第1部
11月を迎え気温も大分低くなり、暦上もう冬になった。お化け達はそんな寒さの中でも某小学校校舎に集まっている。
これは、ある一言から始まったある一夜の出来事─────
花子さん「おかしいと思うのだがいかがでしょう。」
「「「え?」」」
花「あたしたちがこうして出会って毎晩ここに集まり馬鹿騒ぎをしてからしばらく、そろそろ気になってきたのですが⋯」
口裂け女「いきなり口調が崩壊していてよ、花子。」
テケテケ「気になってるって何がかな?」
ヒキ子さん「⋯⋯?」
花「花子たちの年齢についてよ!」
バーン!と効果音が付くような勢いで言い放った花子さん。皆はズルリとその場でズッコケそうになった。
ヒ「⋯⋯年齢、ですか⋯?」
花「そ。だって今まで散々付き合っていてお互いのことあんま知らないじゃない。」
テ「ああ、確かに⋯」
口「子供が年齢なんて気にするのも可笑しな話ね。」
花「子供じゃないっ!11月は特にイベントないからとりあえず大カミングアウト大会なの!オーケー!?」
(((オーケー!?って⋯)))
テ「わ、私は前に言った事あるけど20歳だよ。童顔だから未成年に見られがちだけど⋯」
テケテケは都市伝説上、童顔で可愛らしい笑顔を浮かべながら追いかけて来ると言う。
口「私は25よ。」
花「やっぱオバサンじゃない。」
口「ほほほ、お黙りなさい。貴女こそ幾つよ?」
花「8歳。」
口「お子ちゃまね。」
テ「ヒキ子ちゃんは中学生なんだよね?」
ヒ「⋯⋯はい⋯」
さとるくん「僕と同じ14歳なんだよね~っ♪」
テ「さとるくん。」
さ「エヘヘヘ。こんばんわぁ」
ヒ「⋯⋯いきなり抱き着かないで下さい。」
太郎くん「何の話~?」
花「げ、太郎。」
注射男「口裂けさ~ん!今日もまた一段とお美しいです!」
ぞろぞろと、またいつもの男子メンバー達が集まった。そして⋯
怪人アンサー「年齢の話?」
テ「そう。何か気になったみたいで⋯。」
花「シンボクを深めるためよ。文句ある?」
怪「いや無いが⋯。」
口「一番下で花子と太郎よね。」
太「8さいだよ~」
花「ぎぇ、同い年~?」
さ「んで、次が僕とヒキ子ちゃん♪ ねーっ。」
ヒ(鬱陶しい⋯。)
テ「で、次が私で20歳で⋯。注射男さんは何歳だっけ?」
注「23歳だ。」
テ「ちょっと上だったんだー。」
口「最後に私かしら?アンサーはテケテケと同じ位でしょう?」
怪「いいや?」
「「「「え?」」」」
怪「30歳だ。」
太「えー!?」
花「おっさんじゃん!!」
さ「今まで20代かと思ってた⋯!」
ヒ「⋯⋯アラサーのアンサー⋯⋯」
口「これはまた意外ねぇ。」
注「てっきり俺と同じくらいかと思ってたぜ。」
怪「何だ何だ。失礼だな⋯まだ若い方だぞ?ん?どうしたテケテケ?」
テ(10歳差⋯、世間は許してくれるのかな⋯。いや最近は年の差もよく見掛けるし⋯いやでも⋯)
口「心配いらないわ、人生の壁にぶち当たっているだけよ。」
怪「?」
花「て言うかアンタ10歳年下の女に好きだの何だの言ってるの?」
ヒ「⋯⋯変態⋯?」
怪「ええい!まだ好きとは言っていない!そして然り気無く変態言うな!」
注「年の差婚も普通に有りだぜアンサー。」
さ「僕ら応援してますよー。」
注「ああああ、黙れぇええ!!」
何だかんだでお互いの年齢を知った事で、前より仲良くなった気がしたお化け達であった。
END