第一章 完結
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さっきまで死んだように眠っていたレギが、今は寝台に腰掛け不思議そうに神とミスター・ポポ、そして悟空を見た。
「…ここどこ?」
「ここはなあ、神様んちだ!」
悟空の答えになっていないような答えに、レギは首をかしげた。
──ぐぎゅるるるるるる…。
唐突にすさまじい腹の虫が鳴り響いて、レギ以外の視線が悟空に集まった。
しかし、悟空も驚いてるようで、戸惑いながらも首を振った。
「…お、オラじゃねぇぞ…」
「…おなか、すいた…」
「「「へ?」」」
ばったり。
レギがボソッと言ったかと思うと、吸い寄せられるように再び寝台へ倒れ込んだ。
腹の虫の音の正体が分かって呆れるよりも何よりも、このレギが今日に至るまで一切の飲食をしていないことに神がすぐに気が付いたのは、奇跡だった。
「…そうか…」
そこまで神の話を聞いていたレギはポポの淹れてくれたお茶を啜った。
「あたしは神様の腹と木に挟まれて記憶をなくしていたのか…!!」
「Σそこか!?」
「一番重要な所でしょーが!!」
つっこんだ神にレギも負けじと怒鳴り返した。
「それで、黙ってれば戻るかもしれない記憶をわざわざ封じて、あたしが下界に降りたいって言ったから、宇宙船の場所にも行けないようにしてたってわけね」
「…まぁ、そういうことだ。すまなかった」
再度頭を下げた神にレギは顔をしかめた。
「神様がそうポンポン頭下げるもんじゃないでしょう。そのことはもういいってば。それよりも聞きたいことがあって来たんだよ」
ティーカップを傾けながらレギは話題を変える。
今は世話になっているカプセルコーポレーションの令嬢、ブルマに今日のショッピングをわざわざ断って来たのだ。
神様の所に行くと言ったら、快く承諾してくれたが。
「あたしがここに来た時さ、何か持ってなかった?腕輪とか、こんくらいの赤い布きれとか」
手で大きさなどを示すと神はすぐに思い出してその視線が神殿の奥を指した。
「それならミスター・ポポが保管しているはずだ」
「そっかありがと!ポポ―!!」
短く礼を言うとレギは奥へとすっ飛んで行った。
…切り出せなかった。
赤ん坊の悟空と傷付いたレギがこの星へ来た理由を…。
完全に聞きそびれてしまって、…まぁ、いいか、と神はレギの去った席をただ見つめた。
腕輪と赤い布はセットで大切に保管されていた。
レギはポポに礼を言い、腕輪をつける。
左の腕に、二つとも。
久しぶりに戻った重さにそっと撫でれば、擦れて独特の硬質な音を立てた。
「そっちはつけないか?」
腕輪だけはめたにレギポポが布の方を指して不思議そうに尋ねた。
「こっちはいいんだ。あたしのじゃないから。
取っといてくれてありがとうポポ」
再度礼を言って、踵を返す。
赤い布、腕宛はその手に持って。
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