【Stage.1】
ぱっ、と場面が変わります。
まるで夢のときのように不意にレイズの目の前に草原が現れました。
一瞬で【夢幻】の入口から【夢幻】に入ったのでした。
その草原はレイズの見たこともないような草が生えており、
確かに違う世界に入ったと解ります。
「で、これからどうするんだ?」
「へ……?」
「まさか、何も考えてないんじゃ~ないだろうな?」
「ふふみぃ~~ちょ、ちょっとまって~」
カラは慌ててあたふたと、例の攻略本をめくりだします。
その様子を溜息をつきつつ、呆れたように眺めるレイズ。
と……
「ん……?」
何か、レイズの耳に声らしきものが聞こえた気がしたのです。
「おい、カラ。なんか、声が聞こえる。
誰かこっちに来るみたいだな。もしかしてイベントかな?」
レイズは耳をすまします。
遠くから誰か走ってくるような足音も聞こえてきています。
「たっ、たすけて、おにいちゃんッ!
ノホがぼくをいじめるのッ!」
声の主はレイズよりも少し年下の男の子でした。8歳くらいでしょうか。
おっきな鳶色の瞳に涙を浮かべ、レイズの腕にしがみついてきました。
「ノホ?」
「うん。ぐすんッ……ボクがなきむしだっていじめるの……」
「……泣虫じゃないんならもう泣くなよ。
オレがおっぱらってやるから。な?」
「うん……」
レイズはその男の子をなだめます。
「で、そのノホってヤツはどんなヤツなんだ?」
「ノホは、ほのおのまものなの。
フワフワうかんでいてね、あついひのこをとばしてくるんだ。
かみのけにあたったら、チリッって、こげちゃうんだよ……」
「炎の魔物……かぁ」
何とか泣き止んだ男の子。
よく見ると、確かに真っ黒い後ろ髪が少しチリチリになっていました。
「水とかかけたら退治できるかな?
なぁ、カラ。オレってどんな魔法使えるんだ?
炎系? 水系? 風系? 大地系?
やっぱり、そういう属性あるんだろ?」
「あ、え……? え~っとぉ、ちょっとまってね~……」
再び、カラは例の攻略本をぱらぱらめくります。
と……そんな時。
「うあ~んッ! やだぁ~! やめてヨォ~~~ッ!!」
男の子が騒ぎ出します。
見ると、炎の魔物に追っかけ回されていました……(気づこうね、主人公(汗))
『こげこげにするノホ~! チリチリにするノホ~!!
また泣く、また泣く、よわむし、よわむし、泣虫ノホ~ッ!!』
「ふえぇ~んッ! こないでよぉ~ッ!!」
「……カラ、水とかないのか? あの、ふざけた魔物にぶっかける!」
もたもたと、捜していたカラにしびれを切らしてレイズは言います。
その間にも男の子は追っかけ回され、火の粉を飛ばされていました。
「み、水? ええっと~……水だよね?」
ポムッ!
レイズの前に、水の入ったバケツが現れました。
赤いバケツには「火の用心」と白い文字が書かれています。
「よし。1杯じゃ足りなさそうだから、もっと出しとって」
言うなり、レイズはバケツの水を思いっきり
炎の魔物ノホに目掛けてぶっかけました!
ジュワワ~ッとバケツの水は瞬時に蒸発します。
その攻撃(?)を受け、やっとノホはレイズの存在に気がついたようでした。
『……おまえ、ノホにケンカ売ってる?
いや、絶対その態度、売ってる、売ってるノホ!
ムカムカ腹立つ!
おまえ、先にチリチリ、こげこげにしてやるノホ~ッ!!』
炎にギャグマンガのような顔がある、人面炎のノホは目を吊り上げ、
ぱちぱちと火の粉を飛ばし怒っています。
「ほい、2撃目! ……あんまり、効いてないなぁ」
ノホのコトバの途中、レイズは遠慮もせず、
2杯目のバケツの水をぶちまけました。
頭っから水をかぶるノホ。
しかし、また同じように蒸発したのみでした。
『……っくう~ッ!!
おまえ、ヒトの話は最後まで聞くノホッ!!』
怒りのため、ノホは心なしか大きくなったようです。
『おまえ、絶対、ヒトの話、最後まで聞かないタイプノホ。
そんな顔してるノホ! その、生意気そ~な目からして……』
「あ、レイズさん。ノホはコレかけたらいいみたいだよ」
「ん? 解った」
またまた、ノホのコトバの途中。
横からわって入った、カラの出したモノをレイズはぶちまけます。
それがかかったノホは、蒸気をあげ、小さくなっていきました。
『ぐぎぎぎぎ~ッ! おまえ、またしてもッ!!
しかも、今度のは……せ~すいだ……ノホっ……』
小さく小さくなっていくノホは、
ついにはポシュッと小さな音をたてて消えてしまいました。
「おお、倒したのか。案外、あっけなかったな~」
レイズの手にしていたバケツには「火の用心・○×教会」と
白い文字で書かれています。
「ノホは聖水に弱いって、
ここの巻末特別付録【魔物辞典】に書いてあったんだ。
あ、それから……レイズさんの魔法の属性なんだけど、
炎系みだいだよ。今のところ」
「へぇ~炎系か。基本だな。……おい、大丈夫だったか?」
「うん。ありがとう、おにいちゃん。ボクはイアレス。
ねえ、おにいちゃん、ボクのうちにきてほしいの。
おれいがしたいんだ~。
ね、ね、いいでしょ? ようせいさんもいっしょに!」
「そうだなぁ……行ってみるか、せっかくだしな。
オレは、レイズ。で、こっちのちっさいのがカラ」
「ペコリ。イアレスくん、よろしくね~(ニコニコ)」
「よろしく~! ねぇ、カラもいっしょにきてくれるでしょ?」
「うん。いいよ~」
「うあ~い!」
と、いうことで……。
レイズとカラはイアレスのうちに行くコトになりました。
まるで夢のときのように不意にレイズの目の前に草原が現れました。
一瞬で【夢幻】の入口から【夢幻】に入ったのでした。
その草原はレイズの見たこともないような草が生えており、
確かに違う世界に入ったと解ります。
「で、これからどうするんだ?」
「へ……?」
「まさか、何も考えてないんじゃ~ないだろうな?」
「ふふみぃ~~ちょ、ちょっとまって~」
カラは慌ててあたふたと、例の攻略本をめくりだします。
その様子を溜息をつきつつ、呆れたように眺めるレイズ。
と……
「ん……?」
何か、レイズの耳に声らしきものが聞こえた気がしたのです。
「おい、カラ。なんか、声が聞こえる。
誰かこっちに来るみたいだな。もしかしてイベントかな?」
レイズは耳をすまします。
遠くから誰か走ってくるような足音も聞こえてきています。
「たっ、たすけて、おにいちゃんッ!
ノホがぼくをいじめるのッ!」
声の主はレイズよりも少し年下の男の子でした。8歳くらいでしょうか。
おっきな鳶色の瞳に涙を浮かべ、レイズの腕にしがみついてきました。
「ノホ?」
「うん。ぐすんッ……ボクがなきむしだっていじめるの……」
「……泣虫じゃないんならもう泣くなよ。
オレがおっぱらってやるから。な?」
「うん……」
レイズはその男の子をなだめます。
「で、そのノホってヤツはどんなヤツなんだ?」
「ノホは、ほのおのまものなの。
フワフワうかんでいてね、あついひのこをとばしてくるんだ。
かみのけにあたったら、チリッって、こげちゃうんだよ……」
「炎の魔物……かぁ」
何とか泣き止んだ男の子。
よく見ると、確かに真っ黒い後ろ髪が少しチリチリになっていました。
「水とかかけたら退治できるかな?
なぁ、カラ。オレってどんな魔法使えるんだ?
炎系? 水系? 風系? 大地系?
やっぱり、そういう属性あるんだろ?」
「あ、え……? え~っとぉ、ちょっとまってね~……」
再び、カラは例の攻略本をぱらぱらめくります。
と……そんな時。
「うあ~んッ! やだぁ~! やめてヨォ~~~ッ!!」
男の子が騒ぎ出します。
見ると、炎の魔物に追っかけ回されていました……(気づこうね、主人公(汗))
『こげこげにするノホ~! チリチリにするノホ~!!
また泣く、また泣く、よわむし、よわむし、泣虫ノホ~ッ!!』
「ふえぇ~んッ! こないでよぉ~ッ!!」
「……カラ、水とかないのか? あの、ふざけた魔物にぶっかける!」
もたもたと、捜していたカラにしびれを切らしてレイズは言います。
その間にも男の子は追っかけ回され、火の粉を飛ばされていました。
「み、水? ええっと~……水だよね?」
ポムッ!
レイズの前に、水の入ったバケツが現れました。
赤いバケツには「火の用心」と白い文字が書かれています。
「よし。1杯じゃ足りなさそうだから、もっと出しとって」
言うなり、レイズはバケツの水を思いっきり
炎の魔物ノホに目掛けてぶっかけました!
ジュワワ~ッとバケツの水は瞬時に蒸発します。
その攻撃(?)を受け、やっとノホはレイズの存在に気がついたようでした。
『……おまえ、ノホにケンカ売ってる?
いや、絶対その態度、売ってる、売ってるノホ!
ムカムカ腹立つ!
おまえ、先にチリチリ、こげこげにしてやるノホ~ッ!!』
炎にギャグマンガのような顔がある、人面炎のノホは目を吊り上げ、
ぱちぱちと火の粉を飛ばし怒っています。
「ほい、2撃目! ……あんまり、効いてないなぁ」
ノホのコトバの途中、レイズは遠慮もせず、
2杯目のバケツの水をぶちまけました。
頭っから水をかぶるノホ。
しかし、また同じように蒸発したのみでした。
『……っくう~ッ!!
おまえ、ヒトの話は最後まで聞くノホッ!!』
怒りのため、ノホは心なしか大きくなったようです。
『おまえ、絶対、ヒトの話、最後まで聞かないタイプノホ。
そんな顔してるノホ! その、生意気そ~な目からして……』
「あ、レイズさん。ノホはコレかけたらいいみたいだよ」
「ん? 解った」
またまた、ノホのコトバの途中。
横からわって入った、カラの出したモノをレイズはぶちまけます。
それがかかったノホは、蒸気をあげ、小さくなっていきました。
『ぐぎぎぎぎ~ッ! おまえ、またしてもッ!!
しかも、今度のは……せ~すいだ……ノホっ……』
小さく小さくなっていくノホは、
ついにはポシュッと小さな音をたてて消えてしまいました。
「おお、倒したのか。案外、あっけなかったな~」
レイズの手にしていたバケツには「火の用心・○×教会」と
白い文字で書かれています。
「ノホは聖水に弱いって、
ここの巻末特別付録【魔物辞典】に書いてあったんだ。
あ、それから……レイズさんの魔法の属性なんだけど、
炎系みだいだよ。今のところ」
「へぇ~炎系か。基本だな。……おい、大丈夫だったか?」
「うん。ありがとう、おにいちゃん。ボクはイアレス。
ねえ、おにいちゃん、ボクのうちにきてほしいの。
おれいがしたいんだ~。
ね、ね、いいでしょ? ようせいさんもいっしょに!」
「そうだなぁ……行ってみるか、せっかくだしな。
オレは、レイズ。で、こっちのちっさいのがカラ」
「ペコリ。イアレスくん、よろしくね~(ニコニコ)」
「よろしく~! ねぇ、カラもいっしょにきてくれるでしょ?」
「うん。いいよ~」
「うあ~い!」
と、いうことで……。
レイズとカラはイアレスのうちに行くコトになりました。
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