第一章 完結
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白桃桃は掴まれた機械の手を手首から切り離した。
「!!」
外した手首から刃物が飛び出し、天津飯の胸を浅く裂いた。
天下一武道会では武器の使用は認められていない。
『は、反則です!!武器の使用はかたく禁じられております!!この勝負、天津飯選手の勝ちー!!』
すかさず審判が判定を下したが、白桃桃はもはや聞く耳を持たなかった。
「うるさい!!もう試合などどうでもよい!
殺してやる!殺してやるぞ天津飯!!」
「そうじゃ!!そうじゃぞ白桃桃!!殺せ!亀仙流のやつらはどいつもこいつも殺してしまえ!!」
「…やっぱりうるさいな、あの鶴帽子…」
レギはそっと寄りかかっていた壁から背を離した。
「レギさ?」
「ちょっとトイレ」
「…あなたは、武道家としての誇りも無くしてしまったのですか…!!」
「生意気言いおって、偉くなったもんだな!せいぜいほざくがいい…」
言いながらもう片方の手首も外す。
「とっておきの兵器をお見舞いしてやる、スーパーどどん波をな。今までのものとは比べ物にならん破壊力だ!!」
照準を天津飯へセットした。
だが、天津飯は逃げもせず真っ向から迎え撃つ構えを解かない。
「さあやれ!!やってみろー!!」
「命知らずの愚か者め!地獄に行ってから後悔せい!!
スーパーどどん波!!!」
放たれたスーパーどどん波が天津飯に向かって行く。
だが、
「かあっ!!!」
──どん!!
天津飯は気合いでもって、それをかき消した。
「なっ!?ば、バカな…!?」
そして、うろたえる白桃桃の鳩尾に強烈な一発を見舞い、白桃桃は倒れた。
天津飯は気絶した白桃桃を抱えて鶴仙人の所へ運んだ。
「連れ帰って下さい。そして二度と我々の前に姿を現さないで下さい。
お願いします」
「…お、おのれ天津飯!!恩を仇で返しおって!!
こうなったら、観客全員ぶち殺してくれるわ!!」
「な!?鶴仙人様っ!!」
「ふはははは!!今更謝ってももう許してはやら…」
鶴仙人の言葉は、途中で終わった。
ひたり、と誰かが鶴仙人の背中に手を押し当てていた。
「…そういうの好きじゃないねぇ、鶴帽子」
「何だと……っ!?き、貴様…!」
鶴仙人は声で、すぐに相手が誰だか分かって冷や汗を流した。
レギはとん、と鶴仙人の背中を軽く押してやる。
「体に穴が空く前に、弟連れて今すぐ消えなさい」
背中の気配が消えてから、鶴仙人は慌てて白桃桃を抱えて飛び去って行った。
(…今、誰かがいたような…)
天津飯はわずかに気配を感じていたが、鶴仙人がいなくなった後には、それらしい人影はどこにも見当たらなかった。
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