3章『やらない善意よりやる偽善。』


「はい!俺の中学のころの同級生の鷲尾とその友だちの一ノ瀬!何となくいっしょに来たよ!」
元気よく俺らのことを紹介してくれる和久井に申し訳ないが来たことの無い場所が珍しくてつい辺りを見回してしまう。
これがスタジオ、というところなのか。意外と明るいところなんだな、何だか暗いイメージがあったけれど。
「お、そうなのか。初めまして、鷲尾くんに一ノ瀬くん。俺は和久井 悠司(わくい ゆうじ)です。
友沙の兄で、バンド組んでます。ドラム担当で一応リーダー……になるんかね??
まあとにかくよろしくなっ。」
穏やかで少し垂れ目の黒髪の男性がそう自己紹介しながら手を差し伸べられる、その手をとって握手する。申し訳ないけれど髪色も雰囲気も真逆だからかあまり似ていないように感じた。でも笑ったときに出来るえくぼの位置が同じ場所にあるな。そうぼんやりと勝手に印象付けていると和久井さん……お兄さんの方の肩越しにひょこっと和久井……弟の方が顔を覗かせ、そのまま顎を肩に置いた。
「和久井だと被っちゃって面倒くさいし名前で呼んでくれよ〜俺のこと友沙でもウサでも良いぞー」
丁度ややこしいなと感じていたところでそう言ってくれて有難い、のだが。
「うさ?」
ウサというのはどこから来たのだろうか?聞き返してみると和久井……のお兄さんはまた突拍子もなくと苦笑混じりに呟いて
「ゆうさって伸ばして言うとウサって聞こえるだろ?最初は小さい頃それに気付いた俺が呼んでだらこいつ気に入ったみたいでさ。」
と、説明してくれた。
「そーそーそう呼んじゃってー。」
その肩に変わらず顎を乗せて兄の答えに満足したのか「にひひ」と和久井……ウサは笑っている。
「俺のことは悠司と普通に呼んでくれな。」
「はい、えっと……悠司さん、ウサ。改めて俺は一ノ瀬透です、好きに呼んで大丈夫です。」
「僕は鷲尾和希、名字で呼んでください、お願いします。」
……鷲尾は変なニックネームを付けられる頻度が高いせいか念押しに名字で呼ぶよう訴えた。悠司さんはそんな鷲尾にも朗らかに笑いかける。
「おっけ、じゃあ一ノ瀬くんに鷲尾くんね。弟と仲良くしてやってね。
……あと友沙そろそろ顎どけてくれない?お前が話す度に顎が動く振動が伝わってきて気持ち悪いんだよ。」
ウサの頭を軽くペシペシと叩きながらどくよう訴える悠司さん。ウサはそんな悠司さんにいたずらを思いついた子どもみたいにニヤッと笑う。
「えー?こういうのがいや?」
そう言うとわざと何度も振動が伝わるように大きく口を開けたり締めたりを繰り返し行い始めた。
「だー!もうやめい!」
「いでっ」
しつこいウサに先程よりも強めの力を入れて叩いたようでベシンッと少し鈍い音がした。
衝撃に驚いたのか頭を抑えながらその肩からウサの顎がようやく離れた。
「ちょっと、かわいい弟の頭をそう遠慮なく叩いちゃいます?」
「どけてって言っているのにそれを聞かない優しくないかわいい弟へ優しいお兄ちゃんがしつけしたダケダヨー。」
頬を膨らませて抗議するウサに悠司さんは爽やかに笑って言い返した。
ウサはそんな悠司さんに「DVだ!」と口を尖らせ、悠司さんは「はははー」と感情無く笑う。
「あ、あそこでベースをいじってる黒マスクの白髪のヤツは野村 等壱(のむら ひといち)な。」
悠司さんが指した方向を見るとこちらに混ざること無く淡々とギターを膝に乗せリズミカルに弦を弾いている男性が確かにいた。
……目の前の和久井兄弟の存在が濃すぎて他に人がいると思わなくて少しビックリした。
「おーい、等壱も一言挨拶しろー!」
「……よろー。」
悠司さんに声をかけられ、仕方なく渋々といった様子でゆっくり視線を向け軽く会釈して一言こちらにそう声をかけると直様手元のギターへと視線を戻してしまった。
「相変わらず無愛想で人付き合い悪いなぁ。もーノームってばっ!」
「マイペースなヤツなんだよ。悪いな。」
呆れるウサと申し訳無さそうな悠司さん。それは構わない、連れられたとはいえ勝手に急に来ているのは俺らだし歓迎されないのも無理はないかなと思う。ただ、そのウサの呼び名はなんだろうか……。
「ノーム??」
鷲尾も俺と同じように疑問に感じて聞き返した。
「野村だからノーム!」
「友沙が等壱に初対面で勝手につけて何故かライブでも等壱がそう名乗ったんだよなぁ。あ、あいつの名前野村 等壱(のむら とういち)な。ちょっとマイペースな奴だけど悪いやつじゃねえからよろしくしてやってくれな。」
「はぁ……。」
……ウサに対してさっき初めて会ったのに何故か親近感湧いたのって、吉田にどこか似ている、からだな。
顔とか背とかは全く似ていないけれど、明るくて活発な雰囲気とかにぎやかなところとか……ニックネームをとりあえず付けるところとか。
鷲尾もそれを察してか少し顔が引きつっている、少し特徴的なニックネームを付けられることが多いせいだろうか。
最近では叶野の呼ぶ『わっしー』に反応しなくなってきたので慣れてきたのかもしれない。
吉田の『かっちゃん』にはまだ抵抗しているけれどそれももしかしたら時間の問題かも?
「そういえば2人ともなんかニックネームあったりする?」
「いや、特に……。」
あまり呼ばれたくないニックネームなのだろうか、珍しく目を泳がせながら下手に嘘を付こうとする鷲尾を見て……弄りたくなってしまった。
「……俺はイッチて呼ばれることある。あと鷲尾もわっしーって1人呼ぶやつがいる。」
「なっ!?一ノ瀬!」
せっかくごまかそうとしたのに、とそう鷲尾の顔に書いてあるようだった。
俺のことを凝視する鷲尾を視認しつつも目線をそっと外してなんでも無い顔をした。
「ほうほう!なんだあるんじゃん!今俺つけようとしちゃったじゃん!いいねいいね!イッチとわっしー!俺もそう呼ぼーっと!」
……やっぱり、か。
鷲尾がニックネームは無いと言おうとしたとき、ウサの目が輝いていた気がしたからもしかしたらと思ったらやっぱり新たなニックネームを付けようとしたらしい。
どうせニックネームで呼ばれるのならせめて最近受け入れつつある『わっしー』のほうが良いんじゃないかと思ってのことだった。
……まぁ、鷲尾を弄りたいと思ったところも結構ある、それは否定できない。
鷲尾が睨んでいるのを感じながらも、本気で怒っている訳ではないのを知っているのでそちらを振り返らずじっとする。

「まーとにかくここで好きにしてていいよ。俺らも自由にしてるし。そういえば2人ともなんか音楽やってたりするの?」
「……いえ、たまに友人に聞かされるぐらいで。」
「僕もだ。……だけど、どう音を奏でているんだ?」
伊藤がここにいたらもしかしたら楽しかったかもしれないな、音楽を一緒に聴くことはあっても演奏することにそこまで興味が持てない俺とは逆に鷲尾はたまにしか音楽を聴かないのは同じだったが身を乗り出してドラムをまじまじと見つめる。
「おお、わっしー興味津々じゃんっ!」
「それなら習うより慣れろ!よし、いっちょ体験させてあげよう!」
楽器に興味を持つ鷲尾に和久井兄弟のテンションが上がっている、すごく楽しそうだな。
「え、あ、いや、そこまでは……、」
「いいからいいから!はい、とりあえずドラムからどうぞっ!」
まさか演奏までさせてくれると思っていなかった鷲尾が遠慮しようとするけれど、ぐいぐい押されついには悠司さんによって強引にドラムの椅子に座らせられ、スティックまで持たされてしまった。
俺に視線を向けてどうにかしてくれ、と訴えられたけれどこれはどうすることも出来ないな。すぐに2人を止めるのを諦めて頑張れの意で鷲尾に視線を送った。
悠司さんはすでにスイッチ入ったかのように熱心にドラムのことを教え始めてしまい、鷲尾も素直にそれを聞いている。
「イッチもやる?」
「……俺は、いいかな。」
ウサがせっかく誘ってくれたけれど、断った。
興味も持てない俺がやっても教える方もつまらないだろうし……これは勘だが俺には音楽の才能は皆無だと感じている。演奏が下手なだけなら良いが、楽器に何か支障を来す可能性も否定出来なかった。
基本的に俺は勉強や運動がそこそこ出来てもそれ以外のことが得意ではないし苦手、だ。
実際前の学校の音楽などの技術系は知識はともかく実技はボロボロで総合評価は他と比べると低い。リコーダーすら使い物にならなくなったこともある、そうなるとギターやドラムがどうなるのか……俺にも分からない。
「そう?まー気が変わったらいつでも言ってくれな!」
「わかった、ありがとう。」
食い下がることもなくさっぱりとしているウサに安堵する。せっかく誘ってくれたのに、と後ろめたかったのでウサのように引っ張ることもなくかと言って何度も誘うでもなくあっさりと流してくれるのはありがたかった。
ウサも悠司さんと同様に鷲尾のもとへと行った。
鷲尾も最初こそ俺に助けを求めるような目で訴えてきたけれど、すぐに悠司さんたちから次から次へと教えられてそれについていこうと頑張っていていつの間にかドラムに集中していった。しばらく鷲尾が教わっている様子を見ていたけれどやっぱり俺にはああやって器用に手を動かすことは出来ないなと判断する。教わる気もないのにこのまま突っ立って鷲尾たちのほうを見ているのは迷惑、かな。
どうするか思案しているとガサ、と音が聞こえて視線を向ける。俺が手に持っていた袋のことを今思い出した。
ここまで来ておいて読書を始めてしまうのはさすがに……失礼だよな。
いくら手持ち無沙汰とはいえ読書を始めるのも失礼に当たる気がして一瞬でその考えは消えた。
とりあえず、座っていようか。
立っているだけ、となると悠司さんたちも俺に気を使ってしまいそうだし、せっかく鷲尾が勉強以外に意欲的になっているからそのやる気を削がれさせるようなことはしたくない。
座れそうなところは、と視線を彷徨わせる。

「ここ座れば?」

さっき悠司さんたちに言われて一言渋々声をかけてすぐにベースを弄っている悠司さん曰くマイペースである野村さんに自分の隣の空いていたスペースを指をさしながらそう促される。
ベース練習の邪魔になるだろうかと思って選択肢から除外していたが、本人から誘われたからには特に断る理由は無かった。そこ以外座れそうなところがなかったのでむしろ助かった。

「ありがとうございます。」
「別に。ああ、本とか読んでても良いよ。あいつらも俺も気にしないし。」

少し間を空けて座るとまたベースに視線を戻してしまったけれど、そう言ってくれた。俺が手持ち無沙汰で何をしようか迷っていたのを見ていたようだ。
黒マスクで顔が隠されているのでどんな表情を浮かべているのか分からないし、声も抑揚無いため淡々と聞こえるけれど、たしかに悪い人ではない、というか良い人だと思う。

「そうですか?なら、遠慮なく。」

その厚意に甘えて濃い青い袋から本を取り出した。
何も考えず出てきたほうを読もうと思ったので見ないで適当に取り出した。小説版『君に伝えたい』ではなくもう一冊のほうが出てきた。
『きみとぼくのものがたり』という本だ。
捨てられた犬と傷ついた青年の話で少し前伊藤と見た番組でおすすめの本で紹介されていたというのも思い出してつい買ってしまった。
そういえばこの話も確か来年だっただろうか、映画化されるらしい。本を読んで気に入ったら見に行ってみるかな。
そう考えながらペラっと頁を捲る。

「……それ、ここで読む?」
「……だめですか。」

まえがきから読もうとすると隣から声をかけられた。勿論、野村さんから。
じーっと俺の方を見てそう聞かれた。
口元が黒いマスクで隠れて分からないためどうしてもその少し白目の割合が多いその瞳に視線が向く。……野村さんを見ていると何となく、伊藤を思い出した。
伊藤のほうが黒目が小さくて吊り目だけど、一重で男らしい目とか雰囲気とか良く似ている。

「泣くよ?」
「……はい?」

想定外の返事につい聞き返してしまう。

「だから、それ読むと泣くよ?」

……聞き間違いではなかったようだ。無表情(に見える)で淡々としているのに反したこと言われて脳が少しバグりそう。

「……泣いたんですか?」
「号泣よ。」
しつこいかもしれないが、改めて確認するように問うと同じことを言わせる俺に苛立つこともなくポツリと先ほどと似たような返答がきた、今度は疑問符ではなく断言された。
そこまで念押しされてしまうとここで読む気がなくなってしまった。
「……じゃあ、これは?」
それならば、ともう買った一冊のほうを取り出し野村さんに見せる。最近流行っているかつ映画化される『君に伝えたい』の表紙がよく見えるようにしてみる。
「ああ、これね。泣くよ。漫画の方もうるっと来たけどね、小説版は漫画では描ききれなかった心理描写が文字でこちらの気持ちを揺さぶってくるもんだからヤバいよ。俺的には小説の方が泣ける。だけど漫画は漫画で絵も綺麗だし分かりやすいよ。」
「なるほど……。」
漫画版も小説版もすでに網羅しているようだ。何となく、楽器を扱うことに長けている人ってずっとそれを弄っているような印象だったが、少しイメージが覆された。良い意味で。
ギターを弄りながらではあるが俺が話しかけても嫌そうな雰囲気は特にない。……勇気を持って初対面の人と話せるチャンスだ。
「本、詳しいんですか?」
「まあまあかな?悠司には呆れられウサには怒られるぐらいに買い込んで読み耽って飽きたら売るを繰り返してる。」
「……結構詳しいですね。」
呆れられて怒られるぐらいってどれぐらいの期間行っているんだろうか。とにかく本は好き、という認識で良いようだ。
「野村さんのおすすめの本とかありますか?今日から読書を始めようと思ってて。」
「良い趣味。いっぱいあるよ、でも俺割とすぐ売っちゃうから貸せないや。」
「あ、自分で買うので大丈夫ですよ。」
「そう。」
ベースから目を離して漸く俺の方を見た。興味のあるないが分かりやすくていいと思う。空気読むのは苦手なので伊藤たちのように分かりやすいと俺としてはありがたい。……逆に俺は分かりにくいだろうから少し、いや結構申し訳ない。嫌な顔せず一緒にいてくれるみんなに感謝を忘れないよう気をつけたい。
俺を視界に映したその瞬間ピシッと何故か固まった後、
「……顔面格差が生まれる。」
と、よく分からないことを言われて聞き返したがはぐらかされ、おすすめの本を教えられその内夢中になっていった。

「ピアスそんなにあけてて痛くないんですか?」
話題はおすすめの本から野村さんのあいているピアスへ。ひと段落着いた頃だったので違和感のない話題変更……のはず。耳にも結構なピアスがあるが、眉のところや目と目の間のところにも細長いピアスが通っているのが痛々しくも思うし不思議な感じもする。つい自分の目の間のところを触ってしまう。
野村さんは急な話題変更に気分を害した様子もなくのんびりと答えてくれる。
「今はそうでも。穴が安定するまではドクドクしたり膿んだりするけど。今日みたいな暑いときはちちゃんと消毒しないとやっぱり膿むよ。」
「へぇ……大変そうですね。」
「周りにあけてる子、いないの?」
「……そういえばいないです。」
考えてみるとよく一緒にいるメンバーのなかでピアスがあいているやつが誰もいないことに気付いた。鷲尾や湖越があいていないのは何となく分かるが、イメージ的にあいていてもおかしくないだろう伊藤や叶野もあいていない。二人とも興味はあるようだが踏み切っていないらしい。梶井は……どうだっただろうか、耳元が髪で隠れていて分からなかった気がする。今度会ったときこっそり確認してみよう。
「ふーん、きみはあけたい?」
「……怖いっすね。」
ちら、と目の前の耳を貫通している金属たちを見やって答える。
本人は平然としているけれど見ているほうはかなり痛々しいし、ピアスを開けるということはやはり自ら身体に穴をあけるということだ。思わず耳を抑えて答えた。
「まぁあけたいと思ったときにあけるのが1番だしね。ちなみにほら、俺ここにもあいてんのよ。」
指をかけて顔を隠す黒マスクをぐいっとずらして口元が顕になる。
「……うおぅ……。」
思わず変な声を上げてしまう、いや失礼だと思うけれども、驚いてしまって。
「変な声、すごいっしょ。」
少し得意げに薄っすら口角を上げている野村の唇や顎に見る限り10本、鼻にも1本あいている。伊藤の好きなアーティストのジャケットの写真にそのぐらいピアスがあいている人を見たことあったが実際会ったのは初めてでつい驚いてしまった。
「すごい、ですね。」
そうとしか言えない、悠司さんもウサも耳にも顔にもあいているけれど想像の範囲内というか、意識を向けるほどではなかったのだが、ここまで来ると最早すごいとしか言えない。素直な俺の反応に気分が良くなったのか先程よりも機嫌が良さそうに見える。
「今度舌にもあけようとおもってんの。」
「へぇ……、」
まだあけるのか、と1番最初に出てきた感想だったが、本人がそうしたいと言うのなら俺からは何も言うまい。……少し、どんな感じになるのか気になるけれども。
「あけたら写真撮って見せてあげる、ということでメアド教えて。赤外線通信しよ。」
「え、あ、はい。」
急に携帯電話を差し出されて俺も少し慌てて携帯電話を取り出す。まさか初対面の人とこうしてアドレスを交換することになるとは想像打にしていなかった。言われるがままに赤外線で送り合う。野村さんのほうを見てみると黒マスクを外しているところで、それを見てふと気が付いた。
「……あの、もしかしてマスクつけてたのって……。」
「初対面で俺の顔見るとビビられるからね。まあ目付きも悪いからピアスを隠していようと疎遠されやすいんだけど。きみに見せちゃったしもういいかなって。マスク鬱陶しかったし。
向こうの彼も驚かんでしょ。ああいう感じのタイプの子って結構ピアスで動じないし。」
「……そうですね。」
淡々として何も気にしていない口調で自分のことを客観的によくわかっている口ぶりで話し、しっかり鷲尾のことも見ていたようでどういう感じのタイプなのか言い当てていて、なんだか凄いな、と感心した。
『大人』だな、とふわりとしたことを思った。そう思った具体的な理由は上手く説明はできないが、何となく。
その後アドレス交換していた俺らに気付いたウサが「え、俺も教えてよ!」と入ってきて「じゃあそのまま俺とも交換して、わっしーもしようなー」と悠司さんも入ってきて鷲尾も俺もウサ悠司さん野本さんの三人全員とアドレス交換した。
そちらも鷲尾に楽器を教えるのが一段落したようだった、交換している最中携帯電話の画面内右上に表示されている時間を確認する。ここに入ったのは14時ぐらいだったが今17時になるころで時間の流れがかなり早くて驚いてしまう。

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