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*にまいめ【救護活動はこんな感じ】

 ここは全滅パーティー回収班の詰所。

 お昼ご飯もすませて、まったりしていたところ。
 そんなときにも、全滅したパーティーの救護要請が入る。
 ホントはもう少しゆっくりしたいんだけどね~。
 まぁ……お昼休みには全滅しないでね~って、
 冒険者さんに言うわけにはいかないものね。

「副長さん、救護要請入りました! 場所はナジミの塔です」

 報告に来たのはイェータ。

「え~、ナジミの塔? 最近はあまりなかったけど……
 今回のパーティーは初心者さんかなぁ?」

「たぶんね。ナジミの塔なら副長ちゃん一人でもいーんじゃない?
 オレ、パスしちゃおっかな~」

 ヨナスがやる気全くナシの様子で言う。
 彼はおれより年上で軽いノリのお兄さん。
 班長さんと同じで、サボりたがりの面倒くさがりなんだよね。
 でも剣の腕はたつし、マジメにすれば頼りになるんだけどなぁ。

「ヨナスさん、サボっちゃダメです。
 魔物を追っ払うだけなら副長さんだけで大丈夫ですが、救護は一人じゃ大変ですよ」

 イェータが出動準備万全で注意する。
 イェータはおれより年下なんだけど、ヨナスとは正反対。
 とっても真面目で、しっかり者なんだ。
 真面目な彼に言われて、しぶしぶヨナスは立ち上がった。

「フアン、出動だよ~起きてね~。お昼ご飯あとは眠いの分かるけどね~」

「ん~~~あとちょっと~~~(-.-)Zzz……」

 フアンはのんびりマイペースな子。それから暇があったら眠ってるみたい。
 寝る子は育つっていうけど、きっとフアンは大物になるよ。
 机につっぷして、すやすや眠るフアンを起こしておれたち4人はナジミの塔へ向かった。

   ◆◇◆

 ナジミの塔はアリアハンの城下町を出てすぐ、海を挟んで西に見えるところに建っている。
 塔は地下1階~地上4階まで。
 ここは冒険者や騎士などになるための修行の場になっていた。
 そのため、1階には身体を休めるための宿屋さんはあるし、中はわりと整備されていた。
 それでも魔物は出るけどね。

 ん~~、なつかしいなぁ……
 おれも騎士になるために修行したよ(*^-^*)

「冒険者さんは3人だったね」

「はい。仲良しで作ったパーティーとのこと。信号は2階から出ています、急ぎましょう」

 一瞬で場所移動できる魔法、ルーラをおれが使って塔まで移動する。
 水晶のはめ込まれたレーダーを持っているイェータに冒険者さんの位置を確認。
 塔の内部の道は、何度も来たことあるから頭に入ってる。
 迷うことなく冒険者さんのもとまでたどり着けた。

「あ~副長ちゃんあれじゃない?」

 2階への階段を上がって、少し行ったところに倒れている人を発見!
 おれたちは急いで彼らに駆け寄った。

「大丈夫ですか~? すぐに助けますね~」

 フアンが倒れている3人に声をかけてケガの具合をみはじめた。

 それにしても……
 この子たちホントに初心者パーティーだねぇ。
 ケガの具合をみているフアンの後ろから3人の様子を眺める。

 『武器・防具はちゃんと装備しなさい。持っているだけじゃダメですよ』
 装備を買うと、武器屋さんで必ず言われることだよ。
 けれど、初心者さんパーティーの何組かは装備をし忘れて冒険に出てしまうんだよね。

 ……このパーティーの人たちのように。

 防具は布の服。ん~普段着ている服かな、コレ?
 そして、魔物を撃退するための武器は道具袋の中だった……( ̄▽ ̄;)

「どう? 城に帰ってからの治療で大丈夫?」

 3人の具合を見終えたフアンに聞く。

「は~い、大丈夫で~す。ケガはそんなにヒドくないですよ~。
 オオアリクイのひっかき傷が一番ヒドイくらいですね~」

「良かった。じゃ、城に帰ろっか!」
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