*よんまいめ【班長さんと剣探しinジパング】
おれたちが案内されたのは謁見の間のような所だった。
一番奥は一段高くなったところがあり、
装飾の施された玉座らしい椅子がある。
その左右にはうしろが透けて見えるような
うす布が幾重にもカーテンのようにかかっていた。
けれど玉座の主ヒミコさまの姿は見当たらない。
「女王サマまだみたいだね。
やっぱ、どこのクニでも女性の身支度って時間がかかるのかねぇ♪」
空っぽの玉座を見て班長さんがヒソヒソ言う。
そしてヒソヒソで楽しそう( ̄▽ ̄;)
「班長さん、女性によく待たされることあるんですか?」
「ウン? 俺はネ、女というイキモノは得意でないのだよ、カナちゃん。
若かりし頃は……まぁ、イロイロあったがね。
今はカナちゃん一筋……あ、アトルちゃんとカナちゃん二人一筋だよん(^^♪
お二人に待たされるなら、もうどれくらいでも待ってるよ~ん♪」
「チシキは相変わらずだな。
まぁ、しつこい所が玉にキズだったな昔から」
「そ、そうなんですね……。
で、でもきっとそんな班長さんを
好きと想ってくれるステキな女性が現れますよ!
おれは遠慮しますから(^-^;」
「遠慮しなくてい~よぉ、カナちゃん♪
お兄さんもう女性はチョットねぇ」
ため息をつきながら班長さんはおれの手を握ってくる。
「……だ、大丈夫です! きっときっと良い人見つかりますよ!」
「静かに! ヒミコ様のおなりだ」
ついつい声が大きくなってしまったよ。
そんなおれたちの会話を室屋さんが中断させた。
しずしずと足音をたてずにやって来たヒミコさま。
お付きの女官さんらしい二人を従えておれたちの目の前の玉座に座る。
女官さんたちはその後ろに控えた。
ヒミコさまは真っ黒くて長~いストレートヘア。
それをゆったりと後ろで一つに括っていて、
頭には見たことのない冠を着けていた。
ヒミコさまが座るとき冠の飾りが揺れて、
涼やかな音が鳴ったのが印象的だね。
ぱっと見、ヒミコさまはキツめの美人さんだ。
おれたちを一通り見て、ヒミコさまは一人納得をしたようにうなづいた。
おしゃべりな班長さんもとりあえず
向こうがしゃべるまでは口を開かないでいるみたいだね。
「……オロチはまこと、この国の全てが見えておるのじゃな……」
「へ……?」
「こちらの話じゃ。
そんなことよりも、お主らが我が国に何をしに来たか知らぬが
我らに従ってもらう」
「エ~イキナリでムチャクチャな話だねぇ、女王サマ♪
流石、イケニエで穏便にコトを済ませちゃうヒトは違うよネ~!
開口一番、我に従えだなんて、俺ビックリ~(^^♪」
ううう(-_-;)
絶対ワザとだよね、班長さん。
女王さまは表情一つ変わらないけど、そのまわり、
官僚さんやら兵士さんやらの鋭い視線が半端ないんですけど(-_-;)
もう、目で人を殺せそうなくらいだよ(>_<)
だけど班長さんはそんなこともろともしない。
まぁ、いつものことだけどね……。
シーンと静まり返ったこの場で口を開いたのは女王さまだった。
「それが分かっておるなら話が早い。
ヤマタノオロチへの次の生け贄はお前たちとなった。
従ってもらうぞ、外の国より来し者たちよ」
「……へぇ~(^^♪」
「先程、わらわにヤマタノオロチが言ってきたのじゃ。
次の生け贄はお前たちだ、とな。
正直ホッとしておる。我が国の者を生け贄にせずに済んでな」
「ほほぉ~ナルホド♪ 俺たちがイケニエかぁ。了解リョーカイ♪
ちょうど良いですよん、女王サマ。
俺たちオロチ退治する予定だからサ。
イケニエになるっていうのは、喜んで~だよん♪」
班長さんはポンッと手を打ち、にこにこ笑顔になる。
それを見てヒミコさまは少し表情を曇らせた。
「……ヤマタノオロチを退治するじゃと?
お主ら三人でか?
我が国の強者 たちでも敵わなかったというに……。
大人しく生け贄となるのが楽であろう?」
「ウン? ヒミコサマはオロチ退治してほしくないのかな~?
大人しくイケニエになれってサ」
「それは退治できるのであればそれに越したことはない。
しかし以前 の二の舞になることは避けねばならぬ。
お主ら絶対にヤマタノオロチに勝つ自信はあるのかえ?」
「ハイハイ、ありま~す♪ 俺サ、負ける気がしないんだよネ。
女王サマ安心してクダサイナ。必ずオロチはやっつけますよん!
そしてそのご褒美にこのクニの神話に登場する
草薙の剣あたりをいただけると大喜びなんですけどネ~(^^♪」
「草薙の剣じゃと?
あの剣は天照さまを祀る神殿のご神体じゃ。
お主にやるわけにはいかぬ」
班長さんの話をヒミコさまはキッパリ断った。
まぁ、ご神体の剣だもんね、簡単にはもらえないよね。
「そっか~ダメかぁ。
じゃあサ、このクニで一番の鍛冶職人さんの打った剣でも良いです♪
居ますよネ、職人さん(^^♪
それとオロチを退治したときに尾っぽから剣が出たらそれはもらいますよん。
それは良いですよネ♪」
「……あい分かった。
オロチの尾から剣が出るかは分からぬが、それならば良いじゃろう。
我が国一の鍛冶職人の剣も手配しよう。
ではお主らがヤマタノオロチの生け贄となる、異論はないな?」
「は~い、異論はありませ~ん♪ 大丈夫ですよん!」
「生け贄の儀は明日 の夕暮れじゃ。
それまでは我らの監視下に置く。
室屋、外の国より来し者たちを案内せよ」
「そんな~監視しなくても逃げませんよぉ~。
まぁ、今日の宿カクホってことでヨシにしよっか(^^♪」
はぁ……班長さんやる気まんまんだなぁ。
ホントに大丈夫かな……
何だか強い魔物のチカラを感じるんだけど(-_-;)
ううう、なんでこんなことになっちゃったんだろ……。
一番奥は一段高くなったところがあり、
装飾の施された玉座らしい椅子がある。
その左右にはうしろが透けて見えるような
うす布が幾重にもカーテンのようにかかっていた。
けれど玉座の主ヒミコさまの姿は見当たらない。
「女王サマまだみたいだね。
やっぱ、どこのクニでも女性の身支度って時間がかかるのかねぇ♪」
空っぽの玉座を見て班長さんがヒソヒソ言う。
そしてヒソヒソで楽しそう( ̄▽ ̄;)
「班長さん、女性によく待たされることあるんですか?」
「ウン? 俺はネ、女というイキモノは得意でないのだよ、カナちゃん。
若かりし頃は……まぁ、イロイロあったがね。
今はカナちゃん一筋……あ、アトルちゃんとカナちゃん二人一筋だよん(^^♪
お二人に待たされるなら、もうどれくらいでも待ってるよ~ん♪」
「チシキは相変わらずだな。
まぁ、しつこい所が玉にキズだったな昔から」
「そ、そうなんですね……。
で、でもきっとそんな班長さんを
好きと想ってくれるステキな女性が現れますよ!
おれは遠慮しますから(^-^;」
「遠慮しなくてい~よぉ、カナちゃん♪
お兄さんもう女性はチョットねぇ」
ため息をつきながら班長さんはおれの手を握ってくる。
「……だ、大丈夫です! きっときっと良い人見つかりますよ!」
「静かに! ヒミコ様のおなりだ」
ついつい声が大きくなってしまったよ。
そんなおれたちの会話を室屋さんが中断させた。
しずしずと足音をたてずにやって来たヒミコさま。
お付きの女官さんらしい二人を従えておれたちの目の前の玉座に座る。
女官さんたちはその後ろに控えた。
ヒミコさまは真っ黒くて長~いストレートヘア。
それをゆったりと後ろで一つに括っていて、
頭には見たことのない冠を着けていた。
ヒミコさまが座るとき冠の飾りが揺れて、
涼やかな音が鳴ったのが印象的だね。
ぱっと見、ヒミコさまはキツめの美人さんだ。
おれたちを一通り見て、ヒミコさまは一人納得をしたようにうなづいた。
おしゃべりな班長さんもとりあえず
向こうがしゃべるまでは口を開かないでいるみたいだね。
「……オロチはまこと、この国の全てが見えておるのじゃな……」
「へ……?」
「こちらの話じゃ。
そんなことよりも、お主らが我が国に何をしに来たか知らぬが
我らに従ってもらう」
「エ~イキナリでムチャクチャな話だねぇ、女王サマ♪
流石、イケニエで穏便にコトを済ませちゃうヒトは違うよネ~!
開口一番、我に従えだなんて、俺ビックリ~(^^♪」
ううう(-_-;)
絶対ワザとだよね、班長さん。
女王さまは表情一つ変わらないけど、そのまわり、
官僚さんやら兵士さんやらの鋭い視線が半端ないんですけど(-_-;)
もう、目で人を殺せそうなくらいだよ(>_<)
だけど班長さんはそんなこともろともしない。
まぁ、いつものことだけどね……。
シーンと静まり返ったこの場で口を開いたのは女王さまだった。
「それが分かっておるなら話が早い。
ヤマタノオロチへの次の生け贄はお前たちとなった。
従ってもらうぞ、外の国より来し者たちよ」
「……へぇ~(^^♪」
「先程、わらわにヤマタノオロチが言ってきたのじゃ。
次の生け贄はお前たちだ、とな。
正直ホッとしておる。我が国の者を生け贄にせずに済んでな」
「ほほぉ~ナルホド♪ 俺たちがイケニエかぁ。了解リョーカイ♪
ちょうど良いですよん、女王サマ。
俺たちオロチ退治する予定だからサ。
イケニエになるっていうのは、喜んで~だよん♪」
班長さんはポンッと手を打ち、にこにこ笑顔になる。
それを見てヒミコさまは少し表情を曇らせた。
「……ヤマタノオロチを退治するじゃと?
お主ら三人でか?
我が国の
大人しく生け贄となるのが楽であろう?」
「ウン? ヒミコサマはオロチ退治してほしくないのかな~?
大人しくイケニエになれってサ」
「それは退治できるのであればそれに越したことはない。
しかし
お主ら絶対にヤマタノオロチに勝つ自信はあるのかえ?」
「ハイハイ、ありま~す♪ 俺サ、負ける気がしないんだよネ。
女王サマ安心してクダサイナ。必ずオロチはやっつけますよん!
そしてそのご褒美にこのクニの神話に登場する
草薙の剣あたりをいただけると大喜びなんですけどネ~(^^♪」
「草薙の剣じゃと?
あの剣は天照さまを祀る神殿のご神体じゃ。
お主にやるわけにはいかぬ」
班長さんの話をヒミコさまはキッパリ断った。
まぁ、ご神体の剣だもんね、簡単にはもらえないよね。
「そっか~ダメかぁ。
じゃあサ、このクニで一番の鍛冶職人さんの打った剣でも良いです♪
居ますよネ、職人さん(^^♪
それとオロチを退治したときに尾っぽから剣が出たらそれはもらいますよん。
それは良いですよネ♪」
「……あい分かった。
オロチの尾から剣が出るかは分からぬが、それならば良いじゃろう。
我が国一の鍛冶職人の剣も手配しよう。
ではお主らがヤマタノオロチの生け贄となる、異論はないな?」
「は~い、異論はありませ~ん♪ 大丈夫ですよん!」
「生け贄の儀は
それまでは我らの監視下に置く。
室屋、外の国より来し者たちを案内せよ」
「そんな~監視しなくても逃げませんよぉ~。
まぁ、今日の宿カクホってことでヨシにしよっか(^^♪」
はぁ……班長さんやる気まんまんだなぁ。
ホントに大丈夫かな……
何だか強い魔物のチカラを感じるんだけど(-_-;)
ううう、なんでこんなことになっちゃったんだろ……。
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