第一章 完結
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おいしっかりしろよ、大丈夫か?」
「…て~…」
観客席の壁に叩きつけられた匿名希望を気遣う悟空に、彼女はなんとか起き上がる。
「さすがだべ…、これほど強くなってるとは思ってなかっただよ。やっぱおらがダンナにと決めた男だけあるだよ」
武舞台に上がり隣に並んだ匿名希望。
「まだ分かんねえだか?
おら、牛魔王の娘のチチだよ!」
「チチ!!!」
悟空は度肝を抜かれて仰天した。
「チ…チチ…って…」
回想で出てきた過去の自分にチチはしっかり頷いた。
悟空は今一度記憶を呼び起こす。
「……………ヨメに……」
――『…おらたち、もうちょっとおおきくなったら、嫁に貰いにきでくれな』
『え?何をくれるって?』
『やんだー!わがってるくせに!』
『なんかようわからんけど、くれるもんならもらいにくるぞ』――
――『もらいにくるぞ』――
「あーーっ!!!思い出したぞっ!!!!」
全てを思い出して悟空は叫んだ。
「言った!!オラ確かにヨメもらいに来るって言った!!」
「やっと思い出しただか…」
チチは呆れたようなほっとしたような笑顔を見せた。
(そっか~、オラ、ヨメって食いもんのことだとばっかし思ってたのに…)
衝撃の真実を整理する悟空。
その整理に、さして時間はかからなかった。
(…ま、いいか…。約束しちゃったもんな!)
結論。
「じゃ、ケッコンすっか!」
「んだ!」
『おーっと!孫選手結婚してしまいましたーっ!!!』
未だかつてないプロポーズに会場はやんややんやと大盛り上がり。
悟空の仲間達だけがぼーぜんと武舞台を去る二人を見送った。
「くっつくなって!歩きにくいじゃねぇかよ」
「夫婦ってこういうもんだべさ」
悟空と腕を組んで歩くチチは幸せそのもの。悟空は慣れないせいでちょっと邪魔そうだった。
(やったね!チチ!!)
(ありがとうだレギさ!)
アイコンタクトで祝福すれば、ちょっと赤くなりながらチチも返事をくれた。
(…それにしても、本当に結婚しちゃうなんてね…)
たった二年離れていただけで、あのチビだった悟空が立派な青年になり、可愛いお嫁さんと結婚。
こんなことになるなんて、夢にも思ってもいなかった。
(…なんか、弟を送り出すみたいな感覚…)
そういえば、あたし兄弟っていたのかな…。
ふと、そんなことを思った。
.