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♪♪新時代はこ~の未来だ、せか~い中、全部、かえ~てしまえば〜♪♪
音声ダイヤルから発せられている大人気の歌姫の声に、甲板にいる海兵達がまったりとした雰囲気で寛ぎながら聞き入っている
「任務・・・だと忘れないでほしいんですが・・・」
♪♪邪魔者 やなものなんて消してこの世とメタモルフォーゼしようぜ ミュージック♪♪
艦橋横のウイングからその様子を見ながら、いつもと違うラフな格好でため息をつくのは海軍本部大佐のコビー
♪♪見えるよ新時代が 世界の向こうへ
さあいくよ ニューウェー♪♪
『ふふ!でも、すごく綺麗な・・ホントに惹き込まれちゃいそうな魅力的な声だよね!・・・
上が心配するようなことが起きなきゃいいんだけど・・・』
甲板を見下ろしていたコビーは、少し悲しそうな声の主 ルナの方へ顔を向ける
♪♪新時代はこの未来だ
世界中全部 変えてしまえば〜変えてしまえば〜♪♪
ルナはコビーの隣の手摺に肘をついて船の進行方向を見つめている
まだ水平線しか見えないその先の・・目的地のエレジアを思いながら何かを考えているようだった
♪果てしない音楽がもっと!
届くように 夢を見せるよ♪♪
そんなルナも、いつもの正義コートも詰め襟もなく、オーバーサイズのノースリーブパーカーに黒のヘッドフォン、パーカーの裾からは白と紫のストライプのショートパンツがチラチラ見えているが、ぱっと見、何も履いてない風にも見えて目のやり場に困るなー・・・・と無表示で考えているのはヘルメッポ
艦橋の中から2人を眺めている
そんなヘルメッポもラフな・・・ちょっとはしゃいだ格好をしていて、ルナとコビーと同じ白無地のソックスとスニーカーを履いている
ルナの髪型はいつもと違い、三つ編みではなくふんわり2つに結って前に流した、今から向かうライブの歌姫をイメージしたスタイルになっている
因みに結ったのは器用な長男ヘルメッポ
隠れ“歌姫”のファン ヘルメッポは任務概要を聞いた後、“歌姫”の歌どころか存在も知らない2人にその魅力を熱く語り、潜入のためと称してルナにウタコスを推奨した
コビーはヘルメッポのゆうことなど全然聞かずに私服を着てしまったので、特にルナには力を入れて好き勝手にコーディネートさせてもらった
ショートパンツをモモンガ中将カラーにしたのはちょっとした乙女心と遊び心から
何気に3人でお揃いの白ソックスにスニーカースタイルにしたのも隠れ乙メンのヘルメッポの仕業だった
「髪色もちょっといじらしてくれたら、なおサイコーだったんだけどなぁ・・・」
ウイングの2人を眺めながらヘルメッポはポソリと呟いた
♪♪新時代だ♪♪♪
「・・・ルナさん少将・・・」
課せられた任務への悲観だろうか、悲しそうなルナの顔を見て自身もなんとも言えない気持ちが込み上げてきたコビーはルナの名前を呼んで俯く顔にそっと手を伸ばした
『あーーー!また少将って言った!はい!!潜入任務だから階級読んだらダメって約束破ったから、さん付けも禁止ーーー!はい、コビー?ルナって呼んで?』
コビーの言葉にいつもの調子でバッと顔を上げて答えたルナ
ちょっと怒って・・・・いや、拗ねている様子でコビーの方に向き直ったルナは、腰に手を当てて、不服申立てをしている
今回は潜入捜査のようで、コビーがいつものように硬い口調で呟いたことが気に食わないらしい
「えええええええ!!いやいやいや!無理です無理です!呼び捨てなんて!ルナさん!」
コビーはルナの前に両手を突き出してブンブンと否定する
『無理が無理ーー!ねー?ヘルくん?バレちゃったら大変だもんねー?だめだよね!』
ちょっと意地悪な顔をして、ルナはコビーを弄りながら振り返ってヘルメッポを巻き込んだ
「・・・まぁ、コビーが負けだろうな、諦めろ」
「そ、そんなぁ!」
一度言い出したら簡単には引かないルナ
それをよくよくわかっているヘルメッポは早々にルナの側にまわる
『は!や!く!ルナ!ルナって呼んで!同期なんだし!さん付けとか前から嫌だったの!これを機にもっと仲良くなりましょう!ね?』
ぴょんこ!ぴょんこ!と眼の前で跳ねる姿は、少将の階級を背負っている将校とは思えない可愛らしい少女だ
「・・・あんまり仲良くなると、モモンガ中将を心配させちゃいますよ?・・・そうしたら、もう相談、乗ってあげませんよ?」
ふふふっと優しげに笑ってコビーが言った
これにはヘルメッポもそうだそうだとコビーに味方する
『えーーー!それは困る!だって男の人のことでなんでも相談できるの、コビーとヘルくんしかいないし!聞いてもみんな真面目に答えてくれないんだもん!』
ヘルメッポの結った髪をシュンと垂れさせてルナが困り顔で頬を膨らませる器用な顔芸をひろうする
「あんまり・・・あんまりな相談は勘弁だ・・ですけどね・・・ルナちゃん、赤裸々過ぎるんだよ・・・」
恥ずかしくなっちまうと最後は小声になるヘルメッポ
目の前の少女は、本当に純真な目をして『モモンガに好きを表現するには何をしたらいいか』だとか『恋人っぽいこととはどんなことか』だとか挙句の果てには『男の人は何をしたら喜ぶの』等と、どこまで答えていいのかわからない(ヘルメッポも健全な男の子ですwww)質問をも恥ずかしげもなく聞いてきて二人をドギマギさせているからだ
どこまで教えてやらねばならないのか、2人も大した恋愛経験などないが、ルナは本当に“なにも”知らなさすぎて困っている
そもそもどこまで進展してるかもそんなはっきりと聞いたわけでもないので、抽象的な質問は本当に答えに困るのだ
モモンガ中将の恋愛事情を聞いてしまうのもなんだか恥ずかしくて辛いのも事実
そろそろ、ルナからこういう相談をされていることをモモンガ中将に伝えてしまった方が双方に良いだろうとヘルメッポは考えている
だがしかし!残念ながらモモンガ中将とはあまり交流がないので、どのタイミングで話せばいいか考えあぐねているのだ