第一章 完結
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あだ名
名付け音痴
三十分
ノー・バケモノ
第五話
≪カリン様と『やっくん』≫
そして、予選もいよいよ終盤を迎える。
悟空、天津飯、クリリンとヤムチャ。そして、ピッコロ大魔王と白桃桃も難なく予選突破。
悟空を怒鳴りつけたあの女の子も、周囲を驚かせながら予選を勝ち抜き本戦出場を決めた。
「あと一人で出場者全員が揃うわけか…」
全員の注目が集まる中、競技台に立っていたのはレギと、目と口だけが出ている覆面をした男。
レギは目深に被っていた帽子を少しだけ持ち上げ相手を確認した。
「ありゃ?…やっくんじゃない♪」
「っげ!?」
言い当てられた相手は覆面の下で呻いた。
「あははは、ま、よろしく」
レギが駆け出す。
その走り方は周囲から『よくあんなんで勝ち残れたな…』と思わせるほど酷い走り方だった。
しかし相手の覆面男はその立ち振る舞いなど関係なしに、一瞬で自分の置かれた状況を悟り大いに焦っていた。
「(ななななんでこいつがここに…!?)…ち、ちぃ!しょうがねぇ…!!」
腹を決めて構えた時、レギは突然躓いた。
もちろん、演技だが。
「わわっ!?」
「ぬっ!?」
『やっくん』が繰り出した拳は、レギがタイミングよくずっこけたことで綺麗にかわされた。
「わたたたっ!!」
──ごん!!
「っ!?」
更に、慌てて起きあがろうとしたレギの後頭部が顎にヒット。
そのまま彼は失神。起きあがることはなかった。
『70番出場決定!!』
「…いっつ~!案外石頭…もとい、石顎!」
後頭部を押さえ込むレギと倒れた男の二人に、会場は失笑冷笑大笑い。
「悪いねやっくん。あたしは勝たねばならんのだよ」
スチャ!っと二本指を揃えてジェスチャーを送り、レギはさっさと競技台から降りたのだった。
******
『やっと着いた…』
登り切って一息吐く。
ウパ達と別れて、カリン塔を登り始めて約三十分。
恐らく、史上初の最短記録を出したことなど、レギ本人には知る由もない。
『確か、カリンっていう仙猫様がいるんだよねぇ…』
『こっちじゃ。上がって参れ』
『あ』
どうしたものかと迷っていると、上から声が振ってきた。
『…う~む、いつかここを登ってくると思っておったが、とんでもないスピードじゃったのう…』
レギを待つカリンは、戸惑うような感心したような顔で唸った。
その顔は、いつもより目がつり上がって、眉間のしわも少し多い。
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