第一章 完結
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それは、後に孫悟空と名付けられる赤ん坊が生まれた年。
地球からずっとずっと離れた星で起こった。
血と殺戮と…
裏切りと狂気に蝕まれて
あの星は壊れてしまった
――『…今の内に片付けてしまわないと、この先何をするか分かりませんからねぇ』――
その言葉で
それまで
当たり前にあったものが
全て
足元から崩れ落ちた
――『邪魔だったんですよ』――
あっさり告げられた死の宣告
――『生きなさいレギ』――
拒絶できない切望
――『…お前は、幸せになれよ、カカロット』――
抱きしめた小さな温もり
――『死ぬなよ…』――
――『バー…!!』――
最後の言葉。
一緒に行きたかったのに
掴んだ腕は、叶わなかったんだ…。
「……くそ親父め…」
覚めない夢のように
覆い被さる現実が
確かにここに有ることを
教えてくれる
「…やっぱり、血は争えないね…」
闇の中、苦笑しながら誰にともなくレギは呟いた。
一切の光源もなく、闇に慣れた目でも自分の手も見えないような常闇で、今レギは全てを思い出していた。
この星に来た訳も…自分達が何者で、どこから来たのかも。
あの声が、誰のものなのかも。
――『…笑って、レギ…』――
…うん…。
――『…お前は、生きろよ…』――
分かってるよ。
あたしは、この手で…みんなの仇を打つまで…。
暗闇の空へ手を伸ばして、強く握った。
「あたしは生きる。
約束するよ。バーダック、サラヴィナ…」
あたしは前へ進む
たとえそこが
暗闇の中でも…
赤ん坊の声は、もう聞こえることはなかった。
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