第一章 完結
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何の前触れもなくそれは落ちた。
一つはパオズ山の竹藪の中に。
宇宙船のような球体の中にいたのは、生まれて間もない赤ん坊だった。
近くに住んでいた老人がそれを見つけ育てることになったのを、神殿より見ていた神は、もう一つこの地球に近づいている者の存在に気が付いた。
ミスター・ポポが不安そうに神を見た。
「…神様、また同じもの落ちてきた」
「うむ、先の赤ん坊といい…一体何が起きておるのだ…」
しかし、後から落ちてきた方からは何も出てはこなかった。
その近くには住む人間もいない。
何も変化がないことから、神は自ら確かめるべく地上へと降りたのだった。
第二十四話
≪レギの本心・ピッコロの疑問≫
球体は紛れもなく宇宙船。
中には、傷付きぐったりと眠ったままの少女がいた。
「…眠っておるのか、ならば無理に起こすことはできんな…」
この星を治める者として、地上のことに関与することにも、突然現れた得体の知れない存在を開放することにも抵抗があった。
赤ん坊の方ならまだ分別もつかないし、すでに人間に見つけられてしまっているからこのまま様子を見るしかないが…。
この少女が誰かに見つけられ、そして目覚めるまで…。
目を閉じ逡巡していた神は顔を上げた。
――レギよ、お前の記憶を封じあの場所を隠していたのは私だ。
(うん、知ってる)
みんなには聞こえないように、神の声がレギの心に直接届いた。レギもまた、それに心の中で応じる。
――…すまなかった。
(………)
――私は、怖かったのだ。外から来たお前達が。どう対処していいのかも分からなかった…。
(それが普通だよ。神様は間違ってない。むしろ、あたしは感謝してる)
――何…?
レギからの思ってもみなかった言葉に神が目を見開く。
レギは穏やかに続けた。
(あのままだったらあたしはきっと正気じゃいられなかった。ここにこうしていられなかったし、悟空にもみんなにも会えなかった。
だから、ありがとう神様。あたし達をこの星に受け入れてくれて)
柔らかな微笑に、さっきまで神が気に病んでいたものが吹き飛ばされた。
(…あでも)
「?…」
(あたしの体勝手に使ったことは、貸しにしとくね☆)
「!!…(やっぱりこやつ、どこぞに封じておけばよかった…!!)」
ニーッと、さっきとは打って変わった笑顔に、安心から一気に不安へと突き落とされた気分になった神だった。
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