第一章 完結
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「………」
悟空はジッとシェンを見つめた。
あまりにも黙ったままなので側にいたクリリンはちょっと心配になる。
「なんだよ悟空、神妙な顔して。お前ちょっと暗くなっちまったんじゃないのか?」
「いや、そんなんじゃねえけどさ、あのシェンってのがちょっと…」
「ちょっと?ちょっと何だってんだよ?」
問われても悟空にも答えようがない。
とにかく、どうにも拭えない違和感があった。
(…あいつ、男に見えねぇんだよな~…)
野生の直感か。
『それでは第四試合、始めて下さい!!』
ヤムチャはにこやかに言った。
「構わないから、そっちからかかってきていいよ」
「え、そう?じゃ、こっちから行くよ!」
シェンが駆け出す。相変わらずひどい走り方で手刀を振り上げた。
「たあっ!!」
ヤムチャはひょいっと軽くかわす。が、またしてもシェンはよろけずっこけた。
ジタバタした足(わざと)が、ヤムチャのわき腹にヒット。
油断しまくっていたヤムチャのわき腹は完全にノーガード。
もろに入った。
「うっうおおおうっ…!?」
ヤムチャがヒィヒィ言っている間にシェンはよたよたと起き上がる。
「大丈夫?」
「は、ははは…、な、なかなかやるじゃないか!」
答えたヤムチャはちょっと涙目だった。
「いやぁ、みっともないところ見せちゃって」
「こ、怖いんだよなあ、偶然って!(みっともないのはこっちだ!!早く終わらせてしまおう…!)」
全ては、シェン(レギ)の芝居だとはヤムチャには知る由もなし。
「じゃ、じゃあ今度はこっちから行くからな。覚悟はいいかい?」
「はい、どこからでもどうぞ!」
「恨まないでくれ、よっ!」
「ひいっ!!」
──がん!!
「……あ」
シェンが小さく声を漏らした。
ヤムチャの跳び蹴りを身を低くして避けたシェンの頭で、あろうことかヤムチャは股間を強打。
結構な衝撃が伝わっていた。
(うーん、そんなつもりはなかったんだけどなぁ…)
男にとってそこは急所。
うずくまるヤムチャを見てちょっとばかし罪悪感。
「大丈夫ですか~?」
事故で起こったことなのでカウントも取られることなく、ヤムチャの回復を待つ。
武舞台ではしばらくの間、うずくまるヤムチャの腰をシェンがトントンと叩く不思議な光景が続いた。
「ヤ、ヤムチャ様、頑張って…」
見守るしかないプーアルの横で、ブルマは恋人の霰もない姿に顔をそらさずにはいられなかった。
「みっともない試合…、サイテー…」
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