午前7:30分頃を回ったが、
一向にイゾウが起きる気配がしない、
それどころか何かに魘されているような感じ。
もしかしたら悪夢に魘されている？
いや、そんなはずは…

僕は心配になり、
魘されているイゾウの足をこっそりくすぐった。
下手したら斬られそうかもしれないが、
今は刀を持っていないので大丈夫かなと確信したので、
ここは思い切ってやってみてしまった（少し後悔はしているかも

こちょこちょ…

…んんんっぁぁぁ！！（イゾウの声

イゾウが目を開ける。
だがなんだかおどろおどろしい
顔つきだ。

「な、なんやあ！！」

あまりにもビックリしたような
イゾウの声が響き渡った。
僕はちょっとやりすぎたかなと後悔した。
でも、ずっと寝ているのも流石にあれだと。

「イゾウ！もう七時半だよ！
何時だとおも…」

「わしはひどい夢を見てしもうた」

イゾウの言葉が胸に刺さった。
どうやらやはり「悪夢」を見てしまったそうだ。
僕はイゾウにその夢の話を聞くことにした。

「旅館先で泊まりに行った夢だが、
われ（お前）が血まみれで倒れちょった。
わしゃ無力やった。」

案外怖すぎる事をダイレクトに言う
イゾウだった。

そして

「どうして助けにいけなかった？」
と問うと

「その時わしゃ死んじょったきだ。」

といってきたので背筋が凍ってしまった。
僕は怖くなってしまった。

そうしているうちに、時間は刻々と過ぎていった。
そして8:30分になり、姉であるミサトがやってきて、
とりあえず朝食を食べることにした。

僕は、その夢の話が実現するわけがないと思った。
でも、なんだかんだで日常的には殺人事件なども
報道されている事もあり、もしかすると他人事ではない
事かもしれないという事をそっと頭の中にしまいつつ、
もうすぐやってくるであろうとされている
私立高校への入学式の日がやってくるのを楽しみにしていた。

入学式の4月1日の目印には
赤い二重丸のマークで見やすく印を書いてある。
中学生活では後ろを向いて歩いていた
（というよりいじめられっ子だったので）けれど、
高校ではなんとかいけそうな気がする。
今度こそ前へ。