ミステリー・グリーンティー
《種明かし》
今週の大陸視察を終えたアンジュが寮に帰ってきた。
すると廊下にサイラスがいるのを見つける。
挨拶を交わした後、アンジュは今朝のお礼を伝える。
「今日はプレゼントを届けていただいて、ありがとうございました」
「いえいえ。喜んでくださるといいですね」
今朝いつものようにサイラスが朝食を運んできた時に、こんなことがあった。
「今日は大陸視察に行くことをお忘れなく」
そうサイラスの言葉を聞いたときに、アンジュはうっかりしていたことに気付く。
「あ!今日って聖殿には行けないんだった」
そう1週間のうち土の曜日だけは、女王候補は聖殿に入ることが出来ない。
その様子に、サイラスは理由を訊ねる。
「何か用事がおありですか?」
「はい。今日はシュリの誕生日なので、プレゼントを渡しに行きたかったんですけど…。
視察で会うときに持って行くこともできるけど、夕方まで持ち運ぶには、大きいかなあ」
茶葉だけでなく、急須とセットにして箱に入っているので、それなりにかさばる。
その大きさの箱を見たサイラスはこう提案する。
「そうですね。アンジュ様には、しっかり視察をしてきていただきたいですし…。
それは私がシュリ様の執務室に運んでまいりましょう」
その渡りに船な言葉に、アンジュは頭を下げる。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
シュリのもとでも茶柱が立って、喜んでほしい。
そう思ってネットで方法を調べ、条件に合うだろう急須と茶葉を用意した。
(あれで茶柱が立つといいな…。そうだ!)
部屋に帰ってきたアンジュは窓を開ける。
茜色から紫色に変化してきている空の中に、いくつかの星が輝いて見える。
(女王候補でも少し不思議な力を持っているみたいだから、願ってみたら叶うかも)
そう考えて、アンジュは手を組む。
(シュリの湯呑みに茶柱が立ちますように!
そしてシュリにとって、嬉しい誕生日になりますように☆!)
すると星が応えるように、瞬いて見えた。
Fin
2024年6~7月制作
(あとがき)
この物語は「ミステリー覆面」というイベント用に書きました。
私が覆面を意識して変えた部分は、初めてシュリさんをメインにしたこと。
そしてシュリさんを主人公にするなら、これまでに書いたアンミナ小説とは違い、3人称にするので、そこがぴったりだなと思いました。
アンジュさん側のシュリさんは書いたことがなかったので、ファンから見たらどう感じるのか気になっていました。
私はオリジナルでは児童文学を書いているので、意識しなくても、その雰囲気が出るみたいです。
ユエさんの茶柱話をした時に、シュリさんも茶柱を立てたがっていることを思い出したことから、この物語は生まれました。
そこで茶柱を立てるコツがあるのか調べてみたら、紹介されていたので、現実的な方法で叶えました。
私が参考にした方法はこちら
(https://ameblo.jp/shokokai-tsutiyama/entry-10045238566.html
https://dime.jp/genre/599641/)
緑茶セットの贈り主は、王道の展開からすぐに予想がつくだろうと思いました。
そこでこの物語で1番のミステリーにしたのは、何故今回シュリさんは、大勢からプレゼントをもらえたのかということにしました。
それはアンジュさんとの関わりによって、大切な遺品をゼノくんに預けるほど、他の守護聖にも心を開いたからということでした。
それが勘のいい人には読んでいて伝わるように、元々のシュリさんのキャラに合う範囲で、全体的に少し柔らかくしました。
そして他の守護聖に心を開き始めたシュリさんは多分こう、と周りの善意を受け入れようとする姿勢で表現しました。
ノアくんが18歳の時にシュリさんは出会っているから、こんな過去もあったのでは!?と想像も入れました。
最後に恋愛段階がここまで進んでるという回想を入れたところでは、そのことに気付いてもらえるようにと考えました。
これは「みんなとの距離が近くなったシュリさんが、夢も叶って喜ぶ」話なので、書いていて楽しかったです。
シュリさんはネットでプレイヤーに向ける言葉が優しいなと、そこからいい人なことに気付きました。
それから私はアンミナの恋愛イベントでは、アンジュさん以外にも心を開く結末が特に好きです。
シュリさんとの話では、アンジュさんが本人に思いをそのままいうところも好きなので、作中に引用しました。
プレゼントは、出来るだけシュリさんの好きな物を割り振りました。
ユエさんは、シュリさんの誕生日に美しいしおりを贈る。
ゼノくんは、守護聖のみんなの好きな食べ物を作りたい。
フェリクスさんは小説のセンスが1番いいと、シュリさんが思う人。
…というのも公式から入れました。
作中で贈り主が判明しなかった物は、お酒はロレンツォさんで、果物はヴァージルさんからです。
出身地と本人の好物から、自然の物はヴァージルさんで、人工物はロレンツォさんの方が合うかなと。
それとロレンツォさんは人のこともよく知ろうとするので、シュリさんの好きな物も細かく観察しているのでは…と思うからです。
ミステリーなので、贈り主は出来るだけ伏せようと思いました。
でもフェリクスさんとレイナさんが名乗らないのは、キャラと合わないと思ったので明かしました。
ロレンツォさんもメッセージカードを書くのでは?と迷ったので、ミステリーじゃなかったら付けた気がします。
ゲームはユエさん以外の回想はまだ埋まってないけど、公式サイトやパンフレット等は出来るだけ読んでから書き始めました。
私はアンミナではユエさんの好きなところを記録しておきたくて、二次創作しています。
でもユエさんだけじゃなくて、その物語に合う、他の人の場面も出来るだけ入れたいです。
まだメインにしたことのない人の話も、いいのが浮かんだら書きたいなと考えています。
今週の大陸視察を終えたアンジュが寮に帰ってきた。
すると廊下にサイラスがいるのを見つける。
挨拶を交わした後、アンジュは今朝のお礼を伝える。
「今日はプレゼントを届けていただいて、ありがとうございました」
「いえいえ。喜んでくださるといいですね」
今朝いつものようにサイラスが朝食を運んできた時に、こんなことがあった。
「今日は大陸視察に行くことをお忘れなく」
そうサイラスの言葉を聞いたときに、アンジュはうっかりしていたことに気付く。
「あ!今日って聖殿には行けないんだった」
そう1週間のうち土の曜日だけは、女王候補は聖殿に入ることが出来ない。
その様子に、サイラスは理由を訊ねる。
「何か用事がおありですか?」
「はい。今日はシュリの誕生日なので、プレゼントを渡しに行きたかったんですけど…。
視察で会うときに持って行くこともできるけど、夕方まで持ち運ぶには、大きいかなあ」
茶葉だけでなく、急須とセットにして箱に入っているので、それなりにかさばる。
その大きさの箱を見たサイラスはこう提案する。
「そうですね。アンジュ様には、しっかり視察をしてきていただきたいですし…。
それは私がシュリ様の執務室に運んでまいりましょう」
その渡りに船な言葉に、アンジュは頭を下げる。
「ありがとうございます。よろしくお願いします」
シュリのもとでも茶柱が立って、喜んでほしい。
そう思ってネットで方法を調べ、条件に合うだろう急須と茶葉を用意した。
(あれで茶柱が立つといいな…。そうだ!)
部屋に帰ってきたアンジュは窓を開ける。
茜色から紫色に変化してきている空の中に、いくつかの星が輝いて見える。
(女王候補でも少し不思議な力を持っているみたいだから、願ってみたら叶うかも)
そう考えて、アンジュは手を組む。
(シュリの湯呑みに茶柱が立ちますように!
そしてシュリにとって、嬉しい誕生日になりますように☆!)
すると星が応えるように、瞬いて見えた。
Fin
2024年6~7月制作
(あとがき)
この物語は「ミステリー覆面」というイベント用に書きました。
私が覆面を意識して変えた部分は、初めてシュリさんをメインにしたこと。
そしてシュリさんを主人公にするなら、これまでに書いたアンミナ小説とは違い、3人称にするので、そこがぴったりだなと思いました。
アンジュさん側のシュリさんは書いたことがなかったので、ファンから見たらどう感じるのか気になっていました。
私はオリジナルでは児童文学を書いているので、意識しなくても、その雰囲気が出るみたいです。
ユエさんの茶柱話をした時に、シュリさんも茶柱を立てたがっていることを思い出したことから、この物語は生まれました。
そこで茶柱を立てるコツがあるのか調べてみたら、紹介されていたので、現実的な方法で叶えました。
私が参考にした方法はこちら
(https://ameblo.jp/shokokai-tsutiyama/entry-10045238566.html
https://dime.jp/genre/599641/)
緑茶セットの贈り主は、王道の展開からすぐに予想がつくだろうと思いました。
そこでこの物語で1番のミステリーにしたのは、何故今回シュリさんは、大勢からプレゼントをもらえたのかということにしました。
それはアンジュさんとの関わりによって、大切な遺品をゼノくんに預けるほど、他の守護聖にも心を開いたからということでした。
それが勘のいい人には読んでいて伝わるように、元々のシュリさんのキャラに合う範囲で、全体的に少し柔らかくしました。
そして他の守護聖に心を開き始めたシュリさんは多分こう、と周りの善意を受け入れようとする姿勢で表現しました。
ノアくんが18歳の時にシュリさんは出会っているから、こんな過去もあったのでは!?と想像も入れました。
最後に恋愛段階がここまで進んでるという回想を入れたところでは、そのことに気付いてもらえるようにと考えました。
これは「みんなとの距離が近くなったシュリさんが、夢も叶って喜ぶ」話なので、書いていて楽しかったです。
シュリさんはネットでプレイヤーに向ける言葉が優しいなと、そこからいい人なことに気付きました。
それから私はアンミナの恋愛イベントでは、アンジュさん以外にも心を開く結末が特に好きです。
シュリさんとの話では、アンジュさんが本人に思いをそのままいうところも好きなので、作中に引用しました。
プレゼントは、出来るだけシュリさんの好きな物を割り振りました。
ユエさんは、シュリさんの誕生日に美しいしおりを贈る。
ゼノくんは、守護聖のみんなの好きな食べ物を作りたい。
フェリクスさんは小説のセンスが1番いいと、シュリさんが思う人。
…というのも公式から入れました。
作中で贈り主が判明しなかった物は、お酒はロレンツォさんで、果物はヴァージルさんからです。
出身地と本人の好物から、自然の物はヴァージルさんで、人工物はロレンツォさんの方が合うかなと。
それとロレンツォさんは人のこともよく知ろうとするので、シュリさんの好きな物も細かく観察しているのでは…と思うからです。
ミステリーなので、贈り主は出来るだけ伏せようと思いました。
でもフェリクスさんとレイナさんが名乗らないのは、キャラと合わないと思ったので明かしました。
ロレンツォさんもメッセージカードを書くのでは?と迷ったので、ミステリーじゃなかったら付けた気がします。
ゲームはユエさん以外の回想はまだ埋まってないけど、公式サイトやパンフレット等は出来るだけ読んでから書き始めました。
私はアンミナではユエさんの好きなところを記録しておきたくて、二次創作しています。
でもユエさんだけじゃなくて、その物語に合う、他の人の場面も出来るだけ入れたいです。
まだメインにしたことのない人の話も、いいのが浮かんだら書きたいなと考えています。