第一章 完結
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「…ぅ…っ…あた、まが…割れる……っ」
「レギ!レギしっかりしろよ!どうしちまったんだ急に!?」
「…いや、だ…っ、やめろ…!!…」
必死に呼びかける悟空の声も聞こえないほど激しい耳鳴りと一緒に、レギの頭の中で別の声が響いていた。
――『…全く、あなた達には困ったものですねぇ』――
ねっとりとまとわりつくようなその声に冷や汗が吹き出す。
レギはみるみるうちに真っ青になっていった。
「…はぁっ…は…っ」
――『…今の内に片付けてしまわないと、この先何をするか分かりませんからねぇ』――
声は、ちょっとした思いつきを告げる様に言ったのだった。
――『邪魔だったんですよ』――
「─────っ!!!」
レギが何かを叫びそうになった瞬間、神がその額に手をあてがい無理矢理眠らせた。
ぐったりと悟空の腕の中で眠るレギを神は苦渋の表情で見下ろした。
「…私が、迂闊だった」
「…どういうことだよ神様…、レギは一体どうしちまったんだよ!?」
「…記憶が、戻りかけているのだ。だがあのままではレギの身が保たなかっただろう」
「…レギの…記憶が…?」
固く閉じられた瞼の間からは涙の後があった。
彼女の泣いたところなど、悟空は最初に会ったあの日以来見たことはなかった。
やりきれない思いで胸が苦しくなった。
「こんな状態ですまんが、体を借りるぞ、レギ」
「でも神様…!」
「全てが終わったら、こやつの怒りでもなんでも受け入れる」
「……」
「今ピッコロを食い止める全ての責任は私にあるのだ」
「まさか…相打ちして死ぬ気じゃねえだろうな…!?」
危惧する悟空に、レギの体に入った神は、まだ血色の戻らない顔で微笑んで見せた。
「神だって命は惜しい。自殺行為をするわけにもいくまい。
心配するな、よい方法を人間が教えてくれたのだ」
不安が拭えないままの悟空を残し、神は武舞台へと歩き出す。
「…さぁて、自分と戦いに行くか…」
…………落ちていく
闇の中へ…
もっと深く
深く…
目を、背けてはいけない
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