FILM RED ifVersion【完結】
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「・・・ルナ、ありがと。これ・・・アンタに預けてもいい?」
そう言ってウタはヘッドフォンを操作して6枚の古い羊皮紙を取り出した
『これは・・・』
ルナはその羊皮紙に内心ドキリと心臓が跳ねた
「うん、トットムジカ、海軍の正義の全部は信じられないけど、アンタのことは、ルナの正義は信じてるから・・・受け取って・・くれる?」
ウタが震える手で差し出したのはトットムジカの楽譜
ルナはウタの顔と楽譜を交互に見てから、ゴクリと生唾を飲み込みギュッと楽譜を握った
『ウタ・・・・わかった。SWORD所属 少将モンキー・D・ルナ、このトットムジカの楽譜は、私が全責任を持って海軍本部へ移送し、二度と、この不幸が起こらないように保管管理します』
片手でトットムジカの楽譜を、もう片方でウタの手にそっと添えて力強くルナは宣言した
ウタは優しく微笑んで持ち上げていた手を脱力させる
もうウタには、手を持ち上げている力すら残っていないのだ
ルナはウタの手をそっと彼女の身体の上に置いた
「ねぇ、ルナ、私はまた・・・歌えるかな・・・?」
ウタは少し目を伏せて小さな声で呟いた
ルナはウタのその言葉にギュッと心臓を掴まれたような気持ちになって、一気に視界がぼやける
『薬飲んだでしょ!!あんなにニガいんだもん、絶対大丈夫!!早く寝て!たくさん寝て!!起きたらまた・・ウタの歌を聞かせて!!』
ルナはウタの前に膝をついて力強く叫んだ
やっ
「うん・・・うん・・・ニガかった・・・ルナ・・・あたしの・・・ぐーーー」
ウタはポロポロと大きな涙の粒を零しながら言葉の途中で糸が切れた様に意識を手放し寝息を立て始めた
『私の親友!一緒に・・・皆が平和で幸せに暮らせる新時代を作ろう・・・・グスッ
ズビッ・・・シャンクスさん』
ルナはウタの意識が途切れた後、目に涙をいっぱいに浮かべて、だけど精一杯の笑顔でウタの言葉を続けて綴った
そして少しの沈黙の後、先程までとは別人のように暗い声でシャンクスを呼ぶ
「ん??・・どうした、ルナ?」
シャンクスはウタの疲れ切った寝顔からうつむくルナのまつ毛に視線を移し、ルナの呼びかけに優しく答えた
『ウタには大丈夫って言いましたが・・・・・・・正直、本当に消耗が激し過ぎて・・・・・・助かってほしいと思います・・でも・・だからッ』
ルナはボタボタと俯いたままでもわかるほど涙を零して嗚咽を隠すことができない感情のまま言葉をこぼした
本当にわからなかった
いや寧ろもうダメなんじゃないかという不安でルナの身体は硬直している
シャンクスはルナの言葉の意味を理解して目の前の小さく縮こまる塊に顔を寄せた
「ぁあ、しっかり治療する。うちには最高の船医が乗ってんだ!間違いない!安心しろルナ」
シャンクスはそう言ってウタを撫でていた手でルナの頭を優しく撫でた
後ろで副船長のベックマンが鼻をズズッっとすすっている音が聞こえた
彼は見た目に反してとても優しい性格なのだ
民間人への攻撃を指示する大将黄猿のことを止めた時にも思ったが、とても人情味の溢れる人柄のようだ
「世紀の大悪党を渡してもらおうかねぇ」
感情のわからない海軍大将黄猿の声が入り江に響いて、赤髪海賊団の幹部達は声のする方へ視線を向けた
「ウタは俺の娘だ。俺達の大切な家族だ。それを奪うつもりなら・・死ぬ気で来い!!!」
ブワッ
シャンクスの放った覇気にモモンガはたまらず片膝を付き、黄猿は冷や汗を流す
『ッッッ!』
覇気に慣れているとは言え覇気使いの中でもトップクラスの実力のシャンクスの覇気を間近で見たルナは思わずピクッと肩を震わせて息を飲んだ
「ルナ平気か?」
ベン・ベックマンがルナの肩に手を回して耳元に顔を寄せて囁いた
その声のおかげで緊張した身体画弛緩して、ルナはベックマンの方を向いて小さく頷いた
対岸の、黄猿の方に目を向けると周りの海兵達はなすすべもなくバタバタと倒れて行くのが視界に入った
「中将の一部まで持っていくとはねぇ〜」
シャンクスの怒りを含んだ覇王色の覇気にモモンガが片膝を付き、黄猿は一歩後ずさった
ぽそり
『シャンクスさん、皆さん、ウタをお願いします・・・・「ん?」
小さく呟いたルナの声に反応したのはシャンクス
なにをするつもりなのかわからずルナに視線を向け少し首を傾けた
『えーーい!!!ウタの持っていたトットムジカの楽譜は、この海軍少将ルナがいただいちゃいます!!!』
「「「「・・え?」」」」
直後、ルナは突然えらく芝居がかった大声でそう言った後、勢いよくベックマンから借りたマント剥ぎ取った
そして、呆けるシャンクスの肩に手をかけて高く高く跳躍する
剥ぎ取ったマントはさり気なくフワッとウタの身体にかけた
突然のルナの言動にぽかんだらしなく口を開けて、情けない声が溢れる赤髪海賊団
シャンクスも流石に何が起きたのかとポカーンと口を開けており、覇気もぱったりと引っ込んでしまった
「はぁ!?」
突然現れたルナにモモンガも海軍を代表して間抜けな声を出したまま顎が外れてしまったかのように口を大きく開けて驚いていた
しかし、視線はふんわりとした雰囲気でこちらに跳躍してくるルナを見つめ続けていた
スタッ
『ボルサリーノ大将!!赤髪海賊団の猛攻により恥ずかしながらウタの身柄は押えられませんでした・・・が!!トットムジカはここに!』
華麗に黄猿の前に飛び降りたのは濃紫色の超オーバーサイズシャツワンピースを着たルナ
胸の下で無造作に結ばれた薄紫のリボンとの組合わせは、何やら見覚えのあり過ぎるカラーリングだが、いつもはポニーテールか三つ編みのひとつ結びにしている髪を、複雑に結って歌姫ウタに似せた髪型をしているところを見ると、オジサンにはわからない流行りのコーディネートなのかもしれないと黄猿はこっそりと考えていた
「んん〜?おやおやぁ〜ん??ルナちゃんじゃないかぁ〜い!ひっさしぶりだねぇ〜え?君もここの調査に?潜入捜査かなぁ〜?」
髪型可愛いねぇぇなどと黄猿も芝居がかった声を上げた
さも、ルナの存在に今、彼女の気配に気がついたとでも言いたげな驚いた声色で大げさに両手を上げて答え、緊迫していた空気が一気に緩んだ
『はい!!SWORD任務としてコビー大佐とヘルメッポ少佐と共に参りました!今回の計画を阻止するために!!』
ルナはトットムジカの楽譜を掲げて黄猿に見えるように開く
黄猿は、ははぁ〜ん?と声を漏らしながらルナの持つ羊皮紙を眺め、顎に手を当てて考えている様子だった
「・・・まぁ〜〜〜サカズキには、四皇赤髪から1人でコレを奪ってこれる君の実力に免じて、手打ちにしてもらぉーかねぇ〜?」
しばらく考えた素振りを示した黄猿はそう言ってルナのトットムジカを受け取った
「でも、あんまり危ない真似をするんじゃないよぉ〜?・・・オジサンヒヤヒヤしてたんだからねぇ〜〜〜??」
6枚のトットムジカを確認し、ルナに返却した黄猿はルナの頭を撫でながら腰を屈めて視線を合わせながら顔を近づけ、ルナにだけ聞こえるようにこっそりとそう呟いた
『はい、ごめんなさい』
ルナは少しだけ申し訳無さそうに黄猿に謝罪した
「はぁ〜あ!ホントに心配してるんだからねぇ〜?」
あまり反省しているように見えないルナの様子に黄猿は頭をポリポリとかきながら苦笑した
「ルナ・・少将!」
ルナの後ろからモモンガの呼ぶ声が聞こえた
ぴくっと肩をはねさせたルナは、黄猿からトットムジカを受け取ってくるりとふわりと風を起こしながら身体を反転させた
『モモンガ中将!戻りました!!』
キラキラと音がしてきそうなほど爽やかなルナの笑顔がモモンガに向けらた
その笑顔にモモンガの緊迫した空気もフッと和らいだ
「・・・・・やっぱり見間違いじゃなかったか」
小さなため息とともにベックマンの呟きは風に乗って飛んでいった
色恋のスペシャリスト ベックマンはモモンガに向けるルナの視線に気がついていた
今のところは完敗だな・・・と小さくつぶやいて2人に背を向ける
『あ!モモンガ中将!お怪我はありませんか!?』
ルナは、トットムジカを素早く仕舞ってモモンガに近づく
「うわぁーーー!!!何処に!!な!な!!何を!!!」
飛び込んできたルナの腰ををガシッっと、音がしそうなほどの勢いで掴んだモモンガ
慌てた様子を隠しもせず大声で叫んだ
『・・・?トットムジカを持ったままだとだめかな?って思ったので仕舞って抱きついちゃおうと思ったのですが、持ったままだと不味いですかね?』
ぷら〜んとモモンガに持ち上げられたままルナはヘラッと2人でお茶をしている時のような無防備な笑顔を向けてきた
「まだ職務中だぞ!!そ、それに、そんなことよりも仕舞う場所が!!」
小さな子供の様に持ち上げたままそう叫んでモモンガは、チラリとルナがトットムジカを仕舞った場所に目を向けで顔を赤らめる
「モモンガ中将ぉ〜〜〜〜?職務中はまだしも、お〜〜んなのコをそ〜〜んなやらしい目でみるもんじゃぁないよぉ〜?」
ルナの後ろから黄猿が覗き込むようにしてモモンガを見下ろしていた
身長差のありすぎる黄猿は、ルナよりも高身長のモモンガに抱き上げられている状態でもまたまだ上から覗き込めるほどなのだ
そんな黄猿の声色はいつものとぼけた様なものもままだが、モモンガを見る目には、威圧感が込められていた
サングラス越しに目があったモモンガは冷や汗を流す
『あ、そうですね。雨だし汗だくなのに大事なものを直接こんなとこに挟んだらダメですよね!』
ごめんなさい!
そう言ってルナはモモンガのメモ前で胸元に手を突っ込んだ
「うわぁぁぁ!!」
ズル〜リとブカブカの、はだけたシャツから覗く胸元から取り出されたのは乱雑に巻いた羊皮紙
モモンガはその様子を腕をいっぱいに伸ばした程度の距離で真正面から直視してしまい、普段の冷静さをかなぐり捨てて叫んだ
「ふぉ〜〜う」
後ろの高い位置からバッチリ見えていた黄猿も、その大人ヴィジョンで大変刺激的なけしからん行いに声を上げてしまった
『職務遂行中ですし、これをきちんと片付けてから改めてギュッてさせてくださいね』
未だモモンガに持ち上げられたまま、両手でトットムジカを持ったルナはモモンガに満面の笑みを浮かべた
「まぁ〜〜〜ったく、けしからんコだねぇ〜〜。・・・モモンガ中将、ルナ少将とSWORDの2人を回収して、キミの船で治療をしておいでぇ〜〜??戻ったら夜中までこき使うからねぇ〜〜〜♡」
黄猿はそう指示してヒラヒラと手を振って周りの海兵・・・と言っても、まともに立っているのは藤虎だけなのだが、今後の方針を話し合うために2人から背を向けて離れていった
「・・・と、いうわけだから2人を探すか」
モモンガはルナに目を合わせてそう言っていつもは堅い表情をゆるませた
「ワイシャツだけでは風邪をひく。これも羽織っていなさい」
ルナを芝生の上におろした後、モモンガは上着を脱いでルナの肩に掛けた
しかし手を離すとズルズルと大きすぎるストライプスーツがズリ落ちてしまいそうだったので、腕の部分をギュッと固結びにしたら、ストライプのローブを纏っているような状態になってしまった
『シワになっちゃいません?』
大人しくモモンガにされるがままになっていたルナは少し心配そうに顔を上げてモモンガを見上げた
「コレだけ戦闘で着用したんだ。クリーニングに出すからそんな事を気にしなくていい。・・・・それよりも・・長さはあるとはいえ、目のやり場に困るのだ・・・」
モモンガは最後の言葉を絞り出すとプイッとルナから視線を外して口元を隠してしまった
羞恥に赤く染まるモモンガの顔を見て、ルナは忘れていた重大な事を思い出した
『あ!パンツ履いてなッモゴッッッ』
「皆まで言うな!!!」
無防備過ぎるルナの口を鼻も一緒に大きな手で塞いだモモンガは極力小さな声で今日1番焦った様子で叫んだ
「ぇ゙!!?」
シャンクスが眠るウタを抱えたまま勢いよく振り返った
ルナとモモンガの会話が耳に入ったのだ
常人では絶対に聞こえないだろう距離だが、シャンクスの耳にはバッチリとルナが自分でパンツを履いていないという言葉を聞いた
「前見ろ、大頭」
ベチンと小気味いい音を立てて、振り返ったシャンクスの顔に大きな手をぶつけたベックマンはその勢いを殺すことなく力を入れて、シャンクスの足を動かす
「え、や、だっッえ、ルナ、ノーパンだッ・・・うぐ!」
シャンクスの言葉を遮るように指に力を込めたベックマンにシャンクスが可愛くない悲鳴を上げた
「「「「・・・・・」」」」
まだ未練がましく後ろに首が向いたままのシャンクスの視界には顔を赤くした初期メンバーの顔がズラリと映り込んでいた
「え?気が付かなかったの俺だけ・・・??」
