序章〜子供時代編
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お話をしましょう
きらきら 光る 雨粒と
降り注ぐ お星様
魂は 別ち 結ばれ
廻り 巡る
追憶の欠片が 積もり積もって
道を塞ごうとも
決して歩みを止めてはならない
目を閉じ
耳を塞ごうとも
その時がくるまで
その時がくるまで
----------------------
「一体どこまで歩かせるのこの光…」
辺りは赤い絵の具と黒い絵の具を混ぜたような空の色から、深い闇色に程近くなってきていて。
木々の間から覗く月はどんどん存在を主張してきている。
ポケモンの一匹や二匹、鳴いてもいいだろうに、不思議と静かだ。
目の前数メートル先を飛んでいる謎の白い光は、木々の間にゆらりゆらりと留まっては、しばらくすると動き出す。
先ほどからそうだ。私が疲れて立ち止まると、光も止まる。空中をその場で行ったり来たりして、私がまた歩き出すのを待つのだ。
きちんと私が付いてきているのを確認しているかのような、そんな動き。
目的は何なのか。私はどこに向かっているのか。
正直すでに好奇心よりも「家に帰りたい」という思いの方が優っている。
何で私はこの光について来ちゃったんだろう。
ガサガサと茂みをかき分け、道無き道を歩く。
もはや私が歩いているところは山道でも何でもない、いわゆる獣道。途中何回も木の根っこに躓き、転び、その度にいろんなところが痛い。
手のひらだって何だかヒリヒリする。カバンも重たい。投げ捨てたい。
いっそカバンの中にある持ち物を道に少しずつ落としてくればよかったのでは?そうしたら誰かが気づいてくれるかもしれない。
なんて、気がついたのは随分とこの酷い道を歩いてからだった。
「ねえ。あなたは何なの?私をどこに連れて行きたいの?」
……
「ナギサシティ?それともあなたのお家?」
……
「…………たとえ火の中、水の中、草の中、森の中」
……
「土の中、雲の中、あの子のスカートの中」
……
「…無視かーい!」
むなしい。これ以上むなしいことがあるだろうか。
いや、これで合いの手とか入れてきたらますます怖いことになりそうなので、返事はむしろいらないけれど。
誰かいっそ笑ってくれ。恐怖とかそういうのがもう一周回ってどうでもよくなっている。
先ほどから完全に独り言になっている上に、超有名ソングまで歌い出し、ある意味ご機嫌なこの状況。
ボールの中からルーちゃんを出して話し相手にした方が余程いい気がしてきた。
「あ、ひらけた…」
茂みをガバッとかき分けると、大きく開けた場所にたどり着いた。
平坦な草原の奥には、広大な湖。宙に浮かぶ白い光がぼうっと反射してきらめいている。
暗くてよく見えないが、その湖には大きな岩陰が黒々と見える。どうやら真ん中に大きな島があるようだ。
「こ、ここ…もしかして、リッシ湖!!?私リッシ湖まで歩いてきたの!?…信じらんない」
通常ならリッシ湖へ行くにはナギサシティから222番道路を越えて、現在リゾート開発真っ最中である海辺の観光スポットを越えて進むしか方法はない。この間、地図を眺めていたから分かる。
可能ならば飛行できるポケモンで行くか、乗り物があれば乗り物で行きたい。つまり徒歩でいくには遠い。そんな場所だ。
私はどうやら直線距離の超ショートカットで来たらしい。こんな抜け道があるなんて…。
呆然とそこにへたり込む。夏草についた水滴が私の足を濡らす。
せめて人のいるところに誘導してくれよ。と心底思った。
「ルリィッ!!」
「あれ?ルーちゃんいつの間に…」
ポケットに入れていたボールからルリリが飛び出して来た。指示なく勝手に出てくるような子じゃないのに。
そして私の前に飛び出し、光を威嚇している。
私を、守るようにして。
「っ、うわ!!!??」
「ルッリ!!」
呆然としている私を余所に、湖の上でゆらゆらとただ揺れているだけだった白い光が、猛烈な速さで眼前に近づき鼻先30センチ程で止まった。
危険だと感じたのか。ルリリはその目の前の光にバブル光線を発射するが、その泡は無残にも光に当たる前に弾けた。
念力だろうか。破裂した水飛沫に白い光がきらきらと映り、空中でその形のままを保ち続ける様子が、この状況にそぐわずとても美しい。
その光の眩さに一瞬目を細めた私。しかし、しっかりとその形を、正体を確認した。
一瞬、呼吸を忘れる。
その『ポケモン』と目があう。
目がそらせない。体が動かない。瞬きを忘れるほどの、強い眼差し。
光の粒子をまとったそのポケモンは、長い尾をひるがえして、私に何かを訴えて来た。
キイン、と耳鳴りがするようなほどの強い念波。
テレパシーだろうか。頭がガンガンと割れるように痛み出す。思わず両の手で耳を抑えるが、痛みは更に強くなるばかりだ。
視界が歪む。しかし目の前のポケモンから目がそらせない。
「…いたい…っう…」
思わず嗚咽が漏れる。
彼が何かを伝えるたびに、すさまじい痛みがパシリパシリと頭を刺激した。
頭の中に処理しきれない程の、言語化されていない様々な情報が一度に入ってくる。
湖に落とした小石のように、波紋状に広がる電気信号が私の頭の中で色鮮やかに爪痕を刻む。
お話をしましょう
きらきら 光る 雨粒と
降り注ぐ お星様
魂は 別ち 結ばれ
廻り 巡る
「私に、どうしろって…言うの…」
……
答えの代わりに返ってくるのは思念。私の思考回路をぐちゃぐちゃに遮ってくる。
事故の間際に見た鮮烈な光景が、水の匂いが、光が、暗闇が、木々のざわめきが、音が、急にフラッシュバックした。
「いや、いや、いやだ!やめて…やだよ!」
途端に胸が苦しい。吐き気がこみ上げてくる。
ルリリは必死でその『ポケモン』に抵抗していた。その度に空中に水の飛沫が散り、衝撃でルリリの体にもダメージが飛ぶ。
その『ポケモン』は不本意そうに瞬きをするとそのうちフワリとルリリの体が浮いた。
そしてそのままルリリは気を失うかのようにポトリと地面に落ちた。
寝息が聞こえる。どうやら催眠術のようだが、眠気覚ましもきずぐすりも使ってあげられる余裕は今の私にはない。
目の前が痺れ、全身の毛穴から冷や汗が出る。
しかし脳みそや記憶にかかっていた靄が急速に取り払われるかのような、フワフワとした感覚が体を包んでいる。
追憶の欠片が 積もり積もって
道を塞ごうとも
決して歩みを止めてはならない
「…待って、質問に答えて…なんで私は、」
……
そのまま消えてしまいそうな『ポケモン』を、覚束ない足でよろよろと追いかける。
手を伸ばしても、届かない。伸ばした右手が空を切る。自分の体じゃないみたいに重たい。
湖の水が、冷たい。
靴に、服に、浸水していく水がどんどんと私の体温を奪っていく。
白く輝く波間の光は私の挙動で霧散していく。
水の音が、じゃぶじゃぶとうるさい。
足がもつれる。
靴が脱げた。
光がゆらめく。
目を閉じ
耳を塞ごうとも
その時がくるまで
その時がくるまで
……
「待って…行かないで……アグノム!」
「カイリュー!!『りゅうのはどう』!」
放たれた攻撃により爆音のような水しぶきが盛大に上がる。
そして、私はぐい、と力強く水の中から引っ張り出され、抱きかかえられた。
りゅうのはどうの衝撃波が直撃した瞬間、アグノムは光の粒子となって湖の底へと消えていった。
あとには吸い込まれるかのように暗い水面だけが私の眼前に広がっている。
「…なんだかなー、泳ぎの練習はもっと明るい時間にやる方がいいと思うぞ」
男の人には見覚えがあった。夕方、私に道を尋ねた旅のトレーナーだ。金色の髪のお兄さん。
私はぎゅう、とあらん限りの力でそのお兄さんの服を引っ張った。
声がうまく出せない。
「…はあ…、わたし…わかったの…まだ、その時まで…その時まで…だめなんだよ」
「何言ってんだ?大丈夫かお嬢ちゃん……ナギサに戻るぞカイリュー!全速力…って、お!?おっおっ!?なんだ!?今度はどうした!?…え!?お嬢ちゃんのポケモン!?どこだ!?よくわからんぞ!!ストップだカイリュー!あれだあれあれ!あの転がってるちっこいの!」
頰に風を感じた。お兄さんが何度も言う『カイリュー』という言葉に、私は今カイリューで空を飛んでいるということだけわかった。
濡れて冷えた体を、お兄さんはコートでぐるぐる巻きにしたので幾分か寒さはマシになったが、随分と寒いと思った。
瞼が重たい。
「…あれはもしかして、伝説のポケモンか?お嬢ちゃんも『アグノム』って言ってたしなあ。初めて見たぜ…。まだまだ知らないことたくさんあるよなあ。これだからポケモンってのは面白いぜ…待てよ?やっべえ俺あのポケモンに攻撃しちまったよ、なんだかなー。前に伝説のポケモンに傷をつけるとどうのこうのとか本で読んだよなあ。…でも、まあしょうがねえよな!うん。無事にあのガキンチョ共が言ってた子も助けたし。一件落着っと。それにしてもすげえ健脚なお嬢ちゃんだなあ。まさかリッシ湖にいるとは驚きモモンの木、ハバンの木。はは〜ん、さては地元民しか知らない近道ってやつか。なるほどな?」
(いつまで一人で喋ってるのこのお兄さんうるさい…)
目を開けようとしたけれど、ぐわんぐわんと鐘が鳴るような頭の痛さと強烈な眠気が私を支配して、そのうち何も考えられなくなった。
きらきら 光る 雨粒と
降り注ぐ お星様
魂は 別ち 結ばれ
廻り 巡る
追憶の欠片が 積もり積もって
道を塞ごうとも
決して歩みを止めてはならない
目を閉じ
耳を塞ごうとも
その時がくるまで
その時がくるまで
----------------------
「一体どこまで歩かせるのこの光…」
辺りは赤い絵の具と黒い絵の具を混ぜたような空の色から、深い闇色に程近くなってきていて。
木々の間から覗く月はどんどん存在を主張してきている。
ポケモンの一匹や二匹、鳴いてもいいだろうに、不思議と静かだ。
目の前数メートル先を飛んでいる謎の白い光は、木々の間にゆらりゆらりと留まっては、しばらくすると動き出す。
先ほどからそうだ。私が疲れて立ち止まると、光も止まる。空中をその場で行ったり来たりして、私がまた歩き出すのを待つのだ。
きちんと私が付いてきているのを確認しているかのような、そんな動き。
目的は何なのか。私はどこに向かっているのか。
正直すでに好奇心よりも「家に帰りたい」という思いの方が優っている。
何で私はこの光について来ちゃったんだろう。
ガサガサと茂みをかき分け、道無き道を歩く。
もはや私が歩いているところは山道でも何でもない、いわゆる獣道。途中何回も木の根っこに躓き、転び、その度にいろんなところが痛い。
手のひらだって何だかヒリヒリする。カバンも重たい。投げ捨てたい。
いっそカバンの中にある持ち物を道に少しずつ落としてくればよかったのでは?そうしたら誰かが気づいてくれるかもしれない。
なんて、気がついたのは随分とこの酷い道を歩いてからだった。
「ねえ。あなたは何なの?私をどこに連れて行きたいの?」
……
「ナギサシティ?それともあなたのお家?」
……
「…………たとえ火の中、水の中、草の中、森の中」
……
「土の中、雲の中、あの子のスカートの中」
……
「…無視かーい!」
むなしい。これ以上むなしいことがあるだろうか。
いや、これで合いの手とか入れてきたらますます怖いことになりそうなので、返事はむしろいらないけれど。
誰かいっそ笑ってくれ。恐怖とかそういうのがもう一周回ってどうでもよくなっている。
先ほどから完全に独り言になっている上に、超有名ソングまで歌い出し、ある意味ご機嫌なこの状況。
ボールの中からルーちゃんを出して話し相手にした方が余程いい気がしてきた。
「あ、ひらけた…」
茂みをガバッとかき分けると、大きく開けた場所にたどり着いた。
平坦な草原の奥には、広大な湖。宙に浮かぶ白い光がぼうっと反射してきらめいている。
暗くてよく見えないが、その湖には大きな岩陰が黒々と見える。どうやら真ん中に大きな島があるようだ。
「こ、ここ…もしかして、リッシ湖!!?私リッシ湖まで歩いてきたの!?…信じらんない」
通常ならリッシ湖へ行くにはナギサシティから222番道路を越えて、現在リゾート開発真っ最中である海辺の観光スポットを越えて進むしか方法はない。この間、地図を眺めていたから分かる。
可能ならば飛行できるポケモンで行くか、乗り物があれば乗り物で行きたい。つまり徒歩でいくには遠い。そんな場所だ。
私はどうやら直線距離の超ショートカットで来たらしい。こんな抜け道があるなんて…。
呆然とそこにへたり込む。夏草についた水滴が私の足を濡らす。
せめて人のいるところに誘導してくれよ。と心底思った。
「ルリィッ!!」
「あれ?ルーちゃんいつの間に…」
ポケットに入れていたボールからルリリが飛び出して来た。指示なく勝手に出てくるような子じゃないのに。
そして私の前に飛び出し、光を威嚇している。
私を、守るようにして。
「っ、うわ!!!??」
「ルッリ!!」
呆然としている私を余所に、湖の上でゆらゆらとただ揺れているだけだった白い光が、猛烈な速さで眼前に近づき鼻先30センチ程で止まった。
危険だと感じたのか。ルリリはその目の前の光にバブル光線を発射するが、その泡は無残にも光に当たる前に弾けた。
念力だろうか。破裂した水飛沫に白い光がきらきらと映り、空中でその形のままを保ち続ける様子が、この状況にそぐわずとても美しい。
その光の眩さに一瞬目を細めた私。しかし、しっかりとその形を、正体を確認した。
一瞬、呼吸を忘れる。
その『ポケモン』と目があう。
目がそらせない。体が動かない。瞬きを忘れるほどの、強い眼差し。
光の粒子をまとったそのポケモンは、長い尾をひるがえして、私に何かを訴えて来た。
キイン、と耳鳴りがするようなほどの強い念波。
テレパシーだろうか。頭がガンガンと割れるように痛み出す。思わず両の手で耳を抑えるが、痛みは更に強くなるばかりだ。
視界が歪む。しかし目の前のポケモンから目がそらせない。
「…いたい…っう…」
思わず嗚咽が漏れる。
彼が何かを伝えるたびに、すさまじい痛みがパシリパシリと頭を刺激した。
頭の中に処理しきれない程の、言語化されていない様々な情報が一度に入ってくる。
湖に落とした小石のように、波紋状に広がる電気信号が私の頭の中で色鮮やかに爪痕を刻む。
お話をしましょう
きらきら 光る 雨粒と
降り注ぐ お星様
魂は 別ち 結ばれ
廻り 巡る
「私に、どうしろって…言うの…」
……
答えの代わりに返ってくるのは思念。私の思考回路をぐちゃぐちゃに遮ってくる。
事故の間際に見た鮮烈な光景が、水の匂いが、光が、暗闇が、木々のざわめきが、音が、急にフラッシュバックした。
「いや、いや、いやだ!やめて…やだよ!」
途端に胸が苦しい。吐き気がこみ上げてくる。
ルリリは必死でその『ポケモン』に抵抗していた。その度に空中に水の飛沫が散り、衝撃でルリリの体にもダメージが飛ぶ。
その『ポケモン』は不本意そうに瞬きをするとそのうちフワリとルリリの体が浮いた。
そしてそのままルリリは気を失うかのようにポトリと地面に落ちた。
寝息が聞こえる。どうやら催眠術のようだが、眠気覚ましもきずぐすりも使ってあげられる余裕は今の私にはない。
目の前が痺れ、全身の毛穴から冷や汗が出る。
しかし脳みそや記憶にかかっていた靄が急速に取り払われるかのような、フワフワとした感覚が体を包んでいる。
追憶の欠片が 積もり積もって
道を塞ごうとも
決して歩みを止めてはならない
「…待って、質問に答えて…なんで私は、」
……
そのまま消えてしまいそうな『ポケモン』を、覚束ない足でよろよろと追いかける。
手を伸ばしても、届かない。伸ばした右手が空を切る。自分の体じゃないみたいに重たい。
湖の水が、冷たい。
靴に、服に、浸水していく水がどんどんと私の体温を奪っていく。
白く輝く波間の光は私の挙動で霧散していく。
水の音が、じゃぶじゃぶとうるさい。
足がもつれる。
靴が脱げた。
光がゆらめく。
目を閉じ
耳を塞ごうとも
その時がくるまで
その時がくるまで
……
「待って…行かないで……アグノム!」
「カイリュー!!『りゅうのはどう』!」
放たれた攻撃により爆音のような水しぶきが盛大に上がる。
そして、私はぐい、と力強く水の中から引っ張り出され、抱きかかえられた。
りゅうのはどうの衝撃波が直撃した瞬間、アグノムは光の粒子となって湖の底へと消えていった。
あとには吸い込まれるかのように暗い水面だけが私の眼前に広がっている。
「…なんだかなー、泳ぎの練習はもっと明るい時間にやる方がいいと思うぞ」
男の人には見覚えがあった。夕方、私に道を尋ねた旅のトレーナーだ。金色の髪のお兄さん。
私はぎゅう、とあらん限りの力でそのお兄さんの服を引っ張った。
声がうまく出せない。
「…はあ…、わたし…わかったの…まだ、その時まで…その時まで…だめなんだよ」
「何言ってんだ?大丈夫かお嬢ちゃん……ナギサに戻るぞカイリュー!全速力…って、お!?おっおっ!?なんだ!?今度はどうした!?…え!?お嬢ちゃんのポケモン!?どこだ!?よくわからんぞ!!ストップだカイリュー!あれだあれあれ!あの転がってるちっこいの!」
頰に風を感じた。お兄さんが何度も言う『カイリュー』という言葉に、私は今カイリューで空を飛んでいるということだけわかった。
濡れて冷えた体を、お兄さんはコートでぐるぐる巻きにしたので幾分か寒さはマシになったが、随分と寒いと思った。
瞼が重たい。
「…あれはもしかして、伝説のポケモンか?お嬢ちゃんも『アグノム』って言ってたしなあ。初めて見たぜ…。まだまだ知らないことたくさんあるよなあ。これだからポケモンってのは面白いぜ…待てよ?やっべえ俺あのポケモンに攻撃しちまったよ、なんだかなー。前に伝説のポケモンに傷をつけるとどうのこうのとか本で読んだよなあ。…でも、まあしょうがねえよな!うん。無事にあのガキンチョ共が言ってた子も助けたし。一件落着っと。それにしてもすげえ健脚なお嬢ちゃんだなあ。まさかリッシ湖にいるとは驚きモモンの木、ハバンの木。はは〜ん、さては地元民しか知らない近道ってやつか。なるほどな?」
お話をしましょう
(いつまで一人で喋ってるのこのお兄さんうるさい…)
目を開けようとしたけれど、ぐわんぐわんと鐘が鳴るような頭の痛さと強烈な眠気が私を支配して、そのうち何も考えられなくなった。