第一章 完結
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ひと時の平穏
この平和はいつまで続くかなんて
そんなこと考えたって何にもならないこと
考えるまでもなく分かり切ってる
…ただこの星の安らぎは
何ものにも代えがたい
だから
ついつい 甘えてしまうんだ
第二十七話
≪平和は微睡みの中に≫
~デジャヴ~
天下一武道会から一年ほどが過ぎた頃。
随分と深い山の中をレギは訪れていた。
本当にこんな所に人が住んでいるのかと思わせるほど、人の手のかかっていない大自然の中をかれこれ二時間はさ迷いようやく見つけ出した。
「…もうちょっと場所はっきり聞いておけばよかった」
伸び放題の枝に顔や腕を遊ばれて擦り傷だらけになりながら、目の前に現れた物をはっきりと目に映した。
雨風にさらされ半分朽ちかけながらも、その形をとどめてそれはあった。
自分と同じく、悟空が乗ってきた宇宙船だ。
「…やっぱ、あの子なのか」
心のどこかでちょっとだけ、違っていて欲しいと思っていた。
「あれ?誰かいんのか?」
「っ!!?」
突然降ってきた声にレギは飛び上がるくらい驚いた。
そして、恐る恐る振り返るとそこには、よく知った人物が立っていたのである。
「…よ、よぅ悟空」
ぎこちなく手を挙げて挨拶したレギに悟空が駆け寄った。
「レギ!!どうしたんだよこんなとこで!」
「ち、ちょっと散歩」
もちろん大嘘である。
悟空はレギの手を取った。
「オラんちすぐそこなんだ。寄って行けよ!」
「いやでも」
「チチも喜ぶぞ!」
「あぅ…」
嬉しそうに言う悟空に断りきれずレギは引きずられるように連れて行かれたのだった。
「レギさ!?」
やっほーチチ!
と、極普通に言おうとして、レギは固まった。
チチが抱き抱えているものを見て。
「ぅ、お…?そ、その子は……?」
「オラの子だよ!」
「は?」
目を点にしたレギにチチは照れながら嬉しそうに赤ん坊を抱きあげた。
「よかったらレギさ、抱いてやってくれねえか?」
「え、いいの?」
「もちろんだべ!」
「こいつも喜ぶさ!」
二人に言われて、レギはチチから赤ん坊を受け取った。
「孫悟飯って言うんだ」
「…そっか、おじいさんと同じ名前にしたんだね」
「ああ!」
「悟飯、か…」
…自然と、レギの中で赤ん坊だった頃の悟空と重なった。
レギに抱かれてよだれを垂らしながら笑う悟飯をギュッと抱きしめた。
(…あったかいね…)
「……」
そんなレギを見て、デジャヴのようなものが悟空の中に生まれた…。
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