第二章 (編集中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……っ!!」
ずっと遠くに突然現れた大きな力を警戒していたピッコロは、その力がこちらに近付いてくることに気付いた。
進行方向からして、その存在は確実に自分の所へ向かってきていたのだ。
「…何者だ…」
言い知れぬ緊張に警戒する中、程なくやってきたのは孫悟空、ではなかった。
ピッコロの前に降り立ったのは、この地球でも見たことのない奇妙な格好をした男だった。
甲冑の様な鎧を身に纏い、その人物は品定めでもするようにピッコロをジロジロと見てきた。
「ほう、こんな偏狭の星でもこんなやつもいるんだな」
耳に着けている機械をいじりながら小馬鹿にしたように言う男。明らかに見下しているその態度に、しかしピッコロは動けずにいた。
相手が、異様な力を秘めていることを直感で察していたからだ。
「…何者だ貴様」
ピッコロにはそう言うのがやっとだった。
向かい合っているだけなのに、途方もない威圧感に押し潰されそうで、脂汗が吹き出だす。
圧倒され動けずにいるのを悟られないようにするので精一杯だった。
向き合っている内にふと、あの日のことがピッコロの脳裏を過ぎった。
――『なんなら、今からやるか?』――
あの日、宇宙船のある所で再会したレギにも同じものを感じたことがあったが、
(…こいつは、ヤバい…!!)
「ずあっ!!!」
──ドゥン!!!
意を決した瞬間、ピッコロは動いていた。
目の前の相手を殺すつもりで全力で撃ち出した一撃は、しかし、
「…ふん、ただ砂埃を巻き上げるだけか」
その男は掠り傷一つ負わず土煙の消えた先で平然と佇んでいた。
「今度は、オレの番かな?」
その得体の知れないプレッシャーに、自然と体が震えた。
本能的に、男の放つそれは殺気そのものだとハッキリと認識してしてしまったのだ。
その気になれば目の前のこの男は、自分など簡単に殺すことが出来る、と…。
体が、動かなかった。
男の手が、ピッコロへ向けられた、その時、
──ピピ!
男の耳に付けた機械から甲高い電子音が鳴り響いた。
「なんだ?強い戦闘力が…」
「曲者ぉぉおおーーーー!!!」
──ごきゅっ。
「「!!?」」
機械の知らせに方向を確認しようとした男の顔面に、どこからともなく槍のように飛んできたレギの両足がめり込んだ。
「ごあああっ!?」
「あ、当たった」
自分が蹴り飛ばした男が地面を削って転がっていくのを見て、白々しく言ってレギは立ち上がる。
あまりの突然なその登場で別な意味で固まってしまったピッコロに、レギはビシッとポーズを決めた。
「あたし、参上!!」
「ぁ………アホかあ!!」
思わず突っ込んだことでピッコロの硬直が解けた。
「な、なんなんだ貴様は一体!?」
「なんだかんだと聞かれても、答えてやらないのがあたしの優しさ」
「ふざける」
──どぉん!!
「っ!!」
突然目の前で起こった爆発にとっさに腕で顔を覆ったが、衝撃も何も来なかった。
腕を退けるとレギの帳が張られ爆発を防いでいたのだ。
それが張られるのを見るのは二度目だが、一瞬の出来事でピッコロには攻撃が来たのも帳が張られたのも見えてはいなかった。
見えていなかった……。それがどう言うことなのか、ピッコロには嫌でも分かってしまった。
目の前の二人は、自分より強いのだということを。
愕然としているピッコロを置いて、レギは男へと歩み寄る。
「お、おい…」
「だめ」
呼び掛けには振り返らずに、レギが口を開いた。
伸ばしかけた手をそこで止めたピッコロに、レギは静かに言った。
「ピッコロ、そこから動くな、お願いだから」
…死にたくなければ。
そう言われたような気がした。
.