第二章 (編集中)
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同じ頃、南の島カメハウス。
「オラの子だ」
「「「どえええっ!!?」」」
あっけらかんとした悟空のその一言で大衝撃が走った。
筋斗雲から降り立った時、すでにその腕には小さな男の子が抱かれていて、皆の頭にハテナマークが浮かんだ。
そして、告げられたのが先の言葉である。
あの激闘の天下一武道会から五年、なんと悟空は、チチとの間にもうけた子供を連れてきたのだった。
「ごごご悟空の子!!?」
「ああそうだよ。変か?」
悟空は五年前となんら変わらずケロッと言って腕に抱いていた子供を降ろすと四神球のついた帽子を優しく押してやった。
「そら、あいさつ」
「…こ、こんにちは。そん、ごはんです…」
「は、はいこんにちわ…」
幼いながらにきちんとしたあいさつにブルマ達もつられてお辞儀をしてしまった。
「…そんごはん…、そうか!死んだじいさんの名前を付けたのか」
「ああ!」
孫悟飯、悟空の育ての親親と同じ名前なのにすぐに気付いた亀仙人に、悟空は嬉しそうにうなずいた。
「悟飯君は何才かな?」
「よ、よんさいです…」
「あらー、孫君の子供にしては礼儀正しいのね~」
割と失礼なことをサラッと言ってブルマは悟飯の頭をなでなで。…悟空の場合、全く気にしていないが。
「あら?」
悟飯の目線に合わせてしゃがみこんでいたブルマは、それに気付いてしまった。
お尻の辺りに、服の隙間から出てゆらゆらと動くそれを。
「…し、しっぽが…」
「ああ、前のオラと一緒だろ?」
悟空が嬉しそうに言っても、みんなの脳裏によぎるのは、でっかい猿が暴れまわった思い出の数々だった…。
なんせあまりいい記憶がなく、悟空以外の全員の顔が強ばった。
「こ、この子特に妙なことがあったりしない?」
「妙なこと?」
「た、例えば、満月の夜何か変化はないか?」
尻尾のあった悟空は満月を見て幾度と大きな猿になって暴れたのだから、家庭を持った以上皆の危惧するところは一致していた。
もしもこの子が、悟空と同じように満月を見て暴れたりしたら……。
しかし当の悟空は、自分が大猿になることも、暴れたことも全く覚えていない。
それによって、かつて自分が何をしたのかも……。
「さあなぁ、オラんち早く寝ちまうから。なんで?」
「いや!なんでもない!何もないならそれでいいんじゃ!!」
「ご、悟空!この子もお前みたいに強いのか!?」
クリリンが慌て違う話題を振った。
知らないなら、そのままの方がいいと思ったからだった。
満月の夜の怪物の話はみんなにとってもタブーだった。
それは、悟空の大好きだったじいちゃんを失った時の話に繋がるから…。
クリリンの誘導に悟空は不満そうに口を尖らせた。
「それがよぉ、チチのやつ、オラが悟飯を鍛えようとすると怒るんだ。『これからはお勉強の時代よ!』ってさ」
修業よりお勉強。チチの教育方針が悟空には納得がいかないらしい。
「かなりの力は持ってると思うんだけどさあ」
「へ~、なんか勿体ないな…」
「でさ、レギからも言ってもらえたらチチも納得すると思うんだ!」
「あ、そういえばレギは…?」
思い出したようにクリリンがブルマに訊ねた。
「…それが、レギ急に出て行っちゃったのよ。こっちにもまだ来てないのよね…?」
「わしらはまだ会っておらんな」
「どうしたんでしょうね?こういう集まり好きそうなのに」
クリリンと亀仙人はレギに会うのは天下一武道会以来になるが、あの明るいレギのことだから絶対ブルマと一緒に来るだろうと思っていた。
それだけに、未だに顔を見せないことに不思議に思っていた。
「まぁ、腹が減ったら来るさ!」
「悟空、お前じゃないんだからさ!」
『あたしは犬か!!』とレギがこの場にいたら悟空に飛び蹴りをかましていたかもしれない。
そんな冗談で笑いあった時だった。
……ゾワッ
「っ!!」
胸騒ぎがして悟空は勢いよく空を見上げた。
「どうしたんだ悟空?」
クリリンが声をかけても、戦いの緊張にも似た緊迫した顔で悟空は空の一点から目をそらすことができなかった。
(…あ、レギ…)
ブルマの中で、それがここへ来る前のレギの姿と重なっていた。
さっきまで笑い合っていたのが嘘のように言い知れない不安が増していく中、悟空の緊張がこちらにも嫌でも伝わってきて、ブルマは庇うように悟飯に寄り添っていた。
(…何が、起ころうとしているの…?)
そしてこの後、誰も予想だにしていなかった。
望まれない再会が、全てを狂わせる。
「成長したな、カカロット。だが一目見て分かったぞ、父親にそっくりだ」
それが、第一声だった。
現れた男は、見慣れない服装で耳に奇妙な機械をつけて。
その脇には、傷付き気を失ったレギを抱えていた。
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