第一章 完結
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マジュニアにダメージは殆どない。
スピードもパワーもこちらがまるで足りていないのだ。
それは神の思っていた以上にピッコロが力を増していたこともあるが、原因はもう一つ…。
(…やはり私ではこの体は扱いきれないか…!)
レギの意識があった時とは違い、神は舌打ちする。
今も身に着けている重りが、神には重すぎるのだ。
そんな状態で術だけでは到底勝ち目はない。
神は着ていたパーカーに手をかけ脱ぎ捨てた。それは、悟空のシャツの時の、それ以上に重い音をたてて地面に落ちた。
『おっとこれは!?シェン選手も孫悟空選手と同じ様に重い服を身に着けていたようです!!』
神は更に、腕と足に括り付けていた重しも取り外す。
それらは信じられない音をたてて地面に転がった。
とても、その小さな体に着けられていたとは思えないほどに。
「げっ!?た…タイルにヒビできたぞ…!」
「…な、なんなんだよ…もう一体…」
もう自分達の理解を超える目の前の出来事に、クリリン達は頭を抱えたい気持ちになった。
(…ようもこれだけの物を着けながら動き回っていたものだな…)
その総重量は優に三百キロを超える。
どれだけ重さを増やしても足りないと言ったレギが、ようやく満足したのがこの重さだった。
神が軽くなった腕や足を適当に馴らす。
そこへ、意外にも黙って見ていたマジュニアが口を開いた。
「…さっきから妙だな。動きがまるで違う…。
お前は誰だ?」
「……」
神は答えずマジュニアを睨み付けた。
「…その体が扱いきれていないとか言っていたな?一体どういうことだ」
―『!……心を読みおったなピッコロ…』
「!?」
シェンの口から自分しか知らないはずの言葉が発せられ、マジュニアは目を見開いた。
……いや、一人だけ、その言葉を使える人物がいる。
―『そうか、貴様…っ』
―『孫悟空を抹殺し、邪魔者がいなくなったあと、再び世界征服を狙うつもりなんだろピッコロよ。相変わらず下らん考えだ』
―『やっと分かったぞ違和感の正体が!!どうりで戦い方がこのオレに似ているわけだ…!!
下界になんの用だっ!?神め!!!』
―『今頃気付いたかピッコロ大魔王よ。下界に来た訳は言うまでもなかろう』
ピッコロはおもしろくなさそうに神を睨み付けた。
―『ふんっ、ではそいつも貴様の差し金だったというわけか!!こざかしいまねを!』
―『いや、何を話したかは知らんが、この者は私が頼んでここにいるに過ぎん。お前に気付かれずに来る必要があったからな』
シェンとピッコロのやり取りは他の者にはさっぱり分からない。
『い、一体どうしたのでありましょうか…。何やら激しく言い合っておりますが、さっぱり言葉が分かりません…』
実況しなければならない審判も、二人の話す言葉は理解できるものでもなくオロオロと状況を見守るしかなかった。
.