第1部



それは、ある夏の日の事だった。


花子さん「あ~⋯やっぱ夜は快適~」

テケテケ「だよねー。昼間はアスファルトが熱くて歩けないよ。」

ヒキ子さん「⋯手⋯、大丈夫ですか⋯?」

テ「大丈夫大丈夫っ!」

口裂け女「二手歩行も大変ね。」

花「夕方こっそりプールに入ったもんねー♪」

ヒ「⋯それは良いですね⋯。」


お化け達もうだる様な昼間の暑さ、彼女達にとって夜は最も行動時間に適している時間。
暑さを強調させる蝉の鳴き声は止み、鈴虫の鳴き声が校庭を包む。



テ「あ、そう言えば今日はアイス作ってみたんだ!ちょっと取ってくるね!」


口「あらあら、行ってしまったわ。」

花「ホント何でも出来るわねー。」

ヒ「⋯⋯テケテケさんのアイス⋯。」



シャーーーッ

「~♪ ~♪♪」


花「あ~ 花火持って来れば良かったな~」

口「あら懐かしい。」


シャーーーーッ


ヒ「⋯何か聞こえますね。」

口「そうね。しかも聞き覚えがあるような⋯」

花「このデジャヴ感は⋯」


「やっほ~♪」


「「「どちら様でしたっけ?」」」


「え、ええ~!?」


そこへ現れた人物は、パーカーにジーンズのパンツ、そして何故かローラースケートを履いた⋯、普通の人間の様に見える男だった。



車「いやいやいや!俺だよ俺ッ!車道男だよ!?」



花「シャドウマン?」

ヒ「1月に来た⋯?」

車「そうそう!ありがと~セーラー服ちゃん!覚えててくれて!」

口「貴方、全身タイツはどうしたの?」

車「イメチェン!冬以外はスケート靴も脱いでローラースケートさ!」

花「光GEN●Iか」


車「ところで佐知子は?」

「「「は?」」」

花「誰それ新キャラ?」

口「人違いじゃなくて?」

車「あれ?知らないの?」


テ「おまたせ~!アンサーさん達も居たから連れてきたよ〜!」


そこへアイスが入っているであろうクーラーボックスを持ったテケテケとお約束の男子メンバーがやって来た。


テ「あれ、車道くんっ!」

車「あ、佐知子!」



沈黙。



花「え!?サチコって⋯」

口「まさか⋯」

怪人アンサー「む?一体何の話だ?」

注射男「つか誰だあいつ、新キャラ?」



テ「あ、言ってなかったね。本名なの、佐知子。」


「「「「ええぇえええぇえ!!?」」」」



新事実が発覚した。
これは数多ある彼女の都市伝説の一説だが、テケテケはあの有名な「さっちゃんの歌」の都市伝説と繋がりがあるらしいと言うものだ。

「さっちゃんの歌」の都市伝説は、存在しない4番の歌詞が有名である。その歌詞は『電車で足を無くしたよ』とあり、テケテケと関係している説がある。



車「皆知らなかったのか~。あ、これお土産の香川の讃岐うどん。」

テ「あ、ありがとー。」

車「あと花火も買って来たから皆でやろ!」


数十分後。


花「はやく火付けてー!」

ヒ「⋯まず蝋燭を立てて⋯。」

太郎くん「わーい楽し~い!」

さとるくん「はいはい、振り回しちゃ危ないよー。」


テケテケの手作りアイスを食べながら車道男の持参した花火を楽しむ子供組。一方で大人組の話題は勿論テケテケの本名についてだ。


口「意外よねぇ。今まで何故隠してたのよ。」

テ「ん~、隠してた訳じゃないんだけどねぇ。いつの間にかテケテケって呼ばれていたし まぁそれで良いかなって。それに自分でも忘れかけてたよ。」

注「まあ名前忘れるなんて 俺らにはよくあるけどさ。」

車「昔は結構名前で呼んでたなー。さっちゃんって♪」

テ「止めて~!この年になると恥ずかしいよ〜!⋯あれ、どうしたのアンサーさん。」


怪「⋯さ⋯、佐知子⋯。」

テ「えっ⋯!?」


「「⋯⋯⋯。」」

車「あ~まだまだウブいねぇアンサー君♪」

怪「やかましい!」

注「これからはそう呼んでやれば~?」

怪「くっ⋯、からかうな!」

テ「あっ、あの、私は今のままで希望しますっ⋯!!」

口「あらあら照れちゃって。」

テ「や~め~て~!!」



花火の音と笑い声が響く校庭。どのお化けにも知らぬ名が隠されている。今日はそんな夏の夜だった。



END
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