主人公は女性です
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「さあ、次の能力 をお見せしましょう」
ヴヴヴ……と骸の右目と私の左目の文字が変わる
何故か一瞬だけ目の前に映る漢数字
見えた文字は「一」
「いきますよ」
とんっと骸は三叉の槍で床を叩く
ビキッという音と共に建物が崩壊していくーーーーーーーーー
ってのは沢田が見ている幻覚
私には沢田が一人で騒いでいる姿しか見れない
まぁ、六道輪廻の瞳だけで見るとどんな幻術をかけているのかわかるけどね
あ、リボーンさんが動いた
いつ見ても俊敏だなー
バキッ
「ブ!!!」
うわぁ……グーパンがもろに頬にはいった……
痛そー
「何すんだよ、リボー…
んっ
えっ
あれ…?」
あ、沢田にかかってる幻術を解いちゃった
「地面が戻ってる……」
「お前が見たのは幻覚だぞ」
はい、ネタバレいただきました!
沢田のやつめっちゃ驚いてるな…
「クフフフ
やりますね
見破るとはさすがアルコバレーノ」
まぁ、めったなことがない限りアルコバレーノは幻術にかからないからね
「そう
第一の道、地獄道は、永遠の悪夢により精神を破壊するスキル」
「ひいっ
こえぇ~!!」
言い方が怖いよ、骸…
「クフフフ
しかし君達のことをしばらく観察させてもらい二人の関係性が見えてきましたよ
アルコバレーノはボンゴレのお目付け役ってわけですね」
「ちげーぞ
オレはツナの家庭教師だ」
「クフフフ
なるほど……
それはユニークですね
しかし先生は攻撃してこないのですか?
僕は二人を相手にしてもかまいませんよ?」
「掟だからだ」
「掟ときましたか
また実に正統なマフィアらしい答えですね」
まあ、掟は遵守するものだからな……
「それに、オレがやるまでもなく、おまえはオレの生徒が倒すからな」
「な…おい、リボーン!」
「ほう
それは美しい信頼関係だ」
ヴヴヴ…と瞳の文字が再び変化する
見えた文字は「三」…
「面白い
いいでしょう」
ボトボトボトッ
沢田の周囲に落ちてきたのは大量の蛇
しかも毒蛇
『ひっ!』
一瞬思い出した光景
ホグワーツにいた時の嫌な思い出
なんでこのタイミングで…
第三の道、畜生道か…
人を死に至らしめる生物を召喚するスキル……
使うなら召喚する生物を考えないといけないな……
「あんまり図にのんなよ、骸
オレは超一流の家庭教師だぞ」
ビュッ
ギュルルルル
突然骸に向かって飛んでいく何か
あれはヤバい!
『骸!!』
間に合え!
ビュッ
私は力の限り展開させていない三叉の槍を投げた
ガキンッ
『よし……』
三叉の槍で打ち落としたのはトンファーだった
「おや、手助けなんていらなかったのに……」
『悪かったね……あんたはボンゴレに集中しなよ
私はあんたの邪魔になるものを排除しただけなんだからさ』
「クフフ……そうしておきますよ」
「10代目…!
伏せてください!」
「え?」
ドガガガン
「うわあ!!!」
いや、伏せろじゃないじゃん
ミリ単位で落とす場所間違ってたらダイナマイトで沢田が死んでるよ
「ヒバリさん!!
獄寺君!!」
「遅くなりました」
へぇ…あれがヒバリ…
ランキング1位の雲雀恭弥か…
「ふ…二人とも…」
「わかったか、骸
オレはツナだけを育ててるわけじゃねーんだぞ」
「これはこれは外野がゾロゾロと
千種 は何をしているんですかねぇ」
『……あちゃぁ……
骸、あの二人、下の階で仲良くのびてら』
「なるほど」
『はぁ……怪我人の癖に無茶しやがったな、あいつら……』
「ねぇ、覚悟はいいかい?」
チャキっとトンファーを構える雲雀
めっちゃかっけー…
「これはこれは
こわいですねぇ
だが今は僕とボンゴレの邪魔をしないでください
第一、君は立っているのもやっとのはずだ
骨を何本も折りましたからねぇ」
『やり過ぎだろ』
「仕方のないことですよ」
「遺言はそれだけかい?」
「クフフフフ
面白いことをいう
君とは契約しておいてもよかったかな?
仕方ない」
ヴゥ…ンと骸と私の瞳が「四」に変わる
「君から片付けましょう」
力の譲渡にも慣れてきたな……
「また目から死ぬ気の炎が!!」
『さっきから……』
タンッ
あ、体が軽い……
『うるさいよ、君……』
ガッと沢田を掴み口を塞ぐ
「なっ!?」
『だから黙れって…
君は骸の邪魔だから下がってくれないかな?
それに、その場所は攻撃が飛んでくる確率がある場所だから』
「えっ…」
ガギキキキキキキンッ
『ほら…
激しくなってきた』
そう言って私は力ずくで沢田を後ろに下げる
「君の一瞬っていつまで?」
フッと笑う骸
楽しいんだろうな…
ばっとお互い後ろに下がり距離をとる
「やっぱり強い!
さすがヒバリさん!!」
「こいつらを侮るなよ、骸
お前が思っているよりずっと伸び盛りだぞ」
「なるほど、そのようですね」
『でもそれは、彼が怪我をしてなければのはなしだよね?』
「ええ…彼がケガをしてなければ勝負はわからなかったかもしれない」
ブシュウ
右肩から出血をする雲雀
「時間のムダです
てっとり早くすませましょう」
ヴゥ…ンと瞳が「一」に変わる
「さ…桜!?
まさかヒバリさんのサクラクラ病を利用して…!」
ああ…これが桜か……
日本に咲く花……はじめて見た……
「クフフ
さあまたひざまづいてもらいましょう」
「そんな!
ヒバリさん!」
フラァ…と前のめりに倒れる雲雀
バキッ
「おや?」
『油断したね、骸……』
倒れる力を使ってトンファーで殴る力を強めたな…
ガッ
そしてその力をそのまま利用して顔面を殴った
後ろに吹っ飛び倒れる骸
『これで終わりか…
はぁ……』
「ついにやったな」
「お……終わったんだ……
これで家 に帰れるんだ!!」
『骸…』
私はゆっくりと沢田達に気づかれないように骸に近づく
『油断しやがって……バカなやつ……』
「それはごもっともです……」
『で、これからどうすんの?
あいつら完全に油断してるし、雲雀は動けない
何かするなら今だよ』
「ええ……そうですね…
アレを使いますか…
君の体に負担がきたらすみませんね」
『まぁ、大丈夫だろ
私の体はあんたたちよりも丈夫に出来てるから、よっぽどのことがない限り壊れたりしないよ』
「では…」
チャキっと拳銃を構える骸
「早くみんなを病院につれて行かなきゃ!!」
「それなら心配ねーぞ
ボンゴレの優秀な医療チームがこっちに向かってる」
「よかったっスね」
「獄寺君、無理しちゃダメだよ」
「その医療チームは不要ですよ」
「!」
「何故なら生存者はいなくなるからです」
沢田達に銃口を向ける骸
「てめー!!」
「ご、獄寺君!!」
「クフフフ
Arrivederci 」
ズカンッ
拳銃で右側のこめかみを撃った骸は力なく倒れた
「や…やりやがった」
ズキッ
『ぐぁッ!!』
マジかよ……
あの弾で頭を撃った衝撃もこっちに流れるのかよ……!!
痛い……どころじゃない……
死ぬっ!
『う……ぅ…』
くそ……不死の呪いがここで最悪な痛みとして発揮するのかよ……!
痛みを相殺しないと……!
何か……!
コツ…
『!!』
見つけたのはトンファーを打ち落とすために投げた私の三叉の槍
剣の部分は痛んでない…
これなら……
『っ!』
ドスッ
私は両手で掴んだ槍の剣をおもいっきり右太腿に刺した
地味に鈍い痛みが頭の痛みを紛らわしていく
『……ふぅ……
これで、よし……』
痛みが落ち着いたところで治癒呪文を杖なし無言で唱える
大丈夫……誰も見てない……
『……ふぅ…』
「ついに…骸を倒したのね」
私が息をはいたと同時にビアンキが目を覚ました
「うう」
「アネキ!」
「よかった!
ビアンキの意識が戻った!」
「無理すんなよ」
「肩貸してくれない…」
「……?(……あれ……?)」
あ…沢田のやつ、何か気付いたな……
「しょーがねーなー
きょ…今日だけだからな」
「!!
獄寺君!!
いっちゃだめだ!」
うん、違和感を感じ取ってる
でもまだ確実じゃない
「え?」
「ん?」
「どうかしたの?
ツナも肩を貸して…」
「え…!?
あ…うん…
(あれ……?
何言ってんだオレ……?)」
混乱してるな…
このビアンキと今までのビアンキの雰囲気に
「いいっスよ、10代目は
これくらいのケガ、大丈夫っスから」
「…でも…」
「すまないわね、隼人」
「ほら、手」
「はい」
ビッ
「!!」
驚き後ろに座り込む獄寺
ビアンキの手には三叉の槍の剣
「なっ何しやがんだ!!」
上手くいったようだね、骸…
「!」
「えぇ!?」
「まあ!私ったら…!!」
「ビアン…!!
(やっぱり変だ…
なにか、ちがう…!!)」
「何やってんだ、ビアンキ」
ぴょんとジャンプするリボーン
「しっかりしろ
刺したのは弟だぞ」
ぺちぺちとビアンキの顔に触れる
「私、なんてことを…
したのかしら」
ガッとリボーンさんに向かって剣を振り下ろすビアンキ
それを紙一重でリボーンさんはかわした
「こいつは厄介だな」
「まさか…
マインドコントロール…………?」
「ちげーな
何かに憑かれてるみてーだ」
リボーンは今のビアンキの行動でわかったみたいだ
さすがアルコバレーノ
「それって呪いスか?」
「そんなことが……」
「だが、事実だ」
「何言ってるの
私よ」
「…………(やっぱりちがう……
ビアンキじゃない
この不自然な感じ…前にも…)
あ……
……ろくどう……むくろ…?」
『おっ!』
「クフフ
また、会えましたね」
ビアンキの右目が六道輪廻の瞳に変わる
「で、でたーーー!!」
「!」
「祟りだーーー!!」
「そんなバカなことあるわけねーぞ」
『骸、おかえり
速かったじゃん』
私はビアンキの体を使っている骸に近づく
「ええ……
あなた、体は?」
『骸が銃で撃った場所が激痛になって死ぬかと思ったけど…
まあ、生きてるよ
2回目は遠慮願う』
「クフフフ、そうでしたか…」
『で、今回速かった理由は?』
「クフフ
まだ僕にはやるべきことがありましてね
地獄の底から舞い戻ってきましたよ」
『なるほど…
私も手伝おうか?』
「ええ…お願いしますよ」
「10代目、ここはオレに!!」
「だけど相手は…」
『骸の邪魔をするな!』
ガチャン!
「妹も三叉の槍!?」
『そっから一歩でも動いてみろ……
その時は、殺す!!』
「なっ!?」
「臨 ・兵 ・闘 ・者 !!」
「ちょ、獄寺くん!?
骸の妹の話聞いてた!?
しかも魔除け?」
『魔除け……?
おまえ、バカか…?
そんなの骸に効くわけ「うう……」骸!?』
「うそ……
効いてる……!」
『骸!?』
「安心なさい…演技です
僕は次の肉体に移動します
あなたはサポートをお願いします」
『わかった』
「う……」
力なく倒れるビアンキ
さて、これからは沢田の様子を見ながら準備を始めようか
さて……まずは下でのびてる二人を起こさないとね……
『エクスペクト・パトローナム !』
「ニャー……」
『ノアール、仕事だよ…下の階でのびてる二人をこっちまで連れ来て……
やり方は君に任せるよ
一人はニット帽を被っていて、一人は鼻の所に傷があるの…
一緒にいるからわかるよ
出来たらオリジナルブレンドのカリカリね』
「ニャ」
『頼んだよ』
さてと……骸が獄寺に憑依したことでリボーンさんが特殊弾の存在に気付いたな
さて……説明をしないとな……
骸が使ったのはエストラーネオが開発した特殊弾…通称憑依弾
他人の肉体にとりついて自在に操る弾で使いこなすには強い精神力と弾との相性の良さが必要とされている
私も使うことが出来るが、一番相性が良かったのは骸だった
まあ、他のマフィアからしたら使用法があまりにもムゴかったようでマフィア界で禁弾とされ、弾と製造方法が葬られたんだけどね
運よく骸と私が特殊弾を研究室から手に入れてたから使うことができた
まあ、私は使わないから骸に渡したんだけどね
ちなみに憑依弾の力はマインドコントロールの比ではない
操るのではなくのっとり、頭のてっぺんからつま先まで支配する……それが憑依弾
はい、説明終わり
「ニャー……」
『おかえり、オリジナルブレンドのカリカリはこれが終わってからね?』
「ミィー……」
『ごめんよ……君の存在がばれるわけにはいかないからね……』
「ニャー……」
ポプンとかわいらしい音を出してノアールは消えた
「ランチア程の男を前後不覚におとしいれたのもその弾だな
だが、なんでお前がもってんだ?」
「僕らの……いや、僕のものだからー…とだけ言っておきましょう
ね、リナ?」
『ん?
ああ…私には必要ないからね……
憑依弾は骸のものだ……』
「さあ次は君に憑依する番ですよ
ボンゴレ10代目」
「なっ……
オ、オレ!!?」
「やはりお前の目的は…………」
「クフフフ
目的ではなく手段ですよ
若きマフィアのボスを手中に納めてから僕の復讐は始まる」
「な……何言ってんの~!?
そんな~っ
オレは……ダメダメでいいことないって!!」
「奴の剣に気を付けろ」
「え!?」
「あの剣で傷つけられると、憑依を許すことになるぞ」
「そ!
そんな!」
「『よくご存じで』」
ビュッと獄寺(骸)がビアンキ(骸)に向けて剣をなげる
「その通りです」
パシッ
「もっとも僕はこの行為を“契約する”と言ってますがね」
ピッと雲雀の頬に傷をつけるビアンキ(骸)
「ま……まさか…!!
ヒバリさんの中にまで!!」
バキッ
雲雀(骸)はトンファーで沢田を思いっきり殴ったが踏ん張りが効かずそのまま倒れた
「この体は使いものになりませんね
これで戦っていたとは恐ろしい男だ
雲雀恭弥……」
起き上がるにも踏ん張りが効かず骸は憑依を諦めた
「ツナ、気を付けろよ
また、獄寺かビアンキに憑依するぞ」
「ひいい!
そ……そんな…!!」
〈リナ、準備はいいですか?〉
『もちろん!』
ドスッ
私は骸の三叉の槍の剣を右胸にぶっ刺した
『くっ……』
刺す場所は本当はどこでもいいんだけど、心臓に近い位置に片割れの三叉の槍の剣を刺すと片割れに渡す力がより強くなることを昔、実験された時に聞いたんだよね
まあ、不死だからできることなんだけどね?
生きたまま力を渡すのは……
〈クフフ……さすがですねリナ……〉
《ありがと……
でも私にも限界がある……
早く決めてよ……?》
〈わかってますよ
さあ、行きますよ!〉
骸は私の力を使って獄寺、ビアンキ、犬 、千種 に憑依する
「同時に四人憑依するなんて聞いたことねーぞ」
『それは…僕…いや…私の瞳の力……』
「なに?」
『私の六道輪廻の瞳はね……骸の瞳とリンクしてるの
お互いが近くにいればいるほど能力 が向上し、片割れがスキルを使えば、使っていない片割れがその力を片割れに渡すことができるんだ
そして……片割れの槍を自分の体に刺すと、瞳の力によって憑依弾の効果が向上し、憑依することができる人間の数を増やすことができる』
「自己犠牲による譲渡型チートだな……」
「クフフ……リナ、説明忘れですよ」
バッとダイナマイトを投げる獄寺(骸)
「憑依した奴の技まで使えんのか」
『ああ……そうだった
憑依したからこそ使えるスキル……
第二の道、餓鬼 道
技を奪いとるスキルのこと……』
「さて、リナ」
『わかってるよ……』
ぐっ…
『っ…!』
ズボッ
『ぐぁっ!!』
私は刺す時と同様に力強く抜いた
『骸……ホラよ……』
私は軽く血を振るい払ってから近くにいる犬(骸)に渡す
「ご苦労様でした」
『まだまだ……
お払い箱にするには早いよ…骸』
ヴヴ……ンと私の瞳を「一」に変える
『私に合わせなよ!』
コンッ
私は私の槍を床に当てて幻術……火柱を大量に作る+魔法の炎をトッピングする
これで幻覚なのに本物がある厄介な技ができる
「できれば君は無傷で手に入れたい」
犬の姿で喋る骸……めっちゃ違和感があるな……
「降伏してくれていいんですよ」
「ひいいい!!!
もーダメだあ!!」
「学習しねー奴だな
これは幻覚だぞ」
『分かってても現実だって思ってしまうんだよ、人間は……
アルコバレーノや同じ術者みたいに幻覚ってすぐに判断することはできないんだよ
それに、君は…』
『「自分の心配をしたほうがいい」』
ドガガン
獄寺(骸)が放ったダイナマイトがリボーンに直撃する
「リ…リボーン!!!」
『「こんなものではないはずだ、アルコバレーノ」』
ボフッと煙の中から飛び出すリボーン
それを見逃さないのが犬(骸)
グサッと思いっきり剣を帽子側から刺した
「ああっ!!」
「!」
刺さったのは帽子だけ
さすがリボーンさん…上手く避けたようだ
「久々に感じる実戦の空気だな」
「リボーン…!」
「オレは手ェ出せねーんだ
ツナ、早くなんとかしやがれ」
「なっ!?
無茶いうなよ!!」
ドガガン
「ひいいっ!!
オレのなんとか出来るレベル超えてるよ!!」
「オレの教え子なら超えられるはずだぞ」
沢田は走りながらダイナマイトの嵐を抜け、リボーンは毒針を紙一重で避ける
「そんなメチャクチャな理屈ってあるかよ!?」
あるんだよな…これが……
なぜかアルコバレーノに関わった人間が急成長することが……
リボーンさんの場合はキャッバローネのボス、ディーノ
会ったことはないけど急成長したって噂だ
今の沢田も急成長の兆しが見える
あとはそのストッパーをはずすだけ
「さあ、おしゃべりはこれぐらいにして、終わりにしましょう」
「うう……」
あら?
いつの間にか沢田のやつボロボロじゃん
『これなら契約するのは簡単か……』
右目に死ぬ気の炎を灯して走る千種(骸)
手にはしっかりと剣が握られている
「ひぃぃぃ!!
きたぁぁ!!」
ガクッと体制を崩した千種(骸)はどざあという音をだして転けた
『あーあ……
もっと大事に使いなよね……』
「なあに、よくあることです
いくら乗っ取って全身を支配したといっても、肉体が壊れてしまっていては動きませんからねぇ」
『その怪我人の体を無理に動かしてさらに壊してるのは誰だっけ?
治療した私の身にもなってほしいわー』
「クフフフ…
千種はもう少し……」
ムリヤリ体を動かす骸
とたんに吐血をする
「いけそうですね」
『無視すんじゃねーよ』
「ちょ……ムリヤリ起こしたら…
ケガが……!!」
「クフフフ、平気ですよ
僕は痛みを感じませんからね」
「な…!
何言ってんの!!?
仲間の体なんだろ!!?」
『残念だけど、骸はそんなこと思ってないよ
仲間の体だろうが憑依したら骸の体
自分の体だからなにしようと骸の勝手
私でさえ、骸の駒なんだから』
「……な……
そんなの……おかしいよ」
『おかしくないよ
これが普通……
使い使われ、使えなくなったら捨てる
それがマフィアの世界』
「他人の心配をしているヒマがあるんですか?
自分がやられるという時に……
君は面白い男だが、マフィア向きではありませんね」
「あ…っ(き…傷口から…あんなに血が…
それに、骸の妹も…)」
へぇ…血が服に滲んでいることに気付いたのか……
魔法で目立たない色に変えていたのにな……
「たのむ!!
やめてくれ!!
このままじゃ死んじゃうよ!!」
「クフフフ
思い出しましたよ
君はバーズとの戦いでガールフレンドのために自分にナイフを突き立てようとしたんでしたね
…それでいきましょう
君はその甘さゆえ、僕に乗っ取られる」
「!」
「え…」
「いいですか?
君の仲間をこれ以上傷つけられたくなければ、逃げずにおとなしく契約してください」
「な…!」
『へぇ…名案じゃん
さあ、どうする?』
「そ…そんな…」
「やはり、迷うのですね
どのみち君のような人間はこの世界では生き残れない
ボンゴレの10代目には不適格です
さあ、体を明け渡してもらいましょう」
「どうしよう……
リ…リボーン、どうしよう!!」
「オレは何もしてやれねーぞ
自分で何とかしろ」
「そんなぁ」
「いつも助けてくれるじゃないか!!
見捨てないでよ、リボーン!!」
『リボーンリボーンうるせぇな……
てめぇ、人に頼りすぎなんだよ!
ちったぁ自分で考えやがれ!!』
「なっ…
そんな事君に言われても……
ねぇ……リボーン……」
「情けねぇ声出すな」
バキッ
「だ…って…
オレ…どうしたら…」
「いいか、ツナ……
おまえは誰よりもボンゴレ10代目なんだ
おまえが気持ちを吐き出せば、それがボンゴレの答えだ」
「オ…オレの…きもち……?」
「クフフフ
家庭教師もサジを投げましたか
彼の気持ちは“逃げ出したい”ですよ
それとも“仲間のために逃げられない”……かな?」
「…ちたい…」
「!?」
「骸に……勝ちたい……」
「ほう」
『へぇ……』
「これは以外ですね
だが続きは乗っ取った後にゆっくり聞きましょう
君の手で仲間を葬った後にね」
「……こんなひどい奴に……
負けたくない……
こいつにだけは勝ちたいんだ!!!」
「終わりです」
ピカッ
ビビッ
ビビビビビビ……
まぶしい光と共に蜘蛛の糸の様なものが部屋中に張り巡らされた
ヴヴヴ……と骸の右目と私の左目の文字が変わる
何故か一瞬だけ目の前に映る漢数字
見えた文字は「一」
「いきますよ」
とんっと骸は三叉の槍で床を叩く
ビキッという音と共に建物が崩壊していくーーーーーーーーー
ってのは沢田が見ている幻覚
私には沢田が一人で騒いでいる姿しか見れない
まぁ、六道輪廻の瞳だけで見るとどんな幻術をかけているのかわかるけどね
あ、リボーンさんが動いた
いつ見ても俊敏だなー
バキッ
「ブ!!!」
うわぁ……グーパンがもろに頬にはいった……
痛そー
「何すんだよ、リボー…
んっ
えっ
あれ…?」
あ、沢田にかかってる幻術を解いちゃった
「地面が戻ってる……」
「お前が見たのは幻覚だぞ」
はい、ネタバレいただきました!
沢田のやつめっちゃ驚いてるな…
「クフフフ
やりますね
見破るとはさすがアルコバレーノ」
まぁ、めったなことがない限りアルコバレーノは幻術にかからないからね
「そう
第一の道、地獄道は、永遠の悪夢により精神を破壊するスキル」
「ひいっ
こえぇ~!!」
言い方が怖いよ、骸…
「クフフフ
しかし君達のことをしばらく観察させてもらい二人の関係性が見えてきましたよ
アルコバレーノはボンゴレのお目付け役ってわけですね」
「ちげーぞ
オレはツナの家庭教師だ」
「クフフフ
なるほど……
それはユニークですね
しかし先生は攻撃してこないのですか?
僕は二人を相手にしてもかまいませんよ?」
「掟だからだ」
「掟ときましたか
また実に正統なマフィアらしい答えですね」
まあ、掟は遵守するものだからな……
「それに、オレがやるまでもなく、おまえはオレの生徒が倒すからな」
「な…おい、リボーン!」
「ほう
それは美しい信頼関係だ」
ヴヴヴ…と瞳の文字が再び変化する
見えた文字は「三」…
「面白い
いいでしょう」
ボトボトボトッ
沢田の周囲に落ちてきたのは大量の蛇
しかも毒蛇
「ねぇ…なんで君は蛇が嫌いなんだい?
あのときの贈り物、気に入らなかったのかい…?」
あのときの贈り物、気に入らなかったのかい…?」
『ひっ!』
一瞬思い出した光景
ホグワーツにいた時の嫌な思い出
なんでこのタイミングで…
第三の道、畜生道か…
人を死に至らしめる生物を召喚するスキル……
使うなら召喚する生物を考えないといけないな……
「あんまり図にのんなよ、骸
オレは超一流の家庭教師だぞ」
ビュッ
ギュルルルル
突然骸に向かって飛んでいく何か
あれはヤバい!
『骸!!』
間に合え!
ビュッ
私は力の限り展開させていない三叉の槍を投げた
ガキンッ
『よし……』
三叉の槍で打ち落としたのはトンファーだった
「おや、手助けなんていらなかったのに……」
『悪かったね……あんたはボンゴレに集中しなよ
私はあんたの邪魔になるものを排除しただけなんだからさ』
「クフフ……そうしておきますよ」
「10代目…!
伏せてください!」
「え?」
ドガガガン
「うわあ!!!」
いや、伏せろじゃないじゃん
ミリ単位で落とす場所間違ってたらダイナマイトで沢田が死んでるよ
「ヒバリさん!!
獄寺君!!」
「遅くなりました」
へぇ…あれがヒバリ…
ランキング1位の雲雀恭弥か…
「ふ…二人とも…」
「わかったか、骸
オレはツナだけを育ててるわけじゃねーんだぞ」
「これはこれは外野がゾロゾロと
『……あちゃぁ……
骸、あの二人、下の階で仲良くのびてら』
「なるほど」
『はぁ……怪我人の癖に無茶しやがったな、あいつら……』
「ねぇ、覚悟はいいかい?」
チャキっとトンファーを構える雲雀
めっちゃかっけー…
「これはこれは
こわいですねぇ
だが今は僕とボンゴレの邪魔をしないでください
第一、君は立っているのもやっとのはずだ
骨を何本も折りましたからねぇ」
『やり過ぎだろ』
「仕方のないことですよ」
「遺言はそれだけかい?」
「クフフフフ
面白いことをいう
君とは契約しておいてもよかったかな?
仕方ない」
ヴゥ…ンと骸と私の瞳が「四」に変わる
「君から片付けましょう」
力の譲渡にも慣れてきたな……
「また目から死ぬ気の炎が!!」
『さっきから……』
タンッ
あ、体が軽い……
『うるさいよ、君……』
ガッと沢田を掴み口を塞ぐ
「なっ!?」
『だから黙れって…
君は骸の邪魔だから下がってくれないかな?
それに、その場所は攻撃が飛んでくる確率がある場所だから』
「えっ…」
ガギキキキキキキンッ
『ほら…
激しくなってきた』
そう言って私は力ずくで沢田を後ろに下げる
「君の一瞬っていつまで?」
フッと笑う骸
楽しいんだろうな…
ばっとお互い後ろに下がり距離をとる
「やっぱり強い!
さすがヒバリさん!!」
「こいつらを侮るなよ、骸
お前が思っているよりずっと伸び盛りだぞ」
「なるほど、そのようですね」
『でもそれは、彼が怪我をしてなければのはなしだよね?』
「ええ…彼がケガをしてなければ勝負はわからなかったかもしれない」
ブシュウ
右肩から出血をする雲雀
「時間のムダです
てっとり早くすませましょう」
ヴゥ…ンと瞳が「一」に変わる
「さ…桜!?
まさかヒバリさんのサクラクラ病を利用して…!」
ああ…これが桜か……
日本に咲く花……はじめて見た……
「クフフ
さあまたひざまづいてもらいましょう」
「そんな!
ヒバリさん!」
フラァ…と前のめりに倒れる雲雀
バキッ
「おや?」
『油断したね、骸……』
倒れる力を使ってトンファーで殴る力を強めたな…
ガッ
そしてその力をそのまま利用して顔面を殴った
後ろに吹っ飛び倒れる骸
『これで終わりか…
はぁ……』
「ついにやったな」
「お……終わったんだ……
これで
『骸…』
私はゆっくりと沢田達に気づかれないように骸に近づく
『油断しやがって……バカなやつ……』
「それはごもっともです……」
『で、これからどうすんの?
あいつら完全に油断してるし、雲雀は動けない
何かするなら今だよ』
「ええ……そうですね…
アレを使いますか…
君の体に負担がきたらすみませんね」
『まぁ、大丈夫だろ
私の体はあんたたちよりも丈夫に出来てるから、よっぽどのことがない限り壊れたりしないよ』
「では…」
チャキっと拳銃を構える骸
「早くみんなを病院につれて行かなきゃ!!」
「それなら心配ねーぞ
ボンゴレの優秀な医療チームがこっちに向かってる」
「よかったっスね」
「獄寺君、無理しちゃダメだよ」
「その医療チームは不要ですよ」
「!」
「何故なら生存者はいなくなるからです」
沢田達に銃口を向ける骸
「てめー!!」
「ご、獄寺君!!」
「クフフフ
ズカンッ
拳銃で右側のこめかみを撃った骸は力なく倒れた
「や…やりやがった」
ズキッ
『ぐぁッ!!』
マジかよ……
あの弾で頭を撃った衝撃もこっちに流れるのかよ……!!
痛い……どころじゃない……
死ぬっ!
『う……ぅ…』
くそ……不死の呪いがここで最悪な痛みとして発揮するのかよ……!
痛みを相殺しないと……!
何か……!
コツ…
『!!』
見つけたのはトンファーを打ち落とすために投げた私の三叉の槍
剣の部分は痛んでない…
これなら……
『っ!』
ドスッ
私は両手で掴んだ槍の剣をおもいっきり右太腿に刺した
地味に鈍い痛みが頭の痛みを紛らわしていく
『……ふぅ……
これで、よし……』
痛みが落ち着いたところで治癒呪文を杖なし無言で唱える
大丈夫……誰も見てない……
『……ふぅ…』
「ついに…骸を倒したのね」
私が息をはいたと同時にビアンキが目を覚ました
「うう」
「アネキ!」
「よかった!
ビアンキの意識が戻った!」
「無理すんなよ」
「肩貸してくれない…」
「……?(……あれ……?)」
あ…沢田のやつ、何か気付いたな……
「しょーがねーなー
きょ…今日だけだからな」
「!!
獄寺君!!
いっちゃだめだ!」
うん、違和感を感じ取ってる
でもまだ確実じゃない
「え?」
「ん?」
「どうかしたの?
ツナも肩を貸して…」
「え…!?
あ…うん…
(あれ……?
何言ってんだオレ……?)」
混乱してるな…
このビアンキと今までのビアンキの雰囲気に
「いいっスよ、10代目は
これくらいのケガ、大丈夫っスから」
「…でも…」
「すまないわね、隼人」
「ほら、手」
「はい」
ビッ
「!!」
驚き後ろに座り込む獄寺
ビアンキの手には三叉の槍の剣
「なっ何しやがんだ!!」
上手くいったようだね、骸…
「!」
「えぇ!?」
「まあ!私ったら…!!」
「ビアン…!!
(やっぱり変だ…
なにか、ちがう…!!)」
「何やってんだ、ビアンキ」
ぴょんとジャンプするリボーン
「しっかりしろ
刺したのは弟だぞ」
ぺちぺちとビアンキの顔に触れる
「私、なんてことを…
したのかしら」
ガッとリボーンさんに向かって剣を振り下ろすビアンキ
それを紙一重でリボーンさんはかわした
「こいつは厄介だな」
「まさか…
マインドコントロール…………?」
「ちげーな
何かに憑かれてるみてーだ」
リボーンは今のビアンキの行動でわかったみたいだ
さすがアルコバレーノ
「それって呪いスか?」
「そんなことが……」
「だが、事実だ」
「何言ってるの
私よ」
「…………(やっぱりちがう……
ビアンキじゃない
この不自然な感じ…前にも…)
あ……
……ろくどう……むくろ…?」
『おっ!』
「クフフ
また、会えましたね」
ビアンキの右目が六道輪廻の瞳に変わる
「で、でたーーー!!」
「!」
「祟りだーーー!!」
「そんなバカなことあるわけねーぞ」
『骸、おかえり
速かったじゃん』
私はビアンキの体を使っている骸に近づく
「ええ……
あなた、体は?」
『骸が銃で撃った場所が激痛になって死ぬかと思ったけど…
まあ、生きてるよ
2回目は遠慮願う』
「クフフフ、そうでしたか…」
『で、今回速かった理由は?』
「クフフ
まだ僕にはやるべきことがありましてね
地獄の底から舞い戻ってきましたよ」
『なるほど…
私も手伝おうか?』
「ええ…お願いしますよ」
「10代目、ここはオレに!!」
「だけど相手は…」
『骸の邪魔をするな!』
ガチャン!
「妹も三叉の槍!?」
『そっから一歩でも動いてみろ……
その時は、殺す!!』
「なっ!?」
「
「ちょ、獄寺くん!?
骸の妹の話聞いてた!?
しかも魔除け?」
『魔除け……?
おまえ、バカか…?
そんなの骸に効くわけ「うう……」骸!?』
「うそ……
効いてる……!」
『骸!?』
「安心なさい…演技です
僕は次の肉体に移動します
あなたはサポートをお願いします」
『わかった』
「う……」
力なく倒れるビアンキ
さて、これからは沢田の様子を見ながら準備を始めようか
さて……まずは下でのびてる二人を起こさないとね……
『
「ニャー……」
『ノアール、仕事だよ…下の階でのびてる二人をこっちまで連れ来て……
やり方は君に任せるよ
一人はニット帽を被っていて、一人は鼻の所に傷があるの…
一緒にいるからわかるよ
出来たらオリジナルブレンドのカリカリね』
「ニャ」
『頼んだよ』
さてと……骸が獄寺に憑依したことでリボーンさんが特殊弾の存在に気付いたな
さて……説明をしないとな……
骸が使ったのはエストラーネオが開発した特殊弾…通称憑依弾
他人の肉体にとりついて自在に操る弾で使いこなすには強い精神力と弾との相性の良さが必要とされている
私も使うことが出来るが、一番相性が良かったのは骸だった
まあ、他のマフィアからしたら使用法があまりにもムゴかったようでマフィア界で禁弾とされ、弾と製造方法が葬られたんだけどね
運よく骸と私が特殊弾を研究室から手に入れてたから使うことができた
まあ、私は使わないから骸に渡したんだけどね
ちなみに憑依弾の力はマインドコントロールの比ではない
操るのではなくのっとり、頭のてっぺんからつま先まで支配する……それが憑依弾
はい、説明終わり
「ニャー……」
『おかえり、オリジナルブレンドのカリカリはこれが終わってからね?』
「ミィー……」
『ごめんよ……君の存在がばれるわけにはいかないからね……』
「ニャー……」
ポプンとかわいらしい音を出してノアールは消えた
「ランチア程の男を前後不覚におとしいれたのもその弾だな
だが、なんでお前がもってんだ?」
「僕らの……いや、僕のものだからー…とだけ言っておきましょう
ね、リナ?」
『ん?
ああ…私には必要ないからね……
憑依弾は骸のものだ……』
「さあ次は君に憑依する番ですよ
ボンゴレ10代目」
「なっ……
オ、オレ!!?」
「やはりお前の目的は…………」
「クフフフ
目的ではなく手段ですよ
若きマフィアのボスを手中に納めてから僕の復讐は始まる」
「な……何言ってんの~!?
そんな~っ
オレは……ダメダメでいいことないって!!」
「奴の剣に気を付けろ」
「え!?」
「あの剣で傷つけられると、憑依を許すことになるぞ」
「そ!
そんな!」
「『よくご存じで』」
ビュッと獄寺(骸)がビアンキ(骸)に向けて剣をなげる
「その通りです」
パシッ
「もっとも僕はこの行為を“契約する”と言ってますがね」
ピッと雲雀の頬に傷をつけるビアンキ(骸)
「ま……まさか…!!
ヒバリさんの中にまで!!」
バキッ
雲雀(骸)はトンファーで沢田を思いっきり殴ったが踏ん張りが効かずそのまま倒れた
「この体は使いものになりませんね
これで戦っていたとは恐ろしい男だ
雲雀恭弥……」
起き上がるにも踏ん張りが効かず骸は憑依を諦めた
「ツナ、気を付けろよ
また、獄寺かビアンキに憑依するぞ」
「ひいい!
そ……そんな…!!」
〈リナ、準備はいいですか?〉
『もちろん!』
ドスッ
私は骸の三叉の槍の剣を右胸にぶっ刺した
『くっ……』
刺す場所は本当はどこでもいいんだけど、心臓に近い位置に片割れの三叉の槍の剣を刺すと片割れに渡す力がより強くなることを昔、実験された時に聞いたんだよね
まあ、不死だからできることなんだけどね?
生きたまま力を渡すのは……
〈クフフ……さすがですねリナ……〉
《ありがと……
でも私にも限界がある……
早く決めてよ……?》
〈わかってますよ
さあ、行きますよ!〉
骸は私の力を使って獄寺、ビアンキ、
「同時に四人憑依するなんて聞いたことねーぞ」
『それは…僕…いや…私の瞳の力……』
「なに?」
『私の六道輪廻の瞳はね……骸の瞳とリンクしてるの
お互いが近くにいればいるほど
そして……片割れの槍を自分の体に刺すと、瞳の力によって憑依弾の効果が向上し、憑依することができる人間の数を増やすことができる』
「自己犠牲による譲渡型チートだな……」
「クフフ……リナ、説明忘れですよ」
バッとダイナマイトを投げる獄寺(骸)
「憑依した奴の技まで使えんのか」
『ああ……そうだった
憑依したからこそ使えるスキル……
第二の道、
技を奪いとるスキルのこと……』
「さて、リナ」
『わかってるよ……』
ぐっ…
『っ…!』
ズボッ
『ぐぁっ!!』
私は刺す時と同様に力強く抜いた
『骸……ホラよ……』
私は軽く血を振るい払ってから近くにいる犬(骸)に渡す
「ご苦労様でした」
『まだまだ……
お払い箱にするには早いよ…骸』
ヴヴ……ンと私の瞳を「一」に変える
『私に合わせなよ!』
コンッ
私は私の槍を床に当てて幻術……火柱を大量に作る+魔法の炎をトッピングする
これで幻覚なのに本物がある厄介な技ができる
「できれば君は無傷で手に入れたい」
犬の姿で喋る骸……めっちゃ違和感があるな……
「降伏してくれていいんですよ」
「ひいいい!!!
もーダメだあ!!」
「学習しねー奴だな
これは幻覚だぞ」
『分かってても現実だって思ってしまうんだよ、人間は……
アルコバレーノや同じ術者みたいに幻覚ってすぐに判断することはできないんだよ
それに、君は…』
『「自分の心配をしたほうがいい」』
ドガガン
獄寺(骸)が放ったダイナマイトがリボーンに直撃する
「リ…リボーン!!!」
『「こんなものではないはずだ、アルコバレーノ」』
ボフッと煙の中から飛び出すリボーン
それを見逃さないのが犬(骸)
グサッと思いっきり剣を帽子側から刺した
「ああっ!!」
「!」
刺さったのは帽子だけ
さすがリボーンさん…上手く避けたようだ
「久々に感じる実戦の空気だな」
「リボーン…!」
「オレは手ェ出せねーんだ
ツナ、早くなんとかしやがれ」
「なっ!?
無茶いうなよ!!」
ドガガン
「ひいいっ!!
オレのなんとか出来るレベル超えてるよ!!」
「オレの教え子なら超えられるはずだぞ」
沢田は走りながらダイナマイトの嵐を抜け、リボーンは毒針を紙一重で避ける
「そんなメチャクチャな理屈ってあるかよ!?」
あるんだよな…これが……
なぜかアルコバレーノに関わった人間が急成長することが……
リボーンさんの場合はキャッバローネのボス、ディーノ
会ったことはないけど急成長したって噂だ
今の沢田も急成長の兆しが見える
あとはそのストッパーをはずすだけ
「さあ、おしゃべりはこれぐらいにして、終わりにしましょう」
「うう……」
あら?
いつの間にか沢田のやつボロボロじゃん
『これなら契約するのは簡単か……』
右目に死ぬ気の炎を灯して走る千種(骸)
手にはしっかりと剣が握られている
「ひぃぃぃ!!
きたぁぁ!!」
ガクッと体制を崩した千種(骸)はどざあという音をだして転けた
『あーあ……
もっと大事に使いなよね……』
「なあに、よくあることです
いくら乗っ取って全身を支配したといっても、肉体が壊れてしまっていては動きませんからねぇ」
『その怪我人の体を無理に動かしてさらに壊してるのは誰だっけ?
治療した私の身にもなってほしいわー』
「クフフフ…
千種はもう少し……」
ムリヤリ体を動かす骸
とたんに吐血をする
「いけそうですね」
『無視すんじゃねーよ』
「ちょ……ムリヤリ起こしたら…
ケガが……!!」
「クフフフ、平気ですよ
僕は痛みを感じませんからね」
「な…!
何言ってんの!!?
仲間の体なんだろ!!?」
『残念だけど、骸はそんなこと思ってないよ
仲間の体だろうが憑依したら骸の体
自分の体だからなにしようと骸の勝手
私でさえ、骸の駒なんだから』
「……な……
そんなの……おかしいよ」
『おかしくないよ
これが普通……
使い使われ、使えなくなったら捨てる
それがマフィアの世界』
「他人の心配をしているヒマがあるんですか?
自分がやられるという時に……
君は面白い男だが、マフィア向きではありませんね」
「あ…っ(き…傷口から…あんなに血が…
それに、骸の妹も…)」
へぇ…血が服に滲んでいることに気付いたのか……
魔法で目立たない色に変えていたのにな……
「たのむ!!
やめてくれ!!
このままじゃ死んじゃうよ!!」
「クフフフ
思い出しましたよ
君はバーズとの戦いでガールフレンドのために自分にナイフを突き立てようとしたんでしたね
…それでいきましょう
君はその甘さゆえ、僕に乗っ取られる」
「!」
「え…」
「いいですか?
君の仲間をこれ以上傷つけられたくなければ、逃げずにおとなしく契約してください」
「な…!」
『へぇ…名案じゃん
さあ、どうする?』
「そ…そんな…」
「やはり、迷うのですね
どのみち君のような人間はこの世界では生き残れない
ボンゴレの10代目には不適格です
さあ、体を明け渡してもらいましょう」
「どうしよう……
リ…リボーン、どうしよう!!」
「オレは何もしてやれねーぞ
自分で何とかしろ」
「そんなぁ」
「いつも助けてくれるじゃないか!!
見捨てないでよ、リボーン!!」
『リボーンリボーンうるせぇな……
てめぇ、人に頼りすぎなんだよ!
ちったぁ自分で考えやがれ!!』
「なっ…
そんな事君に言われても……
ねぇ……リボーン……」
「情けねぇ声出すな」
バキッ
「だ…って…
オレ…どうしたら…」
「いいか、ツナ……
おまえは誰よりもボンゴレ10代目なんだ
おまえが気持ちを吐き出せば、それがボンゴレの答えだ」
「オ…オレの…きもち……?」
「クフフフ
家庭教師もサジを投げましたか
彼の気持ちは“逃げ出したい”ですよ
それとも“仲間のために逃げられない”……かな?」
「…ちたい…」
「!?」
「骸に……勝ちたい……」
「ほう」
『へぇ……』
「これは以外ですね
だが続きは乗っ取った後にゆっくり聞きましょう
君の手で仲間を葬った後にね」
「……こんなひどい奴に……
負けたくない……
こいつにだけは勝ちたいんだ!!!」
「終わりです」
ピカッ
ビビッ
ビビビビビビ……
まぶしい光と共に蜘蛛の糸の様なものが部屋中に張り巡らされた