻撃して……?
できる?』
「ガウッ!
グルルル……」
ましろはゆっくりと唸り始め、それと同時にましろの頭上にはバチバチと放電する球体が出来る
『ましろ、すごい……』
「ガァアアアアア!!」
バシュッ!!
ましろの咆哮と同時に球体から大きな稲妻が上空に発射され…
ドーーーーーーン!!!!
「ギャアアアアア!!!!」
リスが出てきたところから少し離れた右側に落ちた
『あー…これは殺ってしまったか……?』
でも一応生死の確認をしとかないとな……
雷だからまあ…そこまでグロい死体はないだろ……
ガサガサ……
『あ、いた…!』
雷が落ちた場所にはミルフィオーレの隊員が2人
1人は蓋の空いた匣を手に持ち、もう1人は炎の灯った槍を持っている
『リスの飼い主はこいつだったのか……
んで、槍が避雷針になったのか……
まあ、アンラッキーだったってことで……』
私は隊服の内ポケットから杖を取り出す
『まずは……
私がそう呪文を唱えると近くに生えていた蔓がミルフィオーレの2人の手首に巻き付いた
『これで良し……
さてと、匣は他にあるかな……?』
奪う匣は何がいいかな……?
今私がわかるのは……
ましろが入っていた匣とリスが入っていた匣……アニマル匣とミルフィオーレが持っている武器が入っていたであろう匣……武器匣の2つ
他にもありそうな気がするけど、戦わないとわかんないからな……
まあいっか!
手当たり次第貰っていこう
あ、でも貰いすぎたらあれだから、指輪とアニマル匣は置いておこう
アニマル匣がたくさんいても育てきれないからね
いくら炎で動くおもちゃだろうが生きているからね
大事にしないと……
さてと……この人達の匣は……
ガサゴソ……
『……これだけか……』
アニマル匣を持っていたミルフィオーレからは中身がわからない匣が2つ
武器匣を持っていたミルフィオーレからも中身がわからない匣が2つ
彼らは3つずつ匣を持っていた
さて……開封式といくか……
『一つ目』
私は蓋の閉じている匣にリングの炎を少量注入した
ドシュッ
出てきたのは虹の炎を纏った鎌
『鎌か……
この隊服で使ったらまるで死神みたいだな……
んじゃ、次!』
ドシュッ
ボッ
『おっ!?』
匣から出た虹色の炎は私の両足に引っ付き、靴が虹の炎を噴射する白いブーツにかわった
『すごっ
これ……空飛べるんじゃね……?』
何となく思った
争奪戦でおしゃぶりの力を使って炎を足に集中して空を飛んだ技を原理が似ていると…
ってことでやってみたら、あっという間に使えるようになった
『よっしゃー!!
移動手段ゲット!!
ってことで次!』
ドシュッ
「?」
出てきたのは虹の炎を灯す鳥……インコだった
『そういえば……
3つ開けて気付いたけど持ち主は私と違う色の炎なのになんで私が開けた匣は私と同じ炎を灯すの?
んで、どうやったらしまえるの?』
「そ…それはですね……」
『!!』
背後から声!
ガッ
パシッ
私はついさっき開けた匣から出した武器を蹴りあげ手に取り振り返る
「わああああ!!!!
ま、待ってください!!
僕は味方です、リナ様!!」
そう言って両手を上げて立っていたの
はヴァリアー隊服を着た少年
『君、誰?
ヴァリアーの隊服着てるけど……』
「ですから、仲間です!
僕はあなたが率いる部隊の隊員で、ロンといいます
これがその証です」
彼の腕章には虹のヴァリアーリングに刻まれた刻印と同じ刻印が刻まれていた
『ふーん……
んじゃそういうことでいいや
で、何か用?』
「あ、えっと…
さっき開けた匣の炎がどう…って言ってましたよね?
匣は決まった死ぬ気の炎で動きます
そのため、その決まった炎以外の炎では
ですが、大空の属性と虹の属性だけは他の属性の匣を開匣することができます
その時、匣兵器はその開匣時の炎を放出するのです
これは誰もが知ってるはずですが…
ん?
そういえば……リナ様少し幼いような……」
『あ、ごめん…
私、10年前の世界から来たからさ…今の時代のことはあんまりわかんないんだよね……
で、属性って何?』
「!!
そ、それは失礼しました!!
では、簡単ですが説明いたします!」
『ありがとう』
「では、まず死ぬ気の炎から……
死ぬ気の炎とは、人間の生体エネルギーを圧縮し視認できるようにしたものです
指紋のように個々によって炎の色・形・強弱が異なり、炎の使い方次第では、炎の推進力によって宙に浮き自由に飛び回ることや、武器やロボットの動力源にすることもできます
これを応用したのが匣兵器です」
『なるほどね』
「次に属性です
死ぬ気の炎には、【大空】【嵐】【雨】【雲】【晴】【雷】【霧】といった、天候になぞられた7つの属性があり、これらは大空の7属性と呼ばれています」
『大空の7属性…
何で【虹】は入ってないの?…』
「はい
虹属性の出現はとてもレアで魔女か魔法使いしか灯すことしか出来ません
なので大空の7属性にはカウントされてないのです
そして虹の死ぬ気の炎はとても特別で全てのリングにも炎を灯せることが確認されております
我々ボンゴレは虹属性は大空の7属性の力を全て強く持っており、一つに集結して使ったり、一つ一つ分解して使うことが出来ると仮定しています
ちなみに炎の色は大空はオレンジ、嵐はレッド、雨はブルー、雲はバイオレット、晴はイエロー、雷はグリーン、霧はインディゴ、虹は今あなたが灯している炎…各属性が一つに集結したレインボーとなります」
『なるほどね……
なら、私の匣兵器……ましろが雷を使えたのは納得だわ』
「はい、虹属性専用の匣兵器であるましろ様も各属性の力を使用することができます
では、次に各属性の性質ですが……
これは実際見たほうがはやいですね
僕は嵐属性ですので…嵐のリングと匣兵器を使います」
そういってロンはリングに炎を灯し匣を開ける
ドシュッ
出てきたのは大きな…いや、太ったネズミ
「僕の匣兵器、
スキャバーズ、あの木を噛んで」
「チュィッ」
ロンが指差した木に向かって走る嵐ネズミ
ガッ
そしておもいっきり木にかぶりついた
『ん?
これで何がわかるの?』
「まあ、見ててください」
ロンに言われて私は嵐ネズミをじっと見る
すると……
ボッ
噛んだ所から赤い炎が立ち込め、そこから灰になり崩れ落ちた
「嵐の属性の性質は【分解】です
嵐の炎に触れた物質を言葉の通り分解します」
『へぇ……』
「よし、いいぞ
ありがとうスキャバーズ」
パシュン
『!?』
えっ……!?
匣に戻った!?
出したら出しっぱなしじゃないの?
「そして匣兵器は使用者の意思で収納ことができます
出しっぱなしも可能ですが、ずっと炎を与え続けないといけないので用が済んだら戻すことをおすすめします
まあ、たまに開けたら収納できない出しっぱなしの匣兵器もありますがね……」
『なるほど……』
「では、次に……」
ガサッ
『!』
「……敵襲ですね……
すみません、話過ぎました」
『大丈夫
気にしないでそのまま続けて
10年前でも私は強いから』
「ですが……」
『大丈夫
すぐおわらせるから』
スッ
私は杖を音がした方向に向ける
「では……」
『
そう呪文を唱えると杖先から大量の水が放水された
『ましろ』
「ガウ!
グルルル……」
ましろはついさっき放った技をもう一度発射する
水と電気の合わせ技だ
被弾したらひとたまりもないだろう
バシャシャーン!!
「!!!!!!」
『よし、当たり!』
「す、すごい……」
『さてと回収に行くか……
ロンくんだっけ?
歩きながらでいいから続きお願いね』
「あ、はい!
では…」
こうして私はロンくんから各属性の性質を学んだ
雨の【鎮静】、雷の【硬化】、晴の【活性】、雲の【増殖】、霧の【構築】、大空の【調和】……
聞いてみてなんとくイメージがしやすかった
ついでに虹の性質も聞いてみたが不明だと言われた
まあ、虹属性はもともと私の魔力がこの世界の仕組みと混じってできた属性だからな……
不明なのは納得だわ
「リナ様」
『ん?』
「南のベルフェゴール様とフラン様に同行していた仲間からの連絡です
南にミルフィオーレの6
『6弔花……ボンゴレでいったら守護者ってやつかな?』
「はい!
加勢に行きますか?」
『そうだね
でも行くのは私だけ
君は他の仲間とここら一帯で敵の足止めをよろしく
私が回収した匣兵器は君達が使っていいよ』
カチッ
ボウッ
私は先ほど敵から貰った飛行能力のあるブーツ型の匣兵器(フレイムシューズと名付けよう)を足に装着し、宙に浮く
「え?
あ、はい、わかりました!
お気をつけて!」
『ん』
私はそう返事をしてベル達がいる部隊に向かう
さてと……6弔花ってどんなやつなんだろう……?
強いのかな?
楽しみだな……!