FILM RED ifVersion【完結】
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「・・・ん・・」
モモンガは心地の良い暖かさを感じてゆっくりと目を開けた
枕はこんなにも柔らかく心地良いものだっただろうかと仄暗い船室で寝返りをうち、枕に顔を埋める
まだ夢を見ているのだろうか
柔らかく、顔がどこまでも埋まってしまうほどフカフカの枕から、可愛くて仕方ない愛おしい愛おしい恋人の香りがする
すぅ〜っと枕に顔を埋めまたま深呼吸をして確認したが、やはりルナの香りがしていた
「ふふふっ」
夢に見るまでに焦がれているのか・・・と己を振り返って自虐を含んだ笑いを漏らし、枕を更に引き寄せようとモモンガが手を伸ばした
もにゅッ
「・・・・」
掴んだ枕は、なんとも表現し難い魅力的な感触がした
その、覚えのある感触に氷水をぶっ掛けられた気分でモモンガの意識は一気に覚醒する
よくよく・・・というか今この時もトクントクンと心地の良い規則的なリズムとゆっくりとした息遣いが聞こえる
何かを遠慮なく掴んだ掌からも息遣いに合わせて規則正しく僅かに伸縮を繰り返していた
明らかに枕ではない
ガバッッ
乱暴な手つきにならないように、それでも素早く心地の良い温もりから距離を取らねばと顔を上げた
『ん・・・んん〜ぅ・・・』
ベッドに両手をついて上半身を起こすと、予想通り・・・いや、予想の数十倍扇情的な光景が腕の下に広がっていた
普段きっちりと結われた艶のある黒髪は困惑的にシーツの上に広がっており、その長い髪に半分ほど隠れた小さな顔はまさに純真無垢、天使の寝顔と言えるだろう
そんな私の天使はベットのやや左よりで身体の左側を下にした横向きにになっており、元々ズリ落ちてしまいそうだった私のワイシャツは上腕の半分位まで下がってしまって背中を半分露出させている
背中がそれだけ露わということは、当然前も・・・・身長よりも成長率が良くて俺を羨ましいと妬んでいたステンレスが羨んで止まらない、たわわな胸もあられもないことになっている
同じ人間なのだろうかと疑いたくなるような陶器のような滑らかで輝る細い足は緩く、くの字に曲がって濃紫色のワイシャツの下から伸びている
肩からズリ落ちたなら脚の方をもっと隠してくれれば良いものを、何故かワイシャツの裾は上へとめくり上がり、サイドの切込みは腰骨を晒す様な位置で紙一重で放送禁止部分を隠しているだけの心許ない状況
枕だと思っていたのはおそらく、いや、確実にルナの胸
起き抜けにこの状況は精神衛生上非常によろしくない
モモンガとて自制しているだけでただの男だ
恋しくてやまない恋人が、まだ幼いからと必死に自分に言い聞かせているだけで触りたい欲は普通にある
生理現象とはいえ、起き抜けの成人男性にこれは拷問だと飢えた獣のように口の中に唾液が集まってくるのを感じて、ゴクリと自分でも驚くほどの音量と共に気持ちを飲み下した
早くベッドから降りなければと体重を右に寄せた
『んんんぅ〜寒ぃぃぃ・・・』
ガバッ
「はぅあッッッ!!!!」
空気の流れに反応したのか、ベッドを離れようとしていたモモンガにルナが抱きついた
それも手も足も使って
腕を持ち上げたおかげで幾分か襟首は上に上がったが、巻き付いた足はモモンガの下腹部を無遠慮に刺激する
腕もしっかりと首に毎月、首筋にクークーと愛らしい寝息がかかりモモンガはゾクゾク背筋を震わせた
「ううう・・・」
まず首に巻きついた腕をなんとかしなければ
モモンガはルナが抱きついた状態のまま上半身を起こして座り直し、首と手を伸ばした
ズルぅり
「わぁ〜〜〜!!!」
身体を起こしたことにより重力に従順にルナの服が更にはだけてズリ落ちた
慌てたモモンガは首に回るルナの腕を器用にくるりと頭の上を通って抜き、片手でルナの細い手首をまとめてベッドへと縫い留めた
再びベッドに手をついて上半身だけが起きている状態になる
「モモンガ中将?大きな声が聞こえましたが大丈夫ですか?」
コビー大佐の声が聞こえた
おそらく既に部屋の前にいる
モモンガは船室のドアとルナを交互に見ながら、どうすればいいかと思考を巡らせていた
普段ならば瞬時に上京を判断し適切な選択ができるはずのモモンガがあわあわと狼狽するばかりで結局何もできずにいた
コンコンコン
ガチャッ
「入ります!」
軽快なノックオンと共に入室したのはやはりコビー大佐
「こ、コビー!!バカッ!何してるかわかんねぇからいきなり開け・・・・・」
バタバタと大きな声足音と共に近づいてきた声はヘルメッポ少佐だろう
コビーを追って来たようだが部屋に入室したところで言葉が止まってしまった
「コビー大佐!ヘルメッポ少佐!おはようございます!モモンガ中将に報告があるのですが入室して・・・も・・・」
モモンガの部屋が開いていたので、これ幸いと束になった書類を抱えたモモンガ隊の伝令が部屋を覗き込み、こちらも途中で固まってしまった
彼らの視線の先には、ベッドに押し倒されたルナと押し倒したモモンガ
しかもルナは意識が無いようで頭の上に両手をモモンガの手で拘束されなんだかぐったりしているようにも見える
さらにモモンガのもう片方の手はルナの片足の膝裏に添えられて、その持ち上げられたルナの足はつま先から脇腹辺りまで晒されていた
「「「・・・・・」」」
ヘルメッポは血の匂いが鼻腔を擽るのを感じた
「ちょ!ち、ちがッッ!破廉恥な事はしていない!!寝ぼけて抱きついたルナを剥がそうとだなッッッ」
バッとルナから手を離したモモンガは再び上半身を起こした状態でホールドアップして弁明する
「・・・・・・お、おお」
ヘルメッポの後ろで伝令が何やら呟いたのでゆっくりと振り返った
「お、大大大大目付・・・も、モモモモモンガ中将が・・ッッッ」
バサリと落とした書類の代わりに小さな電伝虫に向かって冷や汗を流しながらしゃべりかけている
「「は?」」
視覚と聴覚で確認したヘルメッポと、聴覚のみのモモンガの素っ頓狂な声がキレイにハモった
「モモンガ!?モモンガがどうした!?この電伝虫は・・・!?ルナに何かあったのか!?」
起動した電伝虫はとんでもなく焦っている時の声も顔もバッチリ表現していて、誰が見ても大目付“仏のセンゴク”のものだった
「おい!状況を説明しろ!ルナに何かあったのか!?」
センゴクの声がに響き渡った
「あ〜え、えーーっと・・・・」
口を開いたのはヘルメッポ
伝令に近づき電伝虫に声を掛けた
「ん?その声はヘルメッポ少佐か!?コレをもたせた伝令はどうした?“ナニカ”あったら遠慮なくかけろと言ってあったので、何かあったのだろう!?SWORDの任務でエレジアに潜入していることは聞いている!決死の覚悟でウタワールドに潜入してくれたこともな!!」
センゴクは息継ぎ無しでそう言い切って、ゼーゼーと肩で息をしている
電伝虫がそうなっているのでおそらく本人もそうに違いなかった
「・・・・だが!申し訳ないが今はそれよりも火急の用がある!周囲の状況を詳細に知らせろッッヘルメッポ少・・・ぐえッッッ」
しーーーん
センゴクが苦しそうなうめき声を発した後、電伝虫は沈黙してしまった
「・・・・・ヘルメッポ少佐?近くにモモンガはいるかぃ?」
しばらくの沈黙の後、聞こえてきたのは大参謀おつるの声
「こ、ここに!」
いつの間にかヘルメッポの背後に立っていたモモンガが、ヘルメッポよりも先に答えた
「おお、モモンガ!センゴクが会議中にワーワー騒ぎ始めたから外に干してやったわ。どうせ寝ぼけたルナがアンタに抱きついたとか食べ物の間違えて噛んだとかその程度のことでしょ?」
おつるの顔をした電伝虫はどうでも良さそうな顔でため息混じりにそう言った
「か、噛まれてはいないのですが、着るものが無く、私のワイシャツ1枚で寝ていたルナが寝ぼけて抱きついたのを引き剥がそうと奮闘しておりましたら・・・・」
「それを見た伝令がアンタがルナをどうにかしていると誤解したわけかぃ?」
言葉に詰まるモモンガにおつるは補足して確認する
「ま、まぁ、そういうことです」
はぁ〜ッッッと大きなため息と共にモモンガが回答した
「ほら!なんでもなかっただろ?見境ないアンタ達と違ってモモンガはTPOをわきまえる子だよ!それにロマンチストだから急迫な場面でもない限りしっかり演出考えてことに及ぶだろうよ!だからアンタ達、今更エレジアに行こうとするんじゃないよ!・・・・わかってんのかい?ガープ!」
おそらく今の言葉は干された(と思われる)大目付センゴクと英雄ガープに向けたものだろう
モモンガはカオスな状態になっているであろう電伝虫の先・・・会議の場にはいったい誰がいるのだろうかとダラダラと汗を流しながら電伝虫からの回答を待った
「・・・まぁ、そういうわけだからこちらの事は気にせず任務を遂行して帰ってきな」
しばらくの沈黙の後、なんでもないというふうにおつるの顔をした電伝虫が喋った
「・・・は・・はぁ・・」
七割方思考回路がショートしてしまったモモンガは語彙力が低下していた
「まぁ、ひ孫の顔はいつでも待ってるから、ルナの同意さえあればいつでもいいよ」
正し、教養とケアはしっかりね?と軽く檄を飛ばしておつる中将の電伝虫は沈黙した
