第一章 完結
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こんな情景を、
ずっと前から、知っているような…。
でもそれがなんなのか、悟空には分からなかった。
「…なぁレギ、オラ前に…」
「ありゃ?」
しかし、問いかけはレギの上げた素っ頓狂な声で中途半端に終わってしまった。
そして、チチもそのことに気づき、悟空も遅れて鼻をひくつかせた。
「あははは、やっちゃったか。はい、お母さんバトンタッチ!」
「あ、すまねえだレギさ!!」
チチはレギから悟飯を受け取るとおむつを替えるためパタパタと奥へ消えていった。
「すっかりお母さんだね~」
「ああ…」
朗らかに言ったレギに悟空が曖昧な返事をした。
なんだか聞きそびれてしまって、代わりに別の質問をすることにした。
天下一武道会の日から気になっていたが、聞くに聞けないでいた。
一緒に修業していた頃は気にしたことはなかったのが…。
「…なぁレギ、なくした記憶って、なんなのか聞いてもいいか?」
「……」
悟空にしては珍しく、遠慮勝ちな問いかけだった。
きっとチチが今この場にいたら張り飛ばされていたかもしれない質問だということは、さすがの悟空にもなんとなく分かっていて…。
だからこそ、レギが急に黙り込んだのに、やっぱまずかったかな…、と後悔していると、
「…記憶、か……」
ぽつりと繰り返した。
「…そのことでさ、あたし、お前にずっと黙ってたことがあるんだ…」
「え…?」
落ち着いてはいたが、何かを決意したようなそんな声でレギは話し出した。
「実はあたし…」
どんな話が出てくるのかと悟空は生唾を飲み込んで言葉を待った。
レギは、長い長い沈黙の後、ようやく重い口を開いた。
「オバケとか、ダメなんだよね」
「………………へ?」
悟空の目が点になったところで、わざと大げさなため息をついて見せた。
「あの時1っ番怖い思いした時の記憶が戻ってさ、それで倒れちゃったんだ」
「…そ、そんだけ、か?」
「そう」(ケロ)
「…オバケ……」
いまいち飲み込めず呆けたように繰り返す悟空に両手を合わせてお願いのポーズ。
「恥ずかしいからさ、みんなには内緒ね!」
「あ、ああ…」
ゆるゆると頷いた悟空に心の中でそっと謝っておく。
言えるわけがない。
戻った記憶、それがどんなものかなんて…。
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