第1部
某小学校も夏休みになり、暫くは静かになる校舎。そんな深夜の小学校のプールにて、少し遅めのプール開きが始まった────
テケテケ「プールなんて久しぶりだな~」
口裂け女「今日の為に水着も新調したわ♪」
ヒキ子さん(水着⋯恥ずかしい⋯)
花子さん「思いっきり遊ぶわよ~♪」
プールサイドに4人で登場した女子メンバー達。いつもとは違い水着姿で実に見目麗しいものである。そんな女子メンバーに男子達はと言うと⋯⋯
注射男「口裂けさんッ!!黒ビキニだぁああ!!何て色っぽい!!」
怪人アンサー「く⋯!上だけなんて破廉恥だぞテケテケ⋯!だが悪くない⋯!!」
太郎くん「わあ〜!花子ちゃんすっごく可愛いよ~!!」
まあ、お決まりのリアクションだ。注射男と怪人アンサーに至っては興奮のあまり鼻血を噴き出している。そして本日一番のリアクションは⋯⋯
さとるくん「スク水ヒキ子ちゃんキタぁああああ!!!萌え~~~~!!!尊み〜〜〜〜!!!!語彙力の死〜〜〜〜〜!!!!」
カメラ片手に連写するさとるくん⋯何か久しぶりですね、彼。
花「ただのスクール水着の何が良いの?」
テ「そう言う趣味の人なら分かる何かがあるんだよ、きっと。」
怪「しかし随分と張り切ってるな、さとるの奴。」
テ「あ⋯多分前回居なかったからかな…?」
実は前回は居なかったが七夕に「ヒキ子ちゃんを自分専属メイドさんにしたい」と願っていたさとるくんであった。形は違えど、望んだ姿の彼女に大満足の様だ。
怪「そうか⋯。」
テ「あ、あとアンサーさん⋯」
怪「何だ?」
テ「あの…、水着にマントとシルクハットっていうのはちょっと⋯」
花・口「「変態みたい。」」
怪「⋯そうか、すまん⋯。」
何だかんだで、自分達なりの楽しみ方でプール遊びを楽しむお化け達。
花「ほら行ったよ~!」
テ「は~いっ!」
太「えーいっ!!」
口「やっぱり夜だと日焼けは出来ないわね。仕方ないわ。」
注「冷たいお飲み物をどうぞ、口裂けさん!!ああ、白い手足が月夜に照れされてなんてお美しい⋯!!」
さ「ねえねえ、猫耳も付けておくれよ〜」
ヒ「⋯⋯余りじろじろ見られると⋯、恥ずかしいんですけど⋯」
怪「水着にマントとシルクハットの何が悪いんだ⋯」
テケテケと花子さん、太郎くんはビーチバレーをし、口裂け女はベンチに座りくつろぎ、その彼女にあれこれ口説く注射男。
水着姿が恥ずかしいらしくプールに入らず大人しく座るヒキ子さんに、自分の萌えグッズを装着させたがるさとるくん。
そして先程言われた己の格好を気にする怪人アンサーは隅でブツブツ何かを呟いている。
テ「ねー、皆もバレーしよ~っれ」
太「やろやろ~!」
ヒ「⋯⋯楽しそう⋯」
口「あらあら、仕方ないわね。」
注「口裂けさんがやるなら俺も〜」
さ「僕もまーぜてっ」
怪「まあ退屈しのぎだ。」
花「じゃあ男女対抗で勝負よ!」
「「「お~~っ!!」」」
ある暑い夏の夜。静かな小学校のプールに、お化け達の楽しそうに笑う声がずっと響いた。
誰も知らない、お化け達の夏休み。
END