第三章 前編 (編集中)
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時間は少し戻って。
「「……!」」
ドドリアの気が消えたことで、レギと別れてからずっと後方を気にしていたクリリンと悟飯は急停止した。
「…あ、レギさん…!」
「ほ、本当に、あのでがいやつを倒した……!(けど…)」
その倒し方に、クリリンの中にはしこりの様な疑念が残った。
相手となったドドリアの方がレギよりも圧倒的に強者に思えた。
ましてや片腕が使えず不利な状況のはず。それなのにこのレギの勝利は、激闘の末に辛うじて勝ち取ったもの、というにはあまりに……。
(……い、一方的な攻撃だったような……、けど、あいつがそんな、相手をいたぶりながら戦うような奴じゃないはず……)
だけど…、と何も解消しないまま次々と疑問が湧いてくる。
そうだ、ここ(ナメック星)で再会したあの時から、自分達は全く知らないレギばかり見ている。
到着したばかりの時に自分達を襲った兵士を倒した時も。
先の村で、連中とやり取りをしている時も、そこから脱出する時も…。
あの時、こちらを名前で呼ばなかったのは自分達のと関係を連中に悟らせないためだったのは明らかだが、でも、あの一団の事も一体何者なのか結局分からず仕舞いだ。
レギはたぶん、もう自分達の所へは戻らないつもりだろう。関わるなと言っていたのだから、本当にもうこれっきりかもしれない。
(……くそっ、この先どうしたらいいんだ……、せっかくレギを見付けたのに、ドラゴンボールもあったのに……これじゃあ、オレ達はなんのためにここまで……)
「……⁉」
モヤモヤと終わりの見えない考え事はしかし、新たな人物の気配で中断された。
「べ、ベジータ……!!」
どこから現れたのか、ベジータの気配がレギに接触しているのが分かった。
「や、やっぱりあいつ、ナメック星に来てたんだ…!!」
「………」
自分達が来た方角、レギがいる方を睨む悟飯。
しかし、いくらもしないで不意にその場からレギの気配だけが消えた。
あまりにも忽然と消えたので悟飯もクリリンも思わず辺りを見渡すも、当然のようにその姿はない。ベジータがレギに何かをしたような雰囲気もなかった。
それにこの消え方を、クリリンは以前にも経験したことがあった。地球で悟空が一度死んだ時に、レギがラディッツの遺体を連れて消えた時だ。
「あ、あいつ…どこに行ったんだ……⁉」
「ぜ、全然気を感じません…」
完全に気を消しているのか、自分達が感知できないほど遠くへ行ってしまったのか。ベジータの気はまだその場から動いてはいない。もしベジータがスカウターを持っていたら、今レギを探しに動くことも危険すぎる。
しかし様子を窺っていると、やがてベジータの気配が静かに動いた。自分達のいる方とは逆方向へ。
次第に離れていく気配に、ひとまず安堵しクリリンと悟飯は揃って息を吐いた。
「…い、行っちゃったみたいですねベジータ……」
「ああ……」
一時的とはいえ、脅威は去った。
でもそれは、本来の自分達の目的とは全く異なる結果になってしまっていた。
異なる結果に。
「……あ、そ、そうだ……!」
立て続けに色々と有りすぎてずっと抱えたままだったことを今更ながらに思い出して、クリリンはナメック星人の子供達を交互に見た。
「お、お前達、とりあえず怪我とかないか?」
「…は、はい」
「あ、あの、助けてくれてありがとうございます」
確認すると二人とも空を飛べる様なので悟飯もクリリンもそっと離してやると、ナメック星人の子供は浮かんで寄り添うように二人で並んだ。
「礼ならこの悟飯ってやつと…レギに、だ。オレはこいつが飛び出さなきゃ動けなかったからな」
「……あ、あの、そのレギ、という人の事ですが……」
「え?」
レギがどうしたのかと悟飯もクリリンもナメック星人の子供の言葉に集中する。
すると、二人のうち少し背の高い方がおずおずと口を開いた。
「あ、あの人は、ツフル人ですよね…?」
「え?……あ、ああ、そうだと聞いてるけど…」
クリリンも詳しく知ってるわけではないが、地球に来た悟空の兄(未だに信じられない)がレギの事をそう言っていた。
そのツフル人とここナメック星に何か関係があるとは思えないが…。
クリリンの返答にナメック星人の子供達は顔を見合わせ、意を決したように改めてクリリンと悟飯の方へ向き直った。
「その人がどこに行ったのか、ボクらは知っています」
「「っ!!?」」
「ほ、本当か!?」
思いもよらないその言葉に、クリリンも悟飯も藁にもすがる思いで詰め寄るが、
「でもまずはあなた方の事を教えてください。どこから来たのか……あ、あなた達もドラゴンボールを求めてきたのでしょう……!?」
「あ……」
ついさっき、そうやってドラゴンボールを狙ってきた連中に仲間を殺されたばかりなのだ。
彼らにとって窮地を脱したとはいえ、目の前の自分達が味方かどうか判断しかねるのは当然のことだった。
「そ、そうだな。オレ達は…」
ーーぐうぅぅ〜〜〜。
「……………」
良いのか悪いのか、絶妙なタイミングで腹の虫が鳴った。
クリリンの。
「く、クリリンさん………」
場違いなその音に悟飯が困惑するも、
ーーくきゅるるる〜〜〜。
今度は悟飯の腹からも同様に腹の虫の音が響いた。
先に固まっていたクリリンを見ていた悟飯も、自分の腹の音にそれを自覚し赤面する。
…窮地を脱したこととレギの居場所が分かるという事で気が緩み、途方もない疲れがどっと押し寄せてきたのだ。
「…………い……一度、ブルマさんの所に戻ろう…ぜ……?」
「………はい」
一刻も早くレギの居場所を突き止めたい気持ちもあるが、スカウターを持っているかもしれないベジータがうろついていてはどのみちすぐに探しに行くのは危険だ。
加えてこの疲労感。まともに集中も出来そうになかった。
「悪い。先にオレ達の隠れ家について来てくれ。今更だが、怪しいやつってわけじゃないからさ」
「は…はい」
クリリンと悟飯の様子に今一つ付いていけていなかったナメック星人の子供達は、それでも目の前の二人組は先のフリーザ達のような悪者ではないことだけは理解できたようで、ひとまずクリリンの提案には素直に頷いた。
そして、ナメック星人の子供達はそこで地球の事と、レギやクリリン達がナメック星へ来たわけを知ることとなる。
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