第一章 完結
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体に衝撃が伝わって、レギは目を開けた。
いつの間にか眠っていたようで、頭はぼんやりとして、しばらく何も考えられなかった。
ポッドの丸い窓から、光が差し込んでいた。
それを素直に暖かいと感じた。
(…あったかい…………でも、……)
もっと違う形で、触れる暖かさがあったことを、
唐突に思い出した。
「…ぁっ……ぁぁあ…っ」
濁流のように押し寄せる記憶。
思い出したように体中に痛みが戻ってギシギシと軋んだ。
「…あぐっ…う………っ」
痛みに手を握り締めた時、それに気付いた。
あの時、手を伸ばして、掴んだもの。
腕を、その手を掴もうとして叶わなかった。
代わりに、レギの手の中に残っていたのは、赤い腕当てだった。
あいつが、いつも着けていた…。
「…ぅ…っああああーーーーーーーっ!!!!!」
もう誰もいない。
どこにも、あの場所はない。
突き付ける現実が、あまりにも重くのしかかる。
壊れそうなくらい、慟哭して。
死んでしまいそうなくらい、悲しみに押し潰されて。
…それでも、体は生きようと、
泣くことを止めた。
声を上げるのを止めた。
ただ、静かに眠りについた。
いつ目覚めるかも、分からないまま。
時は流れた。
第二十二話
≪決着≫
ゆっくりと、ピッコロが舞舞台に降り立つ。
先程の悟空のかめはめ波より大きな穴の中に、悟空の姿はなかった。
「粉々になりおったぞ…、いくら神龍と言えど、これではもう復活させられまい!!」
ピッコロは空に向かって叫んだ。
「勝ったぞーっ!!!孫悟空は死んだーーーっ!!!!
恐怖に満ちた魔の世界を復活出来るのだーーっ!!!」
狂喜するピッコロはレギ達の方を睨んだ。
「次は貴様らの番だ。
すぐに孫悟空の元へ送ってやるぞ」
ピッコロの目は、レギを見ていた。
「まずは貴様からだ」
「…いいや、まだだよ」
「何?」
レギは静かに口を開いた。
「お前はまだそこから降りちゃいけない。試合は続いてる…」
「ふん!死を目前にして怖じ気づいたか!?」
「そんなんじゃない。
天津飯、あんた目がよかったよね?」
「……え」
「あれが見える?」
「……あ…あっ!」
「「「悟空だーー!!!」」」
「何っ!?」
慌てて振り返ったピッコロの目に、舞空術を使って猛スピードで飛んで来る悟空が映った。
「おめえの…負けだあーー!!!!」
──ズガッ!!!
悟空の最後の力を振り絞った体当たりがピッコロを突き飛ばす。
落ちた所は、
「……し、審判のおっちゃん…、あ、あいつ、場外に落ちただろ?試合…オラかったよな…?」
「あ…た、確かにここは場外…!!」
確認した審判は両腕を振り上げた。
「孫悟空選手の勝ちです!!
孫悟空選手、天下一武道会優勝ーーっ!!!」
「やったーーっ!!」
高々と上がった審判の声に、みんな悟空の元へと駆け出した。
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