第一章 完結
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恩義
師弟
裏切り
誇り
第七話
≪第一試合・けじめ≫
「あたしは四回戦目…しばらくは見物かな」
悟空達とは距離を置き、見物を決め込む。
その横に匿名希望ことチチが並んだ。
「レギさの対戦相手…」
「おっと匿名、ボクの名前はシェンと言います」
「あっ、そうだっただ!」
「で、対戦相手って、あのヤムチャっての?」
「ああ、あの人も相当な達人だよ」
「…ふーん」
悟空と同じ胴着を着た青年を、気のない返事で受け流す。
(そういや、悟空と同じ服着てるな…前武術を習った亀仙人って人の胴着か…。とすると、もう一人同じ服着てるのがクリリン、かな…)
以前話してくれたことを思い出しながら一向に視線をやる。
「…ん?」
ふと何かの視線を感じて天津飯は振り返った。
だが、特に気になるようなものもなく正面へ向き直った。
(気のせいか…)
(…あれが天津飯、さっき白桃桃に倒された子が餃子…か)
額に一つ目の男天津飯と、餃子のことを確認してレギはキャスケット帽を深く被り直した。
『第一試合は、白桃桃選手と、前回の優勝者天津飯選手の対決です!!
では両選手どうぞ!!』
審判の紹介と選手の登場に会場は大歓声。
『では、第一試合始めて下さい!!』
「ふっふっふ、覚悟はできたか?」
「…はい」
事情を知る一同が見守る中、試合が始まった。
「しゃあっ!!!」
白桃桃が飛び出す。
しかし、天津飯はそれをあっさりかわし、手刀を食らわせた。
「なっ!?」
観客席にいた鶴仙人が驚愕した。
それは白桃桃も同じだった。
「ふ、ふははは…!!さすがにあれから少しは上達したようだな…」
笑ってはいるが、ひきつった笑みだ。
天津飯には全て分かってしまっていた。
「白桃桃様、餃子にしたことは忘れます。
もうやめて下さい」
「何だと?たったあれごときで自惚れるつもりか?」
白桃桃の目の前から天津飯が消えた。
「私はあなたが考えているより強くなり過ぎてしまったのです…」
「!!」
背後に現れた天津飯に白桃桃が慌てて振り返った。
「い、いつの間に後ろへ!?」
「…申し上げにくいのですが、先ほどの攻撃で分かってしまいました…」
「くははは、ほざきおって…!!」
再び白桃桃が飛びかかるが、攻撃は掠りもせず全てかわされていく。
ついには、繰り出された懇親の一撃を天津飯が掴み取った。
「分かって下さい。私に戦い方を教えて下さったのは鶴仙人様とあなたです。無様な負け方をさせたくありません…。
退場して下さい」
かつての先輩のためを思っての言葉。
だが、それを受け入れる白桃桃ではなかった。
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