第一章 完結
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「…おい貴様」
「んあ?」
ぼそりと吐き出すように呼んだピッコロに、レギが間の抜けた声で返事をした。
「あの時、本気で言っていたのか」
「あの時…」
唐突な話に思いを巡らせるが、すぐに思い当った。
神に内緒でピッコロと話をした時のことだ。
ほかのみんなは何のことか分からずピッコロとレギを交互に見比べる。
「な、何?」
「何を言ったんだレギ?」
「世界征服でもなんでも好きなことすればいいよって言ったんだ」
「「「なにぃぃぃぃぃ!!!?」」」
全員の声が見事に合わさった。
悟空でさえガチョーンと大口を開けてレギを凝視していた。
「お、お前っ、なぜそう勝手なことばかり…!!」
「勝手に人の体使った人に言われたくないんですけどー」
(おのれ…しっかり根に持っているではないか!!)
嫌な汗をかきつつ神は拳を握りしめた。
「…何故だ」
レギを除いた中で一人だけ、ピッコロが疑問を口にした時のまま、冷静にレギを見ていた。
その眼はむしろ、苛立ちを含んでいた。
「なぜあんなことを言った、こうなると…俺が孫悟空に負けることが分かっていたからか!?」
「あたしは預言者じゃないよ」
苦笑しながらやんわりとした声でレギは答えた。
「言ったでしょ?お前がこの星を壊すんなら、あたしが絶対に止めてやるって。まあ、邪魔が入っちゃったから約束破ったことになるけど…」
チロリ、と神を見やった。
もうどうとでもしろ、と神はレギと目を合わさないように顔を背けて、話にだけ耳を傾けていた。
ピッコロに向き直って、レギは続けた。
「…こうなることが分かっていたんじゃないんだよ。あたしは悟空を信じてただけ。絶対に負けないってね」
「レギ…!」
嬉しさのあまり、悟空が今にもレギに飛びつきそうになったのを気配で感じて思わず、
(…ああ、なんかデッカイ犬に懐かれてる気分…(笑)
心内で呟いてこっそり笑った。
「…ならここであえてとどめを刺さず俺様を回復させたのも、また孫悟空がなんとかしてくれると思っているからか?」
「どうよ悟空?」
「え?ん~、そうだなぁ…」
レギに話を振られて悟空はポリポリと頬をかく。
「まあそん時はそん時だ。またおめえと闘うさ!!」
実に悟空らしい答えが返ってきて、レギは満足げにほほ笑んだ。
「もっともっと修業して強くなれピッコロ!オラはその強さをもう一歩超えてみせる!」
「……くくく、はーっはっはっは!!」
宣言した悟空に、ピッコロは喉をのけ反らせて爆笑した。
「いいだろう!!今日ここで俺様にとどめを刺さなかったことを後悔させてやるぞ!それまでせいぜい楽しんでおくんだな!!」
そう言い残して、ピッコロはその場を飛び立っていった。
「…何が、どうなってんの…」
ブルマがぽつりと漏らした。
レギの衝撃発言からピッコロが立ち去るまで、まるで実感のない時間の流れに呆然とするしかなかった。
その金縛りのような感覚は、唐突に破られた。
「悟空さーー!!」
「っわ!チ、チチ!?」
「よかったあ!!生きててよかっただよーー!!」
飛びついたチチはぎゅーっと悟空に抱き着いた。
慣れないことに悟空が慌てる。
そこでようやく思い出した。
「そうじゃった!悟空のやつ新婚さんじゃったわい!!」
「あ、そういえばそうだった」
レギもぽんと手を打ち鳴らした。
「…孫よ、お主私に変わって神になってくれぬか?」
「え?」
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