第一章 完結
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「それを知ってしまったからにはお前にピッコロを倒すことはできんだろ。そういう割り切った考えた方が出来るとは思えんからな」
「こ、殺さずになんとかするさ!」
「そんな甘い相手ではないこともよく知っているはずだ」
それを言われて、悟空は反論できずに俯いてしまった。
一方その頃、シェンの登場の遅れに会場がざわめき始めていた。
『え…と、どうしたのでしょうか…。シェン選手!登場して下さい!試合が始まります!』
焦る審判の声にも、シェンが出てくるような気配はまだない。
『…こ、このままシェン選手が出てこなければ、マジュニア選手の不戦勝…ということになってしまいますが…』
マジュニアがギロリと審判を睨みつけた。
「いらんことをするな」
『は、はい!そうですね、もうしばらく待ってみましょう!!』
マジュニアは一人武舞台に佇み、静かにシェンが来るのを待った。
――『別に世界征服でもなんでもやりたいことやればいいよ』
『お前がこの星壊すってんなら、その度にあたしが止めてやるから』――
「……本当にこのオレを止めるというなら、早く来い…」
「さーて、ボチボチ行こうかね!」
レギが首や手や、各関節をゴキゴキ鳴らす。
「そんじゃ、行ってくるね」
「…っちょっと待てぃ!!」
「ぎゃう!?」
神にパーカーのフードを捕まれてレギは後ろへ転びそうになった。
「何すんの神様!」
「何普通に行こうとしとるんだお前は!?」
「え、シェンはあたしだし次試合だし」
「いや、試合には私が行く。お前の体を今しばらく貸してくれ!」
「やだ」
神に二の句を告がせぬ即答だった。
「あいつとはあたしが闘う」
「レギ…」
悟空が不安そうにレギを見た。
「レギ!最初にも言ったであろう!あやつは、本来なら世にあってはならない存在だ!!私が自分で解決しなければならないことなのだ!!」
レギは眉を寄せて神を見つめた。
「…あたしにはどうしても、神様がやろうとしてることが本当の正しいことだとは思えないんだよ。
あいつは生まれ変わりなんでしょ?前のピッコロ大魔王とは違うはずだよ。それをハナから悪だと決めつけるのは納得行かない」
レギの強い眼差しに神はたじろいだ。
しかし、それでも神には引き下がるわけにはいかなかった。
「…レギよ、お前は何も分かっておらんのだ…!」
「あたしは負けないよ」
「そうではない!!」
とうとう神は叫んだ。
「お前に奴を倒す気がないならなおさら!このまま放っておけば、奴は必ずこの世界を脅かす存在になるのだ!!だから、そうなる前に、」
「っ…」
何故か急に、レギはそこから先の言葉を聞きたくないと思った。
反射的に耳を塞いでしまいたくなった。
しかしそれは間に合わず、神の口から禁断の言葉が吐き出されたのだった。
「まだ力が小さい今の内に、手を打っておかねばならんのだ!!」
──ギィン…っ!!
「ぁ……っ」
「レギっ!?」
突如、凄まじい耳鳴りに立っていられなくなりレギは膝から崩れ落ちた。
倒れる寸前でとっさに悟空がレギを抱き止めた。
だが、耳鳴りは痛みも一緒になって強さを増していった。
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