第一章 完結
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武舞台に再び両選手が降り立った。
悟空の困惑は、ついに確信に迫る。
「な、なんて約束したんだ!?」
「おらのこと、お嫁に貰ってくれるって!!!」
「「い!?」」
「お、お嫁っ!!?」
(おお!おもしろいくらいに良い反応)
観客席で、そして選手側での反応に、全ての事情を知るレギは一人感心していた。
まぁ、自分もあのくらい…いやもっと吃驚したものだが。
『…よ、嫁ええええっ!?』
『ん、んだ…///』
ちょっと恥ずかしそうに俯くチチに、レギは開いた口が塞がらない。
『あ…え?……ほ、本当に?あいつが…!?あの悟空が!?』
『んだ。確かに六年前、おら達約束しただよ!!』
『…し、修行のし過ぎで記憶飛んじゃったのかな…あいつ…』
それは、レギの精一杯のフォローだった。
…いや、でもそんな大事な約束本人と会っても思い出せないのは、許せん!!
断じて許せん!!
『よし、事情は分かった。チチ、あたし応援するから!あのバカに思い出させてやれ!!』
『ほ、本当だか!?』
『もちろん!
だって昔から言うでしょ?命短し…』
『…恋せよ乙女!』
『『んだ!』』
二人は声を揃えて笑い合った。
悟空は匿名希望の爆弾発言に呆けたように彼女を見た。
「ふん!今頃やっと思い出したようだべ」
しかし、悟空は焦ったようにまくしたてた。
選手側の方へ。
「クリリン!!オヨメってなんだっ!?教えてくれっ!!」
──ごんっどべ!!!
悟空の天然過ぎる超大ボケに盛大にずっこける音がした。
レギは寄りかかっていた壁に思いっきり後頭部をぶつけていた。
「~~~~~~~っ………………かみさまぁ…」
『…なんだ?』
今までずっとことの成り行きを見守っていた神(なんか久々)は、レギの泣きそうな声に嫌な予感がしつつも返事をする。
「あの子(悟空)の頭を良く『無理だ』
悲しき即答だった。
「…チチ、本当にいいの?そのおバカで…っ」
あたしは、物凄く心配です。
「バカヤロー!!おヨメに貰うってのは結婚するってことだよ!!このやろー!いつの間にそんな可愛い子と約束したんだよっ!!!ずるいぞっ自分ばっかり!!」
叫ぶクリリンに、レギも強く頷いていた。
(ホント!あんな可愛い子を…!!)
ヤムチャがクリリンに続いて付け足した。
「夫婦になって、ずーっと二人一緒に暮らすんだぞ!悟空、それ知ってて約束したのか!?」
知ってる訳ない。
レギは強くそう断言した。
「一緒に暮らす!?おめえとか!?オラそんな約束したか!?」
ここに至って、まだ悟空は思い出せていない。
「一体誰なんだ?頼むから教えてくれよ!」
匿名希望は不適に笑った。
「ふんっ!しょうがねえ。おらに勝ったら教えてやるだよ!」
「ほんとか!?」
この試合で初めて悟空の顔に笑顔が戻った。
「へっ、もう勝った気でいるだか?!あめえぞ!おらがそう簡単にやられると思ったら大間違いだべ!!」
構えを解かず匿名希望は悟空を挑発する。
「やれるもんならやってみるだよ!!」
「じゃあ行くからな!覚悟しろよ!」
スッと腰を落とし構えた悟空。
──ドンッ!!
(…あれは…!)
レギは思わず壁から背を離していた。
悟空が繰り出した拳は、触れてもいないのに離れた所にいた匿名希望を場外まで吹き飛ばした。
それは、カリン塔で白桃桃達を追い払った時にレギが使った技だった。
(掌波…!悟空のやつ教えてもいないのにいつの間に…)
「いけねえ!やりすぎちまったかな!」
悟空は慌てて匿名希望の元へ駆け寄った。
『…あ…あの、じょ、場外…。そ、孫悟空選手の勝ち…です』
審判がようやく告げた。
だが、今の一瞬一体何が起こったのかさっぱり分からず、そばにいた亀仙人に説明を請う。
「あ、あの…今のは一体…、何もしていないのに…」
「何もしておらんことはないぞよ…。悟空は凄まじい勢いで拳を繰り出したはずじゃ…。その時に生じた衝撃波のようなものであの娘は避ける間もなく吹き飛んだ…」
悟空の見たことのない技に亀仙人も驚きを隠せないでいた。
「…妙だ…。あの技は我々魔族に近い…」
屋根の上で神妙な顔でマジュニアが呟いた。
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