第1部
15話 お化け達のクリスマス
12月24日、今宵はクリスマスイブ。ただ今お化け達は絶賛クリスマスパーティーの真っ最中である────
テケテケ「ブッシュ・ド・ノエル出来たよ~!」
花子さん「うわ~可愛いっ!」
ヒキ子さん「⋯美味しそう⋯。」
口裂け女「本当に何でも出来るのね。流石だわ。」
料理が得意なテケテケはクリスマスならではのケーキ、ブッシュ・ド・ノエルを作り皆を驚かせた。他にもチキンやグラタン等パーティーを盛り上げる料理が机いっぱいに並べられた。
勿論、パーティーは女子メンバーのみな訳ではなく。
恐らくテケテケが呼んだのであろういつもの男子メンバーも参加している。
テ「アンサーさん!あの、どうかな⋯?」
怪人アンサー「うむ、ワインによく合う。旨いぞ。」
テ「良かったぁ。」
怪(くそっ、可愛いな⋯)
口「あらやだ、あんな所にバカップルが。」
注射男「口裂けさん、お望みならば俺達もあんな風に⋯」
口「お断りよ。」
ヒ(⋯怪人アンサー⋯この期に及んでまたテケテケさんに⋯)
さ(ヒキ子ちゃんが怒りを露にしてチキン食べてる⋯)
太郎くん「ねぇねぇーさとるお兄ちゃん、サンタさん来るかなぁ?」
さ「あはは、きっとちゃんと来るよ。」
花「花子にはぜったい来るわ!」
口「あら、良い子じゃないと来ないのよ?貴女はどうかしらね?」
花「来るもーん!」
口「来なかったら全力で笑い飛ばしてあげるわ。」
テ「きっと来るよ。」
ヒ「⋯花子さんはいい子ですよ。」
話題はサンタクロースが来るか否かの話に。クリスマスならではの子供達の夢である。
大人達はそんな子供の夢を壊さないように空気を読んでいる中、ある人物がある発言をした事によりその空気をぶち壊した。
注「来るとか来ないとか⋯そもそもサンタって実在しないんだぜ?」
花・太「「!!」」
シャンパンの入ったグラスを片手にほろ酔い気分の注射男は笑う。純粋な子供二人は勿論、電流を浴びたかのようにショックを受ける。
テ「注射男さん!二人の前でそれは禁句っ!!」
ヒ「⋯⋯空気を読んで下さい ⋯」
怪「子供用シャンパンを飲んでいて何を言っているお前は⋯」
口「本当に余計な事しかしないわね!」
さ「ほら二人共ショック受けてますよ!!折角こっそり二人の欲しいものを⋯!」
そして次々と注射男に批判の言葉を当てる大人達。「仕方ねーだろ!」と言い訳しながらあわふためく注射男にショックを受ける花子さんと太郎くん。そしてそれを宥める大人達。
このままどんよりとした雰囲気のままパーティが締め括られるのかと思いきや。
更にパーティに参加すると思われる人物が一人現れた─────
ギーコ、ギーコ⋯チリンチリン⋯
「トン、トン、トンカラトン♪ トン、トン、トンカラトン♪」
口「ん?」
テ「この歌は⋯」
「トン、トン、トンカラトン⋯♪ お、やっているな皆の衆。元気かい?」
自転車に乗り、背には日本刀。包帯を巻いていて、更に口裂け女に惚れている。またの名をトンカラトンその人だ。
口「また面倒が増えたわね。校内で自転車を漕がないで頂戴。」
テ「お、お久しぶりですね⋯!」
ト「季節も季節だし寄ってみようと思ってな。ああ、これは土産だ。名古屋名物・ひつまぶし。お前達はどうだい?クリスマス、楽しんでるかい?」
怪「お前はまた随分と口調や雰囲気変わったな⋯」
ト「まあ初登場くらいは格好つけようと思ってたが、俺には無理だった。しゃらくせぇもんなぁ。あははは。」
怪「そ、そうか⋯素は江戸っ子調なんだな⋯。」
ト「で、あの嬢ちゃんと坊っちゃんは何故にああして落ち込んでんだい?」
口「注射野郎がサンタは実在しないと言ったのよ全く。子供の夢を壊して⋯。」
ト「するってぇと、あの子等はそれを信じちまってるって訳だな。よし、では俺に任せなさい。」
自転車を停め、ズーンと座り込み落ち込む花子さんと太郎くんの元へ行くトンカラトン。
花「何しに来たのよ。」
ト「まあそんなに落ち込むな。」
太「だってサンタさん、いないんでしょ?」
ト「それは分からねぇな。アイツの偏見さ。だが良い事を教えてやろう。いいかい?
“信じれば居る”。信じないならそれは居ない。信じればそれは居るし来る。信じれば救われる事があるさ。だから俺達お化けもこうして存在しているんだぜ?」
太「ほんと?」
ト「本当さ。信じるかはお前達次第なんだから、信じたもん勝ちさ。」
太「じゃあいるんだ!」
花「ふんっ!別にハナから信じてた訳じゃないわよあんな話!」
ト「まあ良いじゃないか。さ、早く寝なさい。サンタが来ないぞ?」
太「うんっ!」
トンカラトンの話の後、パッと明るい表情になった花子さんと太郎くん。その様子を見て大人達も安堵した。
テ「良かった、元気取り戻せて。」
口「貴方と比べてずっと役に立つわね。」
注「うっ⋯」
さ「ヒキ子ちゃん、ケーキあーん♪」
ヒ「⋯⋯まぁ⋯今日だけですからね⋯」
さ「デレた!?」
怪「そうだテケテケ。私からプレゼントだ。」
テ「え⋯、ええ!?」
怪「こういうものが好きかと思ってな。」
テ「ネックレスだ⋯ありがとうアンサーさん!嬉しい⋯!」
ト「さて、俺は口裂けさんを口説くとするか。」
注「な、テメー!抜け駆けすんなッ!!」
お化け達のクリスマス。皆が幸せなクリスマス。太郎くんと花子さんの元にプレゼントが届くのは、二人が寝静まってからのお楽しみだ。
END
12月24日、今宵はクリスマスイブ。ただ今お化け達は絶賛クリスマスパーティーの真っ最中である────
テケテケ「ブッシュ・ド・ノエル出来たよ~!」
花子さん「うわ~可愛いっ!」
ヒキ子さん「⋯美味しそう⋯。」
口裂け女「本当に何でも出来るのね。流石だわ。」
料理が得意なテケテケはクリスマスならではのケーキ、ブッシュ・ド・ノエルを作り皆を驚かせた。他にもチキンやグラタン等パーティーを盛り上げる料理が机いっぱいに並べられた。
勿論、パーティーは女子メンバーのみな訳ではなく。
恐らくテケテケが呼んだのであろういつもの男子メンバーも参加している。
テ「アンサーさん!あの、どうかな⋯?」
怪人アンサー「うむ、ワインによく合う。旨いぞ。」
テ「良かったぁ。」
怪(くそっ、可愛いな⋯)
口「あらやだ、あんな所にバカップルが。」
注射男「口裂けさん、お望みならば俺達もあんな風に⋯」
口「お断りよ。」
ヒ(⋯怪人アンサー⋯この期に及んでまたテケテケさんに⋯)
さ(ヒキ子ちゃんが怒りを露にしてチキン食べてる⋯)
太郎くん「ねぇねぇーさとるお兄ちゃん、サンタさん来るかなぁ?」
さ「あはは、きっとちゃんと来るよ。」
花「花子にはぜったい来るわ!」
口「あら、良い子じゃないと来ないのよ?貴女はどうかしらね?」
花「来るもーん!」
口「来なかったら全力で笑い飛ばしてあげるわ。」
テ「きっと来るよ。」
ヒ「⋯花子さんはいい子ですよ。」
話題はサンタクロースが来るか否かの話に。クリスマスならではの子供達の夢である。
大人達はそんな子供の夢を壊さないように空気を読んでいる中、ある人物がある発言をした事によりその空気をぶち壊した。
注「来るとか来ないとか⋯そもそもサンタって実在しないんだぜ?」
花・太「「!!」」
シャンパンの入ったグラスを片手にほろ酔い気分の注射男は笑う。純粋な子供二人は勿論、電流を浴びたかのようにショックを受ける。
テ「注射男さん!二人の前でそれは禁句っ!!」
ヒ「⋯⋯空気を読んで下さい ⋯」
怪「子供用シャンパンを飲んでいて何を言っているお前は⋯」
口「本当に余計な事しかしないわね!」
さ「ほら二人共ショック受けてますよ!!折角こっそり二人の欲しいものを⋯!」
そして次々と注射男に批判の言葉を当てる大人達。「仕方ねーだろ!」と言い訳しながらあわふためく注射男にショックを受ける花子さんと太郎くん。そしてそれを宥める大人達。
このままどんよりとした雰囲気のままパーティが締め括られるのかと思いきや。
更にパーティに参加すると思われる人物が一人現れた─────
ギーコ、ギーコ⋯チリンチリン⋯
「トン、トン、トンカラトン♪ トン、トン、トンカラトン♪」
口「ん?」
テ「この歌は⋯」
「トン、トン、トンカラトン⋯♪ お、やっているな皆の衆。元気かい?」
自転車に乗り、背には日本刀。包帯を巻いていて、更に口裂け女に惚れている。またの名をトンカラトンその人だ。
口「また面倒が増えたわね。校内で自転車を漕がないで頂戴。」
テ「お、お久しぶりですね⋯!」
ト「季節も季節だし寄ってみようと思ってな。ああ、これは土産だ。名古屋名物・ひつまぶし。お前達はどうだい?クリスマス、楽しんでるかい?」
怪「お前はまた随分と口調や雰囲気変わったな⋯」
ト「まあ初登場くらいは格好つけようと思ってたが、俺には無理だった。しゃらくせぇもんなぁ。あははは。」
怪「そ、そうか⋯素は江戸っ子調なんだな⋯。」
ト「で、あの嬢ちゃんと坊っちゃんは何故にああして落ち込んでんだい?」
口「注射野郎がサンタは実在しないと言ったのよ全く。子供の夢を壊して⋯。」
ト「するってぇと、あの子等はそれを信じちまってるって訳だな。よし、では俺に任せなさい。」
自転車を停め、ズーンと座り込み落ち込む花子さんと太郎くんの元へ行くトンカラトン。
花「何しに来たのよ。」
ト「まあそんなに落ち込むな。」
太「だってサンタさん、いないんでしょ?」
ト「それは分からねぇな。アイツの偏見さ。だが良い事を教えてやろう。いいかい?
“信じれば居る”。信じないならそれは居ない。信じればそれは居るし来る。信じれば救われる事があるさ。だから俺達お化けもこうして存在しているんだぜ?」
太「ほんと?」
ト「本当さ。信じるかはお前達次第なんだから、信じたもん勝ちさ。」
太「じゃあいるんだ!」
花「ふんっ!別にハナから信じてた訳じゃないわよあんな話!」
ト「まあ良いじゃないか。さ、早く寝なさい。サンタが来ないぞ?」
太「うんっ!」
トンカラトンの話の後、パッと明るい表情になった花子さんと太郎くん。その様子を見て大人達も安堵した。
テ「良かった、元気取り戻せて。」
口「貴方と比べてずっと役に立つわね。」
注「うっ⋯」
さ「ヒキ子ちゃん、ケーキあーん♪」
ヒ「⋯⋯まぁ⋯今日だけですからね⋯」
さ「デレた!?」
怪「そうだテケテケ。私からプレゼントだ。」
テ「え⋯、ええ!?」
怪「こういうものが好きかと思ってな。」
テ「ネックレスだ⋯ありがとうアンサーさん!嬉しい⋯!」
ト「さて、俺は口裂けさんを口説くとするか。」
注「な、テメー!抜け駆けすんなッ!!」
お化け達のクリスマス。皆が幸せなクリスマス。太郎くんと花子さんの元にプレゼントが届くのは、二人が寝静まってからのお楽しみだ。
END