第一章 完結
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「ムダだ!12の目からは逃れられん!!」
怪光線を打とうと天津飯が構えた時だった。
「わりぃな天津飯!おめえの技使わせて貰うぞ!
太陽拳!!」
「ぐあっ!?」
太陽を何倍にもしたような光りが会場に降り注いだ。
「…ほんと、小憎ったらしい技だよ…!」
悟空との修行の時、一度食らったことのあるレギはサングラスの下で苦虫を噛み潰したように眉根を寄せた。
…今思えば、それは悟空の実験だったのかも知れない…。
「あんにゃろう…」
「め…目がっ…!!」
まともに食らってしまった天津飯の目は完全にその能力を失った。
まさか、前回の大会で自分が使った技が使われるとは、天津飯も思っても見なかっただろう。
「これが弱点その1だ。おめえ目が良すぎんだ」
「ま…まさか太陽拳とは…!!」
武舞台に降り立った悟空。
しかし天津飯は声は聞こえてもその位置を捉えられない。
「おめえは目が良すぎるから目だけで相手を見てるんだ。だから、目が見えなくなるとオラの動きがほとんどわからねぇ」
「…な、なるほどな…。しかし、それはお前も同じだろう!?」
「ひひ~、残念でした~」
いたずらっぽく笑うと悟空は正面を向いたまま言った。
「後ろの天津飯、手刀でオラを狙ってる」
「な!?何故分かるんだ!?」
「色々修行したもんね。
よし、そろそろ目が元に戻ったみたいだな。遠慮なく勝たせてもらうぞ」
「…それはどうかな?オレは同じ手は二度と食らわんぞ」
「二つ目の弱点が命取りになるんだ。
四人になったのは失敗だったな!!」
悟空が武舞台を蹴る。
その時になって、天津飯はようやく気付かされた。
「し、しまっ…!!」
飛ぶように武舞台を駆け巡る悟空に、四人の天津飯はあっという間に場外へと弾き飛ばされてしまった。
「へへ…、勝った」
一人武舞台に残った悟空は静かに微笑む。
それから種明かしをしたのである。
「おめえらしくねえ失敗だったな天津飯。四人になったのはすげえ作戦だったけどさ、一人の力を四人に分けたから、攻撃も守りもスピードも、全部4分の1の力になっちゃったもんな」
「…まさか、こうもあっさり見破られるとはな…。完敗だ」
「あ、あいつあんな凄い闘いして平気な顔してら」
クリリンがひきつり笑顔で悟空達を見ていた。
「か…かめはめ波だって、たったの一発も出さずに勝っちゃったぞ…。
はは…、めちゃくちゃ強くなっちまってるし、オレより先に結婚しちまうし…全く…」
幼い頃から同じ師匠の下で修行をしてきた悟空は、クリリンにとってかけがえのない親友でもあり、よきライバルだった。
それが今、目の前で途方もないくらいの力の差を見せられ、少しの寂しさを覚えたのだった。
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