第三章 前編 (編集中)
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そして、最後の一人は…
敵か味方か
なにがどうした
第十四話
≪踏んだり蹴ったり≫
ジースと共に悟空が現れたことに驚いていたのはレギ達だけじゃなかった。
当然、クリリンと悟飯もその接近の時点で岩場に身を隠し様子を伺うが、特に悟飯は、その父親の姿を見て警戒心を高めていた。
降りたった二人はすぐに地面に転がるドラゴンボールの存在に気付いた。
「ドラゴンボールが掘り返されている!?」
「何故埋めてあった場所が…」
「おおい悟空!何やってんだよ?」
(っ!ラディッツの時といい、クリリンって時々警戒心があるのかないのか分からないな!)
クリリンがのんきなほどそう声をかけたのを聞いた瞬間レギは飛び出していた。
「なんでそいつと一緒なんだ?あのギニューって奴は?」
何の疑いもなく近付いていったクリリンに、『悟空』が手を挙げた。
「知りたいか?」
──バシィ!!
「っ!…あ、レギ!?」
寸での所でレギが間に割って入り『悟空』の攻撃を受け止めた。
「ほぅ、ここにいたか。探しに行く手間が省けた」
「お前は誰だ!?」
「な、何言ってんだよレギ、悟空だろ?どう見てもさ…」
「ち、違うよクリリンさん!そいつはお父さんじゃない!!」
「な、なんだって!?ど、どういうことだよ…!」
「信じたくないけど……ジースが一緒のところを見ると、お前はギニューか?」
「ご名答!!」(シャキーン!)
うあぁぁああ~…‼、と余りにショックの大きい事実に大ダメージを受けてレギは頭を抱えてよろめいた。気を探ればそれは一目瞭然で、一瞬、レギは目の前が真っ暗になった。
こともあろうに、悟空の姿で中身がギニュー。
さっきのベジータの言葉が嫌でも蘇る。
--『カカロットに誰を重ねているか知らんが…』--
(悪かったね!髪型とかそっくりなんだから仕方ないでしょ!!)
だがその『悟空』も、今やスカウターなんか付けて、ギニュー特有のニヤニヤ笑いを張り付かせて……。
ただでさえ大嫌いなやつが、悟空の中にいる。
瞬間的にレギの我慢ゲージがMAX達し、爆発した。
「即っっ刻その体から出て行けボケナス!!!!」
「ふははは!何を言う、こんなに条件のいい体そう簡単に手放せるか!」
「悟空本人はどこに行った!?」
「奴なら今頃どこかで野垂れ死んでいるだろうよ」
「なっ…」
何をした!?とレギが問いただすより早く、ギニューがこれ見よがしにオーバーアクションをとった。地球でいうところの歌舞伎のような動きで、カカン!などと、どこからともなく効果音まで付いてくる。
「今日ぉから!!これが!このギニュー様のぉ~!体・だあ!!!」
「ポーズをやめんかあああああっ!!」
出来ることなら全身から掌波の一空を出して細胞一つ残らず滅してしまいたい‼とレギは一瞬本気で考える。しかし滅してしまいたい本人は悟空の中にいるし、中身だけにダメージを与えるのは現状不可能だ。しかも、こちらが迂闊に手を出せないのをいいことに、ギニューもジースもニヤニヤと余裕の笑みを崩さないのが余計にレギの神経を逆撫でた。
その悟空の顔でのニヤついた表情が、もう一人の思い出したくもない人物を思い出させたからだ。
忌々しい言葉が、脳裏に甦る。
──『お前がオレの物にならねえんなら、もういいや。だが一つ、オレから未来の予言』──
(……くそったれ……!!!)
わなわなと震えるレギを見て、クリリンも悟飯も気が気が気じゃない。
「い、いつもの冷静なレギじゃなくなってる……」
「っち、完全に奴に乗せられてやがるな、遊ばれているのに気付かんのかバカが!」
「レ、レギさん!しっかり!」
「っは!」
悟飯の呼び掛けでレギは辛うじて正気に戻った。
頭も少し冷えて、決まり悪そうに俯く。
「…ち、これだからこいつは嫌いなんだよ!!(……余計なことまで思い出した…)」
「フフフ、お前のそう言うところが気に入っているんだ。オレは本気だ。改めて聞こう。我が部隊に入らないかレギ?」
そのとたんに、レギの表情が変わった。
「………どの口が……全部知ってるくせして…。その上でまだあたしを誘うとは虫酸が走るわ外道が……‼」
「フリーザ様も見込んでおられるその他にはない掌波と斬気、そしてそれらを巧みに扱う戦闘センスを買っているんだ」
「売った覚えはない」
間髪いれず、ギニューからは目を離さず低く返したレギにギニューは目をぱちくりとさせ、それから豪快に笑い出した。
「はっはっはっはっは!!確かにそうだ!ならば力ずくでモノにするしかあるまい!」
「そいつの格好で下卑たこと口にするな」
完全に目が据わり、レギが腰を落として構えれば、ギニューも同じ様に構える。
双方完全に臨戦態勢に入り、一触即発!という時にジースが空を指した。
「隊長!あの野郎が来ましたぜ」
「む?もうここへ来たか、もっと深い傷を付けておけばよかったな」
「あ……あれが悟空か…!?」
確認して、レギは愕然とした。
胸に開いた傷を庇ってふらふらと頼りなくこっちに向かってきているのは、姿はギニューそのものだったが、
「…なんてこったい…!!」
その気配は、確かに悟空に間違いなかったのだった。
(ああ、チチが見たら泣く……いや、とても見せられない…‼)
「…レ、レギ!悟飯、クリリン!そいつはギニューだ!!遠慮しねぇでぶっ飛ばしちまえ!!」
「したいのは山々だけど…」
胸の傷を抑えて叫ぶ悟空にレギは駆け寄った。
「…何があった?」
「わからねぇ…。妙な技を使われて、あいつとオラの中身が入れ替わっちまったんだ」
「入れ替わった?……それがやつの能力か……」
「ああ。だが、入れ替わっただけで力はロクに使えねえはずだ!」
悟空は自分の体に入っているギニューに向かって無敵な笑みを浮かべてやると叫んだ。
「おめぇにはオラの体は使えねぇぞ!慣れない体じゃあ界王拳どころか気の使い方だって上手くできるもんか!精神と体とを一致させなきゃ大きな力なんか出せねぇんだ…!!」
「くっくっく、このギニュー様にそんなハッタリは通用せんぞ!」
「やってみりゃ分かるさ…」
「ふ、いいだろう、今見せてやる!!」
だが、力を込めたギニューは、悟空の言うとおり全くその力を発揮できず、ジースの告げたスカウターの数値に愕然とする羽目になった。
「…に、25000……たったの、25000か……っぐが!?」
背後に移動したクリリンに気付くことも出来ず、その攻撃に簡単に吹き飛ぶ。
「ほ、本当だ…これならなんとかなるかもしれないぞ!」
「き、貴様!!」
「隊長!!」
「おっと、貴様の相手はこのオレだ」
ギニューに悟飯とクリリンが付き、焦るジースにはベジータが立ちはだかる。
形勢は一気に逆転した。
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