主人公は女性です
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時間はあっという間に過ぎて今は夜中
今日は雨戦
戦うフィールドは校舎B棟
全ての窓が特殊ガラスとボルトで塞がれ、入り口もがっちりボルトと鉄板で固定されている
校舎の中は至るところが破壊され校舎の原型をとどめておらず、大量の水が流れており、一階の床は水没していた
「これが雨のバトルのための戦闘フィールド、アクアリオン」
「特徴は立体的な構造
そして、密閉された空間にとめどなく流れ落ちる大量の水です」
「最上階のタンクより散布される水は1階よりたまり、勝負が続く限り水位は上がり続けます」
「なお、溜まった水は特殊装置により、海水と同じ成分にされ、規定の水位に達した時点で獰猛 な海洋生物が放たれます」
『獰猛な生物ね……』
「ししし……
面白そーじゃん♪」
「!!
ヴァリアー!!!」
「うししし
朝起きたらリングゲットしてんの
王子すげー」
「くそっ
あんにゃろ!」
「!!
XANXAS !!!」
「負け犬はかっ消す」
「!!」
「てめーらか、このカスをだ」
「なっ」
『うわぁぁぁ……兄様の裏の性格をまた見ちゃったよ……』
「いくぞ」
「う゛お゛ぉい!」
『観覧席は?』
「観覧席は校舎の外にあります」
『ありがと
スクアーロ、負けたら許さないからね……』
「ああ……」
「では、雨の守護者は中央へお集まりください
尚、今回は水没するため、観覧席は校舎の外になっており、勝負の様子は壁に設置された巨大スクリーンに映しだされます
守護者以外の方はすみやかに退室してください」
チェルベッロの説明で沢田達も出てきた
「なお、制限時間は無制限です」
「それでは、雨のリング
S ・スクアーロVS. 山本武」
「「勝負 開始!!」」
「とばすぜぇ!!!」
先に動いたのはスクアーロ
それから少し遅れて山本が動き、スクアーロの素早い一太刀をかがんで避け、次の火薬による爆発は後ろに飛んで避けた
「ほう
よけたか」
「あっぶねー
あんたに負けてから毎日やってたイメトレのおかけだな」
「イメトレだぁ?
カスがぁ」
バシャバシャバシャとスクアーロは走り山本と間合いをつめる
「こいつもイメージ……
できたか?」
ピシャ
「!
消えた……?」
スクアーロは一瞬で山本の背後にまわった
『はやっ』
「!」
ガッ
山本はスクアーロの気配を感じ、竹刀でスクアーロの剣を受け止めた
「う゛お゛いっ!!」
『すごい……スクアーロの動きに反応してる……』
「あれがオレの力だと思ったら大間違いだぁ!!
死ねぇ!!」
ドシュ
スクアーロは超近距離で仕込み火薬を放つ
ドォン!
誰もが直撃したとおもった
だが、山本はそれを時雨蒼燕流 の技、守式七の型、繁吹 き雨…(刀で水を回転するように巻き上げ攻撃を防ぐ)で防いだ
「何だとぉ!!?」
スクアーロはかなり驚いている
まあ、そうなるのは当たり前か……
つい最近まで剣技を身につけてなかった人間が剣技を身につけて目の前で自分の技を防いだのだから……
「う゛お゛ぉい!!!
図に乗るなあ!!!」
ザザッ
「ヒヨッ子があっ!!!」
ドシュッと仕込み火薬を再び山本に向けて飛ばすスクアーロ
ドガガガッ
「切る!!!」
『次の行動を教えてどうするんだよ……』
ザンッ
「!!」
『あーあ……』
ズバンッ
山本は刀で水を巻き上げて姿を隠し、体をかがめることにより攻撃をかわす……守式弐 の型、逆巻く雨を使った
『ん?
何かスクアーロ楽しそう……?』
「う゛お゛ぉい小僧!!
なぜ防御の後打ちこんでこなかった!!」
「!?」
「愚かなアホがぁ!
オレに唯一傷をつけることができた最後のチャンスを潰したんだぞぉ!!」
「!?」
『ああ……なるほど……
そういうことか……』
「どうやらスクアーロは確信したみたいだね」
「負け惜しみを言いおって!
ハッタリに決まっている」
『スクアーロがハッタリをいうわけないじゃん
彼は本気だよ
ま、疑うんなら彼らの戦いを見ればいいよ』
「ハハ…
最後って…
ずいぶん言ってくれるな
言っとくけど時雨蒼燕流はこれだけじゃないんだぜ」
「そうだぞ
時雨蒼燕流は守型四式、攻型四式の状況に応じた八つの型が存在するんだ」
『ん?
時雨蒼燕流……八つの型……?』
そういえば昔……時雨蒼燕流の使い手と戦ったような……
でも、あれは七の型で終わってたような……
隠してたのか…?
ザッ
「前に出た!!」
グッ
ヒュッ
ブオッっと振られた山本の手には刀がなかった
『!
あの技…!』
「ん?
リナ、どうしたの?」
『あ、いや……なんでもない……』
「そう」
ザシュッ
『やっぱり……五月雨 だ……』
時雨蒼燕流、攻式五の型、五月雨…一太刀のうちに刀の持ち手を入れ替え、軌道とタイミングをずらす変幻自在の斬撃
映像で見ても反応しにくいな…
斬撃を食らったスクアーロは後ろに倒れた
「すげぇ…
山本…」
「めでたい連中だな」
「ヴァリアーのボス候補になるということがどれほどかわかってないね」
『わかるわけないじゃん
沢田達はこっち側の人間じゃないんだから』
「まあそうだけどさ」
「う゛お゛ぉい!!」
ザバッ
「効かねぇぞ」
ドンッ
『軌道にあわせて一瞬、後ろに避けたんだね
やるじゃん、スクアーロ』
「う゛お゛ぉい
お前の使う無敵の流派とやらはこんなものかぁ!?」
「!」
スクアーロの言うとおりだ
無敵の流派はこんなものじゃない
それにどの流派だろうが刃のある方を使わず峰で戦うなんて相手をなめてるとしか思えない
それからはスクアーロのターンになった
逆巻く雨を同じく逆巻く雨で対応し、一太刀を山本に当て、次の太刀は柱を壊して破片を飛ばし、五月雨はスクアーロの渾身の一撃鮫衝撃 で対応した
鮫衝撃は渾身の一振りを強力な振動波に変え、相手の神経を麻痺させる衝撃剣
鮫衝撃を受けた左腕はしばらくの間使い物にならないだろう
スクアーロの猛攻はまだ止まらない
上の階に上がった山本を下からの攻撃…鮫の牙 (剣による超高速で繰り出される突き攻撃で空間を噛るような剣撃)を放った
足場が崩れ、山本は下の階に落下した
「はっ
何年経っても…
変わりばえのしねー野郎だ」
「さすがスクアーロ、というところかな
ちゃんと最後に雨の守護者の使命を体現している」
『雨の守護者の使命…?』
「戦いを清算し、流れた血を洗い流す鎮魂歌 の雨」
ああ……そういえばそんな使命だった
あとの守護者の使命は戦いを見れば思い出すだろ
それに虹の守護者の使命も……
『スクアーロ、さっさと終わらせなよ
あなたは時雨蒼燕流を知ってるんでしょ?』
「リナ?」
『時雨蒼燕流の技を全て見る前に早く止めを刺さないと新しい技ができて厄介なことになるよ』
「……そうだな……
さあ小僧!!
心臓を切り刻んでやるぞぉ!!」
「!!
山本……!!」
「ちくしょ~」
崩れ落ちた瓦礫の上に姿を表す山本
かなり血まみれだ
「こーも一方的かよ……
負けたなんて知ったら、オヤジ…怒るんだろーな……」
「う゛お゛ぉい
まだやるか?
得意の時雨蒼燕流で…
どぉしたぁ!!
継承者は八つの型全てを見せてくれたぜぇ」
へぇ……スクアーロは八つの型を見たんだ……
「最後に八の型、秋雨 を放ったと同時に無残に散ったがなぁ!!!」
秋雨……?
そんな技、知らない……
やっぱり私が戦ったのはスクアーロが戦った継承者とは別の…いや、師匠だったんだ……
くそ…羨ましい……
「う゛お゛ぉい!!
ガキども!!
刀小僧の無様な最期を目ん玉かっぽじってよく見ておけぇ!!!」
『目ん玉かっぽじったら失明するけどね』
「うるせぇ!言葉のアヤだ!!!」
『はいはい、そういうことにしておくよ
決めるんならさっさとしてね』
ザバァ
「う゛お゛ぉい
寝ていろ!!
そのままおろしてやるぞぉ!!」
「そーはいかねーよ
時雨蒼燕流は完全無欠、最強無敵だからな」
『「頑固だね」』
「強がりを言ったてころであの体じゃ何もできやしないくせにね」
「カスが!!
まずはそのへらず口をから切り落としてやるぞぉ!!」
ビュッ
ドガガガ
『!
山本が動いた……』
山本が向かった先にはスクアーロ
どうやら山本は時雨蒼燕流で決着をつけるようだ
「その構えは知っているぞ!!
さぁ打てぇ!!
秋雨を!!!」
へぇ……あの構えから始まる技が秋雨……
「終わりだぁ!!」
「時雨蒼燕流……攻式八の型」
ドッ
「##RUBY#篠突#しのつ##く雨」
ザンッ
「な…にぃ…」
「!!」
『あーあ……モロにくらっちゃったよ……』
「ぐはっ……
貴様!!」
バシャッ
「時雨蒼燕流以外の流派を使えるのかぁ!?」
吐血しながらしゃべるなんて器用なやつ……
「いんや
今のも 時雨蒼燕流だぜ
八の型、篠突く雨はオヤジが作った型だ」
「!?」
『へぇ……』
「なるほどな
それで八代八つの型なんだな」
だとしたら私の場合は七代で七つの型か……
『アルコバレーノの君、詳しいんだね
教えてよ』
「ああ……時雨蒼燕流にとって継承は変化のことなんだ」
『変化ね……』
「おそらく、山本の父親とスクアーロが倒した継承者は同じ師匠から一から七までの型を継承され、その後それぞれが違う八の型を作ったんだ」
「え…?」
「同じ流派を名乗りながらですか……?」
あ、昔みたことがあるやつがいる…
誰だったっけ…?
えーっと……確か調味料みたいな名前だったような……
あ、思い出した!
バジルだ
「時雨蒼燕流の継承者は先人の残した型を受け継ぎながら新たな型を作り、そしてまた弟子に伝えていくんだ」
「で…ですが、それでは継承の度に枝分かれして、無数の型が生まれてしまうのでは?」
「逆だぞ
むしろ今まで途絶えなかったのが不思議なくらいだ
一度きりというシビアな型の継承法
変化には進化だけでなく退化もある
その中で最強を謳 い、あえて強者から狙われるんだ
まるで自分で自分を追い込むみてーにな」
なるほどね…
今の山本の状況と同じだ……
「ゆえに時雨蒼燕流は気と才ある者途絶えた時、世から消えることも仕方なしとした“滅びの剣”と呼ばれる」
「う゛お゛ぉい!!
ガキ……
正直ここまでやるとは思ってなかったぞ
だからこそ、その峰打ちは解せねぇ
真剣勝負をナメやがって」
グイッと口元の血を袖で拭うスクアーロ
「それとも、まだオレの知る型と違う型があるのか?」
あ、それは気になる
違う型が組み込まれてることがあるかも知れないからね
「ん…?
ハハハ
残念ながら一から七までの型はあんたが知ってる型と同じだぜ」
同じかい!
「やはり死ぬしかねぇようだな!!
一度喰らった篠突く雨はすでに見切った!!!」
同じく
「さすがだぜ
そう来なくっちゃな
んじゃ、いってみっか
時雨蒼燕流、九の型」
野球をするかのように竹刀に変形した刀を構える山本
「!!」
「!?」
『新技か…』
「ああ
山本の奴、新たな自分の型を放つ気だぞ」
「なるほど
常に流派を超えようとする流派
もしそれができるのならば…
確かに時雨蒼燕流は完全無欠、最強無敵!!!」
「何だぁ
そのふざけた構えは
野球でもするつもりか!?」
「あいにく野球 しかとりえがないんでね」
「この一撃でケリがつくな」
「ああ」
山本が九の型を放てれば……だけどね
「図に乗るなよガキ!!
オレの剣の真の力を思い知れ!!!」
スクアーロは剣を高速で振るいながら移動する
『すごい……水がえぐられていく……』
「鮫特攻 !」
『へぇ……あれが剣帝を倒したって噂の技……』
「ああ……スクアーロの奥義だよ
まさかここで見られるとは」
「死ねぇ!!」
「いくぜ」
スクアーロがぶつかる瞬間、山本は水柱を作り、身を屈め、攻撃をかわした
「時雨蒼燕流、攻式九の型……」
それに素早く対応するスクアーロ
突進するスピードを変えず方向を変え、山本に突進する
ガキン
「とどめだぁ」
スクアーロは山本が下がった場所に剣を振る
だが山本はスクアーロの真後ろにいた
『へぇ……やるじゃん
スクアーロの後ろをとるなんて……』
でも、残念…
スクアーロの剣に死角はない
カチン
スクアーロの左手があり得ない方向に曲がる
それは義手だから出来る技
スクアーロの剣は山本の腹に突き刺さった……かに見えた
スクアーロが切ったのは水面に映った影だった
『スクアーロ!』
「うつし雨」
ガスッと刀の峰で山本はスクアーロの首筋を叩いた
あれではいくらスクアーロでもしばらくは動けないだろう
「勝ったぜ」
山本はリングを完成させ沢田達に見せる
「ぶったまげ」
「まさかこんな事がね……」
『スクアーロのやつ……負けやがった……』
「ボス」
「…………スクアーロ…………」
『兄様……』
「ぶはあっ
ざまぁねえ!!!
負けやがった!!!
カスが!!!」
『兄、様…?』
「用済みだ」
コオォ……と手に炎を灯す兄様
スクアーロを殺るつもりだ
「ボスが直接手をくださなくとも」
「僕がやってこよーか?」
タッ
「お待ちください」
『チェルベッロ…』
「今、アクアリオンに入るのは危険です
規定水深に達したため、獰猛な海洋生物が放たれました」
「!!
そんな……」
私に瞬間移動の技があれば……
スクアーロを助け出せるのに……
私の使える呪文の少なさと魔力の少なさが嫌になる……
『敗者に情けはなしってやつだね……』
「はい
スクアーロ氏は敗者となりましたので、生命の保証はいたしません」
「なっ」
「やっぱな
んなこったろーと思ったぜ」
山本はスクアーロをかつぎ始めた
助けるつもりだろう
だが、それはスクアーロの剣士としての誇りが許さない
負かされた相手に助けられるなんてなおさらだ
スクアーロは最期の力を振り絞って山本を安全な場所まで蹴り飛ばした
そして……
ザンッ
鮫によって水中に連れ去られた……
水はスクアーロの血でその部分だけが赤く染まった……
『スクアーロ……』
「ぶはーーーーっははは!!!
最後がエサとは
あのドカスが!!!
過去を一つ、清算できた」
兄様……何が面白いの……?
学生の時の兄様を知ってる仲間の1人を失ったんだよ……?
私は……笑えないよ……
スクアーロがいなくなって初めて……
ヴァリアーが……いや、このマフィアの世界の考えがおかしいことに気づいた……
「雨のリング争奪戦は山本武の勝利です」
チェルベッロの何の感情もない勝敗のアナウンスが校内に響く
「それでは次回の対戦カードを発表します」
「明晩の対戦は……
霧の守護者同士の対決です」
『霧、か……』
そういえば沢田の守護者は沢田の知り合いばっかだな……
ってことは霧の守護者は骸かな……?
いや、あいつは今牢獄の中だし……
門外顧問もそこまでの力はないし……
自分で思ってなんだけどないな……
まあ、誰が沢田側霧の守護者になろうがヴァリアーの霧……マーモンには敵わないだろうな……
私の勘ではあいつは……
霧のアルコバレーノだろうから……
今日は雨戦
戦うフィールドは校舎B棟
全ての窓が特殊ガラスとボルトで塞がれ、入り口もがっちりボルトと鉄板で固定されている
校舎の中は至るところが破壊され校舎の原型をとどめておらず、大量の水が流れており、一階の床は水没していた
「これが雨のバトルのための戦闘フィールド、アクアリオン」
「特徴は立体的な構造
そして、密閉された空間にとめどなく流れ落ちる大量の水です」
「最上階のタンクより散布される水は1階よりたまり、勝負が続く限り水位は上がり続けます」
「なお、溜まった水は特殊装置により、海水と同じ成分にされ、規定の水位に達した時点で
『獰猛な生物ね……』
「ししし……
面白そーじゃん♪」
「!!
ヴァリアー!!!」
「うししし
朝起きたらリングゲットしてんの
王子すげー」
「くそっ
あんにゃろ!」
「!!
「負け犬はかっ消す」
「!!」
「てめーらか、このカスをだ」
「なっ」
『うわぁぁぁ……兄様の裏の性格をまた見ちゃったよ……』
「いくぞ」
「う゛お゛ぉい!」
『観覧席は?』
「観覧席は校舎の外にあります」
『ありがと
スクアーロ、負けたら許さないからね……』
「ああ……」
「では、雨の守護者は中央へお集まりください
尚、今回は水没するため、観覧席は校舎の外になっており、勝負の様子は壁に設置された巨大スクリーンに映しだされます
守護者以外の方はすみやかに退室してください」
チェルベッロの説明で沢田達も出てきた
「なお、制限時間は無制限です」
「それでは、雨のリング
「「
「とばすぜぇ!!!」
先に動いたのはスクアーロ
それから少し遅れて山本が動き、スクアーロの素早い一太刀をかがんで避け、次の火薬による爆発は後ろに飛んで避けた
「ほう
よけたか」
「あっぶねー
あんたに負けてから毎日やってたイメトレのおかけだな」
「イメトレだぁ?
カスがぁ」
バシャバシャバシャとスクアーロは走り山本と間合いをつめる
「こいつもイメージ……
できたか?」
ピシャ
「!
消えた……?」
スクアーロは一瞬で山本の背後にまわった
『はやっ』
「!」
ガッ
山本はスクアーロの気配を感じ、竹刀でスクアーロの剣を受け止めた
「う゛お゛いっ!!」
『すごい……スクアーロの動きに反応してる……』
「あれがオレの力だと思ったら大間違いだぁ!!
死ねぇ!!」
ドシュ
スクアーロは超近距離で仕込み火薬を放つ
ドォン!
誰もが直撃したとおもった
だが、山本はそれを
「何だとぉ!!?」
スクアーロはかなり驚いている
まあ、そうなるのは当たり前か……
つい最近まで剣技を身につけてなかった人間が剣技を身につけて目の前で自分の技を防いだのだから……
「う゛お゛ぉい!!!
図に乗るなあ!!!」
ザザッ
「ヒヨッ子があっ!!!」
ドシュッと仕込み火薬を再び山本に向けて飛ばすスクアーロ
ドガガガッ
「切る!!!」
『次の行動を教えてどうするんだよ……』
ザンッ
「!!」
『あーあ……』
ズバンッ
山本は刀で水を巻き上げて姿を隠し、体をかがめることにより攻撃をかわす……守式
『ん?
何かスクアーロ楽しそう……?』
「う゛お゛ぉい小僧!!
なぜ防御の後打ちこんでこなかった!!」
「!?」
「愚かなアホがぁ!
オレに唯一傷をつけることができた最後のチャンスを潰したんだぞぉ!!」
「!?」
『ああ……なるほど……
そういうことか……』
「どうやらスクアーロは確信したみたいだね」
「負け惜しみを言いおって!
ハッタリに決まっている」
『スクアーロがハッタリをいうわけないじゃん
彼は本気だよ
ま、疑うんなら彼らの戦いを見ればいいよ』
「ハハ…
最後って…
ずいぶん言ってくれるな
言っとくけど時雨蒼燕流はこれだけじゃないんだぜ」
「そうだぞ
時雨蒼燕流は守型四式、攻型四式の状況に応じた八つの型が存在するんだ」
『ん?
時雨蒼燕流……八つの型……?』
そういえば昔……時雨蒼燕流の使い手と戦ったような……
でも、あれは七の型で終わってたような……
隠してたのか…?
ザッ
「前に出た!!」
グッ
ヒュッ
ブオッっと振られた山本の手には刀がなかった
『!
あの技…!』
「ん?
リナ、どうしたの?」
『あ、いや……なんでもない……』
「そう」
ザシュッ
『やっぱり……
時雨蒼燕流、攻式五の型、五月雨…一太刀のうちに刀の持ち手を入れ替え、軌道とタイミングをずらす変幻自在の斬撃
映像で見ても反応しにくいな…
斬撃を食らったスクアーロは後ろに倒れた
「すげぇ…
山本…」
「めでたい連中だな」
「ヴァリアーのボス候補になるということがどれほどかわかってないね」
『わかるわけないじゃん
沢田達はこっち側の人間じゃないんだから』
「まあそうだけどさ」
「う゛お゛ぉい!!」
ザバッ
「効かねぇぞ」
ドンッ
『軌道にあわせて一瞬、後ろに避けたんだね
やるじゃん、スクアーロ』
「う゛お゛ぉい
お前の使う無敵の流派とやらはこんなものかぁ!?」
「!」
スクアーロの言うとおりだ
無敵の流派はこんなものじゃない
それにどの流派だろうが刃のある方を使わず峰で戦うなんて相手をなめてるとしか思えない
それからはスクアーロのターンになった
逆巻く雨を同じく逆巻く雨で対応し、一太刀を山本に当て、次の太刀は柱を壊して破片を飛ばし、五月雨はスクアーロの渾身の一撃
鮫衝撃は渾身の一振りを強力な振動波に変え、相手の神経を麻痺させる衝撃剣
鮫衝撃を受けた左腕はしばらくの間使い物にならないだろう
スクアーロの猛攻はまだ止まらない
上の階に上がった山本を下からの攻撃…
足場が崩れ、山本は下の階に落下した
「はっ
何年経っても…
変わりばえのしねー野郎だ」
「さすがスクアーロ、というところかな
ちゃんと最後に雨の守護者の使命を体現している」
『雨の守護者の使命…?』
「戦いを清算し、流れた血を洗い流す
ああ……そういえばそんな使命だった
あとの守護者の使命は戦いを見れば思い出すだろ
それに虹の守護者の使命も……
『スクアーロ、さっさと終わらせなよ
あなたは時雨蒼燕流を知ってるんでしょ?』
「リナ?」
『時雨蒼燕流の技を全て見る前に早く止めを刺さないと新しい技ができて厄介なことになるよ』
「……そうだな……
さあ小僧!!
心臓を切り刻んでやるぞぉ!!」
「!!
山本……!!」
「ちくしょ~」
崩れ落ちた瓦礫の上に姿を表す山本
かなり血まみれだ
「こーも一方的かよ……
負けたなんて知ったら、オヤジ…怒るんだろーな……」
「う゛お゛ぉい
まだやるか?
得意の時雨蒼燕流で…
どぉしたぁ!!
継承者は八つの型全てを見せてくれたぜぇ」
へぇ……スクアーロは八つの型を見たんだ……
「最後に八の型、
秋雨……?
そんな技、知らない……
やっぱり私が戦ったのはスクアーロが戦った継承者とは別の…いや、師匠だったんだ……
くそ…羨ましい……
「う゛お゛ぉい!!
ガキども!!
刀小僧の無様な最期を目ん玉かっぽじってよく見ておけぇ!!!」
『目ん玉かっぽじったら失明するけどね』
「うるせぇ!言葉のアヤだ!!!」
『はいはい、そういうことにしておくよ
決めるんならさっさとしてね』
ザバァ
「う゛お゛ぉい
寝ていろ!!
そのままおろしてやるぞぉ!!」
「そーはいかねーよ
時雨蒼燕流は完全無欠、最強無敵だからな」
『「頑固だね」』
「強がりを言ったてころであの体じゃ何もできやしないくせにね」
「カスが!!
まずはそのへらず口をから切り落としてやるぞぉ!!」
ビュッ
ドガガガ
『!
山本が動いた……』
山本が向かった先にはスクアーロ
どうやら山本は時雨蒼燕流で決着をつけるようだ
「その構えは知っているぞ!!
さぁ打てぇ!!
秋雨を!!!」
へぇ……あの構えから始まる技が秋雨……
「終わりだぁ!!」
「時雨蒼燕流……攻式八の型」
ドッ
「##RUBY#篠突#しのつ##く雨」
ザンッ
「な…にぃ…」
「!!」
『あーあ……モロにくらっちゃったよ……』
「ぐはっ……
貴様!!」
バシャッ
「時雨蒼燕流以外の流派を使えるのかぁ!?」
吐血しながらしゃべるなんて器用なやつ……
「いんや
今の
八の型、篠突く雨はオヤジが作った型だ」
「!?」
『へぇ……』
「なるほどな
それで八代八つの型なんだな」
だとしたら私の場合は七代で七つの型か……
『アルコバレーノの君、詳しいんだね
教えてよ』
「ああ……時雨蒼燕流にとって継承は変化のことなんだ」
『変化ね……』
「おそらく、山本の父親とスクアーロが倒した継承者は同じ師匠から一から七までの型を継承され、その後それぞれが違う八の型を作ったんだ」
「え…?」
「同じ流派を名乗りながらですか……?」
あ、昔みたことがあるやつがいる…
誰だったっけ…?
えーっと……確か調味料みたいな名前だったような……
あ、思い出した!
バジルだ
「時雨蒼燕流の継承者は先人の残した型を受け継ぎながら新たな型を作り、そしてまた弟子に伝えていくんだ」
「で…ですが、それでは継承の度に枝分かれして、無数の型が生まれてしまうのでは?」
「逆だぞ
むしろ今まで途絶えなかったのが不思議なくらいだ
一度きりというシビアな型の継承法
変化には進化だけでなく退化もある
その中で最強を
まるで自分で自分を追い込むみてーにな」
なるほどね…
今の山本の状況と同じだ……
「ゆえに時雨蒼燕流は気と才ある者途絶えた時、世から消えることも仕方なしとした“滅びの剣”と呼ばれる」
「う゛お゛ぉい!!
ガキ……
正直ここまでやるとは思ってなかったぞ
だからこそ、その峰打ちは解せねぇ
真剣勝負をナメやがって」
グイッと口元の血を袖で拭うスクアーロ
「それとも、まだオレの知る型と違う型があるのか?」
あ、それは気になる
違う型が組み込まれてることがあるかも知れないからね
「ん…?
ハハハ
残念ながら一から七までの型はあんたが知ってる型と同じだぜ」
同じかい!
「やはり死ぬしかねぇようだな!!
一度喰らった篠突く雨はすでに見切った!!!」
同じく
「さすがだぜ
そう来なくっちゃな
んじゃ、いってみっか
時雨蒼燕流、九の型」
野球をするかのように竹刀に変形した刀を構える山本
「!!」
「!?」
『新技か…』
「ああ
山本の奴、新たな自分の型を放つ気だぞ」
「なるほど
常に流派を超えようとする流派
もしそれができるのならば…
確かに時雨蒼燕流は完全無欠、最強無敵!!!」
「何だぁ
そのふざけた構えは
野球でもするつもりか!?」
「あいにく
「この一撃でケリがつくな」
「ああ」
山本が九の型を放てれば……だけどね
「図に乗るなよガキ!!
オレの剣の真の力を思い知れ!!!」
スクアーロは剣を高速で振るいながら移動する
『すごい……水がえぐられていく……』
「
『へぇ……あれが剣帝を倒したって噂の技……』
「ああ……スクアーロの奥義だよ
まさかここで見られるとは」
「死ねぇ!!」
「いくぜ」
スクアーロがぶつかる瞬間、山本は水柱を作り、身を屈め、攻撃をかわした
「時雨蒼燕流、攻式九の型……」
それに素早く対応するスクアーロ
突進するスピードを変えず方向を変え、山本に突進する
ガキン
「とどめだぁ」
スクアーロは山本が下がった場所に剣を振る
だが山本はスクアーロの真後ろにいた
『へぇ……やるじゃん
スクアーロの後ろをとるなんて……』
でも、残念…
スクアーロの剣に死角はない
カチン
スクアーロの左手があり得ない方向に曲がる
それは義手だから出来る技
スクアーロの剣は山本の腹に突き刺さった……かに見えた
スクアーロが切ったのは水面に映った影だった
『スクアーロ!』
「うつし雨」
ガスッと刀の峰で山本はスクアーロの首筋を叩いた
あれではいくらスクアーロでもしばらくは動けないだろう
「勝ったぜ」
山本はリングを完成させ沢田達に見せる
「ぶったまげ」
「まさかこんな事がね……」
『スクアーロのやつ……負けやがった……』
「ボス」
「…………スクアーロ…………」
『兄様……』
「ぶはあっ
ざまぁねえ!!!
負けやがった!!!
カスが!!!」
『兄、様…?』
「用済みだ」
コオォ……と手に炎を灯す兄様
スクアーロを殺るつもりだ
「ボスが直接手をくださなくとも」
「僕がやってこよーか?」
タッ
「お待ちください」
『チェルベッロ…』
「今、アクアリオンに入るのは危険です
規定水深に達したため、獰猛な海洋生物が放たれました」
「!!
そんな……」
私に瞬間移動の技があれば……
スクアーロを助け出せるのに……
私の使える呪文の少なさと魔力の少なさが嫌になる……
『敗者に情けはなしってやつだね……』
「はい
スクアーロ氏は敗者となりましたので、生命の保証はいたしません」
「なっ」
「やっぱな
んなこったろーと思ったぜ」
山本はスクアーロをかつぎ始めた
助けるつもりだろう
だが、それはスクアーロの剣士としての誇りが許さない
負かされた相手に助けられるなんてなおさらだ
スクアーロは最期の力を振り絞って山本を安全な場所まで蹴り飛ばした
そして……
ザンッ
鮫によって水中に連れ去られた……
水はスクアーロの血でその部分だけが赤く染まった……
『スクアーロ……』
「ぶはーーーーっははは!!!
最後がエサとは
あのドカスが!!!
過去を一つ、清算できた」
兄様……何が面白いの……?
学生の時の兄様を知ってる仲間の1人を失ったんだよ……?
私は……笑えないよ……
スクアーロがいなくなって初めて……
ヴァリアーが……いや、このマフィアの世界の考えがおかしいことに気づいた……
「雨のリング争奪戦は山本武の勝利です」
チェルベッロの何の感情もない勝敗のアナウンスが校内に響く
「それでは次回の対戦カードを発表します」
「明晩の対戦は……
霧の守護者同士の対決です」
『霧、か……』
そういえば沢田の守護者は沢田の知り合いばっかだな……
ってことは霧の守護者は骸かな……?
いや、あいつは今牢獄の中だし……
門外顧問もそこまでの力はないし……
自分で思ってなんだけどないな……
まあ、誰が沢田側霧の守護者になろうがヴァリアーの霧……マーモンには敵わないだろうな……
私の勘ではあいつは……
霧のアルコバレーノだろうから……