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リング争奪戦最終日
真の後継者が決まる大空のリング戦
生存が確認されている守護者全員と大空のリングの保持者である沢田とXANXAS 兄様が召集された
ここにきて改めてスクアーロが死んだという現実を見る
最悪だ
「それでは大空戦の説明をします
大空戦では、7つのリングと守護者の命をかけていただきます」
「リングと守護者の命をかける……?」
沢田は二つ目のかけるモノに納得がいかないようだ
「そうです」
「ちょっ、何言ってんの!?
ランボはケガしてるんだぞ!!?
ランボを返せ!!!」
『それはこっちも同じだよ
あんたは知らないだろうけど、召集がかかったらどんな姿だろうが集まる……それが守護者の務めなんだよ』
「でも……!」
『でももへったくれもない
チェルベッロ、兄様は長く待つのは好きじゃない
さっさとはじめて』
「わかりました……
では、大空戦を始めましょう」
「ちょっと待ってよ!
まだ納得は……」
『うるさい
納得できないなら大空のリングを兄様に渡して消えろ』
「ぐ……」
『渡さないんだ……
だったらさっさと納得して兄様と戦え』
「では……
まず守護者のリングを回収します」
「なに!?
死に物狂いで取ったこのリングを返せというのか?」
『沢田の晴の守護者はバカか?
この戦いは守護者の命とリングをかけるっていってただろ?
チェルベッロは一旦リングを預かってこの戦いのどこかで使うんだよ
お前が真の守護者であるならば心配する必要はない
でしょ?
チェルベッロ』
「はい
真の守護者であるならば心配する必要はないでしょう
最終的にボンゴレリングは必ず持つべき主人の元へいくものです」
「……?」
「では、こちらへ納めてください」
チェルベッロの手にはリングを納めるケース
「リナ様のリングはこちらにお願いします」
チェルベッロの手には兄様がかつて私に虹のリングを渡してくれた時のケースと瓜2つのケース
『そのケース……』
「リナ様」
『……気のせいか……』
私はそう思うことにしてリングをケースに納めた
「たしかに」
「それでは
大空戦のルールを説明させていただきます
大空戦も他の守護者同様、リングを完成させる事が勝利条件の1つとなります」
「ただし、フィールドは学校全体
広大なフィールドでの戦いを観戦できるよう観覧席と各所に小型カメラと大型ディスプレイ
そして、守護者の皆様にはカメラ搭載型モニター付きリストバンドを用意しました」
『へぇ……準備がいいんだね……』
「では、守護者の皆様はリストバンドを装置し次第、各守護者戦が行われたフィールドに移動して下さい
なお、リナ様が行われた虹戦は特別フィールドでここから距離があるため、特別措置として中庭に移動をお願いします」
『りょーかい
んじゃ私は行くわ
兄様の勝利、信じてます……』
私は箒に乗って中庭に向かった
中庭上空
『ここか……
ん……?』
中庭にはリングが置かれたポールとチェルベッロが立っていた
『何、してるの?』
私は中庭に降り立ち、そこにいたチェルベッロに話しかける
「リナ様」
『何?』
「申し訳ありませんが、あなた様の魔法の使用をこの戦いの間だけ禁止させていただきます」
『は?』
「あなた様の魔法は強力であり、また、大空戦においてあなた様の魔法のサポートが発生すると勝敗に影響がでると判断されましたので……」
『ふーん
わかった』
「では……」
『あ、杖の回収はしないでくれるかな
魔女の命だから』
「ですが……」
『お願い……』
「っ!
わかりました
では……」
『ごめんね』
私はチェルベッロに箒を渡した
「たしかに預りました
大空戦終了後、必ずお返しします
では、私はこれで」
シャッという音と共にチェルベッロは兄様がいる方角に向かって跳んだ
「全員がフィールドに到着したことを確認しました
ルール説明を続けます
各フィールドに設けられたポールの頂上にはフィールドと同じ種類のリングが置いてあります」
へぇ……ここにいてもスピーカーの音声が聞こえるんだ……
「ん…!?
リング…
まさか、また奪い合えってのか……?」
「ってことはさー
オレ達も戦えちゃうわけ?」
「どうぞ、ご自由に」
「え!?」
「ただし、できればの話ですが」
「……?」
グサッ
『いっ!?』
「ただ今、守護者全員にリストバンドに内蔵されていた毒が注入されました」
『毒、ねぇ……』
「デスヒーターと呼ばれるこの毒は瞬時に神経をマヒさせ、立つことすら困難にします」
いや、立ててますけど……?
「そして、全身を貫く燃えるような痛みは徐々にましてゆき、30分で……絶命します」
へぇ……でも私は死なないんだよな……
呪いで
「ど、どーゆーことだよ!!
大空戦なのに、なんでみんながこんな目に!!」
「大空であるボスの使命だからです」
「!?」
「晴、雷、嵐、雨、霧、雲、そして虹
すべてに染まりつつ、すべてを飲み込み、包容することが大空の使命
守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い
それが大空戦なのです」
「委ねるって…こんなの!!」
「毒の進行を止める方法が1つだけあります」
「!」
「それは守護者のしているリストバンドに同種類のリングを差し込むことです」
へえ…
だからリングが入りそうなくぼみがあるんだ…
「リストバンドの#凹 みにリングを差し込めば内蔵されたデスヒーターの解毒剤が投与される仕組みとなっています」
なるほど…
ならさっさと解毒するか……
いくら不死でも呪いが解けた時にこの毒で死にたくないからな……
でも今動いたら効いてないってバレそうだし……
よし、兄様が動いてからにしよう
でもまさか、ここで守護者のリングが使われるとはな……
ってことは、ボンゴレリング全てを手に入れることも勝利条件か……
さてと、どうしようかな……
私一人でもリングの回収は可能だけど、リングは持ち主がいないと機能しないし、それに、このボンゴレリングは他のリングとは違って持ち主を選ぶからな……
他の守護者の解毒をして廻るってのは恩を売るって感じでなんかイヤだし…
解毒してすぐバトルが始まって巻き込まれるのもイヤだし……
仕方ない、各守護者達に任せよう
あいつらならなんとかするだろ
ドゴン!!
突然響く大きな音
音がしたのは兄様のいるグラウンドの方角だった
『あ、始まったな
強烈な一発で沢田のやつ吹っ飛ばされたな…これは……』
スピーカーからはチェルベッロが兄様にまだ開始とは言っていないというような内容の言葉が聞こえる
多分だが、沢田が「急ごう」とか「早くしないと」とか言ったんだろ
「早く始めたいと言ったのはあっちだぜ」
やっぱりね……
まあ、リボーンさんのことだから速打ちで特殊弾を沢田に撃っているだろう
ドウッ
大きな音と共に兄様がいる場所の空がオレンジ色に輝く
『沢田のやつ、超 死ぬ気モードになって出てきたな……
さてと……開始の号令を待つか……』
「観覧席は校舎裏の一面です
守護者戦と同様、赤外線センサーにより出ることができませんので悪しからず」
「それでは、大空のリング
XANXUSVS. 沢田綱吉
勝負 開始!!」
チェルベッロの号令がスピーカーから聞こえた
チェルベッロの声がして数秒後、オレンジの光が強くなった
沢田が炎の力を使ってXANXUS兄様に接近したんだろう
ああ……兄様の戦いを近くでみたい……
でも、すぐ動いたらな……
この場所にいるやつらに毒が効いてないってバレちゃうかもしれないしな……
ああ……面倒だ……
『仕方ない……
近くでの観戦は諦めよう
さてと…
まずは解毒解毒っと……』
私は目の前にあるポールと校舎をじっとみる
ジャンプと壁キックしたら取れそう……って思った私って、今や完全にこの世界の色に染まってるんだな……
ダッ
私は校舎に向かって走り…
タンッ
ジャンプした
『よっ』
タンッ
そして壁にぶつかる寸前で思いっきり壁を蹴ってポールに向かう
『よし、予想通り!』
パシッ
ダンッ
私はポールから虹のリングを捕り地面に着地する
『えっと…これを差し込めばいいんだよね…?』
カチッ
プシュッ
『さてと……』
これで解毒は完了
毒による痛みがなかったから効いているのか全然わからない
厄介だな、この呪い……
ドンッ
『!!
な、何!?』
今さっきの音は今までよりもデカイ……
「カスごときに武器をとるとはな…」
『ん!?』
スピーカーから聞こえる兄様の声
リストバンドについているモニターを見ると、兄様の両手には「X」の装飾が施された拳銃が握られていた
『あれが兄様の武器……
何か武器はもってるだろーなとは思ってたけど…』
これは近くで見ないといけないな……
よし、行くか
チェルベッロらが何か言いそうだけど気にしないで行こう
ダッ
私は兄様が戦っている場所に向かって走った
走ること数十秒
よし、ここからならよく見える
私が今いる場所は大空戦の説明を受けた場所にあった渡り廊下の屋根の上
四階建ての校舎の一部が抉れているのには驚いた
あ……そういえば昔調べたボンゴレの資料の中に歴代ボスの情報があったな……
沢田の武器は初代と同じで兄様は7代目と同じか……
でも、拳銃の炎で校舎の1階と2階の一部がきれいに半球状にえぐれるわけないし……
まさか……憤怒の炎…?
だとしたら……えげつない攻撃になるな……
いくら死ぬ気の炎で壁を作っても破壊力、貫通力抜群になった憤怒の炎は止められない
今の沢田でも一撃でも食らえばヤバいことになる
「ダニが
高速移動がてめーの専売特許と思ってんなよ」
兄様は地面に向けて引き金を引いた
弾を推進力にしているのだ
これで機動力は並んだ
「散れ」
兄様は沢田に銃を向けた
沢田は後ろを確認し、兄様の攻撃の方向が変わるように避ける
ドゴォ
方向が変えられた炎は体育館の屋根に直撃した
沢田が一瞬ひきつけたため、中にいたクロームとマーモンは無事
タンッ
ダッ
兄様と沢田は校舎の壁に立つ
あの二人には重力という概念はないのだろうか……
まあ炎を上手く放射しているから立てているんだろうけど……
「ほざいていたな
守護者は誰も死なせんと
それで貴様は何を得た」
「?」
「オレは部下が死のうがどーでもいいが、見ろ」
リストバンドのモニターと巨大モニターに映る毒に苦しむヴァリアーの皆と渡り廊下の屋根の上で体操座りをしている私の姿が映し出された
「なっ!?」
チェルベッロの声が響く
『げ……
見つかっちゃったよ……』
あー油断してたわ……
ここなら映らないと考えてたけど学校中に小型カメラを仕掛けてたな、これは……
「…毒が効かなかったとしか考えられませんが、デスヒーターは野生の象すら歩行不能となる猛毒……」
「だが、現にアイツはリングを手に入れているぜ、コラ!」
『チェルベッロ、悪かったね
特別な虹のアルコバレーノである私には毒は効かなかったよ
まあ、針が刺さった時は痛かったけど……
でも万が一ってことがあるかもしれないからポールは壊さずリングだけ取って解毒はさせてもらったよ
んでここにいた理由は兄様の戦いを近くで見るため
兄様ー!勝ってくださいね!』
「わかっている
お前はさっさとリング回収に行け」
『はい
では、いってきます』
タンッ
私は兄様にそう言ってここから近い雲のリング回収に向かう
「……沢田綱吉、これこそが大空だ!!」
私の背後から聞こえる兄様の声と銃の音
あの場所からさらに上に上がったのだろう
「施しだ!!」
リストバンドに映る兄様の姿
拳銃から放たれた二つの炎は嵐と雷のポールに直撃した
倒れたポールから落ちたリングはベルとおっさんの前に転がった
これでベルとおっさんは解毒完了
『へぇ……リング戦の勝者にだけ施しか……
あの二人のところに先に行かなくてよかった…』
自由になったベルは対戦相手を放置し、他のリングの所に向かい、おっさんは対戦相手を殺ろうと動く
グラウンド
『はい、とーちゃ…く?』
ん?
ポールが倒れてる…
「君……天才なんだって?」
『!!
マジかよ……』
モニターに映ったのはベルを見下ろす雲雀恭弥
『あいつ……自力でポールを倒して解毒したのか……
これが束縛を嫌う奴の意地の力ってやつか…』
そういえば雲の守護者の使命は…何者にも捕らわれることなく独自の立場からファミリーを守る孤高の浮き雲…だったな……
そして本物の守護者達は使命だけでなく関係性も天候に酷似している
雲は時に他の天候の契機となり嵐を巻き起こす
そして雨が止み晴れると虹が現れる
おっさんは爆煙の中にいる牛がらの服を来た男児…ランボを見つけた
そこに嵐が吹き荒れる
「待ちな」
ドガンッ
あー……雲雀がベルの持っていた嵐のリングを弾いたんだな、これは……
ってか、このままいったら沢田とその守護者が10代目ボンゴレボスとその守護者になっちゃうじゃん……
沢田の守護者達、がっつり使命を体現してるし……
何とかして阻止しないと……
でも、おっさんの加勢はしたくない
ベルも戦いの邪魔をしたらなにされるかわかんないし……
ってことでこっからなら体育館が近いな
さてとマーモンとクロームの解毒に向かうか
アルコバレーノが死んだら洒落にならないからね……
ってことで体育館へGo!
体育館
ガラガラガラ……
『バイパー?生きてるー?』
私は扉を開けると同時にバイパーに話しかける
「か、ろう……じ、て…ね……」
『それはよかった
で、何でこんなに瓦礫があるの?』
「ボスの……仕業、さ……」
『へぇ…流石兄様』
「ねぇ……リナ……」
『あ、忘れるところだった……
バイパー、君を助けに来たよ』
「!!」
『君が死んだら洒落にならないからね
私達にかけられてる呪いを解くにはアルコバレーノが全員生きてる状態じゃないと……ねっ』
タンッ
パシッ
よし、霧のリングゲット
『まあ、君ならヴァリアーでリングを受けとる時に気づいていたかもしれないけど……
私は虹のアルコバレーノ
君が逃げている間の虹戦の時に暴露したんだ
んで虹戦にはいなかったやつには兄様が施しだってする前に暴露した
今は魔法を使ってこの姿をしてる
まあ、これからもよろしく』
「……まさか……こんな近くに、アルコバレーノがいたなんてね……」
『気付かないのは当たり前だよ
私も君のようにおしゃぶりを鎖で封印して、その上に魔法でも封印していたからね
私も霧戦までは怪しいとは思いながらも君がアルコバレーノとは確信してなかったんだから』
「そうか……」
プシュ
『今解毒したけど、君はしばらく大人しくしていたほうがいい
何かあったらいけないからね
アルコバレーノとはいえ、この毒には弱いことがわかったし……
まあ私には呪いがあるから効かなかったけど』
「毒が効かない呪い、ね……
リナはこれからどうするんだい?」
『まあ、今はリング回収に専念するよ
兄様をボスにするには全てのリングが必要だからね
あ、霧のリングはバイパーが持ってて
アルコバレーノが持ってたほうが安全だし……
あ、でもその前に……』
私は今も毒に苦しんでいるクロームを見る
「まさか、その女の解毒をするのかい?」
『うん
彼女は骸と繋がってるからね
それに……バイパーを負かした唯一の術者のひと欠片だし……』
「ぐ……」
『悔しいならまた戦うんだね
彼女が生きてる限り骸は出てくるんだし……』
私はクロームの隣に座る
『さてと……クローム、だっけ?
今から君を解毒する』
「……え…」
『安心して
私は骸の仲間
この瞳が証拠……』
私はクロームに左目を見せる
「!!
骸様と、同じ……」
『そ
んじゃ手遅れになる前に解毒するから手、出して』
「……はい……」
『いい子だ』
私はクロームの手を優しく持ってリストバンドにリングを差し込んだ
プシュッ
『これで解毒されたよ
君も長い間毒ってたからしばらくは大人しくしていたほうがいい
骸の加護があったとしても君はアルコバレーノとは違って普通の人間だからね
わかった?』
「…はい……」
『うん、いい子だね
んじゃバイパー、私は他のリング回収に行ってくるからしばらく大人しくしててね
霧のリングは頼んだよ』
「わかったよ」
『じゃ、行ってきます』
ガラガラ……ガシャン
私は体育館の扉を閉めて雨のリングの場所に向かった
アクアリオン
『さてと……さっさと解毒してリング貰って帰ろ……』
ガコン……
『あれ……?』
誰もいない……
まさか……誰かが解毒した……?
だとしたら今動いてるのは虹と嵐、雨、雷、雲になる……
こっからなら霧が近いし……少し回り道をすれば晴……
こっちに来るときに出会った人間はいない……
ってことは……
ダッ
私は急いで晴のリングがある場所に向かった
が
『やられた……』
沢田側の晴の守護者の姿は見えず、解毒され元気に騒ぐルッスーリアだけがいた
『ルッス、晴の守護者がどこに行ったかわかる?』
「そうねぇ……
確か霧がどうとか言ってたわね……」
『霧……
まさかあいつら……』
「?」
『ルッス、ごめん!
私、ちょっと行ってくる!』
ダッ
私は急いで体育館に向かった
体育館
ガラッ
『バイパー!!』
「あれ、姫じゃん」
『ベル!』
「ちょうどいいところにきたね
今取引をしているところなんだ」
『取引……?
ってまさか!!』
「そ、あいつらは霧と虹以外すべてをもってるってわけ
で、今からこの女の解毒と雨、雲の交換」
『え?』
クロームって私が解毒したはず……
『!!』
なるほど……幻覚ね
解毒されたクロームを縄で縛り、その上から幻覚で解毒されてないクローム映像を被せる
流石霧のアルコバレーノだわ
ザザッ……
「許さねぇ……!」
『兄様……?』
私はリストバンドに映る映像を見る
『!!
まさか……
ベル、ごめん
私、兄様のところにいくわ
取引は任せた』
ガシャン
私は急いで兄様が戦うフィールドに向かう
モニターに映った兄様の顔に浮かんだアザ……
あのアザは……
兄様が危ない!!
こんな時魔法が使えたら!!
くそっ!!
バキンッ
私はおしゃぶりの封印を解き、脚力に全ての力を注いだ
ボッ
私の足に灯る7色の虹の炎
熱くはない
『これは…沢田と原理が似てる……?
だとしたら!!』
ゴウッ
私は足に灯る炎の力を利用して空に浮く
『やっぱり!!
だったら……行ける!』
ゴウッ
私は足に灯る炎を利用して空を飛び、兄様の場所に向かった
真の後継者が決まる大空のリング戦
生存が確認されている守護者全員と大空のリングの保持者である沢田と
ここにきて改めてスクアーロが死んだという現実を見る
最悪だ
「それでは大空戦の説明をします
大空戦では、7つのリングと守護者の命をかけていただきます」
「リングと守護者の命をかける……?」
沢田は二つ目のかけるモノに納得がいかないようだ
「そうです」
「ちょっ、何言ってんの!?
ランボはケガしてるんだぞ!!?
ランボを返せ!!!」
『それはこっちも同じだよ
あんたは知らないだろうけど、召集がかかったらどんな姿だろうが集まる……それが守護者の務めなんだよ』
「でも……!」
『でももへったくれもない
チェルベッロ、兄様は長く待つのは好きじゃない
さっさとはじめて』
「わかりました……
では、大空戦を始めましょう」
「ちょっと待ってよ!
まだ納得は……」
『うるさい
納得できないなら大空のリングを兄様に渡して消えろ』
「ぐ……」
『渡さないんだ……
だったらさっさと納得して兄様と戦え』
「では……
まず守護者のリングを回収します」
「なに!?
死に物狂いで取ったこのリングを返せというのか?」
『沢田の晴の守護者はバカか?
この戦いは守護者の命とリングをかけるっていってただろ?
チェルベッロは一旦リングを預かってこの戦いのどこかで使うんだよ
お前が真の守護者であるならば心配する必要はない
でしょ?
チェルベッロ』
「はい
真の守護者であるならば心配する必要はないでしょう
最終的にボンゴレリングは必ず持つべき主人の元へいくものです」
「……?」
「では、こちらへ納めてください」
チェルベッロの手にはリングを納めるケース
「リナ様のリングはこちらにお願いします」
チェルベッロの手には兄様がかつて私に虹のリングを渡してくれた時のケースと瓜2つのケース
『そのケース……』
「リナ様」
『……気のせいか……』
私はそう思うことにしてリングをケースに納めた
「たしかに」
「それでは
大空戦のルールを説明させていただきます
大空戦も他の守護者同様、リングを完成させる事が勝利条件の1つとなります」
「ただし、フィールドは学校全体
広大なフィールドでの戦いを観戦できるよう観覧席と各所に小型カメラと大型ディスプレイ
そして、守護者の皆様にはカメラ搭載型モニター付きリストバンドを用意しました」
『へぇ……準備がいいんだね……』
「では、守護者の皆様はリストバンドを装置し次第、各守護者戦が行われたフィールドに移動して下さい
なお、リナ様が行われた虹戦は特別フィールドでここから距離があるため、特別措置として中庭に移動をお願いします」
『りょーかい
んじゃ私は行くわ
兄様の勝利、信じてます……』
私は箒に乗って中庭に向かった
中庭上空
『ここか……
ん……?』
中庭にはリングが置かれたポールとチェルベッロが立っていた
『何、してるの?』
私は中庭に降り立ち、そこにいたチェルベッロに話しかける
「リナ様」
『何?』
「申し訳ありませんが、あなた様の魔法の使用をこの戦いの間だけ禁止させていただきます」
『は?』
「あなた様の魔法は強力であり、また、大空戦においてあなた様の魔法のサポートが発生すると勝敗に影響がでると判断されましたので……」
『ふーん
わかった』
「では……」
『あ、杖の回収はしないでくれるかな
魔女の命だから』
「ですが……」
『お願い……』
「っ!
わかりました
では……」
『ごめんね』
私はチェルベッロに箒を渡した
「たしかに預りました
大空戦終了後、必ずお返しします
では、私はこれで」
シャッという音と共にチェルベッロは兄様がいる方角に向かって跳んだ
「全員がフィールドに到着したことを確認しました
ルール説明を続けます
各フィールドに設けられたポールの頂上にはフィールドと同じ種類のリングが置いてあります」
へぇ……ここにいてもスピーカーの音声が聞こえるんだ……
「ん…!?
リング…
まさか、また奪い合えってのか……?」
「ってことはさー
オレ達も戦えちゃうわけ?」
「どうぞ、ご自由に」
「え!?」
「ただし、できればの話ですが」
「……?」
グサッ
『いっ!?』
「ただ今、守護者全員にリストバンドに内蔵されていた毒が注入されました」
『毒、ねぇ……』
「デスヒーターと呼ばれるこの毒は瞬時に神経をマヒさせ、立つことすら困難にします」
いや、立ててますけど……?
「そして、全身を貫く燃えるような痛みは徐々にましてゆき、30分で……絶命します」
へぇ……でも私は死なないんだよな……
呪いで
「ど、どーゆーことだよ!!
大空戦なのに、なんでみんながこんな目に!!」
「大空であるボスの使命だからです」
「!?」
「晴、雷、嵐、雨、霧、雲、そして虹
すべてに染まりつつ、すべてを飲み込み、包容することが大空の使命
守護者全員の命がボスの手に委ねられる戦い
それが大空戦なのです」
「委ねるって…こんなの!!」
「毒の進行を止める方法が1つだけあります」
「!」
「それは守護者のしているリストバンドに同種類のリングを差し込むことです」
へえ…
だからリングが入りそうなくぼみがあるんだ…
「リストバンドの#
なるほど…
ならさっさと解毒するか……
いくら不死でも呪いが解けた時にこの毒で死にたくないからな……
でも今動いたら効いてないってバレそうだし……
よし、兄様が動いてからにしよう
でもまさか、ここで守護者のリングが使われるとはな……
ってことは、ボンゴレリング全てを手に入れることも勝利条件か……
さてと、どうしようかな……
私一人でもリングの回収は可能だけど、リングは持ち主がいないと機能しないし、それに、このボンゴレリングは他のリングとは違って持ち主を選ぶからな……
他の守護者の解毒をして廻るってのは恩を売るって感じでなんかイヤだし…
解毒してすぐバトルが始まって巻き込まれるのもイヤだし……
仕方ない、各守護者達に任せよう
あいつらならなんとかするだろ
ドゴン!!
突然響く大きな音
音がしたのは兄様のいるグラウンドの方角だった
『あ、始まったな
強烈な一発で沢田のやつ吹っ飛ばされたな…これは……』
スピーカーからはチェルベッロが兄様にまだ開始とは言っていないというような内容の言葉が聞こえる
多分だが、沢田が「急ごう」とか「早くしないと」とか言ったんだろ
「早く始めたいと言ったのはあっちだぜ」
やっぱりね……
まあ、リボーンさんのことだから速打ちで特殊弾を沢田に撃っているだろう
ドウッ
大きな音と共に兄様がいる場所の空がオレンジ色に輝く
『沢田のやつ、
さてと……開始の号令を待つか……』
「観覧席は校舎裏の一面です
守護者戦と同様、赤外線センサーにより出ることができませんので悪しからず」
「それでは、大空のリング
XANXUS
チェルベッロの号令がスピーカーから聞こえた
チェルベッロの声がして数秒後、オレンジの光が強くなった
沢田が炎の力を使ってXANXUS兄様に接近したんだろう
ああ……兄様の戦いを近くでみたい……
でも、すぐ動いたらな……
この場所にいるやつらに毒が効いてないってバレちゃうかもしれないしな……
ああ……面倒だ……
『仕方ない……
近くでの観戦は諦めよう
さてと…
まずは解毒解毒っと……』
私は目の前にあるポールと校舎をじっとみる
ジャンプと壁キックしたら取れそう……って思った私って、今や完全にこの世界の色に染まってるんだな……
ダッ
私は校舎に向かって走り…
タンッ
ジャンプした
『よっ』
タンッ
そして壁にぶつかる寸前で思いっきり壁を蹴ってポールに向かう
『よし、予想通り!』
パシッ
ダンッ
私はポールから虹のリングを捕り地面に着地する
『えっと…これを差し込めばいいんだよね…?』
カチッ
プシュッ
『さてと……』
これで解毒は完了
毒による痛みがなかったから効いているのか全然わからない
厄介だな、この呪い……
ドンッ
『!!
な、何!?』
今さっきの音は今までよりもデカイ……
「カスごときに武器をとるとはな…」
『ん!?』
スピーカーから聞こえる兄様の声
リストバンドについているモニターを見ると、兄様の両手には「X」の装飾が施された拳銃が握られていた
『あれが兄様の武器……
何か武器はもってるだろーなとは思ってたけど…』
これは近くで見ないといけないな……
よし、行くか
チェルベッロらが何か言いそうだけど気にしないで行こう
ダッ
私は兄様が戦っている場所に向かって走った
走ること数十秒
よし、ここからならよく見える
私が今いる場所は大空戦の説明を受けた場所にあった渡り廊下の屋根の上
四階建ての校舎の一部が抉れているのには驚いた
あ……そういえば昔調べたボンゴレの資料の中に歴代ボスの情報があったな……
沢田の武器は初代と同じで兄様は7代目と同じか……
でも、拳銃の炎で校舎の1階と2階の一部がきれいに半球状にえぐれるわけないし……
まさか……憤怒の炎…?
だとしたら……えげつない攻撃になるな……
いくら死ぬ気の炎で壁を作っても破壊力、貫通力抜群になった憤怒の炎は止められない
今の沢田でも一撃でも食らえばヤバいことになる
「ダニが
高速移動がてめーの専売特許と思ってんなよ」
兄様は地面に向けて引き金を引いた
弾を推進力にしているのだ
これで機動力は並んだ
「散れ」
兄様は沢田に銃を向けた
沢田は後ろを確認し、兄様の攻撃の方向が変わるように避ける
ドゴォ
方向が変えられた炎は体育館の屋根に直撃した
沢田が一瞬ひきつけたため、中にいたクロームとマーモンは無事
タンッ
ダッ
兄様と沢田は校舎の壁に立つ
あの二人には重力という概念はないのだろうか……
まあ炎を上手く放射しているから立てているんだろうけど……
「ほざいていたな
守護者は誰も死なせんと
それで貴様は何を得た」
「?」
「オレは部下が死のうがどーでもいいが、見ろ」
リストバンドのモニターと巨大モニターに映る毒に苦しむヴァリアーの皆と渡り廊下の屋根の上で体操座りをしている私の姿が映し出された
「なっ!?」
チェルベッロの声が響く
『げ……
見つかっちゃったよ……』
あー油断してたわ……
ここなら映らないと考えてたけど学校中に小型カメラを仕掛けてたな、これは……
「…毒が効かなかったとしか考えられませんが、デスヒーターは野生の象すら歩行不能となる猛毒……」
「だが、現にアイツはリングを手に入れているぜ、コラ!」
『チェルベッロ、悪かったね
特別な虹のアルコバレーノである私には毒は効かなかったよ
まあ、針が刺さった時は痛かったけど……
でも万が一ってことがあるかもしれないからポールは壊さずリングだけ取って解毒はさせてもらったよ
んでここにいた理由は兄様の戦いを近くで見るため
兄様ー!勝ってくださいね!』
「わかっている
お前はさっさとリング回収に行け」
『はい
では、いってきます』
タンッ
私は兄様にそう言ってここから近い雲のリング回収に向かう
「……沢田綱吉、これこそが大空だ!!」
私の背後から聞こえる兄様の声と銃の音
あの場所からさらに上に上がったのだろう
「施しだ!!」
リストバンドに映る兄様の姿
拳銃から放たれた二つの炎は嵐と雷のポールに直撃した
倒れたポールから落ちたリングはベルとおっさんの前に転がった
これでベルとおっさんは解毒完了
『へぇ……リング戦の勝者にだけ施しか……
あの二人のところに先に行かなくてよかった…』
自由になったベルは対戦相手を放置し、他のリングの所に向かい、おっさんは対戦相手を殺ろうと動く
グラウンド
『はい、とーちゃ…く?』
ん?
ポールが倒れてる…
「君……天才なんだって?」
『!!
マジかよ……』
モニターに映ったのはベルを見下ろす雲雀恭弥
『あいつ……自力でポールを倒して解毒したのか……
これが束縛を嫌う奴の意地の力ってやつか…』
そういえば雲の守護者の使命は…何者にも捕らわれることなく独自の立場からファミリーを守る孤高の浮き雲…だったな……
そして本物の守護者達は使命だけでなく関係性も天候に酷似している
雲は時に他の天候の契機となり嵐を巻き起こす
そして雨が止み晴れると虹が現れる
おっさんは爆煙の中にいる牛がらの服を来た男児…ランボを見つけた
そこに嵐が吹き荒れる
「待ちな」
ドガンッ
あー……雲雀がベルの持っていた嵐のリングを弾いたんだな、これは……
ってか、このままいったら沢田とその守護者が10代目ボンゴレボスとその守護者になっちゃうじゃん……
沢田の守護者達、がっつり使命を体現してるし……
何とかして阻止しないと……
でも、おっさんの加勢はしたくない
ベルも戦いの邪魔をしたらなにされるかわかんないし……
ってことでこっからなら体育館が近いな
さてとマーモンとクロームの解毒に向かうか
アルコバレーノが死んだら洒落にならないからね……
ってことで体育館へGo!
体育館
ガラガラガラ……
『バイパー?生きてるー?』
私は扉を開けると同時にバイパーに話しかける
「か、ろう……じ、て…ね……」
『それはよかった
で、何でこんなに瓦礫があるの?』
「ボスの……仕業、さ……」
『へぇ…流石兄様』
「ねぇ……リナ……」
『あ、忘れるところだった……
バイパー、君を助けに来たよ』
「!!」
『君が死んだら洒落にならないからね
私達にかけられてる呪いを解くにはアルコバレーノが全員生きてる状態じゃないと……ねっ』
タンッ
パシッ
よし、霧のリングゲット
『まあ、君ならヴァリアーでリングを受けとる時に気づいていたかもしれないけど……
私は虹のアルコバレーノ
君が逃げている間の虹戦の時に暴露したんだ
んで虹戦にはいなかったやつには兄様が施しだってする前に暴露した
今は魔法を使ってこの姿をしてる
まあ、これからもよろしく』
「……まさか……こんな近くに、アルコバレーノがいたなんてね……」
『気付かないのは当たり前だよ
私も君のようにおしゃぶりを鎖で封印して、その上に魔法でも封印していたからね
私も霧戦までは怪しいとは思いながらも君がアルコバレーノとは確信してなかったんだから』
「そうか……」
プシュ
『今解毒したけど、君はしばらく大人しくしていたほうがいい
何かあったらいけないからね
アルコバレーノとはいえ、この毒には弱いことがわかったし……
まあ私には呪いがあるから効かなかったけど』
「毒が効かない呪い、ね……
リナはこれからどうするんだい?」
『まあ、今はリング回収に専念するよ
兄様をボスにするには全てのリングが必要だからね
あ、霧のリングはバイパーが持ってて
アルコバレーノが持ってたほうが安全だし……
あ、でもその前に……』
私は今も毒に苦しんでいるクロームを見る
「まさか、その女の解毒をするのかい?」
『うん
彼女は骸と繋がってるからね
それに……バイパーを負かした唯一の術者のひと欠片だし……』
「ぐ……」
『悔しいならまた戦うんだね
彼女が生きてる限り骸は出てくるんだし……』
私はクロームの隣に座る
『さてと……クローム、だっけ?
今から君を解毒する』
「……え…」
『安心して
私は骸の仲間
この瞳が証拠……』
私はクロームに左目を見せる
「!!
骸様と、同じ……」
『そ
んじゃ手遅れになる前に解毒するから手、出して』
「……はい……」
『いい子だ』
私はクロームの手を優しく持ってリストバンドにリングを差し込んだ
プシュッ
『これで解毒されたよ
君も長い間毒ってたからしばらくは大人しくしていたほうがいい
骸の加護があったとしても君はアルコバレーノとは違って普通の人間だからね
わかった?』
「…はい……」
『うん、いい子だね
んじゃバイパー、私は他のリング回収に行ってくるからしばらく大人しくしててね
霧のリングは頼んだよ』
「わかったよ」
『じゃ、行ってきます』
ガラガラ……ガシャン
私は体育館の扉を閉めて雨のリングの場所に向かった
アクアリオン
『さてと……さっさと解毒してリング貰って帰ろ……』
ガコン……
『あれ……?』
誰もいない……
まさか……誰かが解毒した……?
だとしたら今動いてるのは虹と嵐、雨、雷、雲になる……
こっからなら霧が近いし……少し回り道をすれば晴……
こっちに来るときに出会った人間はいない……
ってことは……
ダッ
私は急いで晴のリングがある場所に向かった
が
『やられた……』
沢田側の晴の守護者の姿は見えず、解毒され元気に騒ぐルッスーリアだけがいた
『ルッス、晴の守護者がどこに行ったかわかる?』
「そうねぇ……
確か霧がどうとか言ってたわね……」
『霧……
まさかあいつら……』
「?」
『ルッス、ごめん!
私、ちょっと行ってくる!』
ダッ
私は急いで体育館に向かった
体育館
ガラッ
『バイパー!!』
「あれ、姫じゃん」
『ベル!』
「ちょうどいいところにきたね
今取引をしているところなんだ」
『取引……?
ってまさか!!』
「そ、あいつらは霧と虹以外すべてをもってるってわけ
で、今からこの女の解毒と雨、雲の交換」
『え?』
クロームって私が解毒したはず……
『!!』
なるほど……幻覚ね
解毒されたクロームを縄で縛り、その上から幻覚で解毒されてないクローム映像を被せる
流石霧のアルコバレーノだわ
ザザッ……
「許さねぇ……!」
『兄様……?』
私はリストバンドに映る映像を見る
『!!
まさか……
ベル、ごめん
私、兄様のところにいくわ
取引は任せた』
ガシャン
私は急いで兄様が戦うフィールドに向かう
モニターに映った兄様の顔に浮かんだアザ……
あのアザは……
兄様が危ない!!
こんな時魔法が使えたら!!
くそっ!!
バキンッ
私はおしゃぶりの封印を解き、脚力に全ての力を注いだ
ボッ
私の足に灯る7色の虹の炎
熱くはない
『これは…沢田と原理が似てる……?
だとしたら!!』
ゴウッ
私は足に灯る炎の力を利用して空に浮く
『やっぱり!!
だったら……行ける!』
ゴウッ
私は足に灯る炎を利用して空を飛び、兄様の場所に向かった