第一章 完結
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そうやりとりをしている間にピッコロが元の大きさに戻った。
「なんだ、元に戻るのか。また体ん中に入られちゃまずいもんな!」
「ぐっ…、だーーっ!!!」
人質を取られて、ピッコロは悟空に突っ込んだ。
──ビッ!!
二人の姿が再び武舞台から消えた。
「また消えたあ!?」
「み、見えんっ、この神の目にも!!!」
「……」
みんなが驚く中、レギだけが一人空を仰いだ。
──バキッ!!
その直後、上空でぶつかる硬い音が響いた。
(…この娘、あのスピードが見えておるのか…!)
誰よりも先に二人の位置を捉えていたレギ。亀仙人だけがそのことに気付いていた。
(一体何者なのだ…)
「あ」
小さくレギが声を漏らす。それによって亀仙人はまた闘いに目を戻した。
悟空が足からかめはめ波を撃ちロケットのようにピッコロに突っ込んだところだった。
本来なら両手から打ち出すかめはめ波。
足を使ったことで自由になった手で攻撃。
「な、なんという思いがけない発想をするヤツじゃ!!」
だがピッコロも落ちる途中で空中に止まって、額の触角からビームを放つ。
空中で避けられない悟空はもろに食らってしまった。
体が痺れて動けない悟空にピッコロが迫る。
「いかん!!」
神が動いた。
「死ねえ!!」
「!!」
──バシッ
「あ!…」
ピッコロの拳を、神が悟空を庇い受け止めていた。
「孫悟空よ、この私も手助けするぞ!」
「冗談じゃねえよ神様っ!!」
「な、なんだと!?」
神は思わず悟空を振り返った。
「まだ試合の決着がついてないんだ!邪魔しないでくれよ!!」
「し、試合だと…!」
わくわくするような強い相手と闘えることが全て。
この生きるか死ぬかの死闘を試合と悟空は言い切って。
(…あいつらしいよ、ほんと…)
そんな悟空を見てレギは思った。
『…しっぽ…?』
『ああ、オラしっぽが生えてたから山ん中に捨てられてたんだ』
悟空は辛いはずの過去をケロッと明るく言った。
『そんでさ、じぃちゃんがオラを拾って育ててくれたんだよ!』
嬉しそうに笑いながら。
それだけで、その老人が悟空にとってどんなに大切な人だったか分かって、レギは悟空の頭をクシャクシャと撫でてやった。
『そっか、悟空はそのじぃちゃんが大好きなんだね!』
『ああ!』
にかっと笑う。
『レギも好きだぞ!』
『…また随分ストレートだね…』
呆れるレギに悟空は続けた。
『だって、強ぇしそれに笑うとさ、太陽みてぇに暖かいんだ!』
それこそ悟空は太陽のように笑って言った。
『オラ、レギの笑った顔が大好きだぞ!』
『………』
その言葉を、前にもどこかで言われたような気がした。
その時はすぐに忘れてしまったけど、今ならはっきり分かる。
この三年の間に随分大きく、そして強くなった。
しっぽは神様が永久に生えなくしてしまったけど。
でも、そうだからじゃなくて。
(…どこで何をして生きようと、お前はお前だ…)
…カカロットじゃない…。
「…お前は、孫悟空だ」
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