序章〜子供時代編
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「かくかく!今日暑いし、泳ぎに行こうぜ!」
「…今から?」
「デンジもいるぞ。っていうか行くの決定な!俺もう下に水着履いてきちゃったもん」
そう言って半ズボンをずり下ろすオーバ少年。はいはいはいしまってしまって。
自慢したいのはわかった。見せなくていい大丈夫だ。
ある日の午前10時。夏休みの宿題である朝顔の観察日記を書いていたら自宅にオーバくんがやってきた。
朝顔の観察日記とかこの世界でもあるのかよ。と思ったが、スクスクと育っていく朝顔を毎日見ているのはなかなか楽しい。
ただ、普通の7歳児が楽しいかというと甚だ疑問であるが。
水遊びセットを一式バッグに詰め込んでやってきたタンクトップのオーバくんの姿は、「夏休み中の少年です!」という感じで何とも微笑ましい。麦わら帽子と虫取り網を追加したら『むしとりしょうねんの オーバ があらわれた!』とテロップを出しても違和感がない。日焼けした肌が実に健康的だ。
私も例に漏れず子供らしく綺麗な小麦色の肌になっているが、今後の成長を考えるとあまり焼きたくないところだ。ほら、シミ、ソバカスとかね…。
何となくオーバくんの横に腕を出したら「俺の方が焼けてるから勝った」と言われた。
「こんにちはオーバくん!いいわね水泳!どこで泳ぐの?」
「ハッピッピ!!」
オーバくんの元気のいい声につられて母がピーちゃんを連れ立って玄関までやってきた。
なんだか心なしかウキウキして見えるのは気のせいか。
「おばさんこんにちは〜!!ナギサ海水浴場に行こうと思ってます!」
「あらあ〜!いいじゃない。近いし、かくかくも泳いできたら?」
「ハッピー!!!」
確かに我が家は父の研究所で海水を循環利用している関係もあって、立地的に海と非常に近い。
うちから歩いて10分もかからない。
「せっかくだから行きましょうよかくかく!母さんも久々にピーちゃんと水辺で戯れたいわ!」
「ハッピーーー!!!!!!」
「はい、あなたの水着。オーバくんみたいに服の下に着ていくといいわよ」
いつそんな格好に?え?ビーチパラソルとクーラーボックスの準備まで?
そこにはサングラスをかけてお揃いの帽子をかぶった母とピーちゃんが素敵に可愛いポージングで立っていた。
--------------------
「青い空と青い海!砂浜!最高だ!可愛いぞー!!みんなこっち向いてくださーい!!いいねえ〜!!」
研究室に籠っている父に「海に行ってくるね」と声をかけたら、何と父までくっついて来た。
浜辺には監視員さんがいるとはいえ、さすがに子供だけで海遊びはね。危ないもんね。
微妙な掛け声で私達の写真を撮りまくる父。それを微笑ましそうに見る母。日光浴するピーちゃん。
うちの父は普段クールなんだけど、たまに何かが暴走する。
それぞれの水着姿がパシャリとカメラに収められる。
ちなみにオーバくんは赤地に白でモンスターボールの柄の入った水着。デンジくんは青と黒のバイカラーのサーフパンツ。私はというと母セレクトのワンピースタイプの黄色いセパレート水着。3人並ぶと信号機みたいになっている。
(相変わらずデンジくんはキッズモデルみたいだな)
子供ながらに端正な顔立ちをしているので、正直何を着ても様になっている。
浜辺でパートナーであるコリンクと水をかけあっている様子は、親じゃなくても何だか写真を撮りたくなる気持ちにさせるので凄い。いくらポケモンがいるからといってこんな美少年をフラフラ野放しにしていいのだろうか。
うっかり悪いおじさんに攫われたりしないか急に不安になった。
「そっち言ったぞ〜!!」
「キュウン!!」
「コリンク、ナイス!!……えーい!!」
「かくかく案外上手いじゃん」
「案外って、オーバくんひどい!!」
現在私達はポケモン達も交えてビーチバレー中。
本格的なビーチバレーじゃなくてボールをお互いにポンポン打ち合うだけだけど。これがヒコザルが上手い。手だけじゃなくて頭や腕を上手く使って返してきて器用だ。
うちのルーちゃんもいつも尻尾の玉を振り回している事もあり、ボールの扱いには慣れたもの。
日頃のバトルで負けまくってる恨みつらみがあるのか、丁度よくあがったボールをオーバくんの顔に綺麗にスマッシュした。っておーい!
「ごめんオーバくん!!大丈夫?…こら!ルーちゃんダメでしょ!!」
「ルッルル〜♪」
「…くっそ〜!!やったなー…!?いい度胸だなルー!」
「ルリ、ルリルリ!!」
「お!やるかー!?俊足と言われた…この俺から逃げられると思うなー!!??」
ボールそっちのけで突如砂浜での鬼ごっこが始まった。逃げるルリリがめちゃくちゃ楽しそうだ。いやあ、うちのルーちゃんと遊んでくれてどうもありがとうございますオーバ先生。
そしてヒコザルとコリンクは何故か穴を掘る対決が始まっている。
「何やってんだあいつら…」
「あはは〜。みんな仲良くて羨ましいな」
「……?俺たちも仲良いだろ?」
そう言って私の顔を見ながら首を傾げるデンジくん。ありがとうデンジくん。仲良しだと言ってくれて。
お姉さん嬉しいです。
「なんだよ、そんな嬉しそうな顔して…じゃあ、かくかくには特別にこれ貸してやるよ」
「なになに?」
「かくかくこういうの好きそうだと思って」
そう言って、デンジくんは長めのバケツのようなものを私に手渡した。底にはガラスの板がはめられている。
「こっちこっち」
「待ってデンジくん」
サンダルを脱いで、そのバケツもどきを手にデンジくんに続いて海に入る。
ほどよく冷たい海水が火照った体に丁度いい。
「ほら、覗いてみろよ」
「…うわー!!海の中丸見え!」
「俺が作ったんだ。このアクアスコープ」
「デンジくんが作ったの?すごいね!!」
だろ?と言いたげな笑顔でデンジくんは笑った。
いや、本当にすごい。このスコープだけでもう夏休みの工作として提出ができるレベルの完成度だ。
「見てデンジくん!ケイコウオ!」
「…本当だ!初めて見た」
「こんな浅瀬まで来るんだ〜!綺麗〜…」
一緒に顔を突き合わせてバケツを覗き込む。
海の光に照らされたケイコウオの尾びれが鮮やかに揺れる。パタパタと羽ばたくように動く様子がまるで蝶のよう。薄青い体に蛍光ピンクの模様が私たちの足元を行ったり来たり。こんな近くにくるなんて。お腹でも空いてるのかな?
「おーい!かくかくとデンジ何やってんだよー!!俺も混ぜろよー!!」
「あ、逃げちゃった」
「…オーバのせいだぞ」
「はあー!?」
ジャブジャブと私たちの元へ走ってきたオーバくんの足音のせいか、ケイコウオはすうっと沖の方へ向かって泳いで行った。きっと沖合の方にはもっとたくさんのポケモンがいるんだろうな。
いつかルーちゃんと一緒にダイビングしてみたいと思う。
「すっごい綺麗だったねデンジくん」
「ああ。見れなくて残念だったなオーバ」
「なんだよなんだよ!二人で楽しそうにしちゃってさー!!」
「あの3人見てると、子供の気持ちに戻るわねえ。可愛いわ〜」
「娘が可愛いのはもちろんだけど、君もいくつになっても可愛いよ。…どうだい?今夜は久しぶりに…」
「やだもうあなたったらー!」
「ハッピーーーーーー!!!」
「…今から?」
「デンジもいるぞ。っていうか行くの決定な!俺もう下に水着履いてきちゃったもん」
そう言って半ズボンをずり下ろすオーバ少年。はいはいはいしまってしまって。
自慢したいのはわかった。見せなくていい大丈夫だ。
ある日の午前10時。夏休みの宿題である朝顔の観察日記を書いていたら自宅にオーバくんがやってきた。
朝顔の観察日記とかこの世界でもあるのかよ。と思ったが、スクスクと育っていく朝顔を毎日見ているのはなかなか楽しい。
ただ、普通の7歳児が楽しいかというと甚だ疑問であるが。
水遊びセットを一式バッグに詰め込んでやってきたタンクトップのオーバくんの姿は、「夏休み中の少年です!」という感じで何とも微笑ましい。麦わら帽子と虫取り網を追加したら『むしとりしょうねんの オーバ があらわれた!』とテロップを出しても違和感がない。日焼けした肌が実に健康的だ。
私も例に漏れず子供らしく綺麗な小麦色の肌になっているが、今後の成長を考えるとあまり焼きたくないところだ。ほら、シミ、ソバカスとかね…。
何となくオーバくんの横に腕を出したら「俺の方が焼けてるから勝った」と言われた。
「こんにちはオーバくん!いいわね水泳!どこで泳ぐの?」
「ハッピッピ!!」
オーバくんの元気のいい声につられて母がピーちゃんを連れ立って玄関までやってきた。
なんだか心なしかウキウキして見えるのは気のせいか。
「おばさんこんにちは〜!!ナギサ海水浴場に行こうと思ってます!」
「あらあ〜!いいじゃない。近いし、かくかくも泳いできたら?」
「ハッピー!!!」
確かに我が家は父の研究所で海水を循環利用している関係もあって、立地的に海と非常に近い。
うちから歩いて10分もかからない。
「せっかくだから行きましょうよかくかく!母さんも久々にピーちゃんと水辺で戯れたいわ!」
「ハッピーーー!!!!!!」
「はい、あなたの水着。オーバくんみたいに服の下に着ていくといいわよ」
いつそんな格好に?え?ビーチパラソルとクーラーボックスの準備まで?
そこにはサングラスをかけてお揃いの帽子をかぶった母とピーちゃんが素敵に可愛いポージングで立っていた。
--------------------
「青い空と青い海!砂浜!最高だ!可愛いぞー!!みんなこっち向いてくださーい!!いいねえ〜!!」
研究室に籠っている父に「海に行ってくるね」と声をかけたら、何と父までくっついて来た。
浜辺には監視員さんがいるとはいえ、さすがに子供だけで海遊びはね。危ないもんね。
微妙な掛け声で私達の写真を撮りまくる父。それを微笑ましそうに見る母。日光浴するピーちゃん。
うちの父は普段クールなんだけど、たまに何かが暴走する。
それぞれの水着姿がパシャリとカメラに収められる。
ちなみにオーバくんは赤地に白でモンスターボールの柄の入った水着。デンジくんは青と黒のバイカラーのサーフパンツ。私はというと母セレクトのワンピースタイプの黄色いセパレート水着。3人並ぶと信号機みたいになっている。
(相変わらずデンジくんはキッズモデルみたいだな)
子供ながらに端正な顔立ちをしているので、正直何を着ても様になっている。
浜辺でパートナーであるコリンクと水をかけあっている様子は、親じゃなくても何だか写真を撮りたくなる気持ちにさせるので凄い。いくらポケモンがいるからといってこんな美少年をフラフラ野放しにしていいのだろうか。
うっかり悪いおじさんに攫われたりしないか急に不安になった。
「そっち言ったぞ〜!!」
「キュウン!!」
「コリンク、ナイス!!……えーい!!」
「かくかく案外上手いじゃん」
「案外って、オーバくんひどい!!」
現在私達はポケモン達も交えてビーチバレー中。
本格的なビーチバレーじゃなくてボールをお互いにポンポン打ち合うだけだけど。これがヒコザルが上手い。手だけじゃなくて頭や腕を上手く使って返してきて器用だ。
うちのルーちゃんもいつも尻尾の玉を振り回している事もあり、ボールの扱いには慣れたもの。
日頃のバトルで負けまくってる恨みつらみがあるのか、丁度よくあがったボールをオーバくんの顔に綺麗にスマッシュした。っておーい!
「ごめんオーバくん!!大丈夫?…こら!ルーちゃんダメでしょ!!」
「ルッルル〜♪」
「…くっそ〜!!やったなー…!?いい度胸だなルー!」
「ルリ、ルリルリ!!」
「お!やるかー!?俊足と言われた…この俺から逃げられると思うなー!!??」
ボールそっちのけで突如砂浜での鬼ごっこが始まった。逃げるルリリがめちゃくちゃ楽しそうだ。いやあ、うちのルーちゃんと遊んでくれてどうもありがとうございますオーバ先生。
そしてヒコザルとコリンクは何故か穴を掘る対決が始まっている。
「何やってんだあいつら…」
「あはは〜。みんな仲良くて羨ましいな」
「……?俺たちも仲良いだろ?」
そう言って私の顔を見ながら首を傾げるデンジくん。ありがとうデンジくん。仲良しだと言ってくれて。
お姉さん嬉しいです。
「なんだよ、そんな嬉しそうな顔して…じゃあ、かくかくには特別にこれ貸してやるよ」
「なになに?」
「かくかくこういうの好きそうだと思って」
そう言って、デンジくんは長めのバケツのようなものを私に手渡した。底にはガラスの板がはめられている。
「こっちこっち」
「待ってデンジくん」
サンダルを脱いで、そのバケツもどきを手にデンジくんに続いて海に入る。
ほどよく冷たい海水が火照った体に丁度いい。
「ほら、覗いてみろよ」
「…うわー!!海の中丸見え!」
「俺が作ったんだ。このアクアスコープ」
「デンジくんが作ったの?すごいね!!」
だろ?と言いたげな笑顔でデンジくんは笑った。
いや、本当にすごい。このスコープだけでもう夏休みの工作として提出ができるレベルの完成度だ。
「見てデンジくん!ケイコウオ!」
「…本当だ!初めて見た」
「こんな浅瀬まで来るんだ〜!綺麗〜…」
一緒に顔を突き合わせてバケツを覗き込む。
海の光に照らされたケイコウオの尾びれが鮮やかに揺れる。パタパタと羽ばたくように動く様子がまるで蝶のよう。薄青い体に蛍光ピンクの模様が私たちの足元を行ったり来たり。こんな近くにくるなんて。お腹でも空いてるのかな?
「おーい!かくかくとデンジ何やってんだよー!!俺も混ぜろよー!!」
「あ、逃げちゃった」
「…オーバのせいだぞ」
「はあー!?」
ジャブジャブと私たちの元へ走ってきたオーバくんの足音のせいか、ケイコウオはすうっと沖の方へ向かって泳いで行った。きっと沖合の方にはもっとたくさんのポケモンがいるんだろうな。
いつかルーちゃんと一緒にダイビングしてみたいと思う。
「すっごい綺麗だったねデンジくん」
「ああ。見れなくて残念だったなオーバ」
「なんだよなんだよ!二人で楽しそうにしちゃってさー!!」
夏の君たちピカピカ眩しくて
「あの3人見てると、子供の気持ちに戻るわねえ。可愛いわ〜」
「娘が可愛いのはもちろんだけど、君もいくつになっても可愛いよ。…どうだい?今夜は久しぶりに…」
「やだもうあなたったらー!」
「ハッピーーーーーー!!!」