第二章 (編集中)
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「やはり知っているな。てっきり二人でこの星を片付けているものだと思っていたが、そうでもないようだしな。カカロットはどうした?」
「…死んだよ」
「何?」
ぼそりと言ったレギ。その目はラディッツを見ていなかった。
「カカロットは死んだ。もうこの星にはいない」
「…あいかわらず嘘をつくのが下手だな。そもそも、こいつで探せばいずれ分かることだ」
機械を小突きながら言ったのにも、レギはどこまでも落ち着いた声で今度はまっすぐにラディッツを見て言った。
「いないって言ったらいないんだよ」
そのとたん、ラディッツの態度が豹変する。
「…いい加減にしろレギ」
重く、腹の底に響くような殺気に満ちた声だった。
「お前は、自分が何をしているのか分かっているのか?」
「さあ?」
「ふざけるなっ!!!言え!カカロットはどこだ!?」
明らかに空気が変わった。さっきまでのようなさほど危機感のなかった雰囲気が、今は触れれば切り刻まれそうな殺気に変わっていた。
言わなければ殺す。
そんな目で問い詰めるラディッツを、しかしレギは真っ向から見返した。
自分が隠していることを、ラディッツはとうに分かっている。
それでもレギは、求められている答えを言うつもりなど毛頭なかった。
(…もう、あの子の人生はあの子の物だ。
過去なんて関係ない。今ある幸せを、こんな形で踏みにじらせたりしない。
あの子は、ここで幸せになるんだ…!!)
今の自分がどうすれば良いのか。
答えは、一つしかなかった。
「…死んだって、教えるもんか」
「…馬鹿が」
「っ!」
すぐそばでラディッツの声が聞こえた。
視界が覆われ、顔面に圧迫感。
直後、
──ドガア!!!
「っが……!!」
後頭部が地面を割った瞬間、レギの意識は完全に途絶えた。
一瞬でレギとの間合いを詰めその顔面に手を掛け強烈な一発を見舞ったラディッツは、ゆっくりと上体を起こした。
「全く手間をかけさせやがる」
割れた地面に埋もれて気絶しているレギを無感情に見下ろし、つまらなそうに吐き捨てた。
「…弱くなったな、レギ」
(……や、奴は今、何をした……)
ピッコロには、またその動きが見えなかった。
五年前、突きつけられたレギとの実力差。
ピッコロは孫悟空を殺すために、あの力を超えるために、今日まで修行に手を抜いたつもりはなかった。
それでも、その差が殆ど縮まっていないことも会った瞬間に分かってしまっていた。
…あんな『あたし、参上!!』だったけども…。
それなのに…、
――『弱くなったな、レギ』――
(……弱く、なった…?奴が…?
一体何なんだ…)
――『答えてやらないのが、あたしの優しさ』――
(…何が起こっている……⁉)
──ピピ!
「!」
必死に状況を理解しようとするピッコロの耳に、ラディッツの耳に着いている機械からまたあの電子音が響いた。
「もう一つ大きなパワーがある…距離12909…」
ラディッツはその方角を見つめると、歯を見せて凶暴な笑みを浮かべた。
「この星でレギの次に大きなパワー、やはり生きているな!今度こそカカロットだ!!」
そして、そのままピッコロには目もくれず、ラディッツはレギを抱えて飛び去って行った。
…大きな、パワー…。
その行き先は、一つしかない。
ピッコロも後を追うように静かに飛び立った。
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