序章〜子供時代編
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『ここでニュースです。ジョウト地方のポケモン研究家、ウツギ博士から驚くべき新しい研究結果が発表されました』
「うん?」
デザートって別腹ですよね。夏に食べるカイスってうんんんっまいんですよ。
その日の夕飯を食べ終え、キンキンに凍らせたカイスの実をスプーンですくっては無心で口に運んでいた最中。
聞こえてきたのは夜のニュース番組のアナウンサーの声。
今、ウツギ博士って言ったような?
テレビ画面に映し出される映像には眼鏡をかけた若い研究者の顔。
その顔は、脳内に仕舞い込んでいたポケットモンスターというゲームの記憶の扉をいとも簡単に開ける。
(うわ〜…ウツギ博士って本当にいるんだ…)
思っていたよりずっと若いなあ。確かオーキド博士の弟子だったような。
テレビは私の心の声に呼応するように、ウツギ博士の経歴をつらつらと述べていく。
それと同時に新しくゲームが出た時の驚いた思い出もだんだんと思い出されて来た。ピカチュウの前にピチューっていう進化前があった!なんて、斬新な設定だなって子供心に思ったんだよねえ…。
(…って、ちょっと待って?…あれ?)
赤ん坊として生を受けて今まで生きてきて、やっとこの世界というものをだんだんと受け入れられるようになってきた。
それなのに、それなのにも関わらず私は今、軽く混乱していた。
そんな私の混乱を他所に、ニュースは淡々と流れていく。
『ウツギ博士は研究の末「タマゴグループ」という新たな事実を新発見しました。多くのトレーナーや研究家が今大きな注目をしています』
『「すべてのポケモンには、種族やタイプとはまた別のグループがある事がわかったんです。私はそれを「タマゴグループ」と名付けました。これから先、数年かけて全てのポケモンのタマゴグループの解明をしていきたいと考えています」』
『ウツギ博士のワカバタウン研究所では現在フィールドワークを行う有志のトレーナーを広く募集しており…』
「すごいなウツギくんは。…やっぱり天才っているんだなあ。僕よりも全然若いのに…。こりゃしばらく学会も賑わうぞ」
「タマゴグループ?へええそんなグループがあったのねえ。今までも稀にポケモンの卵って見つかる事があったけれど、これからもっと見つかるのかしら!」
と、お父さんもお母さんも新発見のニュースに釘付け。
うちのピーちゃんのタマゴグループは何なのかしら?とか、俺もドククラゲのタマゴ見つけてみようかな…とリビングでは若干お祭り騒ぎだ。
何故か二人は手を取ってクルクル踊り始めた。うちの両親が仲良しなのは通常運行なので、まあ良いとして。
はっきり言って良いだろうか。
(…タマゴグループとか、今更?)
何でこんな今更な事に大騒ぎしているのだろうか。
私はやってなかったけれど、ポケモン好きの友達は当時ゲームでタマゴを作りまくっていた。産ませまくっていた、というか育て屋さんから受け取りまくっていた。という方が正しいような気もするけれど。
好みのポケモンが出るまでひたすら同じタマゴばかり作っていたのを覚えている。
同じように見えるポケモンでも育てていくと最終的な強さが全く変わってくるらしい。よくわからないがそういう行為を「厳選」、そしてそういう行為をする人を「廃人」と呼ぶそうだ。
私もおこぼれで厳選からあぶれたポケモンを友達から交換して貰った事がある。何のポケモンだったかは、ちょっと覚えてないけれど。
でもすごく強く育ってくれて、こんなに強いのにアイツのお眼鏡にかからなかったのか…どんだけだよ…。と思った。
「すごいわね!ルリリはどんなグループなのかしらね?これからが楽しみね〜!」
「う、うん…楽しみ…」
ルンルンと上機嫌な母。置いてけぼりの私。
跳ねるハピナス。俺も新発見するぞー!!と研究室へと走っていく父親。
流れていくテレビの画面。『あなたの街で発見!輝け新米トレーナー!』のタイトル。ニュースはいつの間にかもう終わっていた。
(私もしかして、いろいろ勘違いしてたかも)
心臓が静かにドクドクと鳴る。
いろいろな出来事が符号していく。答え合わせをするような感覚。
今まで何となく感じていた違和感がどんどん明快になっていく。納得できる。そういうことなら、納得できる。
分からないことも、多いけれど。
それでも、それでも一つだけ言えることは。
(ここって私の知ってる世界よりも…かなり過去じゃない?)
何か聞いたことあるなって思ったけど…。
もしかして、オーバとデンジって未来の四天王とジムリーダー?
いやいやいや…まさか…。同姓同名かもしれないし…。
だって…あんな…ちびっこが…。えええ…?
「うん?」
デザートって別腹ですよね。夏に食べるカイスってうんんんっまいんですよ。
その日の夕飯を食べ終え、キンキンに凍らせたカイスの実をスプーンですくっては無心で口に運んでいた最中。
聞こえてきたのは夜のニュース番組のアナウンサーの声。
今、ウツギ博士って言ったような?
テレビ画面に映し出される映像には眼鏡をかけた若い研究者の顔。
その顔は、脳内に仕舞い込んでいたポケットモンスターというゲームの記憶の扉をいとも簡単に開ける。
(うわ〜…ウツギ博士って本当にいるんだ…)
思っていたよりずっと若いなあ。確かオーキド博士の弟子だったような。
テレビは私の心の声に呼応するように、ウツギ博士の経歴をつらつらと述べていく。
それと同時に新しくゲームが出た時の驚いた思い出もだんだんと思い出されて来た。ピカチュウの前にピチューっていう進化前があった!なんて、斬新な設定だなって子供心に思ったんだよねえ…。
(…って、ちょっと待って?…あれ?)
赤ん坊として生を受けて今まで生きてきて、やっとこの世界というものをだんだんと受け入れられるようになってきた。
それなのに、それなのにも関わらず私は今、軽く混乱していた。
そんな私の混乱を他所に、ニュースは淡々と流れていく。
『ウツギ博士は研究の末「タマゴグループ」という新たな事実を新発見しました。多くのトレーナーや研究家が今大きな注目をしています』
『「すべてのポケモンには、種族やタイプとはまた別のグループがある事がわかったんです。私はそれを「タマゴグループ」と名付けました。これから先、数年かけて全てのポケモンのタマゴグループの解明をしていきたいと考えています」』
『ウツギ博士のワカバタウン研究所では現在フィールドワークを行う有志のトレーナーを広く募集しており…』
「すごいなウツギくんは。…やっぱり天才っているんだなあ。僕よりも全然若いのに…。こりゃしばらく学会も賑わうぞ」
「タマゴグループ?へええそんなグループがあったのねえ。今までも稀にポケモンの卵って見つかる事があったけれど、これからもっと見つかるのかしら!」
と、お父さんもお母さんも新発見のニュースに釘付け。
うちのピーちゃんのタマゴグループは何なのかしら?とか、俺もドククラゲのタマゴ見つけてみようかな…とリビングでは若干お祭り騒ぎだ。
何故か二人は手を取ってクルクル踊り始めた。うちの両親が仲良しなのは通常運行なので、まあ良いとして。
はっきり言って良いだろうか。
(…タマゴグループとか、今更?)
何でこんな今更な事に大騒ぎしているのだろうか。
私はやってなかったけれど、ポケモン好きの友達は当時ゲームでタマゴを作りまくっていた。産ませまくっていた、というか育て屋さんから受け取りまくっていた。という方が正しいような気もするけれど。
好みのポケモンが出るまでひたすら同じタマゴばかり作っていたのを覚えている。
同じように見えるポケモンでも育てていくと最終的な強さが全く変わってくるらしい。よくわからないがそういう行為を「厳選」、そしてそういう行為をする人を「廃人」と呼ぶそうだ。
私もおこぼれで厳選からあぶれたポケモンを友達から交換して貰った事がある。何のポケモンだったかは、ちょっと覚えてないけれど。
でもすごく強く育ってくれて、こんなに強いのにアイツのお眼鏡にかからなかったのか…どんだけだよ…。と思った。
「すごいわね!ルリリはどんなグループなのかしらね?これからが楽しみね〜!」
「う、うん…楽しみ…」
ルンルンと上機嫌な母。置いてけぼりの私。
跳ねるハピナス。俺も新発見するぞー!!と研究室へと走っていく父親。
流れていくテレビの画面。『あなたの街で発見!輝け新米トレーナー!』のタイトル。ニュースはいつの間にかもう終わっていた。
(私もしかして、いろいろ勘違いしてたかも)
心臓が静かにドクドクと鳴る。
いろいろな出来事が符号していく。答え合わせをするような感覚。
今まで何となく感じていた違和感がどんどん明快になっていく。納得できる。そういうことなら、納得できる。
分からないことも、多いけれど。
それでも、それでも一つだけ言えることは。
(ここって私の知ってる世界よりも…かなり過去じゃない?)
今更気づいた
何か聞いたことあるなって思ったけど…。
もしかして、オーバとデンジって未来の四天王とジムリーダー?
いやいやいや…まさか…。同姓同名かもしれないし…。
だって…あんな…ちびっこが…。えええ…?